JPS6126609B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱応答性の改善を目的としたコンロ用
温度検知装置に関するものである。

例えば、炊事用ガス器具で加熱容器の底面温度
を検知して火力を制御するものに、ガス自動炊飯
器やガス天ぷら鍋などが既に実用されているが、
これらは単能の器具として設計され、専用の容器
を用いるもので、自力制御手段により概ね温度制
御の目的を果たしている。

一方、ガスコンコにおいては、使用される容器
の形状およびサイズが不定であり、かつ炊事の内
容によつて制御温度も広範囲にわたるため、他力
制御による熱応答性の優れた温度センサが必要で
ある。また温度センサの感熱部と容器外底面との
接触伝熱をよくし、かつ火災およびコンロバーナ
ーから侵入する熱影響を防止しないと実用に供す
ることは困難である。本発明は以上の問題点を改
善したもので、以下その実施例を図面とともに説
明する。

第１図は本発明をガス２連コンロの左方バーナ
に実施したものであり、１および２は載置される
加熱容器の外底面にそれぞれ接するよう弾性支持
された温度センサおよび遮熱筒であり、３はバー
ナである。

第２図は本発明の温度センサ近傍の断面図で、
４はバーナキヤツプ、５はバーナ本体であり、そ
の中央空腔部に弾性支持された温度センサ１およ
び遮熱筒２があつて、これらの位置規制をする案
内パイプ６がスプリング受Ａ７とともにコンロケ
ーシング８にブツシング９、ナツト１０、止めね
じ１１をもつて固定されている。遮熱筒２は上面
を開放し周囲はバーナキヤツプ４と若干の空隙を
設けた有底の円筒体で、底部には案内パイプ６に
嵌合する摺動部を形出して上下可動とし、また、
外底面にはスプリング受A′１２を溶接してあ
る。スプリング受７とスプリング受A′１２との
間に嵌装され位置規制されたスプリング受Ａ１３
により遮熱筒２を上方向に弾性支持している。１
４は帽子状のセンサヘツドで、頭頂の凹部に熱電
対の接点を埋めて合金で充填され、熱電対線の下
方は絶縁体および絶縁被覆で包まれ、案内パイプ
６の中を貫通し電気回路部に接続される。１５は
円筒状のスプリングケースで頭頂部は透孔を穿設
してセンサヘツド１４を上方に望ませ、かつセン
サヘツド１４のフランジ部に形出した複数個の突
起に接してその抜け出しを係止し、下方は複数個
の爪を形出して遮熱筒２およびスプリング受
A′１２に設けた透孔を貫通して折曲げてある。
１６は遮熱筒２の底部に支持されたスプリング受
Ｂで、これとセンサヘツド１４の間で嵌装され、
位置を規制されたスプリングＢ１７によりセンサ
ヘツド１４を上方向に弾性支持している。１８お
よび１９は遮熱筒２に穿設された通風孔であり、
さらに上記のセンサヘツド１４、スプリングケー
ス１５、遮熱筒２はそれぞれステンレスの薄板で
成形されている。

第３図は加熱容器２０が載置された状態のセン
サヘツド１４および遮熱筒２の高さ関係を示す説
明図で、スプリングＢ１７およびスプリングＡ１
３は圧縮されてセンサヘツド１４および遮熱筒２
はそれぞれ加熱容器２０の外底面に弾性接触して
いる。

上記の如く構成された本実施例につき、次の動
作を説明すると、バーナ３により燃焼が進められ
加熱容器２０を通して被調理物の温度が上昇する
と、これと僅少の差で加熱容器２０の底面の温度
が上昇する。温度センサ１は加熱容器２０の外底
面に弾性接触し、かつそのセンサヘツド１４は熱
容量が小さく、しかも上面は接触伝熱に良好な如
く形成され、他方支持体であるスプリングケース
１５およびスプリングＢ１７とは接触面積が小で
熱の散逸が少ないので、容器底面の温度と僅少の
差で追随する。

一方、火災から直接の輻射伝熱および対流伝熱
による温度センサ１への影響および温度上昇した
ときのバーナ３から輻射伝熱による同様の影響が
存在するが、遮熱筒２によつてその大部分は遮断
され、温度センサ１の熱応答性は存続される。但
し、遮熱筒２は上記の熱影響を受けるので、これ
が温度上昇すれば２次的に温度センサ１に影響が
及ぶことになるが、２次空気の自然通風力により
通風孔１９，１８を通る経路と遮熱筒２とバーナ
キヤツプ４との間隙を通る経路に通風が生じ、そ
の冷却効果により遮熱筒２の上昇温度は僅少に抑
制される。

さらに述べると、センサヘツド１４、スプリン
グケース１５、遮熱筒２はいずれも熱伝導率の低
いステンレス材で、しかも熱容量を小なる如く薄
肉で形成されているため、それぞれの伝熱抵抗が
大きく、従つて、感熱部と他の部分との温度傾斜
を大きくとり易いこと、また加熱量変更に伴う温
度変化にも追随し易いことでセンサヘツド１４の
熱応答性に寄与している。

次にコンロの使用に際して加熱容器が形状とサ
イズが一定しないことは、これと接するセンサヘ
ツド１４の高さがある範囲内で変動し、これを吸
収すべく弾性接触としても、温度センサ１を単独
で支持した場合においては、その接触圧力に変化
を生ずる。本実施例においては、先ず遮熱筒２を
弾性支持し、その定まる高さの底部にセンサヘツ
ド１４を弾性支持したもので、スプリングＢ１７
の撓みがほぼ一定となり、センサヘツド１４の接
触圧力が安定する。すなわち、通常に用いられる
加熱容器は形状とサイズを異にしてこれを載置さ
れて状態でのセンサヘツド１４上面と、遮熱筒２
の上縁とは同一平面に近接しつつ上下に変化する
ものである。

以上説明した如く本発明によれば、温度センサ
の制御性に外乱要因として作用する火災からの輻
射伝熱と対流伝熱、およびバーナヘツドからの輻
射伝熱と煮汁の付着を遮熱筒により遮断し、遮熱
筒の温度上昇は２次空気の自然通風を利用した冷
却作用により抑制し、温度センサの応答性を改善
したものであり、また通常使用される範囲で加熱
容器の形状とサイズが変化しても、センサヘツド
の容器に対する接触圧力が安定し、温度センサの
応答性を害することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施したガスコンロの斜視
図、第２図は温度検知装置の断面図、第３図は加
熱容器を載置したときの説明図である。 １……温度センサ、２……遮熱筒、１４……セ
ンサヘツド、１８，１９……通風孔、２０……加
熱容器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. バーナ上の加熱容器外底面の温度を検知する温
   度センサを筒状の遮熱筒で囲み、この遮熱筒を、
   上記バーナの二次空気上昇路に支持部に弾性支持
   させて配置するとともに、同遮熱筒には通風孔を
   形成し、さらに温度センサを弾性支持させたコン
   ロ用温度検知装置。