JPS5939693B2 - 温度センサ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は炊事用ガス器具などで加熱容器に接触させて用
いる温度センサの熱応答性の改善に関するものである。

従来、炊事用ガス器具などの温度制御手段としてはバイ
メタル、液膨式ベローズ、ソフトフェライト等による自
刃制御手段が多く用いられて来たがこれ等は熱応答速度
が遅く、ガスコンロによる炊事の如き複雑な加熱サイク
ルで、かつ制御温度の設定範囲を広く要求されるものに
使用することは困難であった。

従って、サーモカップルまたはサーミスタを利用した他
力制御手段も最近は一部で試みられているが、これに用
いる温度センサにおいて加熱容器の不連続的な温度変化
に伴って履歴温度差を生じ、また感温部とその支持体と
の間における熱の侵入や流出、さらに感温部周囲空間か
ら浸入する輻射熱や対流熱の影響を受け、熱応答性を阻
害する問題があった。

従って、本発明はこれ等の欠点を改善すべくなされたも
ので、以下その実施例を図面さともに説明する。

第１図は本発明を実施したガス２連コンロの斜視図で、
左方のバーナ１に温度センサ２が装設され、前面には点
火装置、火力制御装置、温度制御装置の各操作部が配置
されている。

第２図はガスコンロに載置された加熱容器３に温度セン
サ２が弾性接触された状態を示す部分図で、４はゴトク
、５は温度センサ２を囲繞して設けられた遮熱筒である
。

第３，４図は温度センサ２の詳細図であり、２ａはステ
ンレス薄板で成形され、その上面凹部にサーモカップル
の温接点を銀または銅の合金で埋め込んだ円帽状のセン
サヘッドで、その鍔部に複数個の突部を形出して、同じ
くステンレス薄板で成形されたセンサカバー６に点接触
で掛止される。

１は絶縁体８、絶縁被覆９に包まれた熱電対線で、その
延長は電気回路（図示せず）に接続される。

１０はスプリング受筒１１に支持されたスプリングで、
上にセンサヘッド２ａを弾性支持する。

１２はスプリング受筒１１に設けた複数個の通風孔であ
る。

センサカバー６はスプリング受筒１１に外接して上下可
動とし、かつ、これに掛止させるよう下部（こ形出した
折曲片１３によって上方位置を規制される。

１４はセンサカバー６より切起し形成した複数個の切曲
片Ａで、センサヘッド２ａのセンサカバー６に対する突
出寸法の下限を規制すると共に通風孔１５を形出する。

上記の如く構成された本実施例につき、次の動作を説明
すると、バーナ１により燃焼が進み、加熱容器３を通し
て被調理物の温度が上昇すると、これに僅少の差で加熱
容器３の底面の温度が上昇する。

センサヘッド２ａはその容器底面に弾性接触して接触伝
熱良好で、かつその熱容量が小さく、また支持体である
スプリング１０およびセンサカバー６とは接触面積が小
で熱の流出が少いため、容器底面の温度変化によく追随
する。

次（こ被調理物の加熱が続くに従い、バーナ火炎および
バーナ１からの輻射熱ならびに対流熱により、センサカ
バー６が昇温して温度センサ２ａに侵入する熱流の影響
が存在するが、２次空気の自然通風力によって、センサ
カバー６の周囲および内部を空気が通過し、この冷却作
用によりセンサカバー６の昇温を抑制する。

またセンサヘッド２ａおよびセンサカバー６はステンレ
ス薄板で形成されたもので、その熱伝導率が低く断面積
が小さいので、熱の伝導が小さく、前記の熱影響低減に
有利である。

また加熱容器３が載置されてセンサヘッド２ａが降下し
た際、センサカバー６の下降が摩擦などで阻害されると
、センサカバー６が残留して加熱容器３に接触し、昇温
することとなるが、切曲片Ａ１４でセンサヘッド２ａの
最小突出寸法を規制しているのでこれを防止する。

第５図は他の実施態様を示す部分切欠正面図、第６図は
その斜視図でスプリング受筒１１の周囲に複数個の長方
形の孔１６を設け、これとセンサカバー６の下部に設け
た複数個の切曲片Ｂ１７を掛止させ、かつこれ等を通風
孔１２′として兼用せしめたもので、その作用は前記の
ものと同様である。

以上説明した如く、本発明は、温度センサーの感熱部を
被検知物と接触伝熱良好なる如く形成しこの感熱部から
支持体への熱の流出を防ぐような構成としたので、感熱
部は被検知物の温度に近接してよく追随し、その温度上
昇が不連続的な場合にも履歴温度差を生ずることが少な
い。

またセンサカバーに加熱容器から接触伝熱が侵入するこ
となく、火炎やバーナなどから侵入する１次的または遮
熱筒を経由した２次的の輻射熱と対流熱は、自然通風力
を有する燃焼２次空気を通過させてセンサカバーを冷却
して昇温を抑制し、感温部に対する外乱主因を低減した
ので応答性の良い温度センサを提供することができる。

また本発明はセンサカバーに切曲片を設けて通風孔を形
成し、この通風孔を介してセンサカバー内を大気と連通
させるとともに、上記切曲片でセンサヘッドのセンサカ
バーからの突出寸法の下限を規制する構成としたもので
あるので、通風孔による冷却上センサヘッドの加熱容器
との良好な接触が保障できるだけでなく、通風孔と規制
部が一体に形成でき、その分コンパクトなものになるの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の温度センサを採用したガス器具の斜視
図、第２図は加熱容器を載置した状態での部分拡大図、
第３図は本発明の実施例における温度センサの断面図、
第４図は同斜視図、第５図は他の実施例における一部欠
截側面図、第６図は同斜視図である。 ２ａ・・・・・・センサヘッド、６・・・・・・センサ
カバー、１０・・・・・・スプリング、１１・・・・・
・スプリング受筒、１２．１２’・・・・・・通風孔、
１６・・・・・・長方形の孔。 １１・・・・・・折曲片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ センサヘッド、同ヘッドを被検知物に弾性接触させ
   るスプリング、このスプリングを支持するスプリング受
   筒、上記スプリング受筒を摺動可能に支持するセンサカ
   バーとを有し、上記センサヘッドをセンサカバーに対し
   て点接触させるとともに、このセンサカバーには切曲片
   を設けて通風孔を形成し、この通風孔を介してセンサカ
   バー内を大気と連通させるとともに、上記切曲片で上記
   センサヘッドのセンサカバーからの突出寸法の下限を規
   制する構成とした温度センサ。 ２ スプリング受筒に設けた長方形の孔に、センサカバ
   ーより切起した切曲片を掛止させ、かつ、これら孔およ
   び切起口を通風孔に兼用した特許請求の範囲第１項記載
   の温度センサ。