JPS6122261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、被加熱容器の外底面の温度検知で、
温度御を行うコンロの温度センサの構造に関する
ものである。

炊事用ガス器具で被加熱容器の底面温度を検知
して火力を制御するものに、ガス自動炊飯器やガ
ス天ぷら鍋などが既に実用されているが、これ等
は、単能の器具として設計され、専門の容器を用
いるもので、自動制御手段により、おおむね温度
制御の目的を果している。

一方、ガスコンロにおいては、使用される容器
の形状およびサイズが不揃であり、且、炊事の内
容によつて制御温度も広範囲にわたるため、他力
制御により熱応答性の優れた温度センサが必要で
ある。すなわち、温度センサの感熱部と被加熱容
器外底面との接触部になる被加熱容器（以下容器
とする）外底面の中央部は、凹状に又凸状に湾曲
されている物が多い。従つて温度センサの感熱部
の形状によつて容器と接触による伝熱を良くし、
温度センサの温度精度を向上するもので、また、
温度センサの温度変化が生じても、感熱部のセン
サの取付けが確実で信頼性の高いものである。

本考案の実施例を図面とともに説明する。

バーナ１、遮熱筒２の中央に温度センサ３が配
設されコンロのバーナハリ４にビス５で固定され
たセンサ取付台６の挿入孔７，７′にパイプより
なる案内シヤフト８挿入し割ピン１で抜けを防
ぎ、案内シヤフト８に固設したスプリング受１０
とセンサ取付台６の間のスプリング１１をセツト
し、常に、案内シヤフト８を上方に付勢してい
る。

案内シヤフト８の上端は、張出部１２を溶接に
より設けている。１３は、薄板のステンレス製の
感熱ヘツドで、上面は第２，３図に示すよう、僅
か凹状に湾曲し、下端に複数個所で爪１４を有し
ている。

なお、感熱ヘツド１３は張出部１２に入れた後
爪１４を折り曲げて、スプリング１５で飛び出さ
ないよう抜け止めを行う。張出部１２と感熱ヘツ
ド１３はスライド可能な間隙１６を有し、感熱ヘ
ツド１３を規制させた範囲で可動できるようスプ
リング１５によつて弾性保持している。ここでス
プリング１１とスプリング１５の初圧縮力は、前
者が少し強くしている。

１７は、センサであり、負荷性感温抵抗体等か
らなる。センサ１７はアルミナ等の絶縁基板１７
１の下面に電極膜１７２と炭化珪素等から感温抵
抗体膜１７３を形成し上面は、メタライズ層１７
４を形成し感熱ヘツド１３とロウ付１７５され
る。

１８は、センサ１７の電極からのセンサリード
線、１９は感熱ヘツド１３の複数本の取付足１９
２で溶接されるセンサ金具で、下面に２個の切り
起し片１９１を設けている。２０はアルミナ、窒
化珪素、マイカ等からなる絶縁性の絶縁板であ
る。絶縁板２０は取付孔にセンサ金具１９の切り
起し片１９１を貫通してネジリカシメにより保持
され、端子２１を保持層２１１で固定する。端子
２１は、センサリード線１８を引出リード線２２
にスポツト溶接等で固定する。引出リード線２２
の他方端は、電気回路（図示せず）と接続され、
温度センサ３の信号でもつてコンロの温度制御を
行う。

次に動作について説明すると、一般に家庭で使
用している容器外底面は、真の平面であるとは限
らず、凹状又は凸状に湾曲されたものが多い。

この容器外底面の各種形状に対応するため、温
度センサ３の感熱ヘツド１３の上面を、僅か凹状
に湾曲させ、感熱ヘツド１３の外周部１３１で、
常に安定して、各種形状の容器外底面と接触を行
い、中央部１３２は、容器の輻射で熱を受熱する
ようにし、温度センサ３と容器の接触条件を一定
とした。

もし、温度センサ３と容器の接触において、感
熱ヘツド１３の中央部のみで接触し、外周部と容
器とに隙間が生じると、バーナ１の輻射熱により
感熱ヘツド１３は、容器外底面より高温となり、
温度に対する精度が悪化する。次に、上面が凹面
に湾曲形成された感熱ヘツド１３は、バーナ１に
より加熱されれば、熱膨張により伸びようとする
が、感熱ヘツド１３はキヤツプ状をなしているた
め、外周部１３１の機械的強度より、平面状態に
なろうと作用する。この時、感熱ヘツド１３にロ
ウ付１７５されたセンサ１７の絶縁基板１７１に
は、圧縮応力が働くようになる。一般に、アルミ
ナ等の絶縁基板１７１は、圧縮強度には強く、引
張強度には弱い性質（圧縮強度は引張強度の約
100倍の大きさ）を有している。従つて、感熱ヘ
ツド１３とセンサ１７との接合部に応力が加わつ
ても、圧縮強度の強い方に作用するため確実な取
付けが可能である。

さらに本考案は、感熱ヘツド１３に容器外底面
が傾斜して接触しても、先ず、前記外底面に沿つ
て感熱ヘツド１３は、スプリング１５を圧縮して
外周部１３１で密接する。次にスプリング１１は
スプリング１５より強いので容器の重さを受け
て、案内シヤフト８がスプリング１１を圧縮し、
センサ取付台６の孔７７′中へ真直ぐ押し下げら
れる。また、容器を温度センサ３に載置し、容器
が中央に位置しなく、前後左右方向にずらされて
も、容器のずらす力が感熱ヘツド１３上面にかか
り、また、スプリング１５も同時に感熱ヘツド１
３上面に付勢しているため、相方の力のモーメン
ト差が生じなく両者の接触も悪くならないで、常
に感熱ヘツド１３は、容器外底面に外周部１３１
で密接したまま追随する。従つて容器が傾いて置
されたり、載置後、ずらされても容器外底面と温
度センサ３とは、各種容器と一定条件で密接さ
れ、常に良好な温度検知を行う。

よつて、容器外底面の温度センサとの接触部が
各種形状でも、感熱ヘツドを僅か凹状に湾曲させ
た事により、対応でき、常に一定条件で接触し、
安定した正確な温度感知が可能である。さらに、
感熱ヘツドを案内シヤフトの上端で弾性保持して
いるため、容器外底面と良好な接触が得られ、ま
た、キヤツプ状をなし、上面を凹面に湾曲形成し
た感熱ヘツドにセンサをロウ付することで、熱膨
張により応力にも安定した取付けができ信頼性に
優れた応答も早い。さらに、サーミスタ等の感温
抵抗体は、温度に対する出力が大きく、電気回路
で大巾な増巾の必要もなく、安価なコンロ用温度
制御装置を製作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における温度センサ
を取付けた状態の断面図、第２図は同温度センサ
の要部拡大断面図、第３図は本考案の他の実施例
を示し感熱ヘツドの断面図である。 ３……温度センサ、６……センサ取付台、８…
…案内シヤフト、１１……スプリング、１３……
感熱ヘツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤツプ状をなした感熱ヘツドと、絶縁基板の
   表面に感温抵抗体を形成したセンサと、センサ取
   付台に支持された案内シヤフトと、前記案内シヤ
   フトと前記感熱ヘツド間とを弾性保持するスプリ
   ングとを有し、前記案内シヤフトの上部に間隙を
   介してスライド可能に前記感熱ヘツドを配設する
   とともに、前記感熱ヘツドの上面を凹状に湾曲形
   成し、その裏面側中央に前記センサをロウ付によ
   り取付けなるコンロ用温度センサ。