JPS5927459Y2 - 手摺りの立設装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ベランダ、ビルおよび多層階住宅の屋上では第８図に示
すように屋上壁Ａの周縁部に水返し用の堰壁部Ｂを立設
するが、該堰壁部Ｂが外部露出しているとヒビ割れ等を
生じるに伴って屋上壁Ａに雨水がしみこむために、一般
には堰壁部Ｂにアルミニウム製等の笠木Ｃを被冠してお
り、従って手摺りＤはこの堰壁部Ｂよりも内側に立設す
るのを普通とする。

かかる構造では手摺りＤの外周部にかなりのデッドスペ
ースが生じ、屋上スペースがそれだけ挾くなる。

又、手摺りＤは一般に第９図の如く屋上壁Ａの上に鉄子
摺りＤの支柱Ｅを立て、この支柱Ｅをコンクリ−）Ｆに
て根回きして立設するが、屋上壁Ａの表面には既でに下
地モルタルＧ、防水処理Ｈおよび仕上げモルタルＩが施
こされていて上記根回き用コンクリートＦとの結着力が
悪いために該コンクリ−１−Ｆの屋上壁Ａに対する固着
性に劣り、手摺りＤの支持が強度的に不安定となる難点
があった。

本考案はかかる点に鑑み、手摺りを笠木との一体構造に
よって堰壁部上に設置するようにしたものであり、これ
によって手摺りの設置と堰壁部に対する笠木の取付けと
を一挙に行なえるようにすると共に、手摺りの支持強度
を堅牢化し且つ屋上スペースの増大を図るものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明すると、本
考案では第２図のように下向きコ字状を呈する取付用金
物１と、第３図のように横壁部２ａが後記する笠木の横
壁部と同一傾斜角度を有する斜壁部とされた鞍形接続用
金物２が用いられる。

そして、第４図のように取付用金物１にはその横壁部１
ａの下面にアンカー３が溶接止めされ、堰壁部４の構築
に際して該堰壁部４内にアンカー３を埋入させて該取付
用金物１が堰壁部４に被冠状態に固着される。

一方、手摺り５は上梓受板６の下面に支柱７の上端を当
てつけ、この上梓受板６を通して支柱７のビスポケット
にビス８を螺着且つ緊締したのち上梓受板６に上枠９を
係嵌して組立てられ、この組立て時に略下向きコ字状断
面を呈する笠木１０が支柱７下端に当てつけられると共
に、この笠木１０の横壁部１０ ａ下面に前述の接続用
金物２が当てつけられ、この接続用金物２と笠木１０を
通して支柱７のビスポケットにビス１１を螺着且つ緊締
することで手摺り５に笠木１０および接続用金物２が一
体装備される。

尚、ビス止め８，１１の他に第４図のように上梓受板６
と接続用金物２とに支柱７内を通る連結ボルト１２を配
設してナツト止め１３すれば、この連結ボルト１２によ
って手摺り５の組立強度、笠木１０および接続用金物２
の手摺り７への取付強度が向上する。

かくして組立てられた手摺り５、笠木１０および接続用
金物２の一体物は第５図に示すように接続用金物２が取
付用金物１に跨嵌する状態で堰壁部４上に取付けられ、
面金物１，２の側壁部１ ｂ、２ ｂ同士を溶接１４す
ることで手摺り５が堰壁部４上に立設固定される。

又、この状態では笠木１０が面金物１，２を内部に包覆
するかたちとなり、次に堰壁部４の側面にモルタル１５
．１５を塗ると共に、該モルタル１５と笠木側壁部１０
ｂとの間にコーキング材１６を充填して防水処理を行な
う。

これによって堰壁部４の頂部に笠木１０が被嵌され、該
笠木１０の上に手摺り５が立設された外観が得られる。

又、上記では取付用金物１をアンカー３との溶接によっ
て堰壁部４に固着したが、第６図のようにホールインア
ンカー、ドライピットの如く基礎植込杆１７を取付用金
物１の横壁部１ａを貫通して堰壁部４に打込んで固着す
るようにしても良く、堰壁部４が軽量発泡コンクリート
から製作されている場合には第７図のように取付用金物
１の側壁部１ｂ、ｌｂおよび堰壁部４を貫通するボルト
１８とナツト１９とにより固着しても良く、此等の固着
方法では堰壁部４の構築後に取付用金物１を該堰壁部４
に固着できる。

更に第７図のようにボルト１８・ナツト１９を使用した
ために、接続用金物側壁部２ｂと取付用金物側壁部１ｂ
との間隔があいた時にはボルト１８の頭部を利用して溶
接１４したり、適当な補助金具２０を介在させて溶接１
４する。

以上詳述したように本考案は、手摺りに笠木と接続用金
物とを固着して、堰壁部頂部に被冠且つ固着した取付用
金物に対し上記接続用金物を跨嵌すると共に、面金物を
相互溶接して堰壁部上に手摺りを立設するものであるか
ら、堰壁部に対する笠木の取付けと手摺りの立設とが同
時に行なえ、笠木の取付けと手摺りの立設との２重作業
を要しないから、作業手数を大幅に削減し、これに要す
る費用を少なくできる。

笠木は手摺りに一体に取付けられるものであるから、こ
の一体物を工場生産しておくことにより、輸送および堰
壁部に対する取付は作業を簡便化し得ると共に、堰壁部
に笠木を固着するだけで手摺りの立設も行なえ、従来の
ようなコンクリートによる根回き工事を要しないから、
一層作業上およびコスト上のメリットが生じ、同時に手
摺りの支持強度が増大し、安全な手摺りが得られる。

手摺りを堰壁部上に立設するから、従来に比べてベラン
ダ、屋上スペースを広く取ることができ、有効なスペー
ス利用を可能にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案における手摺りの立設状態を示す外観図
、第２図は本考案に用いる取付用金物の外観図、第３図
は接続用金物の外観図、第４図は手摺りの立設方法を示
す動作説明図、第５図は立設状態における縦断側面図、
第６図および第７図は本考案の応用例を示す要部の縦断
側面図、第８図は従来の手摺り立設状態を示す概略図、
第９図は従来の手摺りの支持構造を示す図である。 １・・・・・・取付用金物、１ｂ・・・・・・フランジ
部、２・・・・・・接続用金物、３・・・・・・アンカ
ー、４・・・・・・堰壁部、５・・・・・・手摺す、６
・・・・・・上枠受板、７・・・・・・支柱、１０・・
・・・・笠木、１２・・・・・・連結ボルト、１４・・
・・・・溶接部、１７・・・・・・基礎植込杆、１８゜
１９・・・・・・ボルト・ナツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １、手摺りの支柱下端間に笠木が固着されると共に、こ
   の笠木の内部下面に鞍形接続用金物が一体固着され、屋
   上壁等の堰壁部頂部に被冠して固着された取付用金物に
   上記接続用金物を跨嵌し且つ両金物を溶接止めして上記
   堰壁部上に手摺りを立設してなる手摺りの立設装置。 ２、手摺りはその支柱内に連結ボルトを挿通させ、この
   連結ボルトによって上梓受板を支柱上端に、笠木および
   接続用金物を支柱下端にそれぞれ引付は固着してなる実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載の手摺りの立設装置
   。 ３、取付用金物は該金物に溶接されたアンカーを堰壁部
   内に埋入して固着されている実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載の手摺りの立設装置。 ４、取付用金物は該金物を貫通して堰壁部に打込んだ基
   礎植込杆にて固着されている実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の手摺りの立設装置。 ５、取付用金物は該金物および堰壁部を横方向に貫通す
   るボルト・ナツトにより固着されてなる実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の手摺りの立設装置。