JPS5922048Y2 - 脱酸素剤包装体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は微多孔膜を用いた脱酸素剤包装体に関する。

近来ポリオレフィン樹脂を加工した微多孔膜の開発が盛
んに進められている。

この膜は紙のように大きな通気性を有する為、脱酸素剤
の包装袋としての利用が期待される。

ところがこの微多孔膜は、素材がポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン単体であるため膜の外側か
ら加熱圧着する通常の包装機械を用いた場合にはヒート
バー或いはヒートロールに膜が融着するためヒートシー
ルする事が不可能であり、インパルスシーラーの様な特
殊なシーラーを必要とした。

しかもこの様な特殊なシーラーを用いた場合は従来の様
な高速充填包装は不可能であり大巾な能率の低下を覚悟
しなければならなかった。

また微多孔膜の殆んどは包材強度が弱く、脱酸素剤を包
装するのに充分な高通気性を有しながら、包材強度が不
足するため実用に供することができないものが大部分で
ある。

本考案は、微多孔膜のこれらの欠点を克服し、従来から
用いられている機械をそのまま用いても脱酸素剤の高速
充填を可能にすると共に包材を補強し、充分な強度を持
たせた形にし、脱酸素剤を包装したものである。

すなわち本考案は微多孔膜と通気性を有し微多孔膜より
も軟化点の高いシートとを貼り合わせてなる包装材料を
脱酸素剤の包装材料の全部又は一部として用い、微多孔
膜を内側にして脱酸素剤を包装し、シールしてなる脱酸
素剤包装体である。

本考案において用いられる微多孔膜は一般にマイクロポ
ーラスフィルムと呼ばれるものである。

これらは通常、微細孔を有しガーレ一式透気度０゜０１
〜１００００ＳｅＣ／１００ｍ１、好ましくは１〜１０
００ｓｅｃ／１００ｍ１であって常圧で水を通さないも
のである。

微細孔は０．０１〜５０μ、最大細孔径２μ以下が好ま
しい。

本考案で用いる微多孔膜は例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリフッ化エチレン樹脂などで例示される合
成樹脂のフィルムの冷間延伸、異物を含有するフィルム
の延伸、異物を含有するフィルムからの異物抽出、異物
を含有するフィルムからの抽出後の延伸、不織布の積層
、繊維の束の交錯分散後の熱プレス、フィルムへの電子
線等の照射などによって得られる。

例えばジュラガード（米、セラニーズ社製）、ＦＰ−２
（旭化戒製）、Ｎ０Ｐ（８本石油化字型）、ニドフロン
ＮＴＦ（日東電気工業型）、セルポア ＮＷ ０１
（積木化学製）、ボーアテックス（米、ボーア社製）、
ポリフロンペーパー（ダイキン工業製）、タイベック（
米、テ゛ユポン社製）などがあげられる。

本考案において微多孔膜と貼り合わせるシートは通気性
を有し微多孔膜よりも軟化点の高いシートであればよく
、例えば紙、不織布、微多孔膜よりも軟化点の高いシー
トに孔をあけたものなどがあげられる。

本考案の脱酸素剤包装体は微多孔膜と上記のシートとを
貼り合わせてなる包装材料を用い微多孔膜を内側にして
脱酸素剤を内側にして脱酸素剤を包装しシールしてなる
脱酸素剤包装体である。

ここで用いる包装材料は脱酸素剤の包装材料の一部とし
て用いてもよいが全部が好ましい。

本考案の包装体は微多孔膜の長所を生かし、がつ通常の
ヒートシーラーを用いての高速充填を可能にしたもので
あり、また包材の強度が大であるため包装体の破れる危
険性がないものである。

以下に図面により例示して説明する。

第１〜２図は本考案の包装体の一例の断面図を示したも
のであり、第１図は微多孔膜を貼り合わせた包装材料を
全部に用いた例、第２図は一部に用いた例である。

図中、１は脱酸素剤、２は微多孔膜、３は通気性を有し
微多孔膜よりも軟化点の高いシートであり、４は他の包
装材料である。

また第３〜６図は本考案の包装体に用いられる微多孔膜
を貼り合わせた包装材料の例の断面を示したものであり
、いずれも微多孔膜２を内側にして脱酸素剤を包装する
ものである。

図中、２，３は第１図と同様であり、５は微多孔膜より
も軟化点の高いシートに孔をあけたものであり、６は微
多孔膜よりも軟化点の低いフィルムに孔をあけたもので
ある。

第３〜４図の２と３．２と５は熱圧着又は糊もしくは接
着剤等で貼り合わせたものである。

第５図は６の軟化点以下の熱をかけ２と３とを貼り合わ
せることにより、２の特長を損なうことなく外側から加
熱可能な材料としたものである。

第６図は２と５とを６をはさんで貼り合わせたものであ
り、例えば微多孔膜よりも軟化点の高いシートと低いシ
ートとを予め貼り合わせたもめに孔をあけ通気性を持た
せた後、２の軟化点以下、６の軟化点以上の温度で２と
貼り合わせることによって得られる。

２の軟化点以上、５の軟化点以下の温度にヒーターの温
度を設定すれば機械によるヒートシールが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１〜２図は本考案の包装体の断面図、第３〜６図は本
考案の包装体に用いられる微多孔膜を貼り合わせた包装
材料の断面図を示したものである。 図中、１は脱酸素剤、２は微多孔膜、３は微多孔膜より
も軟化点の高いシート、４は他の包装材料、５は微多孔
膜よりも軟化点の高いシートに孔をあけたもの、６は微
多孔膜よりも軟化点の低いフィルムに孔をあけたもので
ある。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）微細孔を有しガーレ一式透気度が０゜０１〜１０
   ０００ＳｅＣ／１００ｍ１、であって常圧で水を通さな
   いものである微多孔膜と通気性を有し微多孔膜よりも軟
   化点の高いシートとを貼り合わせてなる包装材料を脱酸
   素剤の包装材料の全部又は一部として用い微多孔膜を内
   側にして脱酸素剤を包装し、シールしてなる脱酸素剤包
   装体。
2. （２）シートが微多孔膜よりも軟化点の高いシートに孔
   をあけたものである実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の包装体。
3. （３）微多孔膜とシートとが通気性を阻害しない糊また
   は接着剤により貼り合わせてなる実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の包装体。