JPS591572B2 - 管路の内張り方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、管路の内面に柔軟な筒状の内張り材を貼りつ
けて接着する方法に関するものであつて、内張り材を流
体圧力を作用させつつ反転挿入し、管路内面に貼りつけ
る方法の改良に関するものである。

従来、内張り材を管路内へ反転挿入して貼りつける力法
が知られている。

この方法においては、予め管路又は内張り材の内面に接
着剤を塗布しておき、この接着剤を介して内張り材と管
路とを接着する。この場合、管路の内面に接着剤を塗布
しておくと、塗付後時間が経つと管路の低い部分に接着
剤が流下し、上側の接着剤が薄くなり、充分な接着力が
得られない。又一方、内張り材の内面に接着剤を塗付す
ることも考えられ、本件出願人等はこの力法について検
討を続けているが、内張り材の内面に均一に接着剤を塗
付するのが困難であり、必ずしも満足はしていないのが
現状である。又、管路内面に樹脂液を噴霧塗付し、該樹
脂液を固化させてライニングとする工法も考えられ、そ
のための噴霧装置も多数提案されているが、この工法は
先に述べたと同様に樹脂液が低い部分に滞溜し易く、ラ
イニングの厚みにむらが生じ易い。而して本発明は、内
張り材を管路内へ反転挿入する工法と、管路内面に接着
材を噴霧塗付する工法とを結合することにより、管路内
面に均一で且つ極めて良好な内張りを施す方法を提供せ
んとするものである。ところで、このように管路内面に
接着剤を塗布しつつ内張り材を管路内に反転挿入して内
張りする場合、内張り材が反転する位置と接着剤を管路
内面に塗布する位置との位置関係が厳密に設定されてい
る必要がある。

すなわち、内張り材の反転位置と接着剤の塗布位置とが
接近し過ぎると、内張り材の反転部分が接着剤の塗布装
置に衝突して内張り材の反転挿通に支障が生じ、また逆
に両者が離れ過ぎると、塗布した接着剤が下方に流下し
、接着剤の塗布量にむらが生じる。従つて、接着剤の塗
布位置は、内張り材の反転位置の直前であつて、且つ両
者をほと等速度で移動させることが必゛要である。とこ
ろが、接着剤の塗布位置も内張り材の反転位置も、共に
地中に埋設された管路内にあるため、それを外部から目
視することは不可能であり、前述のような位置関係を設
定することは、現実には極めて困難なのである。

本発明はかかる事情に鑑みなされたものであつて、接着
剤の塗布位置及び内張り材の反転位置を管路の外から設
定し、両者の間隔を接近させ且つ＝定に保ちつつ内張り
することを目的とするものである。

而して本出願の第１の発明は、柔軟な内張り材を反運挿
入により管路内面に内張りする方法において、前記管路
の一端部において内張り材を反転速度調整装置を通して
―定速度で管路内に送り込むと共に、前記内張り材の折
り返し部分の直前部に噴霧装置を配し、該噴霧装置に連
結した紐状体を、管路の前記他端から、前記返転速度調
整装置による内張り材の送り込み速度の１／２の速度で
索引することにより、噴霧装置を前記内張り材の折り返
し部分の直前部を、該折り返し部分とほと等速度で管路
内を進行せしめつつ、該噴霧装置により前記管路の内面
に接着剤を噴霧塗布し、該接着剤を介して内張り材を管
路内面に圧着することを特徴とするものであり、また第
二の発明は前記方法において、前記内張り材内に紐状長
尺物を挿通し、前記折り返し部分に流体圧力を作用させ
つつ該折り反し部分から突出する紐状長尺物を管路の前
記他端側がら索引することにより前記内張り材を反転せ
しめると共に、前記内張り材の折り返し部分の直前部に
噴霧装置を配し、該噴霧装置に連結した紐状体を、管路
の前記他端から、前記紐状長尺物の索引速度の１／２の
速度で索引することにより、噴霧装置を前記内張り材の
折り返し部分の直前部を該折り返し部分とほＳ等速で管
路内を進行せしめつつ、該噴霧装置により前記管路の内
面に接着剤を噴霧塗布し、該接着剤を介して内張り材を
管路内面に圧着することを特徴とするものである。

第１図は本発明の一実施例を示すものである。

第１図において１は管路、２は内張り材、３は加圧反転
装置である。加圧反転装置３には柔軟な誘導管４が結合
され、該誘導管４の先端は管路１の一端に結合されてい
る。内張り材２の先端は管路１の一端に環状に固定され
ており、誘導管４及び加圧反転装置３を経て、加圧反転
装置３の後端のスリット５を通つて後方に延びている。
この内張り材２の自由端には柔軟な紐状長尺物が接続さ
れており、該紐状長尺物及び内張り材２はリール６に捲
回されている。７は反転速度調整装置である。

８は噴霧装置であつて、紐状物９の一端に結合されてい
る。

該紐状物９は管路１内を通り、管路１の他端からガイド
１０，１１を経て巻取り機１２に捲回されている。１３
は紐状物９の引取り装置である。

本発明の方法においては先ず、噴霧装置８を管路１の一
端付近に位置せしめ、該一端に内張り材２を環状に固定
する。

次いで加圧反転装置３の圧力流体導入口１４から圧力流
体を送入し、内張り材２の前記環状固定部分において内
張り材２を内側が外側となるよう反転させ、折り返し部
分１５を形成する。次いで噴霧装置８から管路内面に向
つて接着剤を噴射し、管路内面に接着剤を塗付しながら
、反転速度調整装配７及び引取り装置１３を駆動する。

このとき、反転速度調整装置７の駆動速度は、引き取り
装置１３における紐状体９の引き取り速度の約２倍の速
度とする。これにより、噴霧装置８は紐状体９に引かれ
て管路の他端側へ向つて移動する。

又内張り材２は折り返し部分１５において内側が外側に
なるように順次裏返され、裏返された内張り材２が管路
１内面に圧着されながら折り返し部分１５が管路１内を
進行する。折り返し部分１５の進行速度は、反転速度調
整装置７における駆動装置の一であるから、噴霧装置８
の移動速度とほＳ等しい速度となる。この方法において
は、噴霧装置８で管路１の内面に接着剤を塗付するので
、接着剤を均一に塗付することができ、しかも加圧反転
装置３は極めて単純でコンパクトな構造のものとするこ
とができる。

しかも、管路１の内面に接着剤が塗付された後直ちに内
張り材２の折り返し部分が通過し、裏返された内張り材
２が接着剤を介して管路１の内面に圧着される゛ので、
接着剤が流動して低所に滞溜するようなこともなく、内
張り材２を管路１に対して均イ接着することができると
共に、接着剤として極めてポツトライフの短いものを使
用することができるので、施工時間が短かくできるので
ある。第２図は本発明の他の実施例を示すものである。

この実施例においては、内張り材２内にその全長に亘つ
て紐状長尺物１６が挿通されており、内張り材２の折り
返し部分１５から突出した紐状長尺物１６は管路１内を
通り、管路１の他端側においてガイド１７，１８及び引
取り装置１９を経て捲取り機２０に捲回されている。こ
の実施例においては、加圧反転装置３に圧力流体を送入
しながら引取装置１９により紐状長尺物１６を索引する
ことにより内張り材２の反転を進行せしめるものである
。

この方法においても、引取装置１９の駆動速度は、引取
装置１３の２倍とすることにより、折り返し部分１５と
噴霧装置８との移動速度をほと等しくすることができる
。この実施例の方法は、内張り材２の反転速度及び噴霧
装置８の進行速度をいずれも管路１の他端側において調
整できるため、その両者の速度コントロールが容易であ
り、速度を一致させることができる。次に第３図は本発
明のさらに他の実施例であつて、接着剤として二液接触
反応硬化型接着剤を使用するものである。

二液接触反応硬化型接着剤は、二種の液から構成され、
この各液は単独では硬化することはないが、この二液を
接触させるとその境界面から反応が開始し、二液が全体
に硬化するものであつて、アクリル系のものですぐれた
接着剤が市販されている。この実施例においては、加圧
反転装置３は圧力室２１と予圧室２２とに分けられ、そ
の間の隔壁２３には内張り材２が通過するスリット２４
が形成されている。

而して予圧室２２内の内張り材２内には、前記二液接触
反応硬化型接着剤を構成する一液２５が封入されている
。一方、噴霧装置８からは、前記二液接触反応硬化型接
着剤を構成する他の一液が噴射される。この実施例にお
いて、内張り材２はスリット５から加圧反転装置３内に
進入し、予圧室２２内でその内面に液２５が塗付され、
さらにスリット２４でその塗付量が調節される。

次にこの内張り材２が折り返し部分１５に到りここで反
転されると、液２５は内張り材２に付着したままその外
面に移行する。而して管路１の内面には噴霧装置８から
噴射された液が塗付されているので、該液と反転した内
張り材２の外面に塗付されている接着剤とが接触し、反
応して硬化し、管路１と内張り材２とを接触するのであ
る。この実施例においては、二液接触硬化型接着剤を使
用し、且つその二液を別個に処理するので、硬化時間の
きわめて短い接着剤を使用することができ、接着剤のポ
ツトライフを考慮する必要がない。

従つて施工に要する時間は極めて短いもので済む上、施
工後接着完了までの時間が短くて済むという利点がある
。以上述べた如く本発明は、接着剤の噴霧塗付と、内張
り材の反転挿入とを組み合わせたので、その両者の欠点
を互に補い合い、短時間で内張り材を均一に管路内面に
接着することができるものである。

又、接着剤の硬化後、内張り材を剥離除去して、接着剤
のみを内張り層として残すことも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図及び第３図は、それぞれ本発明の実施例
を示すものである。 １・・・・・・管路、２・・・・・・内張り材、３・・
・・・・加圧反転装置、８・・・・・・噴霧装置、９・
・・・・・紐状体、１６・・・・・・紐状長尺体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 柔軟な内張り材の一端を環状に固定し、該環状固定
   部分の後部に流体圧力を作用させつつ、そこに形成され
   る折り返し部分において内張り材を内側から外側に向つ
   て反転させながら、該折り返し部分を管路の一端から他
   端に向つて前進させ、反転された内張り材を管路の内面
   に接着する方法において、前記管路の一端部において内
   張り材を反転速度調整装置を通して一定速度で管路内に
   送り込むと共に、前記内張り材の折り返し部分の直前部
   に噴霧装置を配し、該噴霧装置に連結した紐状体を、管
   路の前記他端から、前記反転速度調整装置による内張り
   材の送り込み速度の１／２の速度で索引することにより
   、噴霧装置を前記内張り材の折り返し部分の直前部を、
   該折り返し部分とほゞ等速度で管路内を進行せしめつつ
   、該噴霧装置により前記管路の内面に接着剤を噴霧塗布
   し、該接着剤を介して内張り材を管路内面に圧着するこ
   とを特徴とする、管路の内張り方法。 ２ 柔軟な内張り材の一端を環状に固定し、該環状固定
   部分の後部に流体圧力を作用させつつ、そこに形成され
   る折り返し部分において内張り材を内側から外側に向つ
   て反転させながら、該折り返し部分を管路の一端から他
   端に向つて前進させ、反転された内張り材を管路の内面
   に接着する方法において、前記内張り材内に紐状長尺物
   を挿通し、前記折り返し部分に流体圧力を作用させつつ
   該折り返し部分から突出する紐状長尺物を管路の前記他
   端側から索引することにより前記内張り材を反転せしめ
   ると共に、前記内張り材の折り返し部分の直前部に噴霧
   装置を配し、該噴霧装置に連結した紐状体を、管路の前
   記他端から、前記紐状長尺物の索引速度の１／２の速度
   で索引することにより、噴霧装置を前記内張り材の折り
   返し部分の直前部を該折り返し部分とほゞ等速で管路内
   を進行せしめつつ、該噴霧装置により前記管路の内面に
   接着剤を噴霧塗布し、該接着剤を介して内張り材を管路
   内面に圧着することを特徴とする、管路の内張り方法。