JPS6112775B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、筒状ライニング材を、その一端側を
固定した状態で加圧装置により反転しながら導管
内に導入し、導入された筒状ライニング材を導管
内面に接着させる導管の内面被覆方法に関する。

上記方法は、筒状ライニング材が、その導管へ
の導入に際して導管との摺接が無いため破れる危
険性が少ないという優れた利点を有しているが、
導管が急激に屈曲していると、筒状ライニング材
の導入先端部がつつかえて、導入作業が行えなく
なる欠点があり、殊に既設導管の補修において問
題があつた。

本第１発明は、上記実情に鑑みて、極めて簡単
な手段の付加により、たとえ急激な導管屈曲部が
存在しても、円滑に筒状ライニング材導入を行え
るようにする事を目的とする。

本第１発明は、冒記方法において、前記筒状ラ
イニング材に予め案内索を挿通しておくと共に、
導管への筒状ライニング材導入に先立つて前記案
内索を導管に通し、筒状ライニング材導入に伴つ
てその導入方向へ前記案内索を引出す事を特徴と
する。

すなわち、導管屈曲部において筒状ライニング
材の導入先端がつつかえても、案内索を引張ると
筒状ライニング材の導入先端の向きが容易に修正
されて、円滑に筒状ライニング材の反転導入を行
え、殊に曲りの多い既設導管の補修を容易に、か
つ能率良く行えるようになつた。

また、単に筒状ライニング材に案内索を通して
おいて、その案内索を導管に通すだけの簡単な手
段を付加するだけであり、労力的あるいは経済的
負担が小さくて、実用面においても優れたものに
できた。

しかし、上述のように筒状ライニング材に案内
索を挿通する事に技術的あるいは能率的な問題を
伴い、その点について改良の余地があり、本第２
発明は、そのような問題をも併せ解決して、より
一層筒状ライニング材導入を容易かつ能率良く行
えるようにする事を目的とする。

本第２発明は、冒記方法において、第１ロール
に巻取られた前記筒状ライニング材を、第１ロー
ルよりも上方に位置する第２ロールに、それら両
ロール間で筒状ライニング材内に入れた案内索巻
束から繰出される案内索と共に巻取つて、前記筒
状ライニング材に予め前記案内索を挿通しておく
と共に、導管への筒状ライニング材導入に先立つ
て前記案内索を導管に通し、筒状ライニング材導
入に伴つてその導入方向へ前記案内索を引出す事
を特徴とする。

すなわち、本第１発明の手段に加えて、筒状ラ
イニング材への案内索挿通手段として、単に筒状
ライニング材をその内部に入れた巻束から繰出さ
れる案内索と共に巻取るという極めて簡単なかつ
能率的なものを開発する事によつて、全体として
の処理をより一層容易にかつ能率良く行わせられ
るようになつた。

次に、実施例により本発明を説明する。

第１図イに示すように、既設導管１をその処理
対象部分の両側において適当長さにわたつて切断
し、応急処置用の導管２を取付けて補修作業中に
おいても流体輸送を継続できるようにする。

次に、第１図ロに示すように、筒状ライニング
材３に予めワイヤー等の案内索４を挿通しておい
て、筒状ライニング材３の導入に先立つて案内索
４を加圧装置５で圧送される物体６により導管１
に通しておく。

次に、第１図ハに示すように、液状接着剤の注
入具７を導管１に接続し、筒状ライニング材３を
巻取つたロール８を内装したケース９を注入具７
に接続し、注入具７とケース９とで筒状ライニン
グ材３の一端側を開口状態で挾持固定し、筒状ラ
イニング材３の前方に、導管１の内面に全長全周
にわたつて筒状ライニング材３を接着するに十分
な量の液状接着剤１０を、気泡の入らない状態で
充填供給する。

次に、第１図ニに示すように、ケース９に接続
した加圧装置５からの流体圧によつて、ロール８
から繰出される筒状ライニング材３を反転させな
がら導管１内に導入し、同時に導管１内に充填さ
れた液状接着剤１０を押圧移動させ、もつて、反
転拡径された筒状ライニング材３と導管１との間
に全長全周にわたつて薄層で接着剤１０を位置さ
せる。

上記筒状ライニング材３の導入に際して、第１
図ホに示すように、導管１屈曲部において筒状ラ
イニング材３の導入先端がつつかえても、案内索
４を引張ると筒状ライニング材３の導入先端の向
きが容易に修正されて、円滑に筒状ライニング材
３の反転導入を行える。そして、導管１の全長に
わたつて筒状ライニング材３を導入すると共に、
余剰接着剤を回収した後、筒状ライニング材３の
遊端側を切断する。さらに必要ならば、ケース９
を取外して、不要な筒状ライニング材３を抜出
し、第１図ヘに示すように、拡径用物体１１を内
装したランチヤー１２を導管１に接続する。

そして、第１図トに示すように、ランチヤー１
２に接続の加圧装置１３によつて拡径用物体１１
を圧送し、筒状ライニング材３と導管１の接着を
より確実にする事もできる。

最後に、ランチヤー１２及び注入具７を取外し
て、両管端において筒状ライニング材３と管壁を
確実に接着させる処置を施した後、第１図チに示
すように、接続用導管１４により既設導管１を元
のように接続し、導管１の処理対象部分の内面に
全長全周にわたる気密性あるいは液密性のライニ
ングを施した状態で、補修作業を完了する。

尚、前記筒状ライニング材３としては、単層の
フイルム状のもの、それらを適宜重ね合せたラミ
ネートフイルム状のもの、ならびに網目状のもの
等で補強されたフイルム状のものが使用できる。
材料的には、ある程度の可撓性と強度さえあれば
よく、特にポリエチレン、塩化ビニル、ポリプロ
ピレン、ナイロン、テフロン等のプラスチツク、
天然ゴム、ポリブタジロン、SBR、NBR等の合
成ゴム等の種々のポリマーが望ましい。

また、接着剤１０としては、ウレタン系、エポ
キシ系、ポリエステル系、アクリル系、シリコン
系、ポリサルフアイド系等各種のものが利用で
き、その性状として、熱硬化性、常温硬化性、湿
気硬化性、嫌気硬化性等各種のものが選択でき
る。また、接着剤１０を供給するに、予め筒状ラ
イニング材３や導管１内面に付着させておくこと
もできる。

また、筒状ライニング材に案内索を挿通する手
段は各種のものが採用できるが、第２図に示すよ
うに、筒状ライニング材３を巻取つた第１ロール
１５及び、第１ロール１５から繰出される筒状ラ
イニング材３を巻取らせる第２ロール１６を、前
者１５よりも後者１６を上方に位置させた状態
で、フレーム１７に取付けると共に、第１及び第
２ロール１５，１６間で筒状ライニング材３内に
案内索巻束１８を入れておいて、巻束１８をその
自重で位置保持させながら、筒状ライニング材３
と共に案内索４を第２ロール１６に巻取る手段を
採用すると、極めて、容易かつ迅速に案内索４挿
通を行えて便利である。この時、第２ロール１６
のみを人為的あるいは駆動装置で回転させてもよ
いが、巻束１８を入れた部分において筒状ライニ
ング材３にたるみができるように両ロール１５，
１６を同期回転させる事が望ましい。

また、本発明方法は、都市ガス用、天然ガス
用、石油用、水道用等各種既設導管の補修に便利
であるが、内面被覆処理した導管の製造にも利用
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る導管の内面被覆方法の実施
例を示し、第１図イないしチは処理工程を示す概
略断面図、第２図は筒状ライニング材への案内索
挿通する装置を示す概略側面図である。 １……導管、３……筒状ライニング材、４……
案内索、５……加圧装置、１５，１６……ロー
ル、１８……案内索巻束。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 筒状ライニング材３を、その一端側を固定し
   た状態で加圧装置５により反転しながら導管１内
   に導入し、導入された筒状ライニング材３を導管
   １内面に接着させる導管の内面被覆方法であつ
   て、前記筒状ライニング材３に予め案内索４を挿
   通しておくと共に、導管１への筒状ライニング材
   ３導入に先立つて前記案内索４を導管１に通し、
   筒状ライニング材３導入に伴つてその導入方向へ
   前記案内索４を引出す事を特徴とする導管の内面
   被覆方法。 ２ 筒状ライニング材３を、その一端側を固定し
   た状態で加圧装置５により反転しながら導管１内
   に導入し、導入された筒状ライニング材３を導管
   １内面に接着させる導管の内面被覆方法であつ
   て、第１ロール１５に巻取られた前記筒状ライニ
   ング材３を、第１ロール１５よりも上方に位置す
   る第２ロール１６に、それら両ロール１５，１６
   間で筒状ライニング材３内に入れた案内索巻束１
   ８から繰出される案内索４と共に巻取つて、前記
   筒状ライニング材３に予め前記案内索４を挿通し
   ておくと共に、導管１への筒状ライニング材３導
   入に先立つて前記案内索４を導管１に通し、筒状
   ライニング材３導入に伴つてその導入方向へ前記
   案内索４を引出す事を特徴とする導管の内面被覆
   方法。