JPS5913Y2 - 田植機における車輪の上下動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、田植機においてその機体にスイングアームを
介して上下動自在に取付けた一対の車輪を、上下動調節
するための装置に関するものであり、詳しくは、車輪を
上昇し機体を下降しての田植作業時には両車軸が互に逆
方向に上下動して耕盤の凹凸に対して機体の動きを防止
する一方、車輪を下降し機体を上昇しての路上走行に際
しては、両車軸の下降動と同時に両車軸の逆方向の上下
動を規制することにより、路上走行が安定して安全にで
きるようにし、且つ耐久性の向上と組立・分解の容易性
を図ったものである。

次に本考案の一例を図面について説明するに、図におい
て１は、ミッションケース２の前部に前方向に延びる断
面角筒状フレーム４を後部に伝動ケース５を各々連結し
た機体６と、該機体６の下面にフロー） ７，８．８を
備え、前記フレーム４のエンジン３によって駆動される
左右一対の車輪９，９にて矢印Ａ方向に走向する田植機
を示し、前記伝動ケース５の後端には苗載台１０と４個
の植付機構１１とからなる苗植装置１２を備えると共に
、一対の操縦ハンドル１３を備えている 前記両車軸９，９は、前記ミッションケース２に基部の
ボス１５にて回転自在に装着されたスイングアーム１４
，１４の先端に各々取付けられ、エンジン３からベルト
１６．伝動されるミッションケース２よりアーム内のチ
ェノ等の介して回転駆動され、また、フレーム４の上面
にはエンジン３からベルト１７伝動される油圧ポンプ１
８が設けられている。

ミッションケース２の左右両側面にはベルクランクレバ
ー１９，１９を回転自在にピン２０枢着し、該両レバー
１９．１９の先端を前記両スイングアーム１４．１４に
ロッド２１，２１を介して各々連結する一方、前記エン
ジン３のフレーム４を、先端開放の断面角筒状に形成し
てその内部には単動油圧シリンダ２２を、そのピストン
２３が田植機１の中心線に沿って前方向に突出動するよ
うに設け、ピストン２３の先端には、その軸線方向に沿
って設けた溝２４に嵌まる揺動杆２５を水平揺動自在に
ピン２６枢着し、該揺動杆２５の両端をフレーム４の左
右両側面にピストン２３の摺動方向と同方向に沿ってフ
レーム４の先端開放部まで達するように設けたガイド溝
２７．２７からフレーム外に突出して、前記両ベルクラ
ンクレバー１９，１９の他端に連杆２８．２８を介して
各）ｚ連結し、フレーム４の左右両側面の先端部には、
ピストン２３が最大ストロークの近くのとき、前記揺動
杆２５の前面が接当するようにした左右一対のストッパ
ー２９．２９を、前記両ガイド溝２７を形成する上側片
と下側片とにこれらを互に連結するように各々ポル）
３０等にて着脱自在に設けて成るものである。

なお、３１は前記ストッパー２９．２９に固着したフロ
ントバンパー、３２，３２は連杆２８．２８中に設けた
緩衝機構を示す、また、油圧シリンダ２２の入口ポー１
−３３は切換弁（図示せず）付き配管を介して前記油圧
ポンプ１８の吐出側に、油圧シリンダ２２の側面に設け
たポーン３４は油圧ポンプ１８の入口側に各々接続され
、ピストン２３の末端部には該ピストン２８が最大スト
ローク近くのとき、入口ポート３３から油圧シリンダ内
に送られて来る油圧の一部をポート３４に逃がすように
したＬ字状ポート３５が設けられている。

この構成において、油圧シリンダ２２を油圧の切換にて
ピストン２３が突出動するように操作すれば、そのピス
トン２３に取付く揺動杆２５の前進動によって両ベルク
ランクレバー１９，１９を介して両スイングアーム１４
，１４が下向きに回動して両車軸９．９が機体１に対し
て下向きに移動し、機体１は車輪９に対して上昇され、
油圧シリンダ２２をそのピストン２３が後退するように
切換え操作すると、両車軸９，９は機体１に近づくよう
に動いて機体１は車輪９，９に対して下降でき、そして
、油圧シリンダ２２をこれへの油圧の出入りをカットす
る中立位置に操作すると、車輪９，９の昇降は任意の位
置で停止でき、この操作により両車軸と機体との間隔を
、圃場における耕盤の深さに対応した位置に任意合せ設
定して田植作業ができるのである。

この田植作業状態において、両車軸９，９は、揺動杆２
５を介して互に連動し、一方の車輪９が耕盤の凹凸によ
って上下動すれば、他方の車輪９がこれと逆方向に下降
、上昇するように構成されているから、この互に逆方向
の上下動によって耕盤の凹凸を確実に吸収でき、機体を
略一定の高さ位置と一定の姿勢に保持できる。

この場合、両車軸９，９が互に逆方向に上下動する範囲
は、ピストン２３先端における揺動杆２５の後面と該揺
動杆２５が嵌まる溝２４底面との間隔Ｓによって予め任
意に設定できる。

また、田植機を路上走行するには、油圧シリンダ２２の
ピストン２３を最大に突出動することにより、両車軸９
，９を大きく下降し、換言すれば機体１を大きく上昇す
るのであるが、ビス１〜ン２３の最大ストローク近くの
とき揺動杆２５の前面はフレーム４の両側に設けたスＩ
・ツバ−２９、２９に押圧接当され、揺動杆２５の動き
が規制されるから、路上走行に際しては両車軸９，９が
互に連動した状態での上下動は阻止できることになる。

そして、前記揺動杆２５の両端は、断面角筒状フレーム
４の両側面に設けたガイド溝２６、２７に嵌まってガイ
ドされ、上下方向への動きが阻止されるから、該揺動杆
２５の前進及び後退勤、更には揺動に対するこしれを小
さくできて、その動きがスムーズになると共に、油圧シ
リンダ２２に無理な力が作用することがないのであり、
また、両ストッパー２９、２９を取外すことによって両
ガイド溝２７、２７の先端が開放されて、油圧シリンダ
２２のピストン２３をこれに揺動杆２５を取付は状態で
両ガイド溝２７．２７に沿って、フレーム４の先端開放
部から引き抜くことができるから、油圧シリンダ２２に
対する保守９点検が容易に且つ迅速にできるのである。

この場合、前記両ストッパー２８、２９を、両ガイド溝
２７，２７を形成する上側片と下側片とに、これら上側
片と下側片とを互に連結するようにして着脱自在に固着
したことにより、両ガイド溝２７，２７をフレーム４の
先端開放部まで延びるように設けたことによるフレーム
４の強度低下を防止することができるのである。

以上要するに本考案は、機体に取付く一対の両車軸を一
斉に昇降でき、両車軸の高さを田植作業の状態にしたと
きは、両車軸が機体を一定の高さと一定の姿勢とに保つ
ように互に逆方向に上下動できることになり、車輪の高
さを路上走行にしたときは、両車軸の互に逆方向の上下
動が両ストッパーにて規制されるようになり、この両方
の切換えが車輪の昇降操作によって自動的に行なわれる
から、その操作が極めて簡単であり、路上走行に際して
は側車輪が逆方向に上下動することがなく、普通の車輪
としての作用に切換えられ、路上走行が安定して且つ安
全にできるのである。

しかも本考案は側車輪を昇降するための油圧シリンダを
田植機の前後方向に延びる断面角筒状のフレーム内に設
ける′一方、この油圧シリンダのビスｌ〜ンに水平回動
自在に枢着した揺動杆を、フレームの左右両側面に設け
たガイド溝からフレーム外に突出したことにより、油圧
シリンダ及びピストンに圃場面からの泥土がはねかかる
ことがなく、且つ油圧シリンダに無理なこじれが作用せ
ず、油圧シリンダの耐久性を向上できると共に、車輪の
上下動をきわめて円滑に行なうことができるのである。

その土木考案は、前記ガイド溝をフレームの先端開放部
まで延長すると共に、フレームの先端部には、前記スト
ッパーを、ガイド溝を形成する上側片と下側片とにこれ
らを互に連結するように固着したことにより、油圧シリ
ンダに対する保守９点検が容易にできる構造でありなが
ら、フレームの強度の低下を防止できて、軽量化できる
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は田植機の側面図
、第２図は第１図の平面図、第３図は上下動装置の斜視
図、第４図は第１図のＩＶ−ＩＶ視断面図、第５図は第
４図の■−Ｖ視断面断面断面図６図５図の■■−■Ｖ視
断面図である。 １・・・・・・田植機、４・・・・・・フレーム、６・
・・・・・機体、９゜９・・・・・・車輪、１４．１４
・・・・・・スイングアーム、２２・・・・・・油圧シ
リンダ、２３・・・・・・ピストン、２５・・・・・・
揺動杆、１９゜１９・・・・・・ベルクランクレバー、
２９・・・・・・スｌ〜ツバ−２７・・・・・・ガ゛イ
ド溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体の左右両側に車輪を各々スイングアームを介して上
   下動自在に装着して成る田植機において、その機体には
   先端を開放した断面角筒状のフレームを田植機の前後方
   向に延びるように設け、該フレーム内には単動式の油圧
   シリンダをそのピストンが前記フレームの開放部に向っ
   て前後動するように設け、このピストンの先端には揺動
   杆の中央部を水平揺動自在に枢着し、該揺動杆の両端を
   、前記フレームの左右両側面に当該フレームの開放部ま
   で延長するように設けたガイド溝からフレーム外に突出
   し、この両端と前記両スイングアームとの間を、ピスト
   ンの突出動によって両車軸が下降し、ピストンの後退勤
   によって両車軸が上昇するように各々連結する一方、前
   記フレームの先端部の左右両側には、油圧シリンダの最
   大ストロークの近くで揺動杆が接当するようにしたスト
   ッパーを、前記ガイド溝を形成する上側片と下側片とに
   これらを互に連結するように着脱自在に固着して成る田
   植機における車輪の上下動装置。