JPS59125910A - コ−ルタ−ルからの炭素繊維製造法 - Google Patents

コ−ルタ−ルからの炭素繊維製造法

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JPS59125910A
JPS59125910A JP23357182A JP23357182A JPS59125910A JP S59125910 A JPS59125910 A JP S59125910A JP 23357182 A JP23357182 A JP 23357182A JP 23357182 A JP23357182 A JP 23357182A JP S59125910 A JPS59125910 A JP S59125910A
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pitch
solvent
hydrogenated
component
hydrogen
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JP23357182A
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Inventor
Kiyoshi Sutani
酢谷 潔
Yoshihiko Sunami
角南 好彦
Toru Iwahashi
徹 岩橋
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、コールタールから高弾性炭素繊維を製造する
方法に関し、特に液晶状態のメンフェースヒッチヲ含有
するメソフェーズピッチあるいは潜在的異方性ピッチを
溶融紡糸し、これを不融化・焼成する方法に関する。
ピッチから高弾性炭素繊維を製造するに際して、メソフ
ェーズピッチを経由する方法があるが、この場合メソフ
ェーズピッチを400℃以下の温度テ溶融紡糸するため
には、メソフェーズピッfが400℃以下の温度・で数
百ポイズ以下の低粘度を示すことが必要である。
しかし、元来コールタールは、高い芳香族性と巾広い分
子量分布を有するため、単にそのit熱処理により、メ
ソフェーズピッチを製造しても、そのメソフェーズピッ
チは高粘度となってし1う。
したがって、低粘度のメソフェーズピッチを得ようとす
れば、コールタール中の適正成分のみを取り出し、これ
からメソフェーズピッチを製造する方法が有効である。
しかし、この方法を採ったとしても、メンフェーズピッ
チの収率が低過ぎる問題点がある。
これに対して、近年、コールタールピッチを水添処理し
、これからメソフェーズピッチを製造すれば、低粘度°
のメソフェーズピッチが高収率で得られることが報告さ
れた。この方法の思想とするところは、コールタールピ
ッチ中の過度に分子量の大きな成分を水添によシ低分子
化するとともに、コールタールピッチの有する高い芳香
族性を適度に低下させ、熱処理時における過度の重縮合
による高粘度メンフェーズの生成を抑制しながら結果的
に低粘度メンフェーズを得ようとするものと考えられる
・ また、ピッチから高弾性炭素繊維を製造するもう一つの
方法として、近年潜在的異方性ピッチを原料とする方法
が提示されている(特開昭57−100186号公報)
。この方法は、メソフェーズピッチを水素化して得られ
る、光学的に等方性でありながら、メソフェーズピッチ
と同程度の分子量を有し、外力を加えると配向性を示す
潜在的異方性ピッチを、溶融紡糸・不融化・焼成して高
弾性炭素繊維を製造するものである。
この方法の特徴は、ピッチが光学的等方性で均一相から
なり、また低い粘度を示すためメソフェーズピッチの場
合と比べ紡糸が容易であシ、さらに得られる炭素繊維は
、メソフェーズピッチの場合と同様高い配向性を示す高
弾性炭素繊維が得られることである。
しかしながら、特開昭57−100186号公報でハ、
潜在的異方性ピッチを、メンフェーズピッチを水素化し
て得る方法を提案しているが、メソフェーズは溶剤に不
溶な性質を有するため、通常の水素化手法(例えば水素
供与性溶剤あるいは水素ガスによる水素化)では水素化
することは容易でなく、実施例としてはBirch還元
法という極めて特殊な水素化法が示されているのみであ
る。
一方、コールタール中には、紡糸性を阻害するキノリン
ネ溶分が数係存在し、前述の水添処理法を採用するとし
ても、分解・可溶化することは困難であるため、炭素繊
維原料として使用するためには、予めキノリンネ溶分を
除去する必要がある。
このキノリンネ溶分の除去には、本発明者らが先に特開
昭56−4.9791号で開示した方法(以下先行法と
いう)が有効である。
ところが本発明者らの最近の研究によれば、メンフェー
ズピッチ系炭素繊維の原料としては、単にキノリンネ溶
分を除去するのみで足りるものではなく、二トロベンゼ
ン不溶でかつキノリン可溶な成分も、メンフェーズピッ
チの粘度を高め好ましくないことが明らかと々った。
なお、ニトロベンゼン不溶分の測定は、JISK242
5のタールピッチのキノリンネ溶分定量法(遠心法)に
おいて、溶媒としてキノリンの代りにニトロベンゼンを
用いることにより測定される。
ま−k、ニトロベンゼンはトルエンとキノリンとの中間
の抽出力を示す。
本発明は、前述のように、メソフェーズピッチしようと
するものである。
他方、本発明は他の点についても高度な改良を加えてい
る。すなわち、コールタールピッチの水添処理操作の点
についてである。
水添に当って、従来、Co −Mo系触媒あるいはNi
 −Mo系触媒等の固体触媒を用い、水素ガスで水添す
る方法が知られているが、この方法で本発明が対象とす
るコールタールピッチに水添する場合、触媒表面に炭素
が析出してしまい、触媒活性が低下するため、実際上困
難である。
また、テトラリンや1,2,3.4テトラヒドロキノリ
ン(T”HQ )のような水素供与性溶剤により水添す
る場合には、触媒を必要としないため、上記問題点は起
らガいけれども、その種の水素供与性溶剤は高価である
ので、循環使用する必要があるが、操作の途中で溶剤の
分解、蒸留ロス等による溶剤の消費が多く、絶えず溶剤
を補給することが必要であシ、シたがって溶剤コストが
製品コストに占める割合が大きく問題である。
本発明は、他方において、水素供与性溶剤を系内から補
充することによって、きわめて経済的な水添方法も提供
しようとするものである。
また、本発明においては、従来メンフェーズピッチを水
素化して得られている潜在的異方性ピッチを、前述の水
添されたコールタールピッチを熱処理して得るという技
術的に容易な方法で製造する方法も提供しようとするも
のである。
これらの目的を達成する手段として、本発明はカットポ
イントを沸点270℃〜220℃として軽・中質油分を
除去したコールタールに、沸点200℃以下のケトン類
溶剤を全混合物中30〜60重量%となるよう混合し、
その混合液中に生成する不溶性沈澱物を除去するととも
に、不溶性沈殿物除去後の混合液から前記ケトン類溶剤
を除去して精製タールを得て、この精製タールあるいは
その精製タールを蒸留して得られたピッチに対して、水
素供与性溶剤とともに、水素ガスの存在下または不存在
下で加熱して水添処理を行い、その水添物を溶剤成分と
ピッチ成分とに分離し、前記溶剤成分は水素ガスにより
水添して前記水素供与性溶剤として循環使用し、前記水
添ピッチ成分を熱処理し、この熱処理ピッチを溶融紡糸
・不融化・焼成する、構成としたものである。
一方、潜在的異方性ピッチを経る場合は、前記水添処理
によシ、水添ピッチのH/C原子比を0.60以上とし
、その後、この水添ピッチを、350〜450℃で熱処
理して高分子量化し、その加熱処理を、ピッチ中にメソ
フェーズが生成しはじめる前に停止して、高化式フロー
テスターで測定した軟化点が150℃以上の光学的等方
性のピッチとすることによシ得られる。この方法により
得られたピッチは、溶融紡糸・不融化・焼成の工程を経
ることにより、繊維軸方向に配向した構造の高弾性炭素
繊維となる。
そして、本発明は主として次の3つの知見に基いている
。その1は、出発物質たるコールタールについて、カッ
トポイントを沸点270℃〜220℃として軽・中質油
分を除去したコールタールについて、公知のケトン類溶
剤添加法を用いると、ニトロベンゼン不溶〜キノリン可
溶な成分をも、粗粒状不溶分中に凝集させることができ
ることである。
第2の知見は、水添処理結果としての水添物を溶剤成分
とピッチ成分とに分離し、その溶剤成分に水素ガスによ
シ水添すると、テトラリンやTHQに匹敵する強力な水
素供与性溶剤として使用できることである。
そして、第3の知見は、潜在的異方性ピッチが、従来の
ようにメソフェーズピッチを水添分解するという技術的
に困難な工程を経なくても、等方性ピッチを水添して得
られたH7c原子比の高い水添ピッチを熱処理して高分
子量化させるという、技術的に容易な工程で得られるこ
とである。
次に本発明をさらに具体的に説明する。
本発明者らが先に開示した先行法においては、沸点が2
70℃以下の軽・中質油を除去し、これに溶解力の低い
アセトンなどのケトン類溶剤を配合すれば、キノリンネ
溶分がβレノン等の成分で凝集し、粗粒状の不溶分を形
成するため、容易に分離できるとしたものであった。
しかし、前述のように、この方法によると、キノリンネ
溶分を分離できるけれども、メソフェーズピッチの粘度
を高め、結府紡糸性に悪影響を及ぼす、ニトロベンゼン
不溶〜キノリン可溶の成分を確実に除去できない。
そこで、本発明者らは、先行法を再度根本的に見直した
ところ、軽・中質油分の除去に当って、カットポイント
が270℃以下のいがなる範囲でも可であるものではな
く、たとえばカットポイントを沸点210℃として除去
しても二トロベンゼン不溶分が分離できないことが明ら
かとなった。
したがって、軽・中質油分の除去には、沸点が270〜
220℃、望ましくは270〜230℃の範囲の温度を
蒸留による除去カットポイントとして、それ以下の軽・
中質油分を除去することが必要である。カットポイント
が沸点270℃を超えると、不溶分の生成量が著しく増
加し、炭素繊維原料として有筋な、トルエン不溶〜ニト
ロベンゼン可溶な成分まで除去されてし捷い好ましくな
い。また、沸点が220℃未満では、二トロベンゼン不
溶分を除去できず、紡糸性の低下をきたす。
一方、ケトン類溶剤の添加量も重要な要素である。その
添加量は、軽・中質油分除去後のコールタールに対して
、全混合物中30〜60重量係とするのが要請される。
30重量%未満では、ニトロベンゼン不溶分が精製ター
ルに混入してしまう。
60重量係を超えると、不溶分が粘稠なガム状物となり
、装置へ付着し操作が困難となるとともに、有効な成分
まで除去されてしまう。
抽出溶剤としては、沸点200℃以下のケトン類溶剤が
用いられる。もし、沸点200℃を超えたものを用いる
と、コールタールとの蒸留分離が、困難となシ好ましく
ない。そして本発明法に適したケトン類溶剤としては、
アセトン、メチルエチルケトン、ブチルメチルケトン、
ジエチルケトン等がある。
かくして、本発明法は、カットポイントと混合物中の溶
解力が低く、多量の不溶分が生成するケトン類溶剤の配
合量とによって、キノリンネ溶分のみならず、キノリン
可溶〜ニトロベンゼン不溶分をも完全に粗粒状不溶分中
に凝集させることができる。凝集した粗粒状不溶分は、
静置分離、遠心濾過あるいはフィルタール過等の固液分
離手段によって除去し、液側についてはケトン類溶剤を
蒸留除去し、二トロベンゼン不溶分を含まない精製ター
ルを得る。
このようにして得られた精製タールは、メンフェーズピ
ッチ法の場合、熱処理工程を経てメソフェー・ズビッチ
に転化されるが、従来公知の単なる熱処理、あるいは減
圧蒸留と熱処理との組み合せ等のメンフェーズ化の手法
では、キノリン可溶〜ニトロベンゼン不溶分を除去して
いる、としても得られるメソフェーズピッチは極めて高
粘度で紡糸は困難である。
そこで、本発明では、メソフェーズ化熱処理に先立って
水添処理を行う。ここで、水添処理を行う対象物として
は、前記の精製クールそのものであってもよいし、また
その精製タールを蒸留し噂たピッチであってもよい。
かかる水添対象物に対して、次記のように水添処理する
と、水添対象物中に導入された水素が、コールタールピ
ッチの極めて高い芳香族性を低下させ、その後の熱処理
によって得られるメソフェーズピッチを構成する成分の
分子量を均一化、低分子量化させ、結局低粘度のメソ7
エーズピツチが得られる。
ここで、ピッチの水添は、水素供与性溶剤によシ行う。
この水添によって得た水添物は、好ましくは減圧蒸留に
よって、留分としての溶剤成分と、水添ピッチ成分とに
分離する。この溶剤成分は、2項以上の多環芳香族化合
物および水添物からなシ、これを水素ガスによシ水添す
ると、従来公知のテトラリンやTHQに匹敵する強力々
水素供与性溶剤が得られる。そこで、この水素供与性溶
剤を循環使用して水添を行う。
かかる水素供与性溶剤を用いて、水素ガスの存在下ある
いは不存在下において、350〜500℃の温度で水添
を行う。ここで、加熱温度が350℃未満であると、水
添反応速度が極めて遅く好ましくない。
また500℃を超えると、コーキングによるキノリンネ
溶分の発生が認められるため好ましくない。
このように、本発明では、ピッチの水添分解生成物を水
素供与性溶剤の原料としているため、溶剤収支は、溶剤
に余剰が出るほどであり、系外からの水素供与性溶剤の
補充を一切必要とせず、従来の水添法と比較してきわめ
て経済的となる。
続いて、溶剤成分以外の水添ピッチ成分に対して、メソ
フェーズが生成する350〜450℃の温度で熱処理を
行う。350℃未満では重縮合反応が生ぜず、500℃
を超えると不融性のコーキング物の発生が認められ好ま
しくない。
この熱処理に先立って、蒸留、溶剤抽出等の処理によシ
、メンフェーズへの転化速度が遅い低分子量の成分を除
去しておくことは、加熱熱量の低下、メソフェーズピッ
チ生成に要する時間の短縮およびこれに伴うメンフェー
ズピンチの粘度低下等の効果をもたらす点で、好ましい
態様である。
同様の理由によって、メンフェーズ化熱処理時に、減圧
処理を行うことまたは不活性ガスバブリングを行うこと
により、低分子量成分を除去することも好ましい。
カくシて、得られたメソフェーズピッチは、低い溶融粘
度を示し、紡糸性が良好であシ、通常の溶融紡糸によシ
、小径のピッチ糸とすることが可能である。このピッチ
糸は、公知の不融化・焼成を行うことによシ、容易に炭
素繊維とすることができ、得られる炭素繊維は、メンフ
ェーズピッチ系炭素繊維の特性である高い弾性率と強度
を示す。
一方、潜在的異方性ピッチ法の場合、従来は、メソフェ
ーズピッチをBi rch還元で完全に可溶化して得る
方法が示されているが、Birch還元は工業化可能な
水添法とは言えない。
一方、通常の水添法たとえばテトラリンあるいはTHQ
Oよう、な水素供与性溶剤で水添する場合は、メソフェ
ーズの一部を可溶化することはできても、完全に可溶化
することは困難である。たとえば特開昭57−1067
20号公報では、メソフェーズをTHQで水添し可溶化
する方法が示されているが、ノンフェーズを完全に可溶
化することはできず、水添後に可溶化されなかったメソ
フェーズをp過によシ除去してメソフェーズが可溶化さ
れたピッチを得ている。しかし、メンフェーズのような
キノリンネ溶分を固液分離で除去することが極めて困難
なことはよく知られていることであシ、この方法でメソ
フェーズが可溶化された潜在的異方性ピッチを得ること
は容易でない。
このため本発明者らは、メソフェーズを水添する方法は
とらず、あらかじめ等方性のコールタールピッチを水添
し、ナフテン環を多く含有する構造の水添ピッチとし、
その後、熱重合して高分子量化させ等方性構造の潜在的
異方性ピッチを製造する方法を研究した。
この結果、この方法が可能々ことを見い出した。
この場合水添ピッチの製造法は、メソフェーズピッチ法
の場合と同様の本発明の方法が好ましい。
そして、この場合、水添ピッチのH/C原子比が0.6
0以上であることが必要である。なぜ々らば、VC原子
比が0.60未満であれば、熱重合により高分子量化し
た場合にメンフェーズを形成しやすく、高分子量の等方
性ピッチが得られないのに対して、H/C原子比が0.
60以上であれば、潜在的異方性を示す程度に高分子量
化してもメソフェーズを形成し々いためである。
次に上記水添ピッチは、好ましくは350〜450℃の
温度で熱重合され、潜在的異方性t7チに転化される。
この場合、熱重合は、ピッチ中にメンフェーズが生成す
る以前に停止しなければならない。しかしながら、熱重
合が不十分で、高分子量化が十分性われていなければ、
得られたピッチは潜在的異方性を示さない。得られた熱
重合ピッチが潜在的異方性を示すか否かの指標としては
、ピッチの軟化点が使用できる。すなわち、上記水添・
熱重合により得られたピッチの高化式フローテスターで
測定した軟化点が150℃以上であれば、潜在的異方性
ピッチとしての特性を示す。
ここで、本発明の熱重合を行う前、あるいは後に、ピッ
チを溶剤抽出あるいは減圧蒸留して、低分子量の成分を
除去することは、ピッチの平均分子量を増加させ、潜在
的異方性ピッチとし、ての性能を向上させるため好まし
い。
また、熱重合中に減圧処理あるいはバブリング処理を行
うことも同様の理由で好丑しい。
本発明の方法で得られた熱重合ピッチは、潜在的異方性
ピッチとしての特性、すなわち下記の特性を示す。
■ 光学的等方性であシ、3oo℃以下の比較的低温で
良好々紡糸性を示す。
■ 紡糸・不融化・焼成の工程を経て、炭素繊維とした
場合、繊維軸方向に配向し、た構造を示し高弾性炭素繊
維となる。
このため、常法による溶融紡糸・不融化・焼成の工程を
経ることによって高弾性炭素繊維とすることができる。
以下、実施例に基づき本発明を説明する。
(実施例1) コールタール中の沸点230℃以下の軽質油を簡易蒸留
で除去し、キノリンネ溶分が34係含まれているタール
50重量%に、沸点56℃のアセトン50重量係を配合
し、常温常圧で攪拌した。
この時、暗褐色の粒状固体が析出した。この粒状固体を
分離するため、その混合液を遠心効果2000Gの遠心
分離機に1分間かけたところ、原料である石炭系重質油
に対し80q6の収率で粒状化沈澱物が得られた。つい
で、この上澄液からアセトンを常圧蒸留で回収して精製
されたタールを得た。
得られた精製タールはニトロベンゼン不溶分ヲまったく
含んでいなかった。
該精製タールを減圧蒸留し、常圧換算沸点500℃以下
の溶剤成分と精製ピッチに分別した。
該溶剤成分30000:を、硫化したCo −Mo系触
媒を重量比で5%用いて、内容積5000cf−のオー
トクレーブで、水素反応圧100kg/Crn2・G下
、350℃で1時間反応させ水添した。その後肢溶剤を
5Aフイルターで濾過し、触媒を除去して、水素供与性
溶剤を得た。該溶剤のfaは06であった。
上記精製ピッチ80gと前記水添溶剤160.9を、内
容積500CCのオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気
(材圧Okg/crn2・G)下、430℃で1時間反
応させ水添した。
その後、該水添物を減圧蒸留し、常圧換算沸点500℃
以下の溶剤成分と水添ピッチに分離した。
各々の収量は溶剤178g、水添ピッチ59gであった
次に上記水添ピッチを430℃で6hr熱処理したとこ
ろ、メソフェーズ含有率80 vo1%のメソフェース
ヒツチが得られた。該メンフェーズピッチを0.3消φ
ノズルを有する固定ノズル紡糸機で紡糸したところ、3
30℃で直径15μのピッチ糸が長時間紡糸できた。該
ピッチ糸を空気中昇温速度05℃/分で加熱し、250
℃で30分間保持し不融化した。
該不融化糸をAr雰囲気中、20℃/分で1500℃ま
で昇温し、5分間保持し炭素繊維を得た。該炭素繊維の
引張り強度は220kg/mm2、引張り弾性率は2 
Q ton/謳2であった。
(比較例1) 実施例1において、軽質油のカッl、t?インドを21
0℃としたことを除いてすべて同様な条件で精製タール
を得た。
該精製タールは二トロベンゼン不溶分を05チ含んでい
た。
(比較例2) 実施例1において、アセトンの配合比を20重量係とし
たことを除いて、すべて同一の条件で精製タールを得た
該精製タールはニトロベンゼン不溶分を0.4%含んで
いた。
該タールを実施例1と同様に水添・蒸留し、その後43
0℃で5時間熱処理したところ、メンフェーズ含有率7
5 vol %のピッチが得られた。該ピッチを実施例
1と同様に紡糸したが350℃では紡糸不能で、370
℃で直径25μのピッチ糸が短時間紡糸できたにとどま
った。
(実施例2) 実施例1で、水添物を減圧蒸留して得られた溶剤成分1
75.9を、硫化したCo −Mo系触媒を重量比5チ
用いて、内容積500Cf−のオートクレーブで、水素
反応圧100kg/cm”G下、350℃で1時間反応
させ水添した。その後、該溶剤を5Aフイルターで濾過
し、触媒を除去して水素供与性溶剤を得た。溶剤の回収
量は170gで、faは058であった。
次に実施例1の精製ピッチ80gと、上記水添溶剤16
0gを内容積500ccのオートクレーブに仕込み、窒
素雰囲気(初圧01(g/1M2G)下、430℃で6
0分反応させ水添した。
その後肢水添物を減圧蒸留し、常圧換算沸点500°C
以下の溶剤成分と水添ピッチに分別した。
各々の収量は、溶剤180Ji’Xピッチ58.9であ
った0 次に該水添ピッチを430℃で6時間熱処理したところ
、メンフェーズ含有率7 g vol係のピッチが得ら
れた。該メソフェーズピッチを実施例1と同じ紡糸機で
紡糸したところ、実施例1と同様、330℃で直径15
μのピッチ糸が長時間紡糸できた。
該ピッチ糸を実施例1と同様の条件で不融化・焼成した
ところ、引張シ強度230 kg/mm” 、引張り弾
性率18 ton /am2の炭素繊維が得られた。本
結果から、溶剤の循環使用が可能で、溶剤に余剰ができ
、補充の必要がないことが理解できる。
(実施例3) 実施例1の精製ピッチを、430℃で4時間熱処理した
ところ、メソフェーズ含有率7(lのピッチが得られた
一方、実施例2で水添物を減圧蒸留して得られた溶剤成
分176gを、硫化したco−Mo系触媒を重量比5%
用いて、内容積5ooccのオートクレーブで、水素反
応圧100kg/cm2・G下、350℃で1時間反応
させ水添した。その後読溶剤を5Aフイルターで濾過し
て触媒を除去し、水素供与性溶剤を得た。
次いで、−100)、ンー粉砕した上述のメンフェーズ
ピッチ80gと、該水添溶剤160gを内容積500 
CCのオートクレーブに仕込み、水素初圧100kg/
cm2・G下、430℃で1時間反応させ水添した。
その後膣水添物を減圧蒸留し、常圧換算沸点550℃以
下の溶剤成分を除去して水添ピッチを得た。
該水添ピッチを400℃で1時間熱処理したところ、メ
ソフェーズ含有率80 vo1%のピッチが得られた。
該メンフェーズピッチを、直径0.3mm$mm用を有
する固定ノズル紡糸機で紡糸したところ、320℃で直
径13μのピッチ糸が長時間紡糸できた。
該ピッチ糸を、空気中で昇温速度1.0℃/分で240
℃まで加熱し、1o分間保持して不融化した。その後A
r雰囲気中で2ooo′c″!、で焼成したところ、引
張シ強度200 kg7mm” 、引張シ弾性率4゜t
on/mm2の炭素繊維が得られた。
(実施例4) 実施例1で得られた精製ピッチと、水添溶剤を第1表に
示す条件で反応させ水添し、その後常圧換算沸点500
℃以下の留分番除去してピッチとし、そのH/C原子比
を測定した。
第  1  表 ついで第1表中の3種のピッチを380℃で熱重合し、
その軟化点と、メソフェーズの生成状況を観察した結果
を第1図に示した。
この結果、H/C比の低いピッチはど短時間でメンフェ
ーズが生成し始め、熱重合によυ高分子量化できる程度
が少ないことがわかる。
一方、H/C比が0゜65と高い水添ピッチ■の場合、
軟化点180℃以上となるまで熱重合させても、メソフ
ェーズの生成はなかった。
そして第1表の3種のピッチを、メソフェーズが生成し
始める直前まで熱重合して、第2表の3種のピッチを得
、紡糸テストを行った(紡糸機は実施例3と同じものを
使用)。
第  2  表 得られたピッチ糸を、空気中容ピッチの軟化点より20
℃低い温度まで加熱し、その温度で保持し、不融化した
。その後、アルゴン気流中、5℃/分の昇温速度で、1
200℃まで焼成し炭素繊維を得た。その後、この炭素
繊維2700℃まで焼成し、黒鉛化した。得られた繊維
の物はを第3表に示した。
第  3  表 この結果、本発明の方法の水添ピッチ■の場合のみ高弾
性炭素繊維が得られた。また、これらの炭素繊維を樹脂
に埋め込み成型研応じ、顕微鏡で観察したところ、精製
ピッチ、水添ピッチ■の場合光学的等方性であるのに対
して、水添ピッチ■の場合、繊維軸方向に配向した光学
的異方性構造であった。
(実施例5) 実施例1で得られた水添ピッチを、5m+nHgの減圧
下、430℃で2時間熱処理しAところ、メソフェーズ
含有率80 vol %のピッチが得られた。
このピッチを実施例1と同じ紡糸機で紡糸したところ、
340℃で直径13μのピッチ糸が長時間紡糸できた。
該ピッチ糸を実施例1と同じ条件で不融化・焼成したと
ころ、強度250 kl?/mm2、弾性率20 to
n /in2の炭素繊維が得られた。
本例は、メンフェーズ製造の熱処理時に減圧処理を施す
ことにより、熱処理時間の短縮、メソフェーズピッチの
紡糸性改善が可能なことを示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は実験結果としての熱処理時間とピッチ軟化点と
の相関図である。 第1図 沁匙促唐顆(1−、、) 手 続 補 正 書(自発) 昭和58年lθ月7日 特許庁長官 若 杉 和 夫 殿 2 発明の名称 コールタールからの炭素繊維製造法 3 補正をする者 事件との関係 特許出願人 住所 氏名 (211)住友金属工業株式会社4  代  理
  人  〒136 氏名   (8284)弁理士 永 井 義 久5 補
正命令の日付  自発補正 6 補正により増加する発明の数 7 補正の対象 明細書の特許請求の範囲の欄 8 補正の内容 明細書の特許請求の範囲の欄について別紙のとおり訂正
する。 特許請求の範囲 「(1)カットポイントを沸点270℃〜220°Cと
して軽・中質油分を除去したコールタールに、沸点20
0°C以下のケトン類溶剤を全混合物中30〜60重量
%となるよう混合し、その混合液中に生成する不溶性沈
澱物を除去するとともに、不溶性沈澱物除去後の混合液
から前記ケトン類溶剤を除去″して精製タールを得て、
この精製タールあるいはその精製タールを藩留して得ら
れたピッチに対して。 水素供与性溶剤とともに、水素ガスの存在下または不存
在下で加熱して水添処理を行い、その水添物を溶剤成分
と水添ピッチ成分とに分離し、前記溶剤成分は水素ガス
により水添して前記水素供与性溶剤として循環使用し、
一方前記水添ピッチ成分を熱処理し、この熱処理ピッチ
を溶融紡糸・不融化・焼成することを特徴とするコール
タールからの炭素繊維製造法。 (2)熱処理ピッチ中の、メソフェーズ含有率が50v
o1u」となるように熱処理することを特徴とする特許
請求範囲第1項記載の方法。 (3)  水捧ピッチのH/Cw、子比がo、eo以上
になるような水添処理を行ない、その後、熱処理ピッチ
は光学的等方性であるが、焼成後の炭素繊維は光学的異
方性でm離軸方向に配向した構造となるよう熱処理する
ことを特徴とする特許請求範囲第1項記載の方法。」

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)  カットポイントを沸点270℃〜220℃と
    して軽・中質油分を除去したコールタールに、沸点20
    0℃以下のケトン類溶剤を全混合物中30〜60重量係
    となるよう混合し、その混合液中に土盛する不溶性沈澱
    物を除去するとともに、不溶性沈殿物除去後の混合液か
    ら前記ケトン類溶剤を除去して精製タールを得て、この
    精製タールあるいはその精製タールを蒸會して得られた
    ピッチに対して、水素供与性溶剤とともに、水素ガスの
    存在下または不存在下で加熱して水添処理を行い、その
    水添物を溶剤成分と水添ピッチ成分とに分離し、前記溶
    剤成分は水素ガスにより水添して前記水素供与性溶剤と
    して循環使用し、一方前記水添♂ッチ成分を熱処理し、
    この熱処理ピッチを溶融紡糸・不融化・焼成することを
    特徴とするコールタールからの炭素繊維製造法。
  2. (2)  熱処理ピッチ中の、メソフェーズ含有率が5
    0 vo1%となるように熱処理することを特徴とする
    特許請求範囲第1項記載の方法。
  3. (3)水添ピッチのH/C原子比が0.60以上になる
    ような水添処理を行い、その後、熱処理ピッチは光学的
    等方・性であるが、焼成後の炭素繊維は光学的異方性で
    繊維軸方向に配向した構造となるよう熱処理することを
    特徴とする特許請求範囲第1項記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6147826A (ja) * 1984-08-15 1986-03-08 Teijin Ltd ピツチ系炭素繊維の製造法
US7081035B2 (en) 2004-07-30 2006-07-25 Wacoal Corp. Woman's clothing having a function of protecting a breast

Cited By (3)

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