JPS5911692B2 - マルチフイラメント糸 - Google Patents

マルチフイラメント糸

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JPS5911692B2
JPS5911692B2 JP8747278A JP8747278A JPS5911692B2 JP S5911692 B2 JPS5911692 B2 JP S5911692B2 JP 8747278 A JP8747278 A JP 8747278A JP 8747278 A JP8747278 A JP 8747278A JP S5911692 B2 JPS5911692 B2 JP S5911692B2
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、物性の異なる繊維がほぼ均一に混合している
マルチフィラメント糸に関する。
更に詳しくは、物性の異なりが太さの異なりに起因して
いる繊維で、太さが繊維軸方向に変化している繊維から
構成されているマルチフィラメント糸に関する。
マルチフィラメント糸は一般に人造繊維で紡糸と延伸と
によって作られ、通常は実質的に太さの一様な繊維とな
り、各種物性において均斉なマルチフィラメント糸とし
ている。
一方、物性の異なる繊維が混合しているマルチフィラメ
ント糸も各種研究され、均斉なマルチフィラメント糸に
比べ、各種趣きを異にした糸を得ている。
物性の異なる繊維が混合しているマルチフィラメント糸
は、各フィラメントは均斉でありフィラメント間で物性
の異なるマルチフィラメント糸と、物性の異なる繊維部
分が繊維軸方向に配夕]ルているフィラメントから成る
マルチフィラメント糸とに大別できる。
両者の主なる相違点は、強伸度の異なる繊維の混合にお
いて顕著である。
つまりマルチフィラメント糸を伸張した際に前者は伸度
の少ないフィラメントから切断され、各フィラメントの
切断位置が揃う傾向にある。
これに対し、後者は強力の低い繊維部分において切断さ
れ、各フィラメントの切断位置は不揃いになる。
マルチフィラメント糸に毛羽を付与し紡績糸様糸とする
場合など後者の方が好適である。
次なる相違点は、色調又は染着性の異なる繊維の混合に
おいて顕著である。
つまり前者は糸の断面での混合が悪く、仮りに混合して
いても糸操作中に分離されやすい。
そして、断面において混合が不充分であると糸は長さ方
向において本質的に均一 であるにも拘らず織編物にし
た場合に多大な斑を発現する。
これに対し後者は糸の長さ方向に均一に分散していると
断面での混合も充分なものとなる。
しかし該後者において糸の長さ方向に均一に分散される
ことは極めて難しいものであった。
その他の物性の異なる繊維の混合は色調における混合と
同様に論することができるが、色調における混合の良し
悪しほど糸において顕著ではない。
本発明は、前記後者の糸に属するものであり、繊維の物
性差を繊維の繊度差に起因せしめたものである。
従来から前記後者に属するマルチフィラメント糸は数多
く知られている。
例えば、紡糸又は延伸工程においてドラフト比、糸道距
離、糸道雰囲気あるいは通過抵抗等を変動させる方法、
強伸度特性に相当するドラフト比で延伸する方法、加熱
延伸に際し、マルチフィラメント糸を構成する各繊維が
一様には受熱しない短時間加熱によって延伸する方法、
延伸前のマルチフィラメント糸に熱処理、クランキング
剤塗布あるいは繊維の環やたるみを形成させる、繊維に
キズ又は変形を与える等の処理を施した後延伸する方法
等が良く知られている。
上記従来の方法によって得られたマルチフィラメント糸
について概して言えることは、冷延伸であると繊維相互
の太細位相が揃い、加熱延伸であると中間的太さの繊維
部分が形成され太細変化の効果を軽減してしまう。
また冷延伸の場合に延伸距離を短くするほど太い繊維部
分(又は細い繊維部分)の数は増すが、分散性の向上は
あまりなく、糸の長さ方向に見てかなり不均一なものと
なる。
また加熱延伸の場合には冷延伸に比べ分散性はかなり良
いが、太い繊維部分(又は細い繊維部分)の数を多く形
成できず、糸の長さ方向に見てかなり不均一なものとな
る。
また従来例として特開昭52−103523号公報、特
開昭49− L32344号公報の方法が知られている
が、これらの方法はいずれも延伸距離を短かくするとい
う技術思想はないので、未延伸部の数は少なくしかも長
周期に存在し、太細をシャープに分離分布させることは
できなかった。
更に本発明者らが先に提案した特願昭53−55493
号の技術は、高温延伸するものであるので未延伸部の数
は少なく、かつ帯状に長く発生するので部分的に不均一
になり易く、未延伸部の分散性において問題があった。
本発明者らは、上記従来の技術から、繊維軸方向に太い
繊維部分と細い繊維部分とを有する繊維から構成される
マルチフィラメント糸が該糸の長さ方向に見て均一にな
るには、太い繊維部分(又は細い繊維部分)が数多く存
在すること及び太い繊維部分(又は細い繊維部分)が該
糸に分散して存在することの2点が重要な安住であるこ
とを知った。
本発明は、所期の目的を達成するために鋭意研究した結
果、簡便な方法によって達成でき、ここに提供するに至
った。
すなわち、本発明の目的は、繊維軸方向に太い繊維部分
と細い繊維部分とを有し、該太い繊維部分と細い繊維部
分が数多く存在し、かつ系内において極めて分散性がよ
く存在し、見掛は上は均一なマルチフィラメント糸に極
めて近いマルチフィラメント糸を得ることにある。
本発明マルチフィラメント糸の骨子は次の如くである。
即ち、繊維軸方向に太さが一様ではない繊維から構成さ
れるマルチフィラメント糸であり、該糸を構成する繊維
の断面積の分布は太い集団と細い集団とに分離して分布
し、該糸に存在する太い繊維部分(又は細い繊維部分)
の数は該糸の長さ方向10cm当り300個以上であり
、該糸の断面を構成する太い繊維(又は細い繊維)の数
の分布はその太い繊維(又は細い繊維)の数の分布の平
均値の近傍に集まって分布していることを特徴とするマ
ルチフィラメント糸である。
本発明のマルチフィラメント糸を更に詳しく説明する。
本発明のマルチフィラメント糸は、構成繊維の断面積の
分布状態が重要な意味を持つものである。
マルチフィラメント糸(以下糸と記す)を構成する繊維
の本数をN、調べた糸の断面の数をM(このMの値は多
い方が良く、少なくとも30は必要であり、望ましくは
50とする。
)とし、そのときの繊維の断面積をA(I、J)とする
ここでIは糸の断面を区別する査号であり、■からMま
での値となり、Jは糸の該−断面内の繊維を区別する香
号であり、■からNまでの値となるものである。
上記記載中、[該糸を構成する繊維の断面積の分布は太
い集団と細い集団とに分離して分布する]とは、繊維の
断面を顕微鏡等で観察したとき、太い繊維と細い繊維と
が明確に区別できれば良く、L(MとNとの積)個のA
(I、J)のヒストグラム(すなわち、繊維断面積を横
軸にとり頻度を縦軸にとったヒストグラム)が2山に画
かれても良い。
数理的取扱いによるならば、A(I、J)を小さい順に
並べたもの’kA(K)、(K=1 。
2.33・・・・・・・・、L)とし、断面積A(K)
の平均値をB(1)とする(つまり、B(1)は調べた
L個の繊維断面積の平均値であって、 B(1)= (A(1)+A(2)+A(3)十・・・
+A(L))/Lとなるものである)。
A(K)のうちB(1)より小さいものと太きいものと
をそれぞれ同数かつ最大限に集めたものの断面積の平均
値をB(2)とする。
つまり、Aい)<B(1)<A(p +1) Q−(L−I L−2P I )/2 である。
P、Qにおいて、B(2)−(A (P−Q+ 1 )
・・・・・・十A枦)+A(P+1)+・・・・・・+
A(P+Q))/2Q とする(これは、断面積の小さい順に並べたA卸におい
てP番目のAと(P+1)番目のAの間に上記平均値B
(1)があり、また前記の同数かつ最大限の個数がQで
あり、B(2)はB(1)を境いに小さくなる方へQ個
のAと大きくなる方へQ個のAをとったときの、すなわ
ち2Q個のAの平均値であることを意味するものである
)。
さらに、このようにしてB(1)からB(2)を求めた
のと同様にして、次には、総数2Q個のAの平均値をB
(2)としてB(3)を求める。
同様にして順次B (4) 、 B (5)・・・・・
・・・・を求め、収束した値(又は振動した場合にはそ
の中間の値)をBとする。
このときQの値が1より太きければ良いものであり、Q
の値が1よりも太きいときに繊維の断面積の分布が太い
集団と細い集団とに分離して分布していると判断される
ものである。
ここで該Bを境界断面積値といい、Bより大きい方を太
い集団、小さい方を細い集団と言うものである。
上記記載中[該糸の断面を構成する太い繊維(又は細い
繊維)の数の分布は太い繊維(又は細い繊維)の数の分
布の平均値の近傍に集って分布する]とは、1番目の糸
断面におけろN個の繊維断面積A(I、J)のうち太い
繊維の数をX(I)個、細い繊維の数をY(I)個とし
、X(I) 、 Y(I)のM個の断面における平均値
をそれぞれX、Y、すなわち、X= (X(1)+X(
2)+・・・・・・+X(ロ))/MY−(Y(1)+
Y(2)+−・−・・−+Y(M) ) /Mとし、さ
らに標準偏差をD、すなわち D2−=C(X−X(1)) +(X−X(2)ト
+・・・・・・・・・+(X−X(lV[)) )/
M =((Y−Y(1))+(Y−Y(2)) +・・・
・・・・・・・+(Y −Y(M) ’r 、l /
IViとし、変動率をそれぞれvx、vyとして、VX
=D/X VY=D/Y とするとき、VX(又はVY)の値が0.5以下である
ときをいうものである。
本発明の糸は構成繊維の断面積の分布が太い集団と細い
集団とに分離して分布することが肝要であるが、更に好
ましくは、A苧)<BAA(P+1)なろPにおいて、
細い集団と太い集団の平均値をそれぞれAS、ALとし
たとき、すなわち、A S−(A(1)+A(2)+・
・・十A枦))/PAL−(A(P+1)+A(P+2
)十・・・・・・・・・+A(L))/(L−P) としたとき、その断面積の値カ ((B+AS )/2 )の値以上で((B+AL )
/2 )の値以下のものが、数において10%を越えて
は分布しないことである。
これは、中間的太さの繊維部分が存在するときはもちろ
ん、太い集団又は/及び細い集団の分布がなだらかなと
き、あるいは太い集団又は細い集団の一方に大多数が分
布するとき、あるいは前記ASとALO値の比が小さい
とき、あるいはまた太い繊維部分と細い繊維部分との境
界がなだらかで長いとき、あるいは太い繊維部分と細い
繊維部分との断面積比が大きくその境界が長いとき、あ
るいは太い繊維部分と細い繊維部分との境界の数が極め
て多いときなど、除外されることがあることを意味する
ものである。
本発明の糸は、ある糸断面における太い繊維の数(又は
細い繊維の数)が糸の長さ方向において極めて変動の少
ないことが肝要であり、前記した如く、VX又はVYO
値が0.5を超える値であってはならないが、更に好ま
しくは、VX及びVYの双方が0.5以下であることで
ある。
これはA■の分布において、太い集団又は細い集団の一
方に大多数が分布し、少数分布側の繊維が系内で効果的
に作用する場合など分散が良くとも糸として不均一な場
合があり、これを除外することを意味するものである。
本発明の糸は、細い繊維部分と太い繊維部分とを備えて
いるが、その効果が充分に発揮できるのは、 AL/AS>1.3 であることが重要であり、更に 0.15 <X/N< 0.70 あるいは、 0.30 <Y /N< 0.85 であることが重要である。
前者のALとASの関係式は太い繊維と細い繊維との断
面積比であり、後者は太い繊維部分と細い繊維部分の本
発明の糸におけるそれぞれの長さ分率に相当する。
前述した如き本発明の糸を構成している太い繊維部分と
細い繊維部分とに強力差がある場合、該糸を適度にドラ
フトするとランダムな位置で繊維が切断され、集束して
やると紡績糸様の糸構造となる。
この強力差を付与するにはポリエステル糸繊維が好適で
ある。
つまり、ポリエステル系未延伸繊維を該繊維の自然延伸
比以下の延伸比、ガラス転移温度以下の温度で延伸する
と繊維軸方向に太い繊維部分と細い繊維部分とが交互に
形成され、分子配向度が太い繊維部分で低く、細い繊維
部分で高くなる。
次いで該延伸された繊維を該繊維の結晶化開始温度以上
で熱処理すると太い繊維部分が脆くなる。
本発明の糸を構成している太い繊維部分と細い繊維部分
とに伸度差がある場合、該糸を構成繊維相互のずれ移動
が起こりにくい様に撚等で集束してから又は集束しつつ
適度にドラフトすると低伸度の繊維部分が切断し、紡績
糸様の糸構造となる。
このとき、構成繊維の伸張特性が、先ず太い繊維部分が
細い繊維部分と同じ太さになるまで優先的に伸び、次い
で全体が更に伸びた後切断される挙動を示すものであれ
ば、該糸が該紡績糸様糸になった後の構成繊維には、太
い繊維部分が消滅していて、はぼ均斉な繊維となってい
る。
本発明の糸は、仮撚加工によって紡績糸様糸と成すのに
好適な素材である。
つまり該糸を伸張しつつ仮撚加工すると、該糸は撚によ
って集束された状態で熱処理とドラフトを受け、太い繊
維部分と細い繊維部分に強伸度差があれは、上記した原
理によりランダムな位置に繊維の切断が起こるか又は/
及び脆い繊維部分が形成されるか等の作用を受け、脆い
繊維部分は仮撚解撚時又は仮撚解撚域等で切断されるこ
ともある。
本発明の糸において紡績糸様糸としては、糸1m当り1
0個以上の繊維端があれば好ましい紡績糸ライクを示す
上記仮撚加工は、高い伸張率で行なう必要があり、供給
系は更に高い破断伸度を有している必要がある。
本発明者らの実験によると、この場合、室温(25℃)
にて破断伸度(最高強力を示すときの伸度)が70%以
上ある二とが肝要であるようである。
本発明の糸は、使用目的に応じた好適な物性を備えるこ
とも可能である。
例えば、潜水収縮率、結晶化度、伸度等を使用目的に応
じて決める必要がある。
これらの物性は主に熱処理(方法、張力、時間、温度)
によって調整でき、特に製編織工程に供給する場合には
、本発明の糸においては種々の物性が伸度で総括でき、
本発明糸を構成する繊維の平均破断伸度(試技20mm
、伸張速度20mm/m1n)が35係以下であること
が必要である。
本発明の糸は上記した如く、繊維軸方向に太い繊維部分
と細い繊維部分とが交互に配夕1ルた繊維から構成され
たマルチフィラメント糸であり、眼光に太い繊維部分及
び細い繊維部分が多数かつ分散性よく存在しているため
、眼光は長さ方向にほぼ均一なものとなり、太い繊維部
分と細い繊維部分とになんらかの物性差があると、それ
が効果的に発揮されるものとなるのである。
また、本発明の糸が、実撚、交互撚、構成繊維相互の接
・融着、構成繊維相互の交絡(糸の長さ方向に沿って連
続的又は間歇的交絡)等によって集束していると特徴あ
る効果が発揮される。
例えば実撚数10〜20回/m、又はそれに相当する他
の集束があれば巻糸体からの糸の解舒性が良いとか、実
撚数100〜200回/m又はそれに相当する他の集束
があれば織物経糸として製織性が良い等の一般的特徴の
他、構成繊維の長さ方向に沿って強力差があれば糸に対
する繊維の強力利用率を高め、同伸度差があれば糸の見
掛は伸度を低下させ、同熱収縮差があれば、繊維のたる
みを糸に保持できる。
繊維端が存在するときは、糸の強力保持に特に有効であ
る。
また本発明の糸は染色しても濃染のスポット状欠点は発
生せす、深みのある染物とすることができろ。
本発明の糸は、下記する如き特殊な延伸方法によって簡
便に得ることができる。
スナわち、ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、
太さの均斉な未延伸マルチフィラメント糸を得る。
次いで該未延伸糸を定速で供給する供給ローラと定速で
引き取る延伸ローラとの間で延伸しつつ該未延伸糸を延
伸域にて摩擦抵抗体に屈曲接触させる。
このとき、供給ローラ、延伸ローラ、摩擦抵抗体、さら
にこれら部材の雰囲気とも該未延伸糸のガラス転位温度
以下にし、延伸比を該未延伸糸の自然延伸比以下にする
と、延伸ロールを通過した繊維に延伸された細い繊維部
分と延伸されてない太い繊維部分とが交互に形成される
かかる方法において、本発明の糸を得るに際して最も重
要な点は、摩擦抵抗体の存在である。
すなわち、太い繊維部分及び細い繊維部分の分散性は、
摩擦抵抗体と延伸ローラとの間隔を狭くするほど、また
摩擦抵抗体への屈曲接触角を大きくするほど、またさら
に摩擦抵抗体の対糸摩擦係数が大きいほど、艮(なる傾
向にある。
かかる延伸方法によって、太い繊維部分と細い繊維部分
との分散性が良くなる原因は、摩擦抵抗体の上流では延
伸を起こす張力に至らず、その下流でのみ実際は延伸さ
れ、延伸距離が短くなる、さらに摩擦抵抗体は供給ロー
ラよりも極めて小型なもので良く、延伸ローラへのかな
りの接近が可能となる等により、極めて短い太い繊維部
分、細い繊維部分が形成される、また摩擦抵抗体上で糸
が偏平、更には開繊された状態で延伸され、繊維側々に
延伸力が作用し極めて分散性が良くなるものと考えられ
る。
なおまた、延伸距離(摩擦抵抗体と延伸ロールとの糸道
に沿った距離)と太い繊維部分、細い繊維部分の長さを
比較してみると、太い繊維部分、細い繊維部分の長さは
延伸距離の10分の工程度ないし100分の工程度と極
めて短いものとなり、上記説明では必ずしも十分に説明
付けできない点もあり、さらに、摩擦抵抗体による擦過
作用によって延伸ネックの元となるよ5なキズが付くた
めか、あるいは摩擦抵抗体が摩擦熱や延伸熱によって昇
温し摩擦抵抗体の近くでのみ延伸が起こっているためか
、さらにあるいは摩擦抵抗体上でステイク・スリップを
起こしつつ延伸されているため等の理由が考えられ、い
ずれにしても特別な複合要因により、上記した通りの本
発明の糸の格別な太い繊維部分、細い繊維部分の数の多
さと分散性の良さが得られろものであると考えられる。
本発明者らの知見によれば、上述した通りの本発明の糸
を得るには、通常、摩擦体と延伸ローラとの間の糸道距
離を50闘以下とすればよいようである。
また、本発明の糸を得るに際して、太い繊維部分と細い
繊維部分との長さ分率は延伸比及び供給される未延伸繊
維の自然延伸比とにより決定され、さらに太い繊維部分
と細い繊維部分の断面積比は未延伸繊維の自然延伸比に
より決定されるものである。
したがって、適宜、所望に応じた自然延伸比の供給未延
伸繊維を上記方法で加工することにより、十分に得られ
る本発明の糸の太い繊維部分と細い繊維部分の断面積比
等はコントロールできるのである。
なおまた、むろん自然延伸比は、主に該未延伸繊維を溶
融紡糸して得るに際して、紡糸速度を適宜設定すること
により所望の値を得ることができる。
なお、実施例を説明する前に上記説明における境界断面
積値等の求め方について、以下に非現実的ではあるが簡
単なモデル計算実例を挙げて説明をする。
(モデル計算例) 2本のフイラメンl’Ill+IIから成るマルチフィ
ラメント糸の5箇所の断面1.2,3,4,5について
繊維断面積を調べた(第1図参照)結果、次に示す如く
なったとする。
したがって、M=5 、N=2 、L=MXN=10で
ある。
数値は断面積(μm)である。10箇の繊維断面積値A
(I、J)を小さい順に並べると次の如くになる。
A(1)−46A(2)= 49 A(3)= 5 OA(4)= 51 A(5)= 52 A(6)−54A(7
)= 63 A(8)= 79A(9)−
80A叫=81 B(1)を求める。
次にB(2)を求める。
B(1)の値はA(6)とA(7)との間である。
、’、 A(6)< B (1)<A(7)、”、P=
6 一’−Q=(L−I L−2P I )/2=4次にB
(3)を求めろ。
B(2)はA(7)とA(8)との間である。
+”+ A(7)< B (2)< A(8)、”、p
=7 、’、Q=(L−I L−2P l )/2=3次にB
(4)を求める。
B(3)はA(7)とA(8)との間にあり p=7 Q=3 、°、B(4)=B(3) B(5)以下同様になり、収束する。
従って、境界断面積値Bは次の値になる。
B=68.17 次に各糸断面積の太い繊維と細い繊維の数を調べると次
の如くになる。
したがって また、 VX=D/X=0.82 。
VY=D/Y=0.35 であり、 さらに、 (B+AS )/2=60.16 (B+AL)/2=74.09 上記2者の間に入るA(K)は10箇中1箇である。
また、 AL/AS=1.53 。
X/N=0.3゜ Y/N=0.7゜ となる。
〔実施例〕
ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸して、2500
m /minで引き取り、太さ330テニール、フィ
ラメント本数48本のマルチフィラメント糸を作った。
眩光の自然延伸比は1.9倍であった。
眩光を供給ローラ、摩擦抵抗体、延伸ローラの順に係合
させ、延伸した。
延伸条件は次の通りである。
供給速度 二355 Hl /mi n 延伸速度 : 500m/min 摩擦抵抗体:直径10mmの鉄製中空パイプで硬質クロ
ームメッキ梨地表面。
温度:48°C 摩擦抵抗体と糸との屈曲接触角度:800゜延伸ローラ
と摩擦抵抗体との間隔:5mm延伸ローラ直径ニア2m
m 延伸距離(糸が摩擦抵抗体を離れ、延伸ローラに接触す
るまでの長さく糸道長さ): 約20.9mm 摩擦抵抗体上流の糸張カニ約10g 摩擦抵抗体下流の糸張カニ130g(推定)この結果、
延伸されたマルチフィラメント糸を構成する繊維には約
0.3〜3mmの太い繊維部分及び細い繊維部分が交互
に形成され、太い繊維部分(又は細い繊維部分)の数は
眩光10cm当り3000個以上あった。
眩光の断面を構成する太い繊維の数は平均21.5本、
細い繊維の数は平均27.5本であり、標準偏差は9.
3であった。
この糸は、従来の糸には全く見られない数多くの太い繊
維部分と細い繊維部分を有しているものであって、また
、それらの部分の分散性も極めてよく、見かけ上は均一
なマルチフィラメント糸に極めて近いものであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、境界断面積値等の値の計算方法として、本文
中でのモデル計算例を説明する図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 繊維軸方向に太さが一様ではない繊維から構成され
    るマルチフィラメント糸であり、該糸を構成する繊維の
    断面積の分布は太い集団と細い集団とに分離して分布し
    、該糸に存在する太い繊維部分又は細い繊維部分の数は
    該糸の長さ方向10cm当り300個以上であり、該糸
    の断面を構成する太い繊維又は細い繊維の数の分布は該
    太い繊維又は細い繊維の数の分布の平均値の近傍に集ま
    って分布していることを特徴とするマルチフィラメント
    糸。 2 糸を構成する繊維の断面積の分布が太い集団と細い
    集団との境界断面積値の近傍、すなわち、(境界断面積
    値+細い集団の断面積の平的(if)/2の値から (境界断面積値+太い集団の断面積の平均fω/2の値
    までの間に10係を超えては分布しないことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載のマルチフィラメント糸。 3 糸の断面を構成する太い繊維の数の変動率及び細い
    繊維の数の変動率が50%以下であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項あるいは第2項記載のマルチフィ
    ラメント糸。 4 糸を構成する繊維の断面積の分布が、太い集団の断
    面積の平均値 > 1.3 細い集団の断面積の平均値 となる分布を採ることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項、第2項あるいは第3項記載のマルチフィラメント糸
    。 5 糸を構成する繊維の断面積の分布が、太い集団に1
    5〜70係、あるいは細い集団に85〜30係分布する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項、第3
    項あるいは第4項記載のマルチフィラメント糸。 6 糸が集束していることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項、第2項、第3項、第4項あるいは第5項記載の
    マルチフィラメント糸。 7 糸を構成する繊維がポリエステル系繊維であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、
    第4項、第5項あるいは第6項記載のマルチフィラメン
    ト糸。 8 糸を構成する繊維の伸長特性が、まず太い繊維部分
    が細い繊維部分とほぼ同じ太さになるまで優先的に伸び
    、次いで全体が更に伸びた後切断される挙動を示すこと
    を特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、
    第4項、第5項、第6項あるいは第7項記載のマルチフ
    ィラメント糸。 9 糸の破断伸度が70係以上であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、第5
    項、第6項、第7項あるいは第8項記載のマルチフィラ
    メント糸。 10糸を構成する繊維の破断伸度が35係以下であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項、第3項
    、第4項、第5項、第6項あるいは第7項記載のマルチ
    フィラメント糸。 11 糸1m当り10個以上の繊維端が存在することを
    特徴とする特許請求の範囲第10項記載のマルチフィラ
    メント糸。 12糸を構成する繊維に捲縮が存在することを特徴とす
    る特許請求の範囲第10項あるいは第11項記載のマル
    チフィラメント糸。
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