JPS5852642B2 - スライドファスナ−の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、連続ファスナーチェーンから単位長さのス
ライドファスナーを製造する方法で、具体的には、テー
プ部、エレメント部の打抜き及び切断縁部に付加物を添
えることなく、はつれ止め加工を施したスライドファス
ナーを、連続ファスナーチェーンから２工程で仕上げる
ことの出来るスライドファスナーの製造方法に関するも
ので、その目的は、テープ部、ファスナーエレメント部
の各溶融切断及び、連続ファスナーチェーンを単位長と
するための横方向の溶融切断によって形成された縁部に
溶断によるほつれ止め加圧が施されており、かつ、完成
した単位長さのスライドファスナーを連続ファスナーチ
ェーンから２工程で自動的にしかも無理なく製造できる
スライドファスナーの製造方法を提供することにある。

従来、スライドファスナーを製造する場合、左右一対の
連続ファスナーテープの対向縁部にその端部より順次フ
ァスナーエレメントを装着し、対向する両エレメントを
互いに噛合して連続ファスナーチェーンを成形する工程
、次にそのファスナーチェーンにエレメントの一部を欠
如してスペース部を等間隔に設けるスペース成形工程、
該スペース部の中間部でテープを横方向に切断する工程
その切断縁よりスライダーを通す工程を経た後、上止具
または下止具を取付ける工程によって、連続ファスナー
チェーンから順次単位長さのスライドファスナーを製造
する。

しかし、この製造方法は、殊にスペース戒形工程に於い
ては、従来、エレメントの噛合頭部を切断してから脚部
を取り除かれ、更に端部のエレメントが不安定になるた
め、端部エレメントの固定手段を加えると共に、テープ
の切断縁よりの糸はつれを防止する加工を施す必要があ
る。

このような幾つもの加工は通常２つ以上の加工機を必要
としていた。

また一般に、スライダーは、上止具取付側のファスナー
チェーン端部から挿通し、しかる後、開離状態にあるフ
ァスナーチェーン端部に上止具を取り付けるため、上止
具を左右正確に成形付着することが容易でなかった。

従って、完成される迄には多数の工程を経るものであり
、各工程を処理するには多くの機械装置を必要とし、し
かも、幾つもの機械に通すことにより、それだけ加工誤
差が発生し易く、また品質管理が充分にできなくなって
不良品を出す恐れも多分にあり、その結果、生産能率が
悪く、コスト高になり、かつ不良品を出す率が高くなる
等の難点があった。

そこで、上下止部の成形付着とスペース部のテープはつ
れを防止する加工を一工程にまとめて行なう方法が、例
えば特公昭４４−１８４６２号及び実公昭４６−６５７
７号公報に開示されている。

しかし何れもスペース部のテープはつれ止めにテープ自
体の繊維を利用するものでなく、不用になるファスナー
エレメントを溶融してこれをテープ切断縁部に圧入する
ものと、上下止部を成形する合成樹脂フィルムをスペー
ス部が含む大きさに切断して、該フィルムを溶着するこ
とによって行なう方法をとっているので、その加工が複
雑であったり、あるいは不用となる合成樹脂エレメント
、または、合成樹脂フィルムを使用するために合成樹脂
の使用量が非常に多いので、スライドファスナーとして
その上下耳部があまりにも硬直化してしまって使用しず
らかったり、また肌に触れると痛み、切傷を招き易い製
品となり、しかもファスナーチェーンの切断を別工程で
行なっているため、スライダー通し工程を含めて少なく
とも３工程となるものである。

この発明はかかる従来技術に対処して開発され、連続フ
ァスナーチェーンに対して僅か２工程を経るだけで良質
の完成品が得られるようにしたものである。

以下、この発明による実施例を図面によって具体的に説
明すると、第１図に示すファスナーチェーンｆは、熱可
塑性の合成樹脂製繊維あるいはその混紡によって織成ま
たは編成した一対のテープ１．１を平行して一方向に送
る間に、両テープｔ。

ｔの対向する内縁部にジグザグ状またはコイル状等の合
成樹脂製ファスナーエレメントｅ、ｅを、先行する先端
より順次装着して、両エレメントｅ。

ｅが互に噛合した連続ファスナーチェーンｆを次工程へ
所望するスライドファスナーの長さに対応する長さあて
間欠的に送ることは従来と同様で、その次の工程を第１
工程とし、第２図図示の如く、単一加工スチージョンに
おいて５つの加工を同時に一挙に行う。

即ち、スペース用の窓孔１の溶融切断、その窓孔１の長
手方向中間部におけるテープ１，１の横方向の溶融切断
、および前記窓孔１の溶融切断縁２と横方向の溶融切断
縁３との溶着、及び左右に分割して対をなし、かつ一時
的に弾性変形可能な上止具４並びに下止部５の成形付着
を行う。

これらの各加工は全て超音波加工手段によって行なわれ
、相対向するアンビル８と超音波ホーン９との間に連続
ファスナーチェーンｆを送り、これを挟持して加工され
、第７，８図に示すアンビル８またはホーン９に窓孔１
の形状に応じた突条１０と、テープ横断用の突条１０と
を設け、更にその前後部には、上止部４と下止部５とな
る熱可塑性合成樹脂の帯状フィルムｌＬ１２を所要長さ
に切断するパンチ１３，１４を設け、送られてきたファ
スナーチェーンｆをアンビル８とホーン９で挟み、かつ
、各パンチ１３，１４を下降する動作により、ホーン９
の超音波振動によって前述の各加工を一挙に行う。

殊に窓孔１の溶断、テープの横方向の溶断によって不用
となる部分のテープｔ１ エレメント縫着糸及びエレメ
ントをそれぞれ排除し、窓孔１の溶断縁２とテープ横溶
縁３とにそれぞれほつれ止めが施されると共に、エレメ
ントｅ、ｅの浮遊を防止する溶着固定部ができる。

次いで、第２図の鎖線で示す如く、切断された部分より
後続するファスナーチェーンｆの左右テープ１，１に於
ける前記上止部４，４の一部からこれに連続するテープ
部分に跨って左右に対を威すグリッパ−６，６で挟持し
て、連続ファスナーチェーンｆを第２工程へ誘導する。

第２工程では第３図図示のように、ファスナーチェーン
ｆの上止部４付着側の端部を、ホルダー１５で支持して
いるスライダーＳの後端口Ｓ１に導入して、ファスナー
チェーンｆにスライダーＳを通すが、スライダーＳが上
止部４を通過し得るように、前記第１工程で上止部４，
４を成形付着する際、第２図図示の如く左右の上止部４
，４が例えば「ハ」字形に先行する側が広く開くように
付着すれば、第５．６図に示すように、スライダーＳが
雨上止部４．４間を通過する際、スライダーＳの胴体外
側面７によって各上止部４，４の肉をその合成樹脂の弾
力を利用し外方すなわち、第５，６図の２点鎖線に示す
方向へ押し出すように一時的に弾性変形させて挿通する
。

上止部４，４が「ハ」の形状でない場合は、例えば、特
公昭４４−２８７５１号公報の第１〜３図の阻止構造８
，９のような形状でも、その弾性変形によってスライダ
ーＳを通すことができる。

またスライダーＳの通過に応じてエレメントｅ、ｅの噛
合を開離する必要があるので前述の両グリッパ−６，６
は外側に開きながら前進し、単位長さの完成したスライ
ドファスナーが得られる。

この発明の実施例においては、使用する樹脂の１例を挙
げれば、フィルム１１，１２は、単層の場合は、ポリエ
ステル樹脂、積層の場合は、ポリアミド樹脂とポリエス
テル樹脂との積層、テープｔ、縫糸はポリエステル合成
繊維またはその混紡、エレメントｅは、ポリエステル樹
脂またはポリアミド樹脂を使用し、超音波ホーン９の周
波数はほぼ２０ＫＨｚで、１秒間前後で、上記熱可塑性
合成樹脂または合成繊維は完全に溶断、溶着される。

以上のように、この発明による方法は、連続ファスナー
チェーンに僅か２工程を施すだけで良質の完成したスラ
イドファスナーが連続的に製造され、しかもその第１工
程では超音波加工手段によるため、窓孔の溶融切断やテ
ープ横方向の溶融切断及びその窓孔と横切断とによって
形成された各縁部の溶着、並びに、上止部と下止部の成
形加工を同時に一挙に施すことが出来、且つ単純な動作
によって加工され、また、第２工程に於いては、左右に
対を威すグリッパ−で各上止部近傍のテープ部と該上止
部の一部とを挟持しながら、この部分をスライダーの後
端口に誘導してスライダー通しを行なうため、第１工程
において窓孔の形成、テープの横切断によって不用とな
るテープ、縫着糸、エレメントをすべて排除し、しかも
テープ部の切断及びスペース部の打抜き成形によって形
成される各切断縁部のほつれ止めが、溶断によるもので
、別に合成樹脂フィルムを添着するものと異なり、上下
耳部のテープ部に充分な柔軟性が保有され、かつファス
ナーチェーンの切断まで完了し、加えてスライダー通し
が上止部の一部をスライダーの胴体によって一時的に弾
性変形させるところの比較的挿通抵抗の大きいスライダ
ー通し作用を伴なうものでありながら、これに左右され
ることがなく連続ファスナーチェーンを一方向に送るの
みで確実かつ容易にスライダー通しを遂行できることと
なり、本発明方法によって初めて連続ファスナーチェー
ンから溶断、はつれ止めを切断縁の全てに施した高品質
の完成スライドファスナーを僅かに２工程で高能率に製
造できる。

またその加工動作が単純にできることから、一台の加工
機で実施できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の方法によって加工される連続ファス
ナーチェーンを示す正面図、第２図は第１工程で加工さ
れた連続ファスナーチェーンを示す正面図、第３図は第
２工程を経た連続ファスナーチェーンを示す正面図、第
４図はこの発明の方法によって製造されたスライドファ
スナーの正面図、第５図は、スライダーを上止部から挿
通する状態を示す平面図、第６図は同図の横断側面図、
第７図は加工装置の縦断側面図、第８図はアンビルの斜
面図である。 Ｆ・・・・・・スライドファスナー ｆ・・・・・・フ
ァスナーチェーン、ｔ・・・・・・ファスナーテープ、
ｅ・・・・・・ファスナーエレメント、Ｓ・・・・・・
スライダー Ｓｌ・・・・・・スライダーの後端口、１
・・・・・・窓孔、２・・・・・・打抜縁、３・・・・
・・切断縁、４・・・・・・上止部、５・・・・・・下
止部、６・・・・・・グリッパ−７・・・・・・スライ
ダー外側面、８・・・・・・アンビル、９・・・・・・
ホーン、１０・・・・・・突条、１１゜１２・・・・・
・フィルム、１３，１４・・・・・・パンチ、１５・・
・・・・スライダーホルダー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱可塑性合成繊維あるいはその混紡より成る左右一
   対の連続ファスナーテープの対向内縁部に夫々熱可塑性
   合成樹脂製のファスナーエレメントを装着し、且つ両エ
   レメントを互いに噛合して成る連続ファスナーチェーン
   を、所望のスライドファスナー長さに対応する長さあて
   間欠的に移送する過程に於いて、 （イ）スペース用窓孔を形成するための溶融切断、連続
   ファスナーチェーンを単位長とするための横方向の溶融
   切断及び前記窓孔部と横断部とに形成された各縁部の溶
   着、並びに左右に分割して対をなし、かつ一時期弾性変
   形可能な上止部と下止部との成形付着を夫々同時に単一
   加工スチージョンにおいて超音波加工手段によって行な
   う第１工程。 （ロ）前記対を戒している上止部の各近傍のテープ部分
   と、該上止部の一部とを左右に対を威すグリッパ−によ
   って挟持誘導することにより、上止部を付着した側のフ
   ァスナーチェーンの端部をスライダーの後端口に導入す
   ると共に、該スライダーの胴体で前記雨上止部を押し付
   け、時的に上止部の一部をスライダーの通過を許す状態
   に弾性変形してスライダー通しを行なう第２工程を順次
   連続的に繰り返し行なうことを特徴とするスライドファ
   スナーの製造方法。