JPS5937065Y2 - スライドフアスナ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、合成樹脂製のファスナーエレメント、特に
、合成樹脂線条をコイル状、または、ジグザグ状等に形
成したファスナーエレメントを有するスライドファスナ
ーエレメントを有するスライドファスナーに関するもの
である。

従来の技術 周知のように、スライドファスナーの製造工程において
、長尺のファスナーチェーンにスペース部分及び該部分
のテープを切断して、所要の長さのスライドファスナー
を製造するが、そのスペース部分やテープ端縁は、カッ
ターで切断したままの状態であるから、テープ部及びエ
レメント部には、それぞれ切断によるほつれが生ずる恐
れがあり、また、切断されたエレメント端部は、上止、
下止を取付成形した時に、鋭く突出した状態になること
がある等の欠点がある。

これを防止するために、従来は、特開昭４９−７２０３
０号公報に開示されているように、熱可塑性合成繊維あ
るいは、その混紡より成る左右連続テープの内縁部に、
所内間隔で順次切欠部を設けるようにして噛合状態とし
た務歯列を設け、ついで、務歯列の直下部における上記
切欠部に、角筒状をなし、その底面が断面Ｖ型に形成さ
れた切抜刃によって、スライドファスナー完成品の下耳
部の長さに相当する縦幅の打抜窓を完成させ、少くとも
、この打抜窓の形成時において、上記打抜刃を加熱、ま
たは、高周波ウエルダー、または、超音波ウエルダー等
とすることにより、打抜窓の切除縁部を溶融固化したも
のである。

しかしながら、上記のスライドファスナーの打抜刃は、
従来例のものとして第６図に示すように、アンビルＡ上
に載置されたテープｔをアンビルＡの下方まで打抜くた
めに、たとえ、打抜刃６′の底面が断面Ｖ型に形成され
ていたとしても、第１図に示すように、テープ切断端筒
７（打抜窓）はテープに対して垂直に溶断されるもので
ある。

考案が解決しようとする問題点 上記、従来のテープの溶切断端面・１がテープを面に垂
直なものは、スライダー通し工程中、被服縫製工程中、
被服着用者のスライダー上下摺動作用時なとにおいて、
テープ溶切断端面の上方隅角部は、実質的に直角に溶断
され、合成樹脂が硬化するために、スライダー、または
、作業者の指にひっかかり、作業能率の低下や、皮膚、
衣服などを傷付けたりする欠点があったものである。

そこで、この考案は、かかる欠点を解消できるスライド
ファスナーを開発したものである。

問題点を解決するための手段 この考案は、上記の従来のものの欠点を解決するために
、合成樹脂製繊維を有するテープ部の縁部に合成樹脂製
エレメントを縫糸で取付けたエレメント部を備えるスラ
イドファスナーの切断加工において、エレメント部の長
手方向の端部エレメントと、これに続くテープの構成糸
とを斜めに溶融切断して傾斜端面を形成し、その傾斜端
面の上方隅角部の表面を円孤状とし、前記構成糸の溶融
されなかった部分と縫糸とを前記傾斜端面に沿って屈曲
、延長し、かつ、前記傾斜端面において、端部エレメン
ト、屈曲したテープ構成糸および縫糸を一体に固着した
溶着部を設けたスライドファスナーである。

作用 以上のように、この考案によるスライドファスナーは、
その傾斜端面４に於いて、テープ部ｔの構成糸ｔ′、並
びに端部ニレメンＨａ、縫糸２及び芯紐６などが一体に
溶着されているため、垂直端面に比して溶着される範囲
が広くなってテープ構成糸ｔ′のほつれを確実に防止す
ると共に、縫糸２などで構成される傾斜端面４の上部隅
角部ｐの表面を円孤状、すなわち、丸みを帯びさせてい
るため、スライダー通し作業が円滑になり、被服の縫製
作業者や、被服着用者の指などのひっかかりを無くする
ことが出来るものである。

実癩例 この考案の実施例を図面によって具体的に説明する。

第１図及び第２図に示すスライドファスナーＦは、合成
樹脂製のジグザグ伏エレメント１を溶融しにくい縫糸２
によってテープ部ｔに取付けたエレメント部ｅを有する
もので、テープ部ｔは織成したもの或は編成したもので
あっても良く、またそのテープ部ｔの構成糸ｔ′は、天
然繊維と熱可塑性の合成樹脂繊維の交織、混紡または合
成樹脂繊維糸のみで構成したものが使用しである。

なお、３はブレードである。

このスライドファスナーにおけるエレメント部ｅの長手
方向の端部エレメント１ａに、斜面を有する切抜刃を押
し付けるように加圧しながら溶融切断加工を加え、該ニ
レメンＨａに続くテープ内側縁部ｔ１及びテープ末端部
ｔ２にも、押し付けながらその一部分を加圧溶融して切
断し、第３図、第４図に示すようにそれぞれ斜面状を成
す傾斜端面４・・・・・・を形成する。

その傾斜端面４の上方隅角部ｐの表面は円孤状に形成さ
れ、且つ、各傾斜端面４・・・・・・の傾斜する方向に
延長するテープ部ｔの合成繊維を有する構成糸ｔ′並び
に端部エレメント１ａは一部分溶融され、溶融されなか
った部分と縫糸２とは傾斜端面４を構成すべく屈曲し、
その傾斜端面４において一体に溶着されて溶着部５を構
成するものである。

尚、図中Ｓはスライダーを示す。

第５図図示のスライドファスナーＦは、コイルエレメン
ト１′を縫糸２と芯紐６によってテープ部ｔに取付けた
もので、その傾斜端面４を前記実箔例と同様に形成した
ものである。

なお、この考案における溶着は、例えばファスナーチェ
ーンを切断する際の超音波加工手段によって同時に実施
できる。

考案の効果 この考案は、エレメント部に於いては、縫糸２が端部エ
レメント１ａの上部から斜め下方に引き寄せた状態に溶
着されているので、端部ニレメンＨａが確実に内向され
ると共に、エレメント部の切断加工面が角張ることのな
い斜面になっているので、切断エレメントの端縁で他物
や肌を傷付ける恐れがなくなる。

更に、一般に熱溶融した部分は堅くもろいもので、横引
力などの外力によって溶融部がひび割れることがあるが
、この考案による場合、溶着部の範囲が広いので、溶着
部を強靭に仕上げられ、外力が加わってもひび割れする
ことはなく、同時にテープに柔軟性をも確保できるもの
となる。

また、エレメント部の端面が、該部分のテープ構成糸や
縫糸が切断端面の表面上を覆って屈曲して沿った状態で
斜面状に形成され、また、端部エレメントがこの傾斜端
面を構成しているので、スライダー通し、上止、下止等
の取付は成形などの加工が容易になり、しかも上記傾斜
端面ばテープの切断及びスペース部の打抜き加工時に同
時に実施できるため、生産性においても優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案によるスライドファスナーの一例を示
す正面図、第２図は同じくファスナーチェーンを切断し
てこれにスライダーを通す状況を示す斜視図、第３図は
第２図に於けるテープ縁部の断面図、第４図は第２図に
於ける端部エレメント部の断面図、第５図はこの考案に
よる類例を示す正面図、第６図は従来の打抜窓形成部の
断面図、第７図は従来の端部エレメント部の断面図であ
る。 ｅ・・・・・・エレメント部、１，１′・・・・・・エ
レメント、１ａ・・・・・・端部エレメント、２・・・
・・・縫糸、３・・・・・・ブレード、６・・・・・・
芯紐、ｔ・・・・・・テープ部、ｔ′・・・・・・テー
プの構成糸、ｔｌ・・・・・・テープ縁部、ｔ２・・・
・・・テープ末端部、４・・・・・・傾斜端面、５・・
・・・・溶着部、ｐ・・・・・・傾斜端面の上部隅角部
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製繊維を有するテープ部ｔの縁部に合成樹脂製
   エレメント１を縫糸２で取付けたエレメント部ｅを備え
   るスライドファスナーＦの切断加工において、エレメン
   ト部ｅの長手方向の端部ニレメンＨａとこれに続くテー
   プｔの構成糸１′とを斜めに溶融切断して傾斜端面４を
   形成し、その傾斜面４の上方隅角部ｐの表面を円弧状と
   し、前記構成糸ｔ′の溶融されなかった部分と縫糸２と
   を前記傾斜端面４に沿って屈曲、延長し、かつ、前記傾
   斜端面４において、端部エレメント１ａ１屈曲したテー
   プ構成糸ｔｌおよび縫糸２を一体に固着した溶着部５を
   設けたことを特徴とするスライドファスナー。