JPS5852440Y2 - 温風機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は温風機の改良に係るものである。

従来の温風機、例えばヘアードライヤーなどは通例温風
の吹出孔の近傍にヒータを配設し、かつケースに設けら
れた吸気孔の通風量すなわちヒーターを通過する風量を
ダンパー等で調節することによって温度の調節を行なう
ようになっているので、一般に高温のときには通風量が
少なく、低温のときは通風量が多く、そのため風量の多
寡によって温度の高低が著しいので使用目的に応じた適
温が得難く、温風の吹出孔が一定方向にのみ開口してい
るため、温風の吹出方向を変えることには温風機自体の
位置を変える必要があった。

また、例えば実公昭４０−１４７６９号公報の温風機の
ように吸気孔側にヒータを設ける方式の温風機にあって
も、温度調節はヒータを通過する風量を調節することに
よって行なっているため温度の高低差が著しく、かつ風
量も高温になるほど減少し、風量が一定化しないという
欠点があった。

この考案は斜上のごとき現状に鑑み、ヒータを通過する
風量を一定とし、ヒータとファンとの間に吸気孔を設け
、該吸気孔の通風量を変えることによって温度調節を容
易にし、かつ温度の吹出孔を自由に変化させることによ
って温風機の位置を変えることなく送風方向を自在とし
たものであって、モータを内蔵する筒状のモータ・ケー
スと、先端部外周に多数の第１の吸気孔を有し、かつ中
央部にヒータを内蔵した筒状のヒータ・ケースと、これ
らモータ・ケースとヒータ・ケースとの間に回転自在に
介装されると共に、ヒータ・ケースとのみ連通ずる円周
方向に吹出口を設けた円筒状のケーシングと、該ケーシ
ング内に配置され前記モータによって駆動されるファン
とで主要部を構成し、前記ヒータ・ケースとヒータとケ
ーシング間の外周に多数の第２の吸気孔を形成すると共
に、該第２の吸気孔と合致しうる孔を有する温度調節用
のリングをヒータ・ケースの外側に回転自在に取付け、
さらにモータ・ケースおよびヒータ・ケースをそれぞれ
支持金具を介して台座に取付けることを特徴とするもの
である。

以下、この考案の実施例を添付の図面に基づいて詳細に
説明すると、１は内部にモータ２を内装した筒状のモー
タ・ケース、３は中央部にハニカム状のヒータ４を内装
した筒状のヒータ・ケースで、該モータ・ケース１とヒ
ータ・ケース３との間に円周方向に吹出口６を有する円
筒状のケーシング５が回転自在に設けられている。

該ケーシング５はヒータ・ケース３とは連通しているが
、モータ・ケース１とはモータ２の駆動軸２ａを残す以
外は隔壁７によって遮断されているもので、その内部に
はファン８が隔壁７より突出するモータの駆動軸２ａに
軸装されている。

モータ・ケース１は先端部とケーシング５側の端部の円
周上にそれぞれモータ２の冷却用の吸気孔１ａ・・・・
・・と吐出孔１ｂ・・・・・・とが設けられ、またモー
タ２の前記駆動軸２ａと反対側に突設された補助駆動軸
２ｂにモータ冷却用のファン９が設けられ、ファン９を
駆動することによって外気を吸気孔１ａからモータ・ケ
ース１内に吸引し、内装したモータ２を冷却すると共に
、モータ２を冷却した空気を吐出孔１ｂから排出し、モ
ータ２の冷却作用を行なうよう構成されている。

一方、ヒータ・ケース３は先端部の円周上には多数の第
１の吸気孔３ａが設けられ、内装されたヒータ４とケー
シング５の中間における円周上には多数の第２の吸気孔
３ｂ・・・・・・が設けられ、かつ第２の吸気孔３ｂを
有するヒータ・ケース３の外側には該吸気孔３ｂと合致
する多数の温度調節用の孔１０ａ・・・・・・を有する
温度調節用のリング１０が回転自在に嵌装されている。

なお、前記リング１０に設ける孔１０ ａはヒータ・ケ
ース３に設ける第２の吸気孔３ｂの数より若干少なく設
け、リング１０の摘み１０ ｂを回転させることによっ
て孔１０ ａと吸気孔３ｂとの重合する部分の面積を任
意に変えるとより効果的な風量の調節が可能となる。

また、ヒータ・ケース３内に活性炭等の吸着剤からなる
脱臭材１１を着脱自在に収納すると空気中の塵埃や異臭
を除去することができる。

上記のようにモータ・ケース１、ケーシング５およびヒ
ータ・ケース３で主要部が構成された温風機は、モータ
・ケース１とヒータ・ケース３に固着される支持金具１
６．１６を介して台座１２に固着されており、該台座１
２はその裏面にマグネット１３が取付けられ、吸着性の
固定部１５を介して任意の場所に設置できるよ、う構成
されている。

なお、図中１４はスイッチを示す。

この考案の温風機は上記のように構成したので、スイッ
チ１４を操作し、モータ２およびヒータ４を同時に付勢
すると、モータ２と連動するファン８も駆動し、ヒータ
・ケース３の先端部の吸気孔３ａから空気をヒータ・ケ
ース３内に吸入し、吸込まれた空気はヒータ４によって
暖められると同時にファン８によってケーシング５の吹
出口６より室内へ吹き出される。

ついで室内へ吹出す温風の温度を調節するには、ヒータ
・ケース４の外側に回転自在に設けた温度調節用のリン
グ１０の摘み１０ｂを回転させ、リング１０に形成した
孔１０ ａとヒータ・ケース４に形成した吸気孔３ｂと
の合致面積を調節し吸気孔３ｂからヒータ・ケース３内
へ吸い込む空気量を変化させることによって行なうもの
である。

なお、モータ・ケース１とケーシング５とは隔壁７によ
って遮断されているため、モータ２の発する熱がケーシ
ング５内に入らず、ヒータ４による熱量のみが空気を温
めるので温度の制御が容易となる。

以上述べたように、この考案の温風機は一定速度で回転
するファンの吸気量下において、ヒータを通過する風量
を変化させず、ヒータ通過し加温された熱風にヒータを
通過しない空気を混入しもって温度の調節を行なうよう
にしたので、温度の調節がきわめて容易となり、かつ高
温又は低温であってもつねに一定の風量を保つことがで
きるものである。

したがって、小型のファンであっても充分な温度調節が
可能となり、温風機を小型、軽量化することが可能とな
る。

また、ケーシングはモータ・ケースとは連通していない
ので、モータの発する熱が温風に加わらず、ヒータの熱
量によってのみ温度が決定されるので、温度の制御がよ
り一層確実なものとなり、さらにケーシングの吹出口を
円周方向に自由に変えることができるため、温風機の位
置を変えることなく必要な場所に自在に送風できるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の温風機の一実施例を示す一部切欠正
面図、第２図は同側面図、第３図は底面図である。 １・・・・・・モータ・ケース、２・・・・・・モータ
、３・・・・・・ヒータ・ケース、４・・・・・・ヒー
タ、５・・・・・・ケーシング、６・・・・・・吹出口
、８・・・・・・ファン、１０・・・・・・温度調節用
のリング、１２・・・・・・台座、１６・・・・・・支
持金具、３ａ・・・・・・第１の吸気孔、３ｂ・・・・
・・第２の吸気孔、１０ａ・・・・・・温度調節用の孔
、１０ ｂ・・・・・・摘み。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）モータを内蔵する筒状のモータ・ケースと、先端
   部外周に多数の第１の吸気孔を有し、かつ中央部にヒー
   タを内蔵した筒状のヒータ・ケースと、これらモータ・
   ケースとヒータ・ケースとの間に回転自在に介装される
   と共に、ヒータ・ケースとのみ連通する円周方向に吹出
   口を設けた円筒状のケーシングと、該ケーシング内に配
   置され前記モータによって駆動されるファンとで主要部
   を構成し、前記ヒータ・ケースのヒータとケーシング間
   の外周に多数の第２の吸気孔を形成すると共に、該第２
   の吸気孔と合致しうる孔を有する温度調節用のリングを
   ヒータ・ケースの外側に回転自在に取付け、さらにモー
   タ・ケースおよびヒータ・ケースをそれぞれ支持金具を
   介して台座に取付けてなる温風機。
2. （２）前記ヒータ・ケース内に脱臭材を設けてなる実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の温風機。
3. （３）前記台座の裏面にマグネットを設けてなる実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の温風機。