JP3795033B2 - テーブル用ヒーター装置及びそれを備えたテーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーブル用ヒーター装置及びそれを備えたテーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
テーブル用ヒーター装置の中には、ヒーターと、熱反射部と、回転軸を有する回転駆動部と、前記回転駆動部の前記回転軸に連接されるとともに前記回転駆動部による回転駆動によって空気を前記回転軸の軸線方向に沿う所定の送り方向に送り出す回転ファンとを具備するものがある。
【0003】
このようなテーブル用ヒーター装置は、一般的に、テーブル台と、該テーブル台を支持する支持脚とを具備するテーブルの該テーブル台下面の略中央部に下向き設けられることで、例えば、こたつ等のヒーター付きテーブルの加熱手段として利用される。
【0004】
このこたつ等のヒーター付きテーブルは、通常、全体がふとん等で覆われ、空間が仕切られることで、一部の空間を暖かくする、いわゆるスポット暖房を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなヒーター付きテーブルにおいては、ふとん等を準備しなければならず、それだけ出費がかさむことになる。また、ふとん等が汚れたり、古くなったりすると、洗濯したり、買い換えたりすること等により、手間がかかったり、さらに出費がかさんだりする。
【0006】
そこで、ヒーター付きテーブルについて全体をふとん等で覆わずに利用することが考えられるが、この場合、次のような問題がある。すなわち、
【0007】
図11(A)に従来のヒーター付きテーブルの一例Tの概略側面図を示し、図11(B)に図11(A)に示すテーブル用ヒーター装置Aの一部拡大図を示す。なお、図11において矢印は空気の流れを示す。後述する図1及び図4から図9の矢印についても同様である。
【0008】
図11(B)に示すように、テーブル用ヒーター装置Aは、熱反射板Bと、ヒーターCと、回転軸D1を有するファンモータDと、ファンモータDの回転軸D1に連接されるとともにファンモータDによる回転駆動によって空気を回転軸D1の軸線D1’方向に沿う所定の送り方向Eに送り出す回転ファンFとを備えている。
【0009】
熱反射板Bは、送り方向EにおいてファンFより下流側でファンFと同心円上に配置される円形状の第1反射板B1と、第1反射板B1の周端部からファンF側で第1反射板B1に対して鈍角(例えば、120°程度)に延びる第2反射板B2とを有している。ヒーターCは、送り方向EにおいてファンFより下流側で第1反射板B1より上流側に配置されている。ファンFは、回転軸D1から径方向に放射状に設けられた複数の羽根F1を有している。
【0010】
この従来のテーブル用ヒーター装置Aでは、ファンFの羽根F1の径方向周端部と熱反射板Bの第2反射板B2との隙間は十分に広くなっており、ファンモータDによるファンFの回転駆動によって、ヒーターCによる温気が熱反射板Bの第1反射板B1及び第1反射板B1に対して鈍角に延びる第2反射板B2に沿って吹き出される。
【0011】
従って、このテーブル用ヒーター装置Aが設けられたテーブルTでは、図11(A)に示すように、熱がテーブルTの下方空間から外側に逃げ易く、それだけ熱効率が低下することとなり、全体をふとん等で覆わない場合には、効率よくスポット暖房することができない。
【0012】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、ヒーターと、熱反射部と、回転軸を有する回転駆動部と、前記回転駆動部の前記回転軸に連接されるとともに前記回転駆動部による回転駆動によって空気を前記回転軸の軸線方向に沿う所定の送り方向に送り出す回転ファンとを具備するテーブル用ヒーター装置であって、テーブル全体をふとん等で覆わなくても、熱がテーブルの下方空間から外側に逃げ難く、それだけ熱効率を向上させることができ、これにより、効率よくスポット暖房を行うことができるテーブル用ヒーター装置及びそれを備えたテーブルを提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決するため鋭意研究を重ねたところ、次のことを見出した。
【0014】
すなわち、ヒーターと、熱反射部と、回転軸を有する回転駆動部と、前記回転駆動部の前記回転軸に連接されるとともに前記回転駆動部による回転駆動によって空気を前記回転軸の軸線方向に沿う所定の送り方向に送り出す回転ファンとを具備するテーブル用ヒーター装置においては、前記ヒーターを、前記送り方向において前記回転ファンより上流側に配置し、また、前記熱反射部を、前記ヒーターを覆うように設け、前記送り方向において前記ヒーターより上流側、且つ、前記回転ファンと同心円上に配置される円形状の第1反射板と、前記第1反射板の周端部から前記回転ファン側、且つ、前記第1反射板に対して略直角に延びる第2反射板とを有するように構成し、さらに、前記回転ファンとして、前記回転軸から径方向に放射状に延びる複数の羽根支持部と、前記複数の羽根支持部のそれぞれに前記回転軸心から径方向外方に所定の距離をおいて支持される羽根とを有するものを採用すれば、前記回転駆動部による前記回転ファンの回転駆動によって、前記羽根の回動軌道路において空気を前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出すドーナツ状の吹き出し領域が形成される。このとき、前記熱反射部が、既述の通り、前記送り方向において前記回転ファンより上流側を覆うように設けられているので、空気が吸い込まれるところが主として前記ドーナツ状吹き出し領域の内周円内側となり、前記ドーナツ状吹き出し領域の内周円内側において空気を吸い込む円形状の吸い込み領域が形成される。そして、前記ヒーターによる温気が第1反射板及び第2反射板に反射して前記吹き出し領域から前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出され、さらに言えば、前記ヒーター近傍の前記熱反射部及び前記回転ファンにたまった熱が送風によって効率よく送り出され、該吹き出された温気が前記吸い込み領域から吸い込まれ、該吸い込まれた温気がさらに第1反射板及び第2反射板に反射して前記吹き出し領域から前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出され、温風が循環する。ここで、このテーブル用ヒーター装置では、温気を前記熱反射部の前記第1反射板及び前記第1反射板に対して略直角に延びる前記第2反射板に反射させるので、前記吹き出し領域から前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出し易く、それだけ該吹き出された温気が前記吸い込み領域から吸い込み易くなり、熱効率が向上する。前記第1反射板と第2反射板とのなす角度は略直角であるが、例えば、90°〜92°程度を挙げることができる。従って、このテーブル用ヒーター装置がテーブルに設けられる場合、テーブル全体をふとん等で覆わなくても、熱がテーブルの下方空間から外側に逃げ難く、それだけ熱効率を向上させることができ、これにより、効率よくスポット暖房を行うことができる。
【0015】
本発明はかかる知見に基づくものであり、前記課題を解決するため、次のテーブル用ヒーター装置及びテーブルを提供する。
【0016】
(1)テーブル用ヒーター装置
ヒーターと、熱反射部と、回転軸を有する回転駆動部と、前記回転駆動部の前記回転軸に連接されるとともに前記回転駆動部による回転駆動によって空気を前記回転軸の軸線方向に沿う所定の送り方向に送り出す回転ファンとを具備するテーブル用ヒーター装置であって、
前記ヒーターは、前記送り方向において前記回転ファンより上流側に配置され、
前記熱反射部は、前記ヒーターを覆うように設けられ、前記送り方向において前記ヒーターより上流側、且つ、前記回転ファンと同心円上に配置される円形状の第1反射板と、前記第1反射板の周端部から前記回転ファン側、且つ、前記第1反射板に対して略直角に延びる第2反射板とを有し、
前記回転ファンは、前記回転軸から径方向に放射状に延びる複数の羽根支持部と、前記複数の羽根支持部のそれぞれに前記回転軸心から径方向外方に所定の距離をおいて支持される羽根とを有し、
前記回転駆動部による前記回転ファンの回転駆動によって、前記羽根の回動軌道路において空気を前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出すドーナツ状の吹き出し領域を形成するとともに、前記ドーナツ状吹き出し領域の内周円内側において空気を吸い込む円形状の吸い込み領域を形成し、前記ヒーターによる温気を前記第1反射板及び前記第2反射板に反射させて前記吹き出し領域から前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出し、該吹き出された温気を前記吸い込み領域から吸い込み、該吸い込まれた温気をさらに前記第1反射板及び前記第2反射板に反射させて前記吹き出し領域から前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出すことで、温風を循環させることを特徴とするテーブル用ヒーター装置。
【0017】
(2)テーブル
前記本発明に係るテーブル用ヒーター装置を備えていることを特徴とするテーブル。
【0018】
本発明に係るテーブル用ヒーター装置及びテーブルによると、前記ヒーターは、前記送り方向において前記回転ファンより上流側に配置され、前記熱反射部は、前記ヒーターを覆うように設けられ、前記送り方向において前記ヒーターより上流側、且つ、前記回転ファンと同心円上に配置される円形状の第1反射板と、前記第1反射板の周端部から前記回転ファン側、且つ、前記第1反射板に対して略直角に延びる第2反射板とを有し、前記回転ファンは、前記回転軸から径方向に放射状に延びる複数の羽根支持部と、前記複数の羽根支持部のそれぞれに前記回転軸心から径方向外方に所定の距離をおいて支持される羽根とを有し、前記回転駆動部による前記回転ファンの回転駆動によって、前記羽根の回動軌道路において空気を前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出すドーナツ状の吹き出し領域を形成するとともに、前記ドーナツ状吹き出し領域の内周円内側において空気を吸い込む円形状の吸い込み領域を形成し、前記ヒーターによる温気を前記第1反射板及び前記第2反射板に反射させて前記吹き出し領域から前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出し、該吹き出された温気を前記吸い込み領域から吸い込み、該吸い込まれた温気をさらに前記第1反射板及び前記第2反射板に反射させて前記吹き出し領域から前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出すことで、温風を循環させるので、テーブル全体をふとん等で覆わなくても、熱がテーブルの下方空間から外側に逃げ難く、それだけ熱効率を向上させることができ、これにより、効率よくスポット暖房を行うことができる。
【0019】
本発明に係るテーブルとしては、テーブル下方に空間を有するものであれば、いずれのものでもよく、例えば、テーブル台と、該テーブル台を支持する支持脚とを具備するテーブルを挙げることができる。この場合、本発明に係るテーブル用ヒーター装置は、該テーブル台下面の略中央部に下向き設けられることが望ましい。なお、前記支持脚は、前記テーブル台を良好に支持できるものであれば、支持脚の数や長さ、形状に制限されるものではない。本発明に係るテーブルとして、具体的には、ダイニングテーブル等の椅子等に腰掛けて利用するタイプのもの、座敷机等の畳や床に直接的に座って利用するタイプのもの等を例示できる。本発明に係るテーブル用ヒーター装置を備えた本発明に係るテーブルは、いわば、ふとん等で覆われない、ふとんレスタイプのこたつとすることができる。
【0020】
前記回転ファンの径方向周端部と前記熱反射部との隙間は、広すぎると、この隙間から前記ヒーターによる温気が逃げ易く、熱効率の低下を招き易いので、前記回転ファンの回転等に支障がない程度に、狭くすることが望ましい。この隙間としては、前記回転ファンの大きさや回転数にもよるが、例えば10mm程度を挙げることができる。
【0022】
本発明に係るテーブル用ヒーター装置において、前記ヒーターとしては、例えば、ハロゲンヒーター、好ましくは、前記ドーナツ状吹き出し領域に沿って設けられた略リング状のハロゲンヒーターを挙げることができる。このように、前記ヒーターとしてハロゲンヒーターを採用する場合には、前記熱反射部からの反射熱と前記回転ファンによる温風とのマッチングにより、利用者は、ほどよい暖かさを体感できる。
【0023】
ところで、本発明のテーブル用ヒーター装置及びテーブルは、既述のとおり、ふとんレスタイプのこたつとして、例えば、冬などの低温環境下で利用することができるが、夏などの高温環境下では、前記ヒーターに通電せず、前記回転ファンによる循環送風を行ってもよい。この場合、本発明に係るテーブル用ヒーター装置は、前記回転駆動部への通電のオン及びオフの切り替えスイッチと、前記ヒーターへの通電のオン及びオフの切り替えスイッチとがそれぞれ独立して設けられ、前記回転駆動部への通電のオン及びオフの切り替えスイッチがオンの状態であることを前提として、前記ヒーターへの通電のオン及びオフの切り替えスイッチの切り替えが可能となるように構成されている場合を例示できる。この構成によると、夏などの高温環境下では、前記回転駆動部への通電がオンされるとともに前記ヒーターへの通電がオフされることで、前記ヒーターに通電されずに、前記回転駆動部による循環送風が行われ、部屋等に設けられたエアコンなどの冷房装置等による床面にたまった冷気が前記吸い込み領域に吸い上げられて送風され、これにより、利用者は、涼感を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係るテーブル用ヒーター装置の一例20を備えた本発明に係るテーブルの一例10を示す概略側面図である。図2(A)は図1に示すヒーター装置20の一部を切り欠いた概略側面図であり、図2(B)はヒーター装置20の一部を切り欠いた概略平面図である。また、図3(A)は図1に示すヒーター装置20の回転ファン24の一部概略平面図であり、図3(B)は回転ファン24における羽根24bの状態を説明するための図であって回転ファン24を側面から見た図である。
【0025】
図1に示すテーブル10は、前記のテーブル用ヒーター装置20の他、テーブル台11及び該テーブル台11を支持する支持脚12を備えており、ここではダイニングテーブル等の椅子等に腰掛けて利用するタイプのもの又は座敷机等の畳や床に直接的に座って利用するタイプのものである。さらに説明すると、テーブル台11は、ここでは板状の矩形部材であり、一方の面、すなわち下面の四隅にそれぞれ棒状の支持脚12が設けられている。ヒーター装置20は、テーブル台11下面の略中央部に下向き設けられている。このテーブル用ヒーター装置20を備えたテーブル10は、いわば、ふとん等で覆われない、ふとんレスタイプのこたつである。
【0026】
テーブル用ヒーター装置20は、図2に示すように、ヒーター21と、熱反射部22と、回転軸23aを有する回転駆動部(ここではファンモータ)23と、ファンモータ23の回転軸23aに連接されるとともにファンモータ23による回転駆動によって空気を回転軸23aの軸線23a’方向に沿う所定の送り方向Xに送り出す回転ファン24と、断熱板25と、これらの部材を収納する装置ケース26と、装置ケース26に収納された各部材を保護するガード部材27とを具備している。
【0027】
ヒーター21は、送り方向Xにおいてファン24より上流側に配置されており、例えば、後述するドーナツ状吹き出し領域Pに沿って設けられた略リング状のハロゲンヒーターである。さらに説明すると、図2(B)に示すように、ヒーター21は、例えば、直径約10mmの棒状のハロゲンヒーターが直径約200mmのリング形状に形成されたものである。
【0028】
熱反射部22は、図2(A)に示すように、送り方向Xにおいてファン24より上流側及びヒーター21を覆うように設けられるものである。さらに説明すると、熱反射部22は、例えば、送り方向Xにおいてヒーター21より上流側、且つ、ファン24と同心円上に配置される円形状の第1反射板22aと、第1反射板22aの周端部22a’からファン24側、且つ、第1反射板22aに対して略直角(ここではα=約90°)に延びる第2反射板22bとを有しており、断面コの字形状の有底の筒状部材である。この第1及び第2反射板22a,22bの表面には熱を効率よく反射させるための処理が施されている。また、第2反射板22b端部には編み目構造のガード部材27が設けられている(図2(B)も参照)。
【0029】
断熱板25は、送り方向Xにおいて第1反射板22aよりさらに上流側に配置されている。ヒーター装置20は、この断熱板25側をテーブル台11の下面に向けてテーブル台11に設けられる。これにより、テーブル台11はヒーター装置20に対して良好に断熱される。
【0030】
ファンモータ23は、第1反射板22aの中心部に設けられていて、既述のとおり、回転軸23aを有しており、回転軸23aを所定の回転方向(図2(B)及び図3(A)中Y方向)に回転駆動できる。
【0031】
ファン24は、図2(B)及び図3(A)に示すように、回転軸23aから径方向に放射状に延びる複数(ここでは四つ)の羽根支持部24aと、この複数の羽根支持部24aのそれぞれに回転軸23aの中心から径方向外方に所定の距離d(図3(A)参照)をおいて支持される羽根24bとを有している。
【0032】
四つの羽根支持部24aは、例えば、円柱状の部材からなり、一端部がファンモータ23の回転軸23aに接続された接続部材24cに支持されている一方、他端部が羽根24bを支持している。
【0033】
羽根24bは、図3に示すように、略平行四辺形状の板状部材であり、底辺側の一辺が、回転軸23a線eに垂直な面fに対して所定の角度θで羽根支持部24aに設けられている。これにより、ファンモータ23によるファン24の回転駆動によって空気を回転軸23aの軸線23a’方向に沿う所定の送り方向Xに送り出すことができる(図2(A)参照)。また、ファン24の羽根24bの径方向周端部と熱反射部の第2反射板22bとの隙間gは、例えば、10mm程度である。
【0034】
図10にテーブル用ヒーター装置20における電気回路の概略ブロック図を示す。図10に示すように、ヒーター装置20は、さらに電源28及びスイッチ部29とを備えている。
【0035】
図10に示す電源28は、ファンモータ23及びヒーター21に駆動電力を供給するものであり、スイッチ部29を介して、電気的に接続されている。スイッチ部29は、電源用スイッチSW1及びヒーター用スイッチSW2を備えており、スイッチSW1がオンされることで、電源28からファンモータ23に通電できるとともに、スイッチSW2がオンされることで、電源28からヒーター21に通電できるものである。これにより、ヒーター21への通電のオン及びオフの切り換えを行うことができる。
【0036】
図4にテーブル用ヒーター装置20によって温風が流れる様子を示す。図4に示すように、テーブル用ヒーター装置20では、ファンモータ23によるファン24の回転駆動によって、羽根24bの回動軌道路において空気を吹き出すドーナツ状の吹き出し領域P(図2(B)も参照)が形成される。このとき、熱反射部22が、既述の通り、送り方向Xにおいてファン24より上流側を覆うように設けられているので、空気が吸い込まれるところが主としてドーナツ状吹き出し領域Pの内周円内側となり、ドーナツ状吹き出し領域Pの内周円内側において空気を吸い込む円形状の吸い込み領域Q(図2(B)も参照)が形成される。そして、ヒーター21による温気が熱反射部22の第1反射板22a及び第1反射板22aに対して略直角に延びる第2反射板22bに反射して吹き出し領域Pから吹き出され、さらに言えば、ヒーター21近傍の第1反射板22a及び第2反射板22b並びにファン24にたまった熱が送風によって効率よく送り出され、該吹き出された温気が吸い込み領域Qから吸い込まれ、該吸い込まれた温気がさらに熱反射部22の第1反射板22a及び第2反射板22bに反射して吹き出し領域Pから吹き出され、温風が循環する。
【0037】
このように、テーブル用ヒーター装置20及びテーブル10によると、ファンモータ23によるファン24の回転駆動によって、羽根24bの回動軌道路において空気を吹き出す吹き出し領域Pを形成するとともに、吹き出し領域Pの内周円内側において空気を吸い込む吸い込み領域Qを形成し、ヒーター21による温気を熱反射部22に反射させて吹き出し領域Pから吹き出し、さらに言えば、ヒーター21近傍の第1反射板22a及び第2反射板22b並びにファン24にたまった熱を送風によって効率よく送り出し、該吹き出された温気を吸い込み領域Qから吸い込み、該吸い込まれた温気をさらに熱反射部22に反射させて吹き出し領域Pから吹き出すことで、温風を循環させるので、図1に示すように、テーブル全体をふとん等で覆わなくても、熱(例えば、図1中斜線部のハロゲンヒーター21の反射熱)がテーブル10の下方空間から外側に逃げ難く、それだけ熱効率を向上させることができ、これにより、効率よくスポット暖房を行うことができる。
【0038】
また、本例では、図4に示すように、温気を熱反射部22の第1反射板22a及び第1反射板22aに対して略直角に延びる第2反射板22bに反射させるので、吹き出し領域Pから回転軸23aの軸線e方向に沿って吹き出し易く、それだけ該吹き出された温気が吸い込み領域Qから吸い込み易くなり、さらに熱効率が向上し易く、一層効率のよいスポット暖房を実現できる。
【0039】
さらに、本例では、ヒーター21としてハロゲンヒーターを用いるので、熱反射部22からの反射熱とファン24による温風とのマッチングにより、利用者は、ほどよい暖かさを体感できる。
【0040】
また、本例では、ヒーター21への通電のオン及びオフの切り換えを行うことができるように構成されているので、夏などの高温環境下では、スイッチSW1がオンされてファンモータ23への通電がオンされるとともにスイッチSW2がオフされてヒーター21への通電がオフされることで、ヒーター21に通電されずに、ファンモータ23による循環送風が行われ、部屋等に設けられたエアコンなどの冷房装置等による床面にたまった冷気が吸い込み領域Qに吸い上げられて送風され、これにより、利用者は、涼感を得ることができる。
【0041】
本例のテーブル用ヒーター装置20は、図1に示すように、テーブルに設けられるものであるが、次のように利用してもよい。すなわち、
(a)図5に示すように、脱衣所等の部屋の天井100に設置して天井設置用のスポット暖房機器乃至送風機器として利用してもよい。
(b)図6に示すように、部屋の壁200等に設置して壁掛け用のスポット暖房機器乃至送風機器として利用してもよい。
(c)図7に示すように、部屋の床300等に設置して床置き用のスポット暖房機器乃至送風機器として利用してもよい。
(d)図8に示すように、持ち運びできるポータブルストーブ乃至ポータブル送風機器として利用してもよい。
(e)図9に示すように、ふとん等で覆われない、ふとんレスタイプの堀ごたつ400の加熱装置乃至送風装置として利用してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、ヒーターと、熱反射部と、回転軸を有する回転駆動部と、前記回転駆動部の前記回転軸に連接されるとともに前記回転駆動部による回転駆動によって空気を前記回転軸の軸線方向に沿う所定の送り方向に送り出す回転ファンとを具備するテーブル用ヒーター装置であって、テーブル全体をふとん等で覆わなくても、熱がテーブルの下方空間から外側に逃げ難く、それだけ熱効率を向上させることができ、これにより、効率よくスポット暖房を行うことができるテーブル用ヒーター装置及びそれを備えたテーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテーブル用ヒーター装置の一例を備えた本発明に係るテーブルの一例を示す概略側面図である。
【図2】図(A)は図1に示すヒーター装置の一部を切り欠いた概略側面図であり、図(B)はヒーター装置の一部を切り欠いた概略平面図である。
【図3】図(A)は図1に示すヒーター装置の回転ファンの一部概略平面図であり、図(B)は回転ファンにおける羽根の状態を説明するための図であって回転ファンを側面から見た図である。
【図4】テーブル用ヒーター装置によって温風が流れる様子を示す図である。
【図5】テーブル用ヒーター装置を、脱衣所等の部屋の天井に設置して天井設置用のスポット暖房機器乃至送風機器として利用した状態を示す図である。
【図6】テーブル用ヒーター装置を、部屋の壁等に設置して壁掛け用のスポット暖房機器乃至送風機器として利用した状態を示す図である。
【図7】テーブル用ヒーター装置を、部屋の床等に設置して床置き用のスポット暖房機器乃至送風機器として利用した状態を示す図である。
【図8】テーブル用ヒーター装置を、持ち運びできるポータブルストーブ乃至ポータブル送風機器として利用した状態を示す図である。
【図9】テーブル用ヒーター装置を、ふとん等で覆われない、ふとんレスタイプの堀ごたつの加熱装置乃至送風装置として利用した状態を示す図である。
【図10】テーブル用ヒーター装置における電気回路の概略ブロック図である。
【図11】図(A)は従来のヒーター付きテーブルの一例の概略側面図であり、図(B)は図(A)に示すテーブル用ヒーター装置の一部拡大図である。
【符号の説明】
10…テーブル 20…テーブル用ヒーター装置 21…ヒーター
22…熱反射部 22a…第1反射板 22b…第2反射板 23…回転駆動部
23a…回転軸 23a’…回転軸23aの軸線 24…回転ファン
24a…羽根支持部 24b…羽根 28…電源 29…スイッチ部
P…ドーナツ状吹き出し領域 Q…円形状吸い込み領域 X…送り方向
Claims (4)
- ヒーターと、熱反射部と、回転軸を有する回転駆動部と、前記回転駆動部の前記回転軸に連接されるとともに前記回転駆動部による回転駆動によって空気を前記回転軸の軸線方向に沿う所定の送り方向に送り出す回転ファンとを具備するテーブル用ヒーター装置であって、
前記ヒーターは、前記送り方向において前記回転ファンより上流側に配置され、
前記熱反射部は、前記ヒーターを覆うように設けられ、前記送り方向において前記ヒーターより上流側、且つ、前記回転ファンと同心円上に配置される円形状の第1反射板と、前記第1反射板の周端部から前記回転ファン側、且つ、前記第1反射板に対して略直角に延びる第2反射板とを有し、
前記回転ファンは、前記回転軸から径方向に放射状に延びる複数の羽根支持部と、前記複数の羽根支持部のそれぞれに前記回転軸心から径方向外方に所定の距離をおいて支持される羽根とを有し、
前記回転駆動部による前記回転ファンの回転駆動によって、前記羽根の回動軌道路において空気を前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出すドーナツ状の吹き出し領域を形成するとともに、前記ドーナツ状吹き出し領域の内周円内側において空気を吸い込む円形状の吸い込み領域を形成し、前記ヒーターによる温気を前記第1反射板及び前記第2反射板に反射させて前記吹き出し領域から前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出し、該吹き出された温気を前記吸い込み領域から吸い込み、該吸い込まれた温気をさらに前記第1反射板及び前記第2反射板に反射させて前記吹き出し領域から前記回転軸の軸線方向に沿って吹き出すことで、温風を循環させることを特徴とするテーブル用ヒーター装置。 - 前記ヒーターは前記ドーナツ状吹き出し領域に沿って設けられた略リング状のハロゲンヒーターである請求項1に記載のテーブル用ヒーター装置。
- 前記回転駆動部への通電のオン及びオフの切り替えスイッチと、前記ヒーターへの通電のオン及びオフの切り替えスイッチとがそれぞれ独立して設けられ、前記回転駆動部への通電のオン及びオフの切り替えスイッチがオンの状態であることを前提として、前記ヒーターへの通電のオン及びオフの切り替えスイッチの切り替えが可能となるように構成されている請求項1又は2のいずれかに記載のテーブル用ヒーター装置。
- 請求項1から3のいずれかに記載のテーブル用ヒーター装置を備えていることを特徴とするテーブル。
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