JPS5851516B2 - 船体の中間体の完成モジュ−ルを組立てる方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は造船工業に関し、更に詳細に言えば液状、粒状
又はガス状の船荷の輸送に用いられる船舶用の船体の中
間体の完成モジュールを組立てる方法に関する。

このような船舶には、タンカー、ばら積貨物船、鉱石運
搬船及びあらゆる型の組合せ船（００，ＯＢ、ＯＢＯ，
ＰＲＯＢＯ型船舶）並びにＬＮＧ及びＬＰＧ型のガスタ
ンカーが包含される。

この方法は、２００００乃至５００００ｄｗｔ。

トン（載置重量トン）の範囲の船舶の組立てに最大の利
益を以て最も広く用いることが出来る。

船舶の船体を組立てる現代の慣用的な方法によれば、ク
レーンにより建造現場に運ばれた平坦な部品と３次元部
品から船体が組立てられる。

クレーンの持上げ能力には制限があるので、部品の重量
を生産技術的に有利な値まで増加させることが出来ない
。

それ故、建造現場で行なうべき組立て作業と準備作業と
の割合が増加し、船舶建造期間中の船架台にある時間が
長くなる。

日本に於て、船体の中間体の組立てのためのクレーンの
使用を不要にし且つ組立て作業の主要部分をドックから
該ドックに隣接する領域に移すという試みが為された（
米国特許第３８７５８８７号、３６９８３４４号、３７
０３１５３号と比較せよ）。

この方法によれば、中間体は右舷側り型モジュールと左
舷側り型モジュールと甲板部品と底部部品と中間体の中
央部分の横隔壁とから組立てられる。

Ｄ型モジュールは側面部品と底部部品と甲板部品により
形成され且つ縦隔壁と横隔壁により形成された剛性ある
構造である。

例えば５００，０００載貨重量トンのタンカーのための
Ｄ型モジュールの全寸法は２１ｍＸ２３ｍＸ３７ｍであ
って１４００トンまでの質量を有する。

このようなモジュールはクレーンを用いないで床輸送手
段を用いて運ばれる。

モジュールは、走行うレーンを有する特別に設計された
組立てジグ（ｊｉｇ）内で、（モジュールの横隔壁の水
平面と共に）水平の位置にある建造場所の外側で組立て
られる。

組立てられたモジュールは溶接に好都合な場所で溶接を
するために、輸送トロリー上の溶接傾斜装置（ｗｅｌｄ
ｉｎｇ ｔｉｌｔｅｒ）まで車で運ばれる。

溶接作業が完了した後、水平位置にあるモジュールは位
置決め装置へ送られ、それによって９０度回転されて垂
直位置（横隔壁の面は垂直である）へ向きを変えられ、
ドックの輸送トロリー上でその底部と共に据付けるため
ドックの中へ下降させられる。

次に、Ｄ型モジュールは、縦軌道と横軌道の複雑なシス
テムに沿って動くトロリーによって、Ｄ型モジュールが
中間体の前取て組立てられた部分へ取付けられる場所ま
で運ばれる。

中間体の中央部分の底部部品はＤ型モジュールの据付の
前に装着されるが、然るに甲板部品と横隔壁とはドック
クレーンによってＤ型モジュールの据付後に据付けられ
る。

それにも拘らず、上述の従来の方法では船体組立て作業
の完全機械化を可能ならしめることはできない。

その理由は、中間体の中央部分を部品から組立てるため
にクレーン装置が用いられるためであり、又ドック底部
に沿うモジュールの輸送のための複雑なシステムのため
であり、造船台作業のための労働力消費が増加しそれに
よって造船期間のうちの船架台にある時間を長びかせる
ためである。

本発明の目的は、ドック作業の量を減少させ、それ故に
ドック内の船舶組立てに要求される時間を減少させて船
体組立て作業の機械化の水準を高めることである。

本発明は、中間体の組立てのための組立て作業に必要な
時間を減少し、その結果船舶組立てのドック期間を短縮
し且つ船体組立て作業の完全機械化を可能とする、船体
の中間体の完成モジュールを組立てる方法を提供するこ
とにある。

本発明は、液状、粒状又はガス状の船荷の輸送用に設計
された船体の中間体の完成モジュールを、船体の中間体
の組立場所の外側の組立領域で組立てる方法であって、
前記完成モジュールが右舷側および左舷側のＤ型モジュ
ールと、甲板部品と、底部部品と、完成モジュールの中
央部分の横隔壁とから組立てられる方法であるが、その
特徴とするところは、先ず前記右舷側および左舷側のＤ
型モジュールを、夫々の横隔壁の面が水平となるように
置き、次いで、前記右舷側および左舷側の両り型モジュ
ール間で、前記完成モジュールの中央部分となる横隔壁
の面を水平にして前記両り型モジュールに取付け、更に
、前記底部部品および甲板部品を、前記両り型モジュー
ルおよび横隔壁に取付けることにある。

この方法により、船体の中間体の完成モジュールの組立
ておよびその溶接作業の大部分をドックの傍の場所で行
なうことが可能となり、それ故、船体全体の組立て作業
の機械化を増進でき、組立て期間を短縮することも可能
となる。

また、完成モジュールはその横隔壁の面が水平位置にあ
る間に組立てられ、組立てられたモジュールを既に据付
けられたモジュールへ取付ける場合に、組立てられたモ
ジュールの横隔壁の面が既に据付けられたモジュールの
横隔壁の面と平行に延びる位置へ向きを変えることがで
きるので、困難な作業場所における組立ておよび溶接作
業（頭上作業）が不要となり、かつ、これらの作業を機
械化することも可能となる。

かくして、クレーンを用いずして行なう完成モジュール
の組立て装置は、中間体の組立てのための生産流れ工程
中に組み入れられる。

本発明を、添付図面に基ずく特定の実施態様を参照して
説明する。

本発明による船体の中間体の完成モジュールを組立てる
方法は以下の通りである。

先ず第１に、右舷側り型モジュール１と左舷側り型モジ
ュール１とが、船体の中間体の組立て場所の外側で、米
国特許第３６９８３４４号、第３７０３１５３号、第３
８７５８８７号に記載されている方法に類似の方法又は
他の適切な方法の何れかによって組立てられる。

船体の中間体は乾ドック、水平造船台、傾斜造船台、又
はこれらに類似する装置によって組立てることができる
。

Ｄ型モジュール１の組立ての後、それらは完成モジュー
ルの組立て場所Ｉへ水平位置で運ばれる（第１図）。

場所Ｉは船体の中間体の組立て場所（場所■）の外側に
配置されている。

底部部品２と甲板部品３と中間体の中央部分の横隔壁も
また次々に場所Ｉへ運ばれる。

部品２，３及び４は右舷側り型モジュール１と左舷側り
型モジュール１の間で据付けられ、それによって完成モ
ジュール５を組立てる。

このように、完成モジュール５は右舷側り型モジュール
１と左舷側り型モジュール１から成る船体の中間体の一
構成部品と、その間に据付けられる底部部品２、甲板部
品３及び中間体の中央部分の横隔壁部品とを包含する。

完成モジュール５の幅は船舶の中間体の幅に等しく、そ
の高さは中間体の側面の高さに等しいが、然るにその長
さは中間体を構成する完成モジュールの数に依存する。

成る適用に於ては、横隔壁４を完成モジュールの構成中
に設けることが出来ない。

完成モジュール５は場所Ｉで組立てられた後、最終の溶
接のため場所Ｈへ運ばれ、次に塗装場所■へ運ばれる。

場所Ｉから場所■までの間に挿入されるべき中間場所の
数は、完成モジュール５の組立ての特定の製造工程に依
存する。

最後に、溶接され且つ塗装されたモジュールは船体の中
間付の組立て場所（場所■）へ運ばれ、そして前以て組
立てられたモジュールへ取付けられ、船体の中間体の組
立て場所で据付けられる。

船体の中間体の組立て場所の外側に於ける完成モジュー
ル５の予備組立ては、中間体の部品（完成モジュール）
の組立て、溶接及び塗装の作業の大部分を船体の中間体
の組立て場所の外側にある作業場へ移すことを可能とし
、船体組立て作業Ｃ機械化の水準を高め、造船期間にお
ける船架台にある時間を相当に減少させることを可能と
する。

完成モジュール５は水平位置で、即ち横隔壁の面が水平
に保持される位置で組立てられる。

組立て後、完成モジュール５は船体の中間体の組立ての
ため場所■へ水平位置で運ばれる。

完成モジュール５は輸送トロリー又は他の運搬車（無限
軌道牽引車、ホーバークラフト運搬車及びその類似物に
よって組立て場所へ運ばれる。

完成モジュール５が前以て据付けられたモジュールへ取
付けるため船体の中間体の組立て場ＰＪｒ（場所ＩＶ）
へ運ばれるとき、完成モジュール５はその新しいモジュ
ールの隔壁の面と前以て据付けられている隔壁の面とが
互に平行に延びる位置へ向きを変えられる。

モジュールは例えば上述の米国特許に記載されている装
置に類似の装置又は他の伺らか適当な装置を用いること
によって向きを変えられる。

完成モジュール５は、それが船体の中間体の組立て場所
に於て据付けられねばならない位置へそれを持ってくる
ように、向きを変えられるべきである。

水平位置での完成モジュールの組立ては、組立て作業と
溶接作業の最大の実行し得る機械化と自動化とを可能な
らしめ、頭上での溶接と組立てをなくする。

完成モジュールの組立ては次の順序で遂行するのが好ま
しい。

Ｄ型モジュール１と部品２，３．４が組立て場所（場所
Ｉ）へ運ばれ且つ部品２，３．４がＤ型モジュール１の
間に据付けられた後（第２図）、横隔壁４が所要の高さ
まで水平位置で持上げられ他方甲板部品３と底部部品２
が直立の位置へ傾けられ（第３図）、Ｄ型モジュール１
はそれらが上述の作業を妨げない位置に在る。

完成モジュールの中央部分の組立ての後、そのＤ型モジ
ュールは完成モジュール内でとらねばならない位置へ移
され、その後でＤ型モジュール１と部品２，３．４の仮
付け（予め溶接すること）が行なわれる。

完成モジュール内に横隔壁が存在しない万一の場合には
、横隔壁を持上げる作業は当然除かれる。

場所Ｉに於ける仮付けの後、完成モジュールは最終的な
溶接の場所（場所■）へ運ばれ、次に塗装場所（場所■
）へ運ばれる。

本発明に従って完成モジュールから船体の中間体の完成
モジュールを組立てる方法は、組立て作業の完全な機械
化を可能ならしめ、ドック・クレーンの使用を省略し、
組立て場所内での船体構成物の運搬のシステムを相当に
単純化し、この様にして中間体の組立てのための高い生
産性を示す流れ工程を提供し、そして造船台作業と準備
作業のための労働力消費の相当な減少により中間体の組
立てにおける船架台にある時間を実質的に減少させる。

液状、粒状、又はガス状の船荷の輸送のために用いられ
る船舶用の船体の中間体を完成モジュールを用いて組立
てるこの方法は、船体組立て作業の生産技術水準の実質
的改良を保証してこの水準を最新式の組立部品製造作業
の水準にまで高め、船体の組立てと準備と組立て作業の
ための労働力消費が５０％乃至６０％減少され、船体組
立てにおける船架台にある時間を４０％乃至５０％減少
させる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に従って船体の完成モジュールと中間体
を組立てる順序を示す。 第２図は本発明による、組立て前の完成モジュールの要
素の最初の位置を示す。 第３図は本発明による、完成モジュールの中央部分の組
立てのための据付は作業の順序を示す。 第４図は本発明による、完成モジュールの組立てに於け
る最終作業を示す。 １・・・・・・右舷側又は左舷側のＤ型モジュール、２
・・・・・・中間体の中央部分の底部部品、３・・・・
・・中間体の中央部分の甲板部品、４・・・・・・中間
体の中央部分の横隔壁、５・・・・・・完成モジュール
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 液状、粒状又はガス状の船荷の輸送用に設計された
   船体の中間体の完成モジュール５を、船体の中間体の組
   立場所の外側の組立領域で組立てる方法であって、前記
   完成モジュール５が右舷側および左舷側のＤ型モジュー
   ル１と、甲板部品３と、底部部品２と、完成モジュール
   の中央部分の横隔壁４とから組立てられる方法において
   、 先ず、前記右舷側および左舷側のＤ型モジュール１を、
   夫々の横隔壁の面が水平となるように置き、 次いで前記右舷側および左舷側の両り型モジュール１０
   間で、前記完成モジュールの中央部分となる横隔壁４の
   面を水平にして前記両り型モジュールに取付け、 更に、前記底部部品２および甲板部品３を、前記両り型
   モジュール１および横隔壁４に取付ける、ことからなる
   ことを特徴とする船体の中間体の完成モジュールの組立
   方法。