JP3413512B2 - 船用シヨアランプ装置と制御方法 - Google Patents

船用シヨアランプ装置と制御方法

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JP3413512B2 JP19684897A JP19684897A JP3413512B2 JP 3413512 B2 JP3413512 B2 JP 3413512B2 JP 19684897 A JP19684897 A JP 19684897A JP 19684897 A JP19684897 A JP 19684897A JP 3413512 B2 JP3413512 B2 JP 3413512B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的長尺あるいは大
単重の多数の貨物を大量に海上輸送する際における、貨
物を搭載したパレットのキヤリアカーによる貨物船に対
するロールオン・ロールオフを達成するための船用ショ
アランプ装置、およびこの船用ショアランプ装置の安全
な運用を達成する制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、製鉄所で生産された貨物である鉄
鋼製品(鋼帯コイル、鋼板、形鋼、パイプ、棒鋼等)を
貨物船を使用して目的地まで海上輸送するためには、通
常、多くのクレーンによる貨物のハンドリング(貨物の
積み替え)を必要としていた。
【0003】すなわち、製鉄所で生産された貨物をキ
ヤリヤカーに搭載する際、キヤリヤカーで搬送した貨
物を岸壁の保管場所に降ろす際、保管場所の貨物を貨
物船に載せる際、貨物船で目的地まで運航後、この貨
物船から岸壁の保管場所に降ろす際、保管場所からユ
ーザーに配送時に、運搬車に搭載する際、のそれぞれに
おいてクレーンで貨物をハンドリングする必要があり、
その作業が極めて厄介であり、また危険を伴うと云う不
都合があった。
【0004】こうした不都合に鑑み最近では、パレット
に搭載した多数の貨物を、パレットごとキヤリヤカーを
使用してロールオン・ロールオフ方式で積み込み、積み
卸しをし、もって貨物のハンドリング回数を大幅に減少
させることを可能とした貨物の海上輸送方式(日本造船
学会誌第757号18〜22頁、平成4年7月参照)が
採用されるようになっている。
【0005】このロールオン・ロールオフ方式の貨物船
においては、貨物船に対するキヤリアカーの走行しての
出入りを可能とすべく、接岸した貨物船と岸壁との間
に、キヤリアカーの走行路を形成するランプウエイを掛
け渡し、このランプウエイを通って、キヤリアカーが岸
壁から貨物船に出入りするようにしている。
【0006】このランプウエイを使用してのキヤリアカ
ーの貨物船に対する出入りは、キヤリアカーが多数の貨
物を搭載したパレットを持ち上げた状態でランプウエイ
上を走行すること、パレットおよびキヤリアカーが大
型、特に長さが大きいこと等の理由により、ランプウエ
イが形成する走行路はできる限り水平であることが望ま
しく、このため貨物船にバラスト機能を持たせ、このバ
ラストの作用によりランプウエイの走行路をできる限り
水平となるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、貨物船
と岸壁との間に掛け渡されたランプウエイを水平にする
ためのバラスト機能を貨物船に設けることは、貨物船の
構造を複雑とし、かつその製造価格を大幅に高めること
になり、貨物の海上輸送設備の設備費を膨大なものとす
ると云う問題があった。
【0008】また、例え貨物船にバラスト機能を設けた
としても、そのバラスト調整にはおのずと限界があり、
貨物船の甲板と岸壁のレベル差をバラスト調整すること
が不可能となる場合が生じ、貨物の積み込み、積み卸し
を、バラスト調整可能な状態となるまで待たなければな
らないと云う問題があった。
【0009】そこで、本発明は、上記した従来技術にお
ける問題点を解消すべく創案されたもので、貨物船の甲
板と岸壁とのレベルの差に関わりなく、キヤリアカーの
走行路を形成するショアランプ上面と貨物船の甲板上面
とを、キヤリアカーの乗り移り時に面一にすることを技
術的課題とし、もってキヤリアカーの貨物船と岸壁との
間の乗り移りを安全で円滑にすると共に、効率良く達成
することができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
る本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、貨物を搭
載したパレットをキヤリアカーでフラットデッキ型の貨
物船にロールオン・ロールオフする際に、キヤリアカー
の走行路を、貨物船の平坦な甲板と岸壁との間に形成す
るシヨアランプ装置であること、基端を取付けピンによ
り貨物船に枢着し、非傾斜状態で平坦な上面を貨物船の
甲板と面一に位置させる船側ランプの先端に、先端部を
岸壁に接続させると共に、基端を貨物船の船側に立設し
た支柱に組付けピンを介して昇降可能に組付けた岸側ラ
ンプの基端を対向させ、対向した船側ランプの先端と岸
側ランプの基端との一方に、船側ランプと岸側ランプの
形成する走行路を接続する中継フラップを結合ピンで枢
着したシヨアランプを有すること、船側ランプを取付け
ピンを回動軸として、貨物船の甲板に対して傾動昇降さ
せる傾動駆動体を有すること、岸側ランプの基端を支柱
に沿って昇降させる昇降駆動体を有すること、岸側ラン
プを組付けピンを回動軸として傾動昇降させるウインチ
を有すること、にある。
【0011】さらに上記に加えて、船側ランプの水平面
に対する傾斜角度θ1を検出する第一の角度検出器と、
岸側ランプの水平面に対する傾斜角度θ2を検出する第
二の角度検出器と、第一の角度検出器と第二の角度検出
器の検出角度信号により、船側ランプと岸側ランプとの
間の相対角度を算出する相対角度演算器と、船側ランプ
の基端から先端までの高さH1を検出する第一の高さ検
出器と、岸壁から岸側ランプの基端までの高さH2を検
出する第二の高さ検出器と、傾斜角度θ1とθ2と相対
角度(θ1−θ2)を予め設定された範囲内とすべく、
傾動駆動体、昇降駆動体そしてウインチの動作を制御す
る角度自動制御装置と、を設けたこと、にある。
【0012】請求項記載の発明は、請求項1記載の発
明に、岸側ランプの先端に、接岸フラップを軸止ピンに
より回動自在に取付けた構成を加えたものである。
【0013】請求項記載の発明の手段は、貨物船の甲
板に、傾動昇降自在に基端を枢着した船側ランプと、こ
の船側ランプの先端に対向する基端を、貨物船の船側に
立設した支柱に昇降自在であると共に傾動昇降自在に組
付け、先端部を岸壁に接続させる岸側ランプと、この岸
側ランプと船側ランプの形成する走行路を接続する中継
フラップとを有するシヨアランプにおいて、キヤリアカ
ーによる貨物のロールオン、ロールオフ時に、船側ラン
プを傾動昇降させる傾動駆動体と、岸側ランプを昇降さ
せる昇降駆動体と、岸側ランプを傾動昇降させるウイン
チの動作を、下記式に示す条件を満足するよう制御する
こと、条件を示す式は、 θ1≦α ・・・・(1) θ2≦α ・・・・(2) −β≦θ1−θ2≦γ ・・・・(3) |H1−H2|≦δ ・・・・(4) 但し、θ1は、船側ランプの水平面に対する傾斜角度 θ2は、岸側ランプの水平面に対する傾斜角度 H1は、船側ランプの基端から先端までの高さ H2は、岸壁から岸側ランプの基端までの高さ αは、キヤリアカー(23)の登はん可能最大角度 βは、船側ランプと岸側ランプの接続部分が凹状時の最
大許容相対角度 γは、船側ランプと岸側ランプの接続部分が凸状時の最
大許容相対角度 δは、高さH1と高さH2との最大許容差 であること、にある。なお、自明ではあるが、上記条件
式(3)のθ1−θ2の算出に際しては、θ1は正の値
とし、θ2は岸側ランプの先端が基端より高い場合は
正、低い場合は負の値とする。
【0014】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明を、船側ランプの長さが既知である条件下で、傾斜角
度θ1と傾斜角度θ2と高さH2とを検出しながら、こ
の検出値に従って傾動駆動体と昇降駆動体とウインチの
動作を自動制御する。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明は、ショアランプの船側ラ
ンプを、傾動駆動体により取付けピンを回動軸として貨
物船の甲板に対して傾動昇降変位させ、この船側ランプ
とは別に、ショアランプの岸側ランプを、昇降駆動体に
より組付けピンを介して支柱に沿って昇降変位させると
共に、ウインチにより組付けピンを回動軸として傾動昇
降変位させる。
【0016】傾動駆動体により船側ランプを下降限(船
側ランプの上面が甲板の上面と面一となる位置)に位置
させ、また傾動駆動体により岸側ランプの基端を下降限
に位置させると共に、ウインチにより岸側ランプを略直
角に起立させた起立限に位置させて、ショアランプを貨
物船に収納する。
【0017】貨物船が岸壁に接岸して、キヤリアカーに
より貨物を搭載したパレットをロールオン・ロールオフ
する際には、ショアランプで貨物船と岸壁との間のキヤ
リアカーの走行路を形成すべく、傾動駆動体により船側
ランプを傾動上昇させ、昇降駆動体により岸側ランプを
上昇させると共に、ウインチにより岸側ランプを上昇変
位した組付けピンを回動軸として傾動下降させて、この
岸側ランプの先端部を岸壁に接続し、間近に対向した船
側ランプの先端と岸側ランプの基端との間を、中継フラ
ップで接続して連続した走行路を形成する。
【0018】走行路を形成しているショアランプの船側
ランプと甲板との間のキヤリアカーの乗り移りは、船側
ランプを下降限に位置させて達成し、岸側ランプと岸壁
との間のキヤリアカーの乗り移りは、岸側ランプを一定
角度範囲内の傾斜角度に保持して達成する。
【0019】それゆえ、貨物船の甲板と岸壁とのレベル
の差が小さい場合(船側ランプを下降限に位置させたま
ま、貨物船と岸壁との間のキヤリアカーの乗り移りが可
能な場合)には、ショアランプの姿勢を全く変えること
なく、または岸側ランプの姿勢だけをわずかに変えるだ
けで、キヤリアカーの乗り移りを達成するが、貨物船の
甲板と岸壁とのレベルの差が大きい場合には、キヤリア
カーの船側ランプと岸側ランプとの間の乗り移りは、船
側ランプおよび岸側ランプをそれぞれ変位させて、相互
間姿勢を乗り移り可能な状態として達成する。
【0020】すなわち、ショアランプの船側ランプと岸
側ランプは、相互間をキヤリアカーが乗り移る際にだ
け、相互姿勢をキヤリアカーの乗り移りが可能であるよ
うに関係づけるが、船側ランプと甲板との間のキヤリア
カーの乗り移り時、および岸側ランプと岸壁との間のキ
ヤリアカーの乗り移り時には、船側ランプと岸側ランプ
とは全く関係なしに、個々に変位動作する。
【0021】さらに、船側ランプの傾斜角度θ1を検出
する第一の角度検出器と、岸側ランプの傾斜角度θ2を
検出する第二の角度検出器と、相対角度(θ1−θ2)
を算出する相対角度演算器と、船側ランプの先端の高さ
H1を検出する第一の高さ検出器と、岸壁から岸側ラン
プの基端までの高さを検出する第二の高さ検出器と、そ
して角度自動制御装置とを設けているので、検出した両
傾斜角度θ1、θ2と相対角度(θ1−θ2)とに従っ
て、ショアランプが、このシヨアランプ上をキヤリアカ
ーが安全に走行できる状態にあるか否かを知ることがで
き、これとは別に、高さH1とH2の差の絶対値によ
り、シヨアランプの状態に関係なしに、このシヨアラン
プと岸壁との間のキヤリアカーの乗り移りが可能である
か否かを、事前に判断することができる。
【0022】請求項記載の発明は、請求項1記載の
明に対して、接岸フラップを追加したので、岸側ランプ
と岸壁との接続を、キヤリアカーの走行に好適な状態で
達成することになる。
【0023】請求項記載の発明は、シヨアランプの船
側ランプの傾斜角度θ1と岸側ランプの傾斜角度θ2の
最大値を、キヤリアカーの性能と搭載貨物量で決定され
るキヤリアカーの登はん可能最大角度αとすることによ
り、キヤリアカーの走行を可能とする船側ランプおよび
岸側ランプの個々の走行路の形成の確実性を確保するこ
とになる。
【0024】相対角度(θ1−θ2)を、船側ランプと
岸側ランプとの接続部分が凹状となった状態(この状態
では、θ1−θ2はマイナスとなる)の最大許容相対角
度βの(−β)を最小値とすることにより、キヤリアカ
ーの船側ランプと岸側ランプとの接続部分乗り越え時
に、キヤリアカーの少数の車軸に荷重が集中することに
よる破損発生とか、キヤリアカーの先後端部の擦り発生
を防止し、また相対角度(θ1−θ2)を、船側ランプ
と岸側ランプとの接続部分が凸状態(この状態では、θ
1−θ2はプラスとなる)時の最大許容相対角度γを最
大値とすることにより、キヤリアカーの船側ランプと岸
側ランプとの接続部分乗り越え時に、キヤリアカーの少
数の車軸に荷重が集中することによる破損発生とか、キ
ヤリアカーの腹擦り発生を防止して、シヨアランプが形
成する走行路の安全性を確保することになる。
【0025】高さH1とH2との差の絶対値、すなわち
貨物船の甲板上の取付けピンと岸壁との間の高さ差の最
大値が、登はん可能最大角度αと最大許容相対角度βと
最大許容相対角度γとに従って決定される最大許容差δ
以下であることを知ることにより、シヨアランプと岸壁
との間のキヤリアカーの乗り移りが支障なく達成できる
ことを、事前に確認することができる。
【0026】なお、この請求項記載の発明において
は、船側ランプの先端と岸側ランプの基端とは等しい高
さレベルに位置していることが前提となっているが、実
際にはこの船側ランプの先端と岸側ランプの基端の高さ
レベルは、中継フラップによる接続状態が良好な形態と
なるように僅かに差を与えることになる。
【0027】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明を実施するに際して、検出信号を両傾斜角度θ1、θ
2と高さH2だけとし、高さH1を、既知である船側ラ
ンプの長さと検出した傾斜角度θ1から、〔H1=Lsi
nθ1〕(Lは船側ランプの長さ)なる式に従って求め
ることにより、入力信号を少なくして自動制御を行い易
くしていると共に、第の高さ検出器が不要となった
分、構成が簡単となる。
【0028】
【実施例】本発明の一実施状態例を、図面を参照しなが
ら説明する。甲板21全域が平坦なフラットデッキ型貨
物船20は、オープンデッキ構造の自力航行能力を持た
ない艀構造となっており、船尾に着脱自在に結合される
プッシャー26(図1および図2参照)により航行する
ものとなっており、その中央部の甲板21上に、甲板2
1を横切る形態でシヨアランプ1が設けられている。
【0029】シヨアランプ1は、甲板21を略横断する
長さの船側ランプ2と、貨物船20が接岸した際に、船
側と岸壁25との間に掛け渡すのに充分な長さの岸側ラ
ンプ3と、船側ランプ2の先端と岸側ランプ3の基端と
の間に掛け渡される中継フラップ4と、岸側ランプ3の
先端に取付けられた接岸フラップ5とにより、キヤリア
カー23の走行路を形成する構成となっている。
【0030】船側ランプ2は、その基端を貨物船20の
接岸側とは反対側の船側に取付けピン6で枢着し、岸側
ランプ3は、その基端を、貨物船20の接岸側の船側に
立設された一対の支柱13間に架設状に、かつ昇降変位
自在に設けた組付けピン7に枢着し、中継フラップ4
は、その基端を岸側ランプ3の基端に結合ピン8で枢着
し、そして接岸フラップ5は、その基端を岸側ランプ3
の先端に軸止ピン9で枢着している。
【0031】船側ランプ2の先端側部分に下方から対向
した貨物船20部分には、船側ランプ2を傾動昇降させ
る油圧シリンダ等を利用した傾動駆動体10が設けら
れ、支柱13の上端には、この支柱13に昇降変位自在
に組付けられた組付けピン7と一体に岸側ランプ3を昇
降変位させる昇降駆動体11が設けられ、支柱13の上
には、ワイヤーを岸側ランプ3の先端部分に結合し、岸
側ランプ3を傾動昇降させるウインチ12が設けられて
いる。
【0032】第一の角度検出器14と第二の角度検出器
15は、パルスジェネレータとかマグネスケール等で構
成するのが、また第一の高さ検出器14と第二の高さ検
出器15は、マグネスケールで構成するのが適当で、図
7に示すように、第一の角度検出器14は、取付けピン
6が組付けられた船側ランプ2の基端部に、第二の角度
検出器15は、組付けピン7が組付けられた岸側ランプ
3の基端部に、第一の高さ検出器17は、船側ランプ3
の先端部に、そして第二の高さ検出器18は、第二の角
度検出器15と同様に、岸側ランプ3の基端部に取付け
られ、第一の角度検出器14と第二の角度検出器15の
検出出力は、コンピュータを使用した相対角度演算器1
6と角度自動制御装置19に入力され、第一の高さ検出
器14と第二の高さ検出器15の検出出力は、角度自動
制御装置19に入力され、そして相対角度演算器16の
演算結果は、角度自動制御装置19に入力される。
【0033】貨物船20の甲板21(厳格には取付けピ
ン6)から岸壁25までの高さは、潮位の変化および貨
物船20の載荷量の変化に従って変化するものである
が、この貨物船20の甲板21と岸壁25との高さ関係
は、図8に示した岸壁25に対して甲板21が低い場合
と、図9に示した岸壁25に対して甲板21が高い場合
とに大別することができ、一般には図8に示す関係とな
ることが多い。
【0034】図8の場合、シヨアランプ1は、基本的に
は船側ランプ2と岸側ランプ3とが直線状に接続した実
線図示の姿勢となり、この実線図示姿勢時における傾斜
角度θ1およびθ2(この時θ1とθ2は等しくなる)
が登はん可能最大角度αよりも小さければ、キヤリアカ
ー23によるロールオン・ロールオフは可能となり、ま
た図9の場合、下降限に位置している実線図示の岸側ラ
ンプ3の傾斜角度θ2が角度αよりも小さければ、キヤ
リアカー23によるロールオン・ロールオフは可能とな
る。
【0035】図8の場合におけるキヤリアカー23のロ
ールオンの一例は、昇降駆動体11により岸側ランプ3
の基端を上昇変位させて岸側ランプ3を略水平(図8に
おける破線図示状態)とし、この状態で岸側ランプ3上
にパレット22を搭載したキヤリアカー23を乗り入
れ、次いで昇降駆動体11により岸側ランプ3の基端を
下降変位させると共に、傾動駆動体10により船側ラン
プ2の先端を上昇変位させて、船側ランプ2と岸側ラン
プ3とを、その接続部の角度、すなわち相対角度が最大
許容相対角度−βとγとの間となる実線図示として、キ
ヤリアカー23を岸側ランプ3から船側ランプ2に乗り
移し、しかる後、傾動駆動体10により船側ランプ2の
先端を下降変位させて、船側ランプ2を下降限に位置さ
せてキヤリアカー23の甲板21への乗り移りを自在と
する。
【0036】反対に、キヤリアカー23のロールオフの
一例は、キヤリアカー23が搭載している下降限に位置
している船側ランプ2を実線図示位置まで傾動上昇させ
ると共に、岸側ランプ3も実線図示位置に昇降変位さ
せ、この状態で船側ランプ2かち岸側ランプ3へのキヤ
リアカー23の乗り移りを達成し、次いでそのまま、ま
たは岸側ランプ3の基端を上昇変位させて破線図示した
略水平姿勢として、岸側ランプ3から岸壁25へのキヤ
リアカー23の乗り移りを行う。
【0037】図9の場合におけるキヤリアカー23のロ
ールオンの一例は、岸側ランプ3を実線図示状態として
キヤリアカー23の岸壁25からの乗り入れを達成し、
次いでウインチ12により岸側ランプ3の先端を傾動上
昇させて、船側ランプ2と略直線状となる姿勢として、
岸側ランプ3から既に下降限に位置している船側ランプ
2へのキヤリアカー23の乗り移りを行い、反対に、キ
ヤリアカー23のロールオフの一例は、上記の逆で行
う。なお、図9には参考のため、破線で示したケースに
ついてθ1、θ2およびθ1−θ2を図示した
【0038】貨物船20に、24.5mの船側ランプ2
と10.3mの岸側ランプ3を有するシヨアランプ1を
組付けた実際の試験運用の結果からすると、150トン
積みのキヤリアカー23の場合においては、登はん可能
最大角度αを5°、最大許容相対角度βを7°同じくγ
を7°、高さの最大許容差δを100mmに設定した条件
下で、年間を通じて荷役不能状態は全く発生せず、安全
で円滑なキヤリアカー23によるロールオン・ロールオ
フを達成することができた。
【0039】
【発明の効果】本発明は、上記した構成となっているの
で、以下に示す効果を奏する。ランプウエイを形成する
シヨアランプを構成する船側ランプと岸側ランプとを分
離し、互いに独立して傾動昇降または昇降自在としたの
で、両ランプは、他方のランプに全く規制されることな
く、船または岸壁との間のキヤリアカーの乗り移りに好
適な高さ位置および姿勢となることができ、これにより
貨物船の甲板と岸壁とのレベルの差が大きくても、ロー
ルオン・ロールオフ方式を無理なく実施することがで
き、もってロールオン・ロールオフ方式による荷役の稼
働率を飛躍的に向上させることができる。
【0040】シヨアランプを構成する船側ランプと岸側
ランプとは、互いに独立して傾動昇降さらには昇降変位
することができるので、他方の状態に規制されることな
くキヤリアカーの乗り移りを達成することができ、もっ
てロールオン・ロールオフ方式による荷役効率を大幅に
高めることができる。
【0041】シヨアランプを構成する船側ランプと岸側
ランプとを分離したので、船側ランプの先端と岸側ラン
プの基端とを、傾動昇降変位に伴う船側ランプ先端の水
平方向の位置変化に対応する複雑な構成で連結する必要
がなく、もってシヨアランプ全体の機械的な構造を簡単
化することができる。
【0042】船側ランプと岸側ランプの傾斜角度および
高さを検出し、この検出値が予め一定範囲内に有る条件
でロールオン・ロールオフ方式を実施する場合には、シ
ヨアランプに対するキヤリアカーの安全で良好な走行お
よび乗り移りを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施状態例を示す、貨物船の全体平
面図。
【図2】図1に示した実施状態例における、全体側面
図。
【図3】図1に示した実施例における、シヨアランプ部
分の正面図。
【図4】図1に示した実施例における、シヨアランプ部
分の半分破断した平面図。
【図5】図1に示した実施例における、支柱部分の拡大
正面図。
【図6】図1に示した実施例における、岸側ランプ部分
の拡大正面図。
【図7】図1に示した実施例における、各検出器と制御
部分との関係を示す説明図。
【図8】貨物船甲板に対して岸壁が高い場合における、
ロールオン・ロールオフ方式の説明図。
【図9】貨物船甲板に対して岸壁が低い場合における、
ロールオン・ロールオフ方式の説明図。
【符号の説明】
1 ; シヨアランプ 2 ; 船側ランプ 3 ; 岸側ランプ 4 ; 中継ランプ 5 ; 接岸ランプ 6 ; 取付けピン 7 ; 組付けピン 8 ; 結合ピン 9 ; 軸止ピン 10; 傾動駆動体 11; 昇降駆動体 12; ウインチ 13; 支柱 14; 第一の角度検出器 15; 第二の角度検出器 16; 相対角度演算器 17; 第一の高さ検出器 18; 第二の高さ検出器 19; 角度自動制御装置 20; 貨物船 21; 甲板 22; パレット 23; キヤリアカー 24; 貨物 25; 岸壁 26; プッシャー θ1; 船側ランプの傾斜角度 θ2; 岸側ランプの傾斜角度 H1; 船側ランプの基端から先端までの高さ H2; 岸側ランプ基端から岸壁までの高さ α ; 登はん可能最大角度 β ; 両ランプの接続部の凹状時の最大許容相対角度 γ ; 両ランプの接続部の凸状時の最大許容相対角度 δ ; 高さの最大許容差
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−50981(JP,A) 特開 平7−291180(JP,A) 特開 昭54−77986(JP,A) 実開 昭56−64895(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63B 27/00 B63B 27/14 101 B65G 67/60 B65G 69/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貨物(24)を搭載したパレット(22)をキヤ
    リアカー(23)でフラットデッキ型貨物船(20)にロールオ
    ン・ロールオフする際に、前記キヤリアカー(23)の走行
    路を、前記貨物船(20)の平坦な甲板(21)と岸壁(25)との
    間に形成するシヨアランプ装置であって、基端を取付け
    ピン(6) により前記貨物船(20)に枢着し、非傾斜状態で
    平坦な上面を前記甲板(21)と面一に位置させる船側ラン
    プ(2)の先端に、先端部を前記岸壁(25)に接続させると
    共に、基端を前記貨物船(20)の船側に立設した支柱(13)
    に組付けピン(7) を介して昇降可能に組付けた岸側ラン
    プ(3) の前記基端を対向させ、前記対向した船側ランプ
    (2) の先端と岸側ランプ(3) の基端との一方に、前記船
    側ランプ(2) と岸側ランプ(3) の形成する走行路を接続
    する中継フラップ(4) を結合ピン(8) で枢着したシヨア
    ランプ(1) と、前記船側ランプ(2) を前記取付けピン
    (6) を回動軸として傾動昇降させる傾動駆動体(10)と、
    前記岸側ランプ(3) の基端を前記支柱(13)に沿って昇降
    させる昇降駆動体(11)と、前記岸側ランプ(3) を前記組
    付けピン(7) を回動軸として傾動昇降させるウインチ(1
    2)と、から成り、船側ランプ(2) の水平面に対する傾斜
    角度(θ1)を検出する第一の角度検出器(14)と、岸側ラ
    ンプ(3) の水平面に対する傾斜角度(θ2)を検出する第
    二の角度検出器(15)と、前記第一の角度検出器(14)と第
    二の角度検出器(15)の検出角度信号により、前記船側ラ
    ンプ(2) と岸側ランプ(3)との間の相対角度(θ1 −θ2)
    を算出する相対角度演算器(16)と、前記船側ランプ(2)
    の基端から先端までの高さ(H1)を検出する第一の高さ検
    出器(17)と、岸壁(25)から前記岸側ランプ(3) の基端ま
    での高さ(H2)を検出する第二の高さ検出器(18)と、前記
    傾斜角度(θ1)、(θ2)と相対角度(θ1 −θ2)を予め設
    定された範囲内とすべく、傾動駆動体(10)、昇降駆動体
    (11)そしてウインチ(12)の動作を制御する角度自動制御
    装置(19)と、を設けた、船用シヨアランプ装置。
  2. 【請求項2】 岸側ランプ(3) の先端に、接岸フラップ
    (5) を軸止ピン(9)により回動自在に取付けた請求項1
    記載の船用シヨアランプ装置。
  3. 【請求項3】 貨物船(20)の甲板(21)に、傾動昇降自在
    に基端を枢着した船側ランプ(2) と、該船側ランプ(2)
    の先端に対向する基端を、前記貨物船(20)の船側に立設
    した支柱(13)に昇降自在であると共に傾動昇降自在に組
    付け、先端部を岸壁(25)に接続させる岸側ランプ(3)
    と、該岸側ランプ(3) と前記船側ランプ(2) の形成する
    走行路を接続する中継フラップ(4) とを有するシヨアラ
    ンプ(1)において、キヤリアカー(23)による貨物(24)の
    ロールオン、ロールオフ時に、前記船側ランプ(2) を傾
    動昇降させる傾動駆動体(10)と、前記岸側ランプ(3) を
    昇降させる昇降駆動体(11)と、前記岸側ランプ(3) を傾
    動昇降させるウインチ(12)の動作を、下記式に示す条件
    を満足するよう制御する船用シヨアランプ装置の制御方
    法。 θ1≦α ・・・・(1) θ2≦α ・・・・(2) −β≦θ1−θ2≦γ ・・・・(3) |H1−H2|≦δ ・・・・(4) 但し、θ1は、船側ランプ(2) の水平面に対する傾斜角
    度 θ2は、岸側ランプ(3) の水平面に対する傾斜角度 H1は、船側ランプ(2) の基端から先端までの高さ H2は、岸壁(25)から岸側ランプ(3) の基端までの高さ αは、キヤリアカー(23)の登はん可能最大角度 βは、船側ランプ(2) と岸側ランプ(3) の接続部分が凹
    状時の最大許容相対角度 γは、船側ランプ(2) と岸側ランプ(3) の接続部分が凸
    状時の最大許容相対角度 δは、高さH1と高さH2との最大許容差
  4. 【請求項4】 船側ランプ長が既知である条件下で、傾
    斜角度(θ1)と傾斜角度(θ2)と高さ(H2)とを検出しなが
    ら、該検出値に従って傾動駆動体(10)と昇降駆動体(11)
    とウインチ(12)の動作を自動制御する請求項記載の船
    用シヨアランプ装置の制御方法。
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