JPS5850886B2 - ウインドガラスの振れ止め装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はウェストモールとスタビライザとを一体化した
ウィンドガラスの振れ止め装置に関する。

従来から、自動車のウィンドガラスが振動するのを抑え
るため、第１図に示す様に、ドア１の内部上方に於いて
、ウィンドガラス２を抑圧しながら上下方向にガイドす
る様にした振れ止め装置３が提供されている。

この振れ止め装置３は、第１図のＡ−Ａ線にて切断して
第２図に示す如く、ドア１のドアアウタパネル４の内側
に設けたアウタレインフォース５に、スタビライザ６を
取り付けたものからなる。

このスタビライザ６は、ブラケット７に軸８を中心に回
動するアーム９が取り付けられ、このアーム端に張架し
た軸１０にローラ１１が回転自在に支承され、さらにロ
ーラ１１側とは反対側のアーム９の適所にボルト１２が
結合され、このボルト１２のアーム９とブラケット７と
の間にコイルスプリング１３が介在されたものを主体と
して構成されている。

また、このブラケット７の下部には取付ねじの挿入用透
孔１４が設けられている。

一方、アウタレインフォース５には、第３図に示す如く
これに穿設された透孔１５に連通する透孔１６を持った
取付板１１がスポット溶着されており、その下部に上記
取付ねじ用のねじ孔１８が設けられている。

かかるスタビライザ６はそのブラケット７の透孔１４と
ねじ孔１８とを対応させて接合し、取付ねじ１９を透孔
１４を通してねじ孔１８にねじ込むことに依り、第２図
に示す如くアウタレインフォース５に取り付けられる。

このとき、上記ボルト１２の先端部が透孔１５，１６内
に挿入される。

かかる構成に成るウィンドガラス２の振れ止め装置では
、ボルト１２のねじ込み量を調節することに依す、コイ
ルスプリング１３のアーム９に対する付勢力を任意の大
きさに選定でき、したがって、ローラ１１のウィンドガ
ラス２に対する抑圧力の適正化を図ることができる。

かくして、ウィンドガラス２が振動するのを防止できる
。

尚、図中２０はドアアウタパネル４に取り付けられたウ
ェストモールで、これにはウェザストリッツ２１が取り
付けられている。

しかるに、かかる構成になる振れ止め装置では、スタビ
ライザ６のアウタレインフォース５に対する取付位置が
一定しないことに依り、ウインドガラス２に対するロー
ラ１１の圧接力調節手段が必要トなり、コイルスプリン
グ１３などの構成部品を要するなど、構造の複雑化並び
に取付作業の能率悪化を来す。

また、ドアアウタパネル側もアウタレインフォース５を
要するなど構造の複雑化やコストアップを避けられない
。

本発明はかかる従来の問題点に鑑みて戒したものであり
、特に、機構や取付作業の簡素化を図るとともに、これ
に依って振れ止め効果を減退させずに、むしろ向上せし
める様にした、ローコスト形のウィンドガラスの振れ止
め装置を提供するものである。

第４図は本発明にかかる振れ止め装置の断面図であり、
第１図乃至第３図に示すものと同一の構成部分には同一
符号を付す。

図に於いて、上記ウェザストリップ２１はウェストモー
ル２０に従来と同じく一体的に取り付けられており、ウ
ェストモール２０は略Ｕの字状に屈曲されて一端には緩
衝材２２が取り付けられ、ドアアウタパネルに圧接され
ている。

また、ウェストモール２０の他端は上記一端より充分長
く垂下され、ドアアウタパネル４上縁の屈曲片４ａに当
接される如く取り付けられている。

一方、２３はブラケットで、これに起立した２つの起立
片２４間には軸２５が張架され、この軸２５にスタビラ
イザとしてのローラ２６が回転自在に取り付けられてい
る。

また、このスタビライザは上記ドアアウタパネル４上縁
の屈曲片４ａの高さ範囲内に位置しており、剛性の高い
屈曲片４ａに安定に支持されている。

尚、上記起立片２４は第５図および第６図に示す如くロ
ーラ２６の外径より外側に突出しない様にする。

２７はブラケット２３の両端部に形成した切欠である。

また、かかるブラケット２３は、上記ウェストモール２
０の垂下片２０ａの一部を切り起こした起立片２８を切
欠２１に嵌め込んで内側に折り返すことに依り、そのウ
ェストモール２０の所定部位に一体的に取り付けられ、
これらの一体化したものが第４図に示す如くドアアウタ
パネル４に取り付けられる。

かくして、ウィンドガラス２はスタビライザを構成する
ローラに依って所定の圧接力で位置決めされ、その振動
が規制される。

また、ウィンドガラス２はローラ２６の回転に依って、
その昇降が円滑に行われる。

第７図および第８図はブラケット２３のウェストモール
２０に対する他の取付構造を示す。

第７図はウェストモール２０の垂下片２０ａに穿設した
２つの透孔２９に、ブラケット２３の両端に折曲して起
立した起立片３０を挿入し、これらの起立片３０を垂下
片２０ａの裏側で折り返すことに依り両者が結合される
。

また、第８図に示すものはブラケット２３の基部を上記
垂下片２０ａに直接スポット溶接３１したものを示す。

また、これらブラケット２３のウェストモール２０の結
合方法として、第５図に示す様な結合を行った後、スポ
ット溶接を行ってその結合を補強したり、第７図に示す
様な結合を行った後、スポット溶接３１を行ってその結
合を補強することもできる。

第９図は上記ブラケット２３の起立片２４に対するロー
ラ２６の他の取付方法を示すもので、ローラ２６がブツ
シュ２５ａを介して軸２５に回転自在に取り付けられて
いる。

これに依り、ローラ２６の回転が円滑となり、ウィンド
ガラス２の昇降動作を軽快に行わしめうる。

第１０図は本発明にかかる振れ止め装置の他の実施例を
示す断面図であり、これが第４図と異るところは、クリ
ップ３２を一体に有するブラケット３３にウェストモー
ル２０を挾むように取り付けて、これをさらにドアアウ
タパネル４に結合した点である。

即ち、ブラケット３３は第５図に示す如きブラケット２
３に略Ｕの字状のクリップ３２を第１１図ａに示す如く
一体的に連設したもので、このクリップ３２には、ウェ
ストモール２０の下端縁ヲ収容するＵの字溝３２ａおよ
びドアアウタパネル４に設けた切欠４ｂに係止されるＵ
の字溝３２ｂが設けられている。

３４はクリップ３２のＵの字状弾性片３５の一端を折り
曲げて形成した取付片であり、これがドアアウタパネル
４の内側に取付く様になっている。

一方、ウェストモール２０の取付片２０ａには、第１１
図すに示す如く外側に向って２つの起立片３６が設けら
れ、これがウェストモール２０のブラケット３３に対す
る位置決めを行う様になっている。

そしてブラケット３３のＵの字溝３２ａ内にはウェスト
モール２０の垂下片２０ａが挿入されて、これがブラケ
ット３３のスポット溶接部３７にて一体結合される。

続いて、上記クリップ３２はアウタパネル４の上記切欠
４ｂに第１０図に示す如く嵌め込まれて、これに支持さ
れる。

これにより、スタビライザを構成するローラ２６は矢印
Ｐ方向へのウィンドガラス２の振れを制止する如く作用
する。

また、ウィンドガラス２の昇降はローラ２６の回転に依
り、円滑な作動をする。

第１２図ａおよびｂはスタビライザを構成するブラケッ
ト３３およびウェストモール２０の他の実施例を示す。

ここではブラケット３３の両端に爪片３８を突設すると
ともに、アウトサイドモール２０の垂下片２０ａに切欠
孔３９を設けて、これらの爪片３８を切欠孔３９に挿し
込んで折り返すことに依り、ブラケット３３とウェスト
モール２０を一体化しようとするものである。

また、第１３図ａおよびｂはブラケット３３の両端に切
欠４０を設けるとともに、ウェストモール２０のこれら
切欠４０に対向する位置に爪片４１を切り起こしたもの
であり、上記切欠４０に爪片４１を嵌め合せて折り返す
ことに依り、ブラケット３３にウェストモール２０が一
体結合される。

尚、第１２図および第１３図に於いて、上記爪片３８と
切欠孔３９とのかしめ止めおよび爪片４１と切欠４０と
のかしめ止めに、さらにスポット溶接を併用すれば上記
ブラケット３３とウェストモール２０との一体結合がよ
り堅固になる。

また、ブラケット３３とウェストモール２０との結合方
法としてはこれらに限らず、接着剤などに依る接着方法
、誘導加熱溶着など周知のあらゆる結合手段を採用しう
るは言うまでもない。

以上説明した様に、本発明によれば、ドアアウタパネル
に取り付けられたウェストモールのウィンドガラスに対
向する側に、ウィンドガラスとウェストモールとの間で
あって、かつ上記ドアアウタパネル上縁の屈曲片の高さ
範囲内に、ウィンドガラスに当接するローラを有するス
タビライザを取り付けたことにより、自から上記ローラ
がドアアウタパネルのウィンドガラス用開口部上縁に位
置することとなり、ウェストモールが取り付けられる部
位で、ウィンドガラスを安定かつ円滑に抑圧保持でき、
そのウィンドガラスの振れが有効に防止できる。

また、ウェストモールとウィンドガラスとの相対位置は
常に一定で、これらの間の位置合せが特に必要ないので
、従来の如き複雑な構成を有する圧接力調節手段が不必
要となり、構成が簡素化並びにこれに伴う組付作業の容
易化並びにローコスト化が図れる等、実用上諸々の利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のウィンドガラスの振れ止め装置を有する
自動車用ドアの概略正面図、第２図および第３図は同じ
くその振れ止め装置の第１図のＡ−Ａ線に於ける断面図
および一部の分解斜視図、第４図は本発明にかかる振れ
止め装置の第２図と同様の断面図、第５図は同じくブラ
ケットとアウトサイドモールとの取付関係を示す分解斜
視図、第６図は同じくブラケットとローラとの関係を示
す第５図のＢ−Ｂ線に沿う断面図、第７図および第８図
は同じく上記取付関係の他の実施例を示す分解斜視図お
よび組付斜視図、第９図はブラケットとローラとの関係
を示す他の実施例の正面断面図、第１０図は本発明の更
に異なる実施例を示す第２図と同様の断面図、第１１図
は第１０図実施例の分解斜視図、第１２図、第１３図は
それぞれ本発明の異なる実施例を示す第１１図と同様の
分解斜視図である。 １・・・・・・ドア、２・・・・・・ウィンドガラス、
４・・・・・・ドアアウタパネル、２０・・・・・・ウ
ェストモール、２３・・・・・・ブラケット、２６・・
・・・・ローラ、３２・・・・・・クリップ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ドアアウタパネルに取り付けられたウェストモー
   ルのウィンドガラスに対向する側に、ウィンドガラスと
   ウェストモールとの間であって、かつ上記ドアアウタパ
   ネル上縁の屈曲片の高さ範囲内に、ウィンドガラスに当
   接するローラを有するスタビライザを取り付けたことを
   特徴とするウィンドガラスの振れ止め装置。 ２ スタビライザはドアアウタパネルに設けた切欠に嵌
   合保持されるクリップを一体に有してなる特許請求の範
   囲第１項に記載のウィンドガラスの振れ止め装置。