JPH0226701Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は筆記時に芯が摩耗した場合などにノツ
ク燥作や回動操作により芯を繰り出すまでも無く
筆記態勢のまま指先のタツチ操作により芯の繰り
出しがおこなえる触指繰出式シヤープペンシルに
関する。

従来のこの方式のシヤープペンシルには携帯時
等の不使用時に触指操作部に外圧が加わつて芯が
不必要に繰り出されてしまう欠点があつた。

そこでこのような欠点を解消するものとして、
例えば実開昭58−50886号公報にみられるように、
軸筒に軸方向と円周方向の成分を有する「形の溝
を設けて操作部材に設けた突起をこの溝に嵌合さ
せ、軸方向の溝に突起が位置した状態では軸筒に
対し操作部材が軸方向に移動自在だが、円周方向
の溝に突起を位置させた状態では軸筒に対し操作
部材を軸方向に移動不能に構成したシヤープペン
シルが出現している。しかしながら、かかる従来
例は操作部材の軸筒に対する軸方向の移動量が溝
の長さによつて決定され自由に変化させることが
できないので所望の芯の操出量を得ることができ
ない不便があつた。

そこで本考案は携帯時等の不使用時には触指繰
作部が固定されて不必要に芯が燥り出されること
が無く、又、触指繰作部の移動量を所望の値に変
化できて芯の突出量の調整を可能とする触指繰出
式シヤープペンシルの提供を目的とする。

上記目的を達成するために、本考案の触指繰出
式シヤープペンシルは、ボールチヤツク方式の芯
固定チヤツクの前方に、軸方向に移動可能なスラ
イダーに固着された保持チヤツクを配し、スライ
ダーを移動操作して保持チヤツクによる芯の繰り
出しを可能とした触指繰出式シヤープペンシルに
於て、軸方向に移動自在で且つ所要位置に停止固
定可能でその停止固定した状態でスライダーと衝
合してスライダーの移動を阻止するリングをスラ
イダーの軸方向の隣接部に設置したことを特徴と
するものである。

以下、本考案の実施例を図面に従い説明する。

第１図及び第２図は第１実施例を示すもので第
１図は触指繰り出し可能な状態を示している。後
端にノツク操作部（図示は省略）を連設したガイ
ド１の前端内孔部にチヤツクケース２の後端が摩
擦嵌合し、チヤツクケース２の内孔には芯固定チ
ヤツク３が内装されている。芯固定チヤツク３の
芯咬持部４の外面には凹部５が形成されそこにボ
ール６が配置されボール６の外面はチヤツクケー
ス２の先端テーパ内周面７に接触している。芯固
定チヤツク３はチヤツクケース２の内径段部８と
の間に介装されたコイルスプリング９の弾力によ
り後方へ引き込まれている。ここで芯に筆記圧が
加わるとボール６が芯固定チヤツク３の芯咬持部
４を締め付けて芯を強固に保持するが芯を前方へ
引き出す場合は前記コイルスプリング９の弾力を
小さく設定してあるため数ｇ程度の小さな力によ
りその引き抜きが可能である。チヤツクケース２
の前端部外周には接合筒１０が位置し接合筒１０
は軸筒１１の前端口に圧入固着している。この接
合筒１０の前端口内面には雌ネジ１２が螺刻され
ていて軸継手１３がその後端外周部を螺着してい
る。軸継手１３は後端筒部１４、中央鍔部１５及
び外周に雄ネジ１６を螺刻した稍小径の前端筒部
１７を有し前端筒部１７には前端から中央鍔部１
５に至る軸方向のスリツト（図面用紙に垂直方向
の位置にあり図示せず）が設けられ、又、中央鍔
部１５の内部の個所に後端筒部１４と前端筒部１
７の夫々内孔を隔てる中央壁１８が存在しその中
心部には孔１９が開通されその孔１９に前端筒部
１７の内孔に突出する案内パイプ２０の後端が嵌
着している。次に後端に筒状で大径の触指繰作部
２１を有し前端に小経の中央筒部２２を有するス
ライダー２３が軸継手１３に組み付けられてい
る。スライダー２３の触指繰作部２１の前端と中
央筒部２２の後端とを結ぶ垂直面２４には上下に
夫々半円状の切欠孔２５，２５′が設けられてお
り、この切欠孔２５，２５′を軸継手１３のスリ
ツトにより上下に分断された前端筒部１７が貫通
し、スライダー２３の中央筒部２２は軸継手１３
の前端筒部１７の内孔に又触指繰作部２１は軸継
手１３の中央鍔部１５の外周部に夫々位置してい
る。スライダー２３の中央筒部２２の内孔には保
持チヤツク２６が装入され、保持チヤツク２６は
その後端と前記軸継手１３の中央壁１８前面との
間に介装されたコイルスプリング２７により前方
へ押圧されその前端の外面肩部２８をスライダー
２３の中央筒部２２の内孔段部２９に衝止してい
る。従つてスライダー２３と保持チヤツク２６と
は連動する。軸継手１３の前端筒部１７の外周に
は口金３０が螺着している。口金３０の中心には
先端パイプ３１が固着されている。口金３０の後
端にはスライダー２３の垂直面２４が衝合してい
る。この状態でスライダー２３の触指繰作部２１
の後端と接合筒１０の外面鍔部３２との間隙がス
ライダー２３の移動量である。ここで口金３０の
外周にはリング３３が環装されている。リング３
３は軸方向に移動自在であり（ただしその前方へ
の移動は口金外面凸部３４に衝止して制限され
る。）且つ所要の位置に於て停止固定が可能でな
ければならずそのために本実実施例では口金３０
とリング３３とを摩擦嵌合させている。その摩擦
力はスライダー２３を復元するコイルスプリング
２７の弾力よりも大きく設定するものである。
尚、口金３０とリング３３とは螺着させるように
しても効果は同じである。第２図は触指繰り出し
を不能とした状態である。即ちリング３３を後方
に移動しスライダー２３をその触指繰作部２１の
後端が接合筒１０の外面鍔部３２に衝止するまで
後退させその位置でリング３３を停止固定させた
状態である。

第３図は第２実施例を示すものである。これは
スライダー２３の後方の接合筒１０の外周にリン
グ３３が軸方向に移動可能に環装されたもので、
リング３３の前端とスライダー２３の後端との間
隙がスライダー２３の移動量となる。リング３３
は所望の位置に於て停止固定が可能なように接合
筒外周面と摩擦嵌合しているが、螺着させるよう
にしても自由である。又、軸筒１１の前端を外面
に段部が形成されるように薄肉状として前方まで
延ばしその外面段部にリングを環装させるように
することもできる。

本考案は叙上のように、軸方向に移動自在で且
つ所要位置に停止固定可能でその停止固定した状
態でスライダーと衝合してスライダーの移動を阻
止するリングをスライダーの軸方向の隣接部に設
置したので、リングを移動してスライダーに衝合
した位置で停止固定させればスライダーの移動が
阻止されて不使用時における不必要な芯の繰り出
しが防止される効果があり、また、リングとスラ
イダーとの間に所要な間隙が生じる状態でリング
を停止固定させればスライダーがその間隙だけ移
動可能となり従つてスライダーの移動によつて繰
り出される芯の量も所要値が得られることになり
このリングとスライダーとの間隙を変化させるこ
とにより芯の突出量を自由に調整できるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案触指繰出式シヤープペンシルの実施
例を示すもので、第１図及び第２図は第１実施例
を示し第１図は触指繰り出し可能状態の縦断面
図、第２図は触指繰り出し不能状態の縦断面図、
第３図は第２実施例の要部縦断面図である。 １……芯ガイド、２……チヤツクケース、３…
…芯固定チヤツク、４……芯咬持部、５……凹
部、６……ボール、７……テーパ内周面、８……
チヤツクケース内径段部、９……コイルスプリン
グ、１０……接合筒、１１……軸筒、１２……雌
ネジ、１３……軸継手、１４……後端筒部、１５
……中央鍔部、１６……雄ネジ、１７……前端筒
部、１８……中央壁、１９……孔、２０……案内
パイプ、２１……繰作部、２２……中央筒部、２
３……スライダー、２４……垂直面、２５，２
５′……切欠孔、２６……保持チヤツク、２７…
…コイルスプリング、２８……外面肩部、２９…
…内孔段部、３０……口金、３１……先端パイ
プ、３２……外面鍔部、３３……リング、３４…
…口金外面凸部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ボールチヤツク方式の芯固定チヤツクの前方
   に、軸方向に移動可能なスライダーに固着され
   た保持チヤツクを配し、スライダーを移動操作
   して保持チヤツクによる芯の繰り出しを可能と
   した触指繰出式シヤープペンシルに於て、軸方
   向に移動自在で且つ所要位置に停止固定可能で
   その停止固定した状態でスライダーと衝合して
   スライダーの移動を阻止するリングをスライダ
   ーの軸方向の隣接部に設置したことを特徴とす
   る触指繰出式シヤープペンシル。 ２ 上記のリングをスライダーの後端の触指繰作
   部の前方の口金の外周部に取付けたことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の触
   指繰出式シヤープペンシル。 ３ 上記のリングをスライダーの後方の接合筒の
   外周部に取付けたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の触指繰出式シヤープ
   ペンシル。