JPH0530945Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ボールチヤツクを用いたシヤープペ
ンシルに関する。

（従来の技術） ボールチヤツクは芯の前方への引き出しが容易
で、逆に、筆圧に対しては充分な芯固定力を有す
るという特性がある。この特性を利用して、ボー
ルチヤツクの前方に軸方向の移動が可能な芯引き
出し用の保持チヤツクを配して、後端部でのノツ
ク操作を必要とせず、軸を握つたままの状態で指
先の操作により芯の繰り出しをなすことにより連
続筆記を可能とした各種のシヤープペンシル、例
えば先端パイプスライド式、先端ノツク式、触指
繰出式等のシヤープペンシルが存在する。この種
の従来のシヤープペンシルは、実開昭59−67281
号公報に示されたように、又は第３図に示した触
指繰出式シヤープペンシルのように、ボールチヤ
ツク１を内部に装着したチヤツクケース２と芯ケ
ース３を摩擦嵌合させ、軸本体４に固着されてチ
ヤツクケース２の後退を阻止する掛合段部５を有
する先軸６にチヤツクケース２を挿通し、芯ケー
ス３と先軸６の間にノツクスプリング７を張架
し、軸本体４にリング体、又は別軸を固着して芯
ケース３の後退を阻止するストツパ８を設けたよ
うな構造を一般に有している。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来例のシヤープペンシルは、組み立てる
場合に、まず、軸本体４の内部にストツパ８を固
着し、次に、軸本体４の前端開口から芯ケース３
とノツクスプリング７を挿入し、更に、ノツクス
プリング７の弾発力を受けながら先軸６を軸本体
４に接合しなければならないので、組み立てが困
難な問題があつた。本考案は、かかる組み立ての
困難性を解消して安価なシヤープペンシルの提供
を目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案のシヤープ
ペンシルは、ボールチヤツクを内部に装着したチ
ヤツクケースと芯ケースを摩擦嵌合させ、チヤツ
クケースを軸本体に固着されてチヤツクケースの
後退を阻止する掛合段部を有する先軸に挿通し、
芯ケースと先軸の間に芯ケースを後方へ押圧する
ノツクスプリングを介装し、先軸の後半部に一部
側面を切欠して横断面が略Ｕ字状の延出部を設
け、該延出部の後端内面に芯ケースの後退を阻止
するストツパを設けたことを特徴とするものであ
る。

（実施例） 第１図及び第２図は本考案の一実施例の触指繰
出式シヤープペンシルを示したものである。まず
先軸６は、略中央部の内面に掛合段部５を有し、
後半部に一部側面を切欠して横断面が略Ｕ字状の
延出部９を有し、該延出部９の後退内面にストツ
パ１０を設けている。次に芯ケース３は、前端部
に摩擦嵌合筒部１１を有し、外面部にフランジ１
２を有し、内孔部には中心孔１３を穿設した壁面
１４を有している。芯ケース３の後端部はノツク
体（図示せず）と直接、又は間接的に連結してい
る。芯ケース３は、摩擦嵌合筒部１１、及びフラ
ンジ１２を先軸６の延出部９の内部に収納して、
そのフランジ１２と先軸６の掛合段部５の後面と
の間にノツクスプリング７を介装してフランジ１
２がストツパ１０に当接するようにしている。チ
ヤツクケース２は内部に芯把持チヤツク１８を収
容している。芯把持チヤツク１８は前端芯把持部
１６の外面に設けた凹部１７にボール１５を嵌入
して、チヤクバネ１９により後方へ引き込まれ、
ボール１５をチヤツクケース２の内面テーパ部２
０に接触させている。チヤツクケース２の前端開
口部には止めリング２１を固着して芯把持チヤツ
ク１８を抜けを防止している。又、チヤツクケー
ス２は略中央部の外面に上記先軸６の掛合段部５
に衝合可能な掛合突起２２を設けている。尚、チ
ヤツクケース２、ボール１５、芯把持チヤツク１
８、及びチヤツクバネ１９によりボールチヤツク
１が構成される。チヤツクケース２は先軸６に挿
入され、更にその後端部を芯ケース３の摩擦嵌合
筒部１１に挿入されて、チヤツクケース２の外面
部と摩擦嵌合筒部１１の内面部とが摺動可能なよ
うに摩擦嵌合している。先軸６は軸本体４の前端
開口内面部に圧入により接合している。

尚、図中、２３は先軸６の前端に螺着した軸継
手、２４は内筒部が軸継手２３の内孔部に挿入す
ると共に外筒部が軸継手２３の外部に露出して軸
方向に移動自在なスライダ、２５はスライダ２４
と連動する保持チヤツク、２６は軸継手２３に固
着して鉛芯を保持するチヤツク２５に案内するガ
イドパイプ、２７は保持チヤツク２５及びスライ
ダ２４を前方へ押圧するスプリング、２８は軸継
手２３に螺着した口金、２９は口金２８に圧入固
着した先端パイプである。

第１図は非ノツク時の状態を示したもので、芯
ケース３のフランジ１２はノツクスプリング７に
より押圧されて先軸６のストツパ１０に当接して
おり、この状態でチヤツクケース２の掛合突起２
２も先軸６の掛合段部５に当接している。このと
き、芯把持チヤツク１８の後端と芯ケース３の壁
面１４とが非接触となるように寸法が設定されて
いる。

まずノツク体を押圧すると、芯ケース３がノツ
クスプリング７を圧縮して前進し、これによりチ
ヤツクケース２も芯ケース３と摩擦嵌合している
ので前進する。このとき、チヤツクケース２と芯
ケース３の間に摺動はまだ生じない。チヤツクケ
ース２の前端の止めリング２１が軸継手２３の内
壁面３０に衝合するまで前進した後に、更にノツ
ク体の押圧を続行すると、チヤツクケース２に対
して芯ケース３が摺動して前進し、壁面１４が芯
把持チヤツク１８の後端に衝接して芯把持チヤツ
ク１８をチヤツクバネ１９に抗して前方へ押圧す
る。芯把持チヤツク１８は把持した鉛芯を繰り出
しながら前進するが、ボール１５の締め付けが次
第に緩んでバネ性によりその内径を拡大して鉛芯
を自由に開放する。ノツク圧を解除すると、ノツ
クスプリング７及びチヤツクバネ１９の復元力に
よつて再び第１図の状態に復帰する。保持チヤツ
ク２５はスライダ２４を後方へ引くことにより後
退し（第１図及び第３図で中心線より下側の判断
面図の状態）、スライダ２４への引張力を解除す
ることにより、スプリング２７の復元力によつて
前進し、この繰り返し動作によつてボールチヤツ
ク１から鉛芯を引き出して繰り出す。

（作用及び効果） 本考案シヤープペンシルの構成は上記の通りで
あり、軸本体の内部に別個のストツパを取り付け
る必要がなく、まず芯ケースと先軸を組み付け、
更にチヤツクケースを組み付けた後に、これらを
軸本体に侵入してから先軸と軸本体を固着すれば
よく、しかも、先軸を軸本体に固着するときに先
軸に対してノツクスプリングの負荷がかからない
ので、組み付けが容易且つ確実となつて品質が安
定する作用効果がある。特に、本考案は、芯ケー
スの後退を阻止するために先軸に設けたストツパ
断面形状を略Ｕ字状としたので、先軸の側面切欠
部から芯ケースを先軸の内部に挿入できて、先軸
に対する芯ケースの組み付けが極めて容易化する
著効がある。又、ストツパを先軸と一体に設ける
ことによつて部品点数が減少する利点もある。従
つて、本考案は安価で品質の安定したシヤープペ
ンシルの提供を可能とするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である触指繰出式シ
ヤープペンシルの要部縦断面図、第２図は第１図
Ａ−Ａ線横断面図、第３図は従来例の触指繰出式
シヤープペンシルの要部縦断面図である。 １……ボールチヤツク、２……チヤツクケー
ス、３……芯ケース、４……軸本体、５……掛合
段部、６……先軸、７……ノツクスプリング、８
……ストツパ、９……延出部、１０……ストツ
パ、１１……摩擦嵌合筒部、１２……フランジ、
１３……中心孔、１４……壁面、１５……ボー
ル、１６……芯把持部、１７……凹部、１８……
芯把持チヤツク、１９……チヤツクバネ、２０…
…内面テーパ部、２１……止めリング、２２……
掛合突起、２３……軸継手、２４……スライダ、
２５……保持チヤツク、２６……ガイドパイプ、
２７……スプリング、２８……口金、２９……先
端パイプ、３０……軸継手の内壁面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボールチヤツクを内部に装着したチヤツクケー
   スと芯ケースを摩擦嵌合させ、チヤツクケースを
   軸本体に固着されてチヤツクケースの後退を阻止
   する掛合段部を有する先軸に挿通し、芯ケースと
   先軸の間に芯ケースを後方へ押圧するノツクスプ
   リングを介装し、先軸の後半部に一部側面を切欠
   して横断面が略Ｕ字状の延出部を設け、該延出部
   の後端内面に芯ケースの後退を阻止するストツパ
   を設けたことを特徴とするシヤープペンシル。