JPS585008B2 - 茎稈挾持搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、茎稈搬送用回動無端体と挟握レールとの協働
作用により茎稈を挾持搬送すべく構成しである茎稈挾持
搬送装置に関する。

この種の茎稈挾持搬送装置は、例えばコンバインに装備
された場合、通常、姿勢変更自在に構成されて、搬送下
手側に配備される挟持搬送装置に対する茎稈受渡し位置
を稈長方向に変更したり、搬送上手側に配備される挟持
搬送装置から受渡される茎稈挾持位置を稈長方向に変更
する等により、いわゆる扱深さ調節を行なうべく構成さ
れるものであり、その姿勢変更を行っても、前記無端体
の支持フレームと、前記挟握レールとの相対位置が変化
しないように、それら両者を茎稈稈長方向での株元端側
に突出する彎曲状フレームによって連結し、搬送茎稈が
前記フレーム内を通過するように構成させている。

しかし、この場合、彎曲状フレームを乗越えさせて茎稈
株元側部分を移行させねばならぬものであって、従来に
おいては、彎曲状フレームの茎稈移動径路を横切る部分
を、茎稈株元方向に大きく突出させ、この横切る部分の
上方を茎稈株元が無理なく通過できるように構成するこ
とが行なわれていた。

ところが、このように彎曲状フレームを大きく茎稈株元
端方向に突出させると、装置全体が大型化するものとな
ってしまい、特に、上述の様に姿勢変更させる場合には
、彎曲状フレームが他装置と干渉し易い問題があった。

また、彎曲状フレームの突出量を少なく設定すると、こ
の彎曲状フレームの下端、つまり前記茎稈移動経路を横
切る部分に、搬送途中の藁屑や雑草等が巻き付いて堆積
し、彎曲状フレームの内側空間を狭めてしまう結果、茎
稈株元側部分と彎曲状フレームとが接触する状態となっ
て、茎稈株元側部分が無理に通過するものとなってしま
い、順次搬送されてくる茎稈を円滑に通過させ難い問題
がある。

本発明は、上記実状に留意して為されたものであって、
彎曲状フレーム部分での簡単な構造改良により、その彎
曲状フレームの茎稈株元側への突出量を小さくして茎稈
挾持搬送装置全体の姿勢変更範囲を充分大きく設定する
ことができるものでありながら、搬送茎稈を円滑に茎稈
株元側部分を通過させることが可能となった茎稈挾持搬
送装置を提供することにその目的がある。

本発明による茎稈挾持搬送装置の特徴とする構成は、彎
曲状フレームを、前記無端体側で搬送方向の後方側に延
出されるフレーム部分と、前記挟握レール側で搬送方向
の後方側に延出されるフレーム部分と、その両フレーム
部分を前記挾持搬送装置による挟持搬送終端よりも搬送
方向の後方位置で連続させる連続フレーム部分とから構
成すると共に、前記無端体側のフレーム部分を、前記挟
握レール側のフレーム部分よりも相対的に高く配置し、
かつ、前記挟握レール側のフレーム部分は、搬送茎稈の
株元端の移動軌跡近くで、それよりも低く位置するよう
に配置し、さらに、この彎曲状フレームには、前記無端
体側から挾扼レールに連設のフレーム部分側に向けて搬
送茎稈の株元側を摺接させながら案内する茎稈ガイド部
を、前記挟握レール側のフレーム部分よりも高位で、か
つ、そのフレーム部分近くにまで延設した点にあり、か
かる構成から次の作用効果を奏する。

すなわち、彎曲状フレームに囲まれる空間部分を移送さ
れる搬送茎稈は、茎稈ガイド部の押出し作用を受けて、
その株元側を、挟握レール側に連設のフレーム部分を乗
り越えるように変位させるものであるから、茎稈の株元
側を稈身に沿った植立姿勢に近い姿勢のままで通過させ
る場合に比べて、彎曲状フレームの下方への突出量を極
力制限することができ、また、彎曲状フレーム自身の形
状も、茎稈の乗り越えかない無端体側のフレーム部分を
充分高位に設定した形状としであるので、この点でも、
扱深さ調節など茎稈挾持搬送装置の姿勢変更に際して、
前記彎曲状フレームが他物に接触する虞れの少ない状態
で充分大きな上下位置変更を行える利点がある。

そして、このように彎曲状フレームの下方への突出量を
小さく設定しても、無端体側並びに挟握レール側に連な
る両フレーム部分を連続して茎稈搬送通路の延長方向に
ある連続フレーム部分は、茎稈挾持搬送装置による茎稈
挾持搬送終端よりも後方に位置するものであり、しかも
、茎稈搬送経路を横切るのではなく搬送方向に沿って延
出されている挟握レール側のフレーム部分の上を茎稈が
前記茎稈ガイド部の押出し作用による上方への移動を伴
ないながら通過するものであるから、この彎曲状フレー
ムに多少の藁屑や雑草が巻きついたとして、それによっ
て茎稈の移動が妨げられる虞れはきわめて少なく、また
、比較的長く形成されて茎稈の移動方向に略沿った後方
側に向う挟握レール側のフレーム部分には、藁屑の巻さ
つき等を生じ難い点でも上記効果が一層促進されるもの
である。

また、彎曲状フレーム部分を通過する茎稈に対して、茎
稈ガイド部では、茎稈部分を、搬送方向視にて挾持箇所
での稈長方向に対して一側方に偏する状態に姿勢変更す
るものであるから、例えば茎稈部分をその搬送方向に沿
って姿勢変更させるに較べて、挾持箇所での茎稈挾持状
態に対する影響少なく姿勢変更させることができ、茎稈
姿勢を不測に乱すことなく次工程に受は継がせることが
できる点でも有利である。

さらにまた、上記のように彎曲状フレームを構成し、か
つ、茎稈ガイド部を設けることにより、搬送茎稈の株元
側端部の移動方向と、前記茎稈ガイド部ならびに茎稈が
乗り越える側のフレーム部分の延出方向とを略同様な後
方側に向け、との茎稈ガイド部付近や前記フレーム部分
に滞溜する藁屑等を、移送される茎稈自身が掃き出すよ
うに作用して、この彎曲状フレーム部分での茎稈の移動
を阻害する要因の発生を未然に防止し得る構成を、構造
簡単に構成し得る効果がある。

以下に、本発明の実施例を図面に基いて説明する。

図は、クローラ走行装置１上に脱穀装置２が搭載されて
なる本体の前部に、刈取前処理部３が連結装備されたコ
ンバインを示す。

前記刈取前処理部３は、前部に斜設された引起し装置４
・・・・・・にて複数条の植立茎稈を引起し、刈取装置
５で刈取った後、横−側部に搬送しながら合流し、合流
された茎稈を、穂先係止搬送装置６と、この搬送装置６
の下部に沿って配置された第１及び第２挾持搬送装置７
，８とからなる縦搬送部で後方へ搬送して、後部脱穀装
置２のフィードチェーン９へ受渡すべく構成されている
。

前記縦搬送部について説明すると、前記第１挟持搬送装
置７が、その始端側を横軸心Ｘ周りに枢支連結されてお
り、この横軸心Ｘを中心とする第１挾持搬送装置７の上
下揺動に伴い、この第１挟持搬送装置７の終端から次の
第２挾持搬送装置８の始端部への茎稈稈長方向に変更し
て、いわゆる扱深さ調節を行なうべく構成されている。

また、前記第１挟持搬送装置７の終端部であって次の第
２挾持搬送装置８へ殻稈が受渡される時点において、第
２図に示すように、第１挾持搬送装置７の挾持作用が解
除されるとともに、前記穂先係止搬送装置６が茎稈穂先
側を係止倒伏させる作用が発揮され、搬送茎稈を横倒れ
姿勢にした後、前述の様にフィードチェーン９へ茎稈を
受渡すべく構成され、且つ、前記第２挟持搬送装置８が
比較的弱い挟持力をもってして茎稈を挾持すべく設定さ
れている。

前記第１挟持搬送装置７は、突起付き回動チェーンから
なる無端体７ａと挾扼レール７ｂとの協働により茎稈を
挟持搬送すべく構成されるとともに、前記無端体７ａの
支持フレーム１１と前記挾扼レール７ｂとが、茎稈株元
方向に突出する彎曲状フレーム１２にて連結されている
。

この彎曲状フレーム１２は、前記無端体７ａ側で搬送方
向の後方側に延出されるフレーム部分１２ｃと、前記挟
握レール７ｂ側で搬送方向の後方側に延出されるフレー
ム部分１２ｂと、その両フレーム部分１２ｂ、１２ｃを
前記挾持搬送装置７による挾持搬送終端よりも搬送方向
の後方位置で連続させる連続フレーム部分１２ａとから
構成すると共に、前記無端体７ａ側のフレーム部分１２
ｃを、前記挟握レール７ｂ側のフレーム部分１２ｂより
も相対的に高く配置し、かつ、前記挟握レール７ｂ側の
フレーム部分１２ｂは、横倒れ姿勢に姿勢変化されなが
ら持ち上げ搬送される搬送茎稈の株元端の移動軌跡近く
で、それよりも低く位置するように配置し、さらに、こ
の彎曲状フレーム１２には、前記無端体７ａ側から挾扼
レール７ｂに連設のフレーム部分１２ｂ側に向けて搬送
茎稈の株元側を摺接させながら案内する茎稈ガイド部１
３を、前記挾扼レール側のフレーム部分１２ｂよりも高
位で、かつ、そのフレーム部分１２ｂ近くにまで延設し
たものであり、この茎稈ガイド部１３が、搬送茎稈の挟
持位置よりも株元側部分を、搬送方向視にて挾持箇所で
の稈長方向に対して一側方に偏する状態に姿勢変更させ
る姿勢変更機構１０を構成している。

そして、第１挾持搬送装置７で搬送されながら前記彎曲
状フレーム１２で囲まれた空間内に突入する茎稈株元部
分を、前記姿勢変更機構１０にて姿勢変更させながら前
記フレーム部分１２ｂを横側方に乗越えさせて、彎曲状
フレーム１２の外部に移行させるべく構成されている（
第３図参照）。

尚、上記実施例では、茎稈ガイド部１３を彎曲状フレー
ムのフレーム部分とは別個に設けて姿勢変更機構１０を
構成したが、第４図及び第５図に示すように、前記彎曲
状フレーム１２の内の茎稈移動径路に対して前記茎稈搬
送方向に略沿うフレーム部分１２ｂとは反対側に位置す
る無端体Ｉａ側のフレーム部分１２ｃで茎稈を押出させ
て姿勢変更させるように実施してもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る茎稈挾持搬送装置の実施例を示し、
第１図はコンバインの側面図、第２図は姿勢変更機構部
分を示す斜視図、第３図は第１図における■−■線断面
図、第４図は別の実施例を示す縦断正面図、第５図は同
斜視図である。 ７ａ・・・・・・回動無端体、７ｂ・・・・・・挾扼レ
ール、１０・・・・・・姿勢変更機構、１１・・・・・
・支持フレーム、１２・・・・・・彎曲状フレーム、１
２ａ・・・・・・連続フレーム部分、１２ｂ、１２ｃ・
・・・・・フレーム部分、１３・・・・・・茎稈ガイド
部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 茎稈搬送用回動無端体７ａと挟握レール７ｂとの協
   働作用により茎稈を挟持搬送すべく構成すると共に、前
   記無端体７ａの支持フレーム１１と、前記挟握レール７
   ｂとを彎曲状フレーム１２にて連結しである茎稈挾持搬
   送装置において、前記彎曲状フレーム１２を、前記無端
   体７ａ側で搬送方向の後方側に延出されるフレーム部分
   １２ｃと、前記挾扼レール７ｂ側で搬送方向の後方側に
   延出されるフレーム部分１２ｂと、その両フレーム部分
   １２ｂ、１２ｃを前記挾持搬送装置７による挾持搬送終
   端よりも搬送方向の後方位置で連続させる連続フレーム
   部分１２ａとから構成すると共に、前記無端体７ａ側の
   フレーム部分１２ｃを、前記挾扼レール７ｂ側のフレー
   ム部分１２ｂよりも相対的に高く配置し、かつ、前記挾
   扼レール７ｂ側のフレーム部分１２ｂは、搬送茎稈の株
   元端の移動軌跡近くで、それよりも低く位置するように
   配置し、さらに、この彎曲状フレーム１２には、前記無
   端体７ａ側から挟握レール７ｂに連設のフレーム部分１
   ２ｂ側に向けて搬送茎稈の株元側を摺接させながら案内
   する茎稈ガイド部１３を、前記挾扼レール側のフレーム
   部分１２ｂよりも高位で、かつ、そのフレーム部分１２
   ｂ近くにまで延設しであることを特徴とする茎稈挾持搬
   送装置。