JPS5848668Y2 - 原稿走査型複写機における原稿搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、原稿走査型複写機に内蔵される原稿搬送装置
の改良に関する。

一般に、この種の原稿搬送装置は、ガイド板と原稿面ガ
ラスとを上下に対向して設け、その前後に上下に対をな
す搬送ローラを設けたもので、原稿を上記搬送ローラで
搬送し、上記ガイド板と原稿面ガラスとの間を通過させ
て照明光源からの光を原稿に照射し、その反射光によっ
て感光体を露光するようになっている。

上記搬送ローラは駆動ローラと対向ローラとからなり、
上方の対向ローラは下方の駆動ローラにバネ材等により
所定の圧着力で圧着付勢されて従動するとともに、駆動
ローラとは隔離方向にバネ材等の圧着力に抗して若干変
位可能であり、しかも前後の両搬送ローラが互いに同期
回転して、原稿の搬送速度にズレを生じないようにして
いる。

上記搬送ローラにおいて、原稿が薄手の場合は対向ロー
ラがほとんど変位することなく、スムーズに搬送される
が、原稿が厚手となると、対向ローラは上記バネ材の圧
着力に抗して大きく変位しなければならない。

しかしながら、従来のものでは、前後の側対向ローラの
圧着力がほぼ等しく、とくに後方の対向ローラの圧着力
が大きいと、厚手原稿の先端が後方の搬送ローラに達し
ても対向ローラの変位がスムーズに行われず、したがっ
て原稿搬送が一時停止等の異常を生じ、画像のブレ等の
原因となるという欠点が゛あった。

又、このために原稿の厚さは著しく限定されてしまい、
多少の厚みを持った原稿を複写するためには厚物原稿用
の複写機によっておこなわざるを得なかった。

本考案は上記従来の欠点に鑑みてなされたもので、換言
すれば、前方（原稿挿入側）の対向ローラは搬送される
原稿の先端が後方（原稿排出側）の対向ローラに衝突し
て該ローラをその圧着力に抗して変位させるだけの原稿
挟持力を有するように駆動ローラに対して圧着しなけれ
ばならないが、後方の対向ローラは単に原稿の搬送方向
側をガイドするごとく駆動ローラとで原稿を軽く挾持し
、かつ原稿の後端が前方の両ローラから解除されたのち
に該原稿を搬送しうるだけの圧着力を保持すればよいと
いう点に着目してなされたもので、対向ローラを駆動ロ
ーラから隔離する方向に互いに独立して変位可能に軸支
するとともに、後方の対向ローラの圧着力を前方（原稿
挿入側）の対向ローラの圧着力より小さくすることによ
って、薄手の原稿は勿論、厚手の原稿であってもスムー
ズに搬送し、画像のブレ等の複写画像の劣化を防止する
原稿′走査型複写機における原稿搬送装置を提供しよう
とするものである。

つぎに、本考案を一実施例である図面にしたがって説明
する。

第１図、第２図は本考案にかかる原稿、走査型複写機の
原稿搬送装置を示し、１はガイド板、２は原稿面ガラス
で、原稿を上記ガイド板１・と原稿面ガラス２との間を
通過させ、図示しない照明光源からの光を下方より照射
して、原稿葬射部を構成している。

搬送ローラ３，４は上記原稿照射部の前後に設けられ、
それぞれ上下に対向ローラ３ ａ 、４ ａと駆動ロー
ラ３ｂ、４ｂとを備え、駆動ローラ３ｂ、４ｂが矢印Ａ
方向に駆動することにより、対向ローラ３ ａ 、４
ａを従動させ、原稿を矢印Ｂ方向に搬送する。

上記対向ローラ３ ａ 、４ ａの回転軸５，６は、第
１図に示すように、固定側板７に突設した支軸８に取付
けた戻りバネ９の両端と係合して下方に付勢され、所定
の圧着力で駆動ローラ３ｂ、４ｂに圧着するとともに、
前後の対向ローラ３ ａ 、４ ａが上記側板７の傾斜
状長孔７ ａ 、７ ｂに沿って互いに独立した変位可
能である。

しかも、支軸８から捩りバネ９と前後の対向ローラ３
ａ 、４ ａの回転軸５，６との接触点までの距離（以
下うでの長さといつ）１１，１２は１２〉１１の関係に
あるため、下方への付勢力は後方の対向ローラ４ａが前
方の対向ローラ３ａより小、すなわち、後方の対向ロー
ラ４ａが前方の対向ローラ３ａよりその圧着力を小さく
設定しである。

１０は支持板で、上記ガイド板１と一体に形成され、上
記側板７に突設した支軸８を、上記傾斜状長孔７ａ、７
ｂとほぼ同角度で傾斜する長孔１１に嵌合させて、原稿
の厚さに応じて上記支持板１０とガイド板１とを一体に
変位可能としている。

なお、１２はカバー、１３はテーブル、１４．１５は原
稿案内板、１６は図示しないマイクロスイッチのアクチ
ュエータで、該アクチュエータ１６は上記前方の搬送ロ
ーラ３の直後に延在されており、搬送される原稿の先端
を検出して露光、帯電、給紙等の複写動作を制御する。

上記構成からなる原稿搬送装置の作動を説明する。

いま、挿入口１７より原稿が挿入され、原稿の先端が前
方の搬送ローラ３に達すると、アクチュエータ１６が反
時計回り方向に回動してマイクロスイッチを作動させる
とともに、対向ローラ３ａが原稿の厚さに応じて長孔７
ｂに沿って変位し、対向ローラ３ａと駆動ローラ３ｂと
で原稿を挟持しながら搬送する。

そして、原稿は案内板１４に沿ってガイド板１と原稿面
ガラス２との間に入り、図示しない照明光源からの光が
照射される。

なお、原稿が所定以上の厚みを有する場合には、その厚
みに応じてガイド板１が支持板１０とともに長孔１１に
沿って上方に変位する。

上記ガイド板１と原稿面ガラス２との間を通過した原稿
の先端は後方の搬送ローラ４の間に挟持される。

このとき、後方の対向ローラ４ａも長孔７ｂに沿って変
位し、原稿が前後の両搬送ローラ３゜４に挾持されてい
る間、捩りバネ９は第１図一点鎖線で示すようにやや■
字形に変形する。

すなわち、うでの長さ１１は減少してｌ 、／となり、
１２は増大して１２′となる。

したがって、前方の対向ローラ３ａの圧着力は増大し、
これにより原稿に与える搬送力が増大する一方、後方の
対向ローラ４ａの圧着力は前方の対向ローラに比し弱く
設定されているので、原稿が後方の対向ローラを押上げ
るのを容易にし、原稿搬送が極めてスムーズに行なわれ
る。

後方の搬送ローラ４から送り出された原稿は案内板１５
に沿って排出口１８より排出される。

本考案者らが種々の厚さの原稿、で実験したところ、従
来の原稿搬送装置では３〜４ｍｍの厚さの原稿で画像ブ
レを生じたが、本考案の原稿搬送装置ではｌＱｍｍの厚
さの原稿でも画像ブレを生しず、良好な複写を行なうこ
とができた。

なお、上記実施例では、対向ローラ圧着用のバネ材を一
本の捩りバネ９で構成したが、前後の対向ローラ３ａ、
４ａに別個のバネ材を設け、かつ後方のバネ材の圧着力
を弱く設定しておいてもよい。

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、後方
の対向ローラの圧着力を前方の対向ローラの圧着力より
小さくしたため、厚手の原稿が後方の搬送ローラに達し
た際にスムーズに挟持され、原稿搬送の一時停止等の異
常が生じず、画像ブレ等の複写画像の劣化を招くことが
ない。

したがっである程度の厚みをもつ原稿をも複写すること
ができ、複写機の使用範囲を拡げる効果がある。

また、上記実施例においては、対向ローラの圧着用バネ
材を１本の捩りバネで構成し、対向ローラの変位方向を
原稿の進行方向に傾斜するようにしたため、原稿の厚さ
に応じてうでの長さが自動的に変化し、原稿の厚みが増
すに従い、側方の対向ローラの圧着力は増大する一方、
後方の対向ローラの圧着力は増大せず、原稿搬送は極め
てスムーズに行われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる原稿走査型複写機における原稿
搬送装置の側面図で、第２図はその縦断面図である。 １・・・・・・ガイド板、２・・・・・・原稿面ガラス
、３ ａ 、４ ａ・・・・・・対向ローラ、３ｂ、４
ｂ・・・・・・駆動ローラ、７ａ、７ｂ・・・・・・長
孔、９・・・・・・捩りバネ、１７・・・・・・挿入口
、１８・・・・・・排出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原稿を駆動ローラと対向ローラとで挾持して原稿照射部
   内を搬送するようにした原稿走査型複写機において、対
   向ローラを駆動ローラと隔離する方向に互いに独立して
   変位可能に軸支するとともに、原稿排出側の対向ローラ
   を原稿挿入側の対向ローラより小さい圧着力で駆動ロー
   ラに圧着付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする原
   稿走査型複写機における原稿搬送装置。