JPH0521075Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、写真処理機に組入れて使用する露光
台に関するものである。

（従来の技術） 従来の写真処理機に組入れて使用する露光台
は、露光の前後においてプリントペーパーを写真
処理機の長手方向に水平に搬送し、露光の際にプ
リントペーパーを水平に保持するようになしたも
のである。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上述した従来の露光台にあつて
は、写真処理機の長手方向に沿う露光台の長さが
長くなることによつて写真処理機の据付面積が必
然的に大きくなるという欠点があつた。

そこで、写真処理機における上記の如き水平式
の露光台に代つて、写真製版用カメラ等において
は、以前からある程度使用されているところの、
縦形に設置固定され、真空ポンプ等に接続せられ
たフイルム吸引箱の垂直なフイルム吸引板の前面
に沿つて走行せしめられるエンドレスの多孔ベル
トにフイルムを保持させる方式の露光装置の転用
を試みたが、焦点の合つたプリントを得るために
要するエンドレスの多孔ベルトの平面性維持のた
めに度重なる修正ならびに保全のための手数を要
し、実用性に欠けるという避け得ない難点なり欠
点なりがあつた。

本考案は、上述の如き実情に鑑みてなされたも
ので、写真処理機の据付面積の減少化と機体の小
型化に加え、焦点の合つたプリントを得るために
要する平面性の維持が容易で、度重なる修正や保
全のための手段を要せず、優れた実用性のある露
光台の提供を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案の露光台
は、ネガマスクホルダーから所定の距離位置に取
付け固定されていて、シート状に裁断された定寸
プリントペーパー吸引吸着用の多数の通気用小孔
を備えた露光兼案内用垂直板と、該露光兼案内用
垂直板の露光位置の上方および下方にそれぞれ配
置した搬入ローラー部材および搬出ローラー部材
と、前記露光兼案内用垂直板の両側部または中央
部に上下方向に形成した案内溝に上下摺動自在に
配置されていて、搬入された前記シート状の定寸
プリントペーパーの上縁に当接する係止段部を有
し、該定寸プリントペーパーを露光位置に押送
し、かつ露光後該定寸プリントペーパーを搬出ロ
ーラー部材側へ押送するプリントパーパー押送部
材と、前記定寸プリントペーパーを絶えず前記露
光兼案内用垂直板に吸引吸着するように該露光兼
案内用垂直板の後方に配置した吸引フアンとを備
えていることを特徴とするものである。

（作用） 本考案の露光台は、上述のように構成されてい
るので、シート上に裁断された定寸プリントペー
パーは、搬入ローラー部材にて、ネガマスクホル
ダーから所定の距離位置に取付け固定されている
露光台内の露光兼案内用垂直板の前面に沿つてプ
リントペーパー押送部材を乗越えて搬入され、次
いで、吸引フアンの吸引を受けながらプリントペ
ーパー押送部材にて、露光兼案内用垂直板の露光
位置に押送せしめられ、吸引フアンにてネガマス
クホルダーから所定の距離位置に正しく吸引保持
せしめられ、露光が行われ、露光後プリントパー
パーはプリントパーパー押送部材にて搬出ローラ
ー部材に送り込まれ、搬出ローラー部材にて露光
台外に搬出せしめられる。

（実施例） 以下、本考案の露光台の実施例を図面によつて
詳細に説明する。

本考案の露光台の正面図を示す第１図と、横断
平面図を示す第２図とにおいて、１０は露光兼案
内用垂直板であつて、器枠１に垂直にネガマスク
ホルダーから所定の距離位置に取付け固定されて
いる。露光兼案内用垂直板１０の露光位置１１お
よびその周辺部にわたつて多数の通気用小孔１２
を設けるとともに、露光兼案内用垂直板１０の両
側部には上下方向に案内溝１３，１３を設けてあ
る。案内溝１３の断面形状は第５図に示すように
凸字状であつて、露光兼案内用垂直板１０の後面
に開口する開口部１４には空気の流通を防ぐよう
にゴム様弾性板１５，１５を取付けてある。

２０と３０はそれぞれ露光兼案内用垂直板１０
の露光位置１１の上方と下方とにおいて露光兼案
内用垂直板１０の中央部に配置した搬入ローラー
部材と搬出ローラー部材である。搬入ローラー部
材２０は、回転軸２１に取付けた駆動ローラー２
２と、該駆動ローラー２２と協同するように回転
軸２３に取付けた従動ローラー２４とを備えてい
る。駆動ローラー２２の周面の一部分は露光兼案
内用垂直板１０に形成した開口部１６から露光兼
案内用垂直板１０の前面に突出している。回転軸
２１と２３は器枠１の両側板間に回転可能に架設
してある。２５，２６は回転軸２１が器枠１外に
突出した軸端部に取付けたプーリーである。搬入
ローラー部材２０は駆動ローラー２２と従動ロー
ラー２４との協同によつてプリントペーパーの中
央部を挟持しながらプリントペーパーを露光兼案
内用垂直板１０の前面に沿つて露光位置１１へ搬
入するようになつている。

搬出ローラー部材３０は、搬入ローラー部材２
０の回転軸２１と同様に配置せられた回転軸３１
に取付けた駆動ローラー３２と、該駆動ローラー
３２と協同するように回転軸３３に取付けた従動
ローラー３４とを備えている。回転軸３１と３３
は器枠１の両側板間に回転可能に架設してある。
３５は回転軸３１が器枠１外に突出した軸端部に
取付けたプーリーである。搬出ローラー部材３０
は駆動ローラー３２と従動ローラー３４との協同
によつてプリントペーパーの中央部を挟持しなが
らプリントペーパーを露光位置１１外へ搬出する
ようになつている。搬入ローラー部材２０の回転
軸２１と搬出ローラー部材３０の回転軸３１は、
第９図に示すように、ステツピングモーター８０
と、タイミングベルト、プーリー、クラツチ等よ
りなる伝動装置８１によつて回転するようになつ
ている。

４０はプリントペーパー押送部材であつて、露
光兼案内用垂直板１０の案内溝１３に上下摺動可
能に配置してある（第３図参照）。第５図に示す
ように、プリントペーパー押送部材４０の前面は
露光兼案内用垂直板１０の前面と面一になつてい
る。第４図に示すように、該押送部材４０の上端
部には楔状に傾斜面４１と係止段部４２とが形成
してある。４３は押送部材４０の後面に突設した
押送部材支持ピンであつて、第５図に示すよう
に、案内溝１３の開口部１４およびゴム様弾性板
１５，１５の間を経て後方に突出している。左右
の押送部材支持ピン４３，４３（一方の図示を省
略）の突出端部は連結板４４に固着し、該連結板
４４はタイミングベルト４５，４５に取付けてあ
る。タイミングベルト４５，４５は、第９図に示
すように、プーリー４６，４７に掛渡してあつ
て、タイミングベルト４８を介してステツピング
モーター４９に連動連結してある。プーリー４
６，４７は、第１図に示すように、器枠１に架設
した回転軸５，６に取付けてある。ステツピング
モーター４９を正転、逆転することによつて、プ
リントペーパー押送部材４０は案内溝１３に沿つ
て上下に往復摺動するようになつている。

第６図ないし第８図に示す他の実施例は、露光
兼案内用垂直板１０の露光位置１１の上方と下方
とにおいてそれぞれ左右両側部に搬入ローラー部
材２０，２０と搬出ローラー部材３０，３０を配
置し、露光兼案内用垂直板の中央部に上下方向に
形成した広幅の案内溝１１３に広幅のプリントペ
ーパー押送部材１４０を上下摺動可能に配置した
ものである。１４４は押送部材１４０の後面に押
送部材支持ピン４３を介して連結したナツトであ
つて、垂直螺杆１４５に螺合している。垂直螺杆
１４５の上端部と下端部は、それぞれ器枠１の両
側板間に水平に架設した上部支持板２と中間支持
板３とに回転自在に支持してある。１４６は垂直
螺杆１４５が中間支持板３の下方に突出した軸端
部に取付けたプーリーであり、１４７は器枠１に
水平に架設した下部支持板４の下面に取付けたス
テツピングモーター４９によつて駆動されるプー
リーであり、１４８はプーリー１４６と１４７に
掛けたタイミングベルトである。ステツピングモ
ーター４９を正転、逆転することによつて、プリ
ントペーパー押送部材１４０は案内溝１１３に沿
つて上下に往復摺動するようになつている。な
お、プリントペーパー押送部材１４０を上下に往
復摺動するのに、前記の連結板４４、タイミング
ベルト４５，４５を用いてもよいことは勿論であ
る。

５０は吸引フアンであつて、第２図、第７図、
第９図に示すように、露光兼案内用垂直板１０の
後方に配置してある。吸引フアン５０は露光兼案
内用垂直板１０の前面に沿つて搬入されるプリン
トパーパーを絶えず露光兼案内用垂直板１０に吸
引する。吸引フアン５０による吸引力は、プリン
トパーパーを露光兼案内用垂直板１０に吸引し、
これに沿つて平らに保持できるように設計されて
いる。

本考案の露光台の使用状態を示す第９図におい
て、６０は本考案の露光台を組入れた写真処理機
の一部を示すものであつて、第１暗箱６１と第２
暗箱６２と第３暗箱６３等を備えている。本考案
の露光台は第３暗箱６３内に組入れてあつて、第
２暗箱６２から長尺プリントペーパー１００を繰
出ローラー部材６４および搬入ローラー部材２０
にて露光兼案内用垂直板１０の前面に沿つて所定
長さ搬入し、カツター６５にて切断し、切断され
た定寸プリントペーパー１０１（第１０図参照）
を押送部材４０，１４０にて露光位置１１に押送
し、露光後再び押送部材４０，１４０にて押送す
るとともに、搬出ローラー部材３０と搬送ローラ
ー部材６６によつて図外のプロセサーへ搬入する
ようになつている。前記繰出しローラー部材６４
はステツピングモーター８０と伝動装置８１によ
つて回転するようになつている。露光の際に反射
ミラー７５を第９図において実線にて示すように
開くと、光源７０からの光は調光フイルター７
１、カツトフイルター７２、ネガマスク７３に挿
入したネガ、レンズ７４を経て反射ミラー７５に
て反射して露光台上に支持されているプリントペ
ーパー上に達するようになつている。７６は露光
用開口部、７７はトリーミングスクリーン、７８
はのぞき窓、７９は開閉蓋である。前記ステツピ
ングモーター４９，８０およびカツター６５、反
射ミラー７５等はコンピユーターによつて制御す
るようになつている。

次に、本考案にかかる露光台の作用を説明す
る。写真処理機６０の始動前には、第９図におい
て、反射ミラー７５は二点鎖線にて示すように露
光用開口部７６を閉じているとともに、開閉蓋７
９は一点鎖線にて示すようにのぞき窓７８を開い
ている。さらに、プリントパーパー押送部材４０
または１４０は上限位置にある（プリントパーパ
ー押送部材４０と１４０の作用は同様であるの
で、以下、押送部材１４０についての説明を省略
する。） この状態で、ネガマスク７３にネガを挿入し、
光源７０のスイツチを入れ、トリーミングスクリ
ーン７７上に投影される像をのぞき窓７８を通し
て観察しながらトリーミング操作を行う。トリー
ミング操作終了後、反射ミラー７５を実線にて示
すように開くとともに、開閉蓋７９を実線にて示
すように閉じる。

そこで、図外の始動ボタンを押すと、吸引フア
ン５０とステツピングモーター８０が始動する。
吸引フアン５０によつて露光兼案内用垂直板１０
の露光位置１１の前方の空気は多数の通気用小孔
１２を経て露光兼案内用垂直板１０の後方へ吸引
され、器枠１の外側を通つて前方へ循環する。ス
テツピングモーター８０によつて繰出ローラー部
材６４、搬入ローラー部材２０、搬出ローラー部
材３０、搬送ローラー部材６６等が回転する。第
２暗箱６２内の長尺プリントペーパー１００は第
１０図Ａに示すように、繰出ローラー部材６４と
搬入ローラー部材２０とによつてプリントペーパ
ー押送部材４０の傾斜面４１を乗越えて露光兼案
内用垂直板１０の前面に沿つて搬入される。プリ
ントペーパー１００が所定の長さ搬入された位置
において繰出ローラー部材６４が停止するととも
に、カツター６５が作動し、プリントペーパー１
００は定寸に切断されて定寸プリントペーパー１
０１になる。プリントペーパー１０１はさらに搬
入され、第１０図Ｂに示すように搬入ローラー部
材２０の搬入作用が終了した位置において露光兼
案内用垂直板１０の前面に吸引フアン５０によつ
て吸引保持される。

次に、ステツピングモーター４９が始動してプ
リントペーパー押送部材４０は垂直案内板１０に
吸引保持されている定寸プリントペーパー１０１
を第１０図Ｃに示すように、露光位置１１に押送
する。定寸プリントペーパー１０１が露光位置１
１に達すると、ステツピングモーター４９は一旦
停止し、定寸プリントペーパー１０１はネガマス
クホルダーから所定の距離位置に平面性を保つて
正しく保持される。この状態で図外のシヤツター
を操作して露光を行う。したがつて、ネガに忠実
で、きれいなプリントが得られる。

露光後、ステツピングモーター４９が再び作動
し、定寸プリントペーパー１０１はプリントペー
パー押送部材４０によつて再び押送され、第１０
図Ｄに示すように、搬出ローラー部材３０に送込
まれ、第９図に示すように、搬送ローラー部材６
６によつて図外のプロセサーへ搬入されるのであ
る。定寸プリントペーパー１０１が搬出ローラー
部材３０に送込まれるときにステツピングモータ
ー４９が逆転し、プリントペーパー押送部材４０
が上限位置に達すると、始動ボタンがOFFなつ
て始動前の状態に復帰する。以後、前記の操作を
繰返すのである。

（考案の効果） 以上の記載から明らかなように、本考案によれ
ば、写真処理機の据付面積の減少化と機体の小型
化に加え、焦点の合つたプリントを得るために要
する平面性の維持が容易で、度重なる修正や保全
のための手数を要せず、この種の業界の要望に充
分応えることのできる実用性のある露光台の提供
が可能となつた。

【図面の簡単な説明】

図面第１図ないし第５図は本考案の露光台の一
実施例を示すものであつて、第１図は正面図、第
２図は第１図の−線に沿う横断平面図、第３
図はプリントペーパー押送部材を含む要部の正面
図、第４図は第３図の−線に沿う縦断側面
図、第５図は第３図の−線に沿う横断平面図
である。第６図ないし第８図は本考案の他の実施
例を示すものであつて、第６図は正面図、第７図
は第６図の−線に沿う縦断側面図、第８図は
第６図の−線に沿う要部の拡大横断平面図で
ある。第９図は第１図ないし第５図に示す本考案
の露光台を組入れた写真処理機の一部の概略縦断
側面図、第１０図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは作用説明図で
ある。 １０……露光兼案内用垂直板、１１……露光位
置、１２……通気用小孔、１３，１１３……案内
溝、２０……搬入ローラー部材、３０……搬出ロ
ーラー部材、４０，１４０……プリントペーパー
押送部材、５０……吸引フアン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ネガマスクホルダーから所定の距離位置に取付
   け固定されていて、シート状に裁断された定寸プ
   リントペーパー吸引吸着用の多数の通気用小孔を
   備えた露光兼案内用垂直板と、前記露光兼案内用
   垂直板の露光位置の上方および下方にそれぞれ配
   置した搬入ローラー部材および搬出ローラー部材
   と、前記露光兼案内用垂直板の両側部または中央
   部に上下方向に形成した案内溝に上下摺動自在に
   配置されていて、搬入された前記シート状の定寸
   プリントペーパーの上縁に当接する係止段部を有
   し、該定寸プリントペーパーを露光位置に押送
   し、かつ露光後該定寸プリントペーパーを搬出ロ
   ーラー部材側へ押送するプリントペーパー押送部
   材と、前記定寸プリントペーパーを絶えず前記露
   光兼案内用垂直板に吸引吸着するように該露光兼
   案内用垂直板の後方に配置した吸引フアンとを備
   えていることを特徴とする露光台。