JPS584551B2 - コリン酸化酵素の製造法 - Google Patents

コリン酸化酵素の製造法

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JPS584551B2
JPS584551B2 JP52081836A JP8183677A JPS584551B2 JP S584551 B2 JPS584551 B2 JP S584551B2 JP 52081836 A JP52081836 A JP 52081836A JP 8183677 A JP8183677 A JP 8183677A JP S584551 B2 JPS584551 B2 JP S584551B2
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choline
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愛水重典
曽我部行博
中桐義隆
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はコリン酸化酵素(以下COと略する)を製造す
る方法に関する。
リン脂質の構成成分の一つであるコリンのCOによる酵
素的是量法は、従来の化学的定量法に代わるものとして
、更にはホスホリパーゼDとの共役反応でリン脂質の定
量、コリンエステラーゼとの共役kよるア毛チルコリン
の定量、コリンエステラーゼ活性測定への応用等と相俟
って臨床診断分野での利用が考えられ、その意義は極め
て大きく、近年多犬の注目を集めている。
古くより、コリンをベタインに変換する酵素としては、
動物臓器(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミス
トリー第239巻、1605頁、1959年)や微生物
(アグリカルチュラル・バイオロジカル・ケミストリー
第39巻、105頁1975年)由来のコリン脱水素酵
素が知られている。
この場合は、この酵素の作用によって生ずる水素の受容
体の存在を必要とする。
他方、コリンの酸化分解において分子状酸素の消費を伴
なう、いわゆるCOの存在の指摘は、従来より動物臓器
(バイオケミカル・ジャーナル、第31巻、869頁、
1937年)(バイオケミカル・ジャーナル、第32巻
、1024頁、1938年)や微生物ではアルスロバク
ター属やシュードモナス属(アーカイブス・オブ・マイ
クロビオロジイ第71巻、235頁、1970年)一つ
いてなされており、特にアルスロバクター属に属する細
菌のCOについては近年更に具体的にして詳細な報告が
ある(第19回脂質研究会講演要旨集、23頁1977
年)。
本発明者等は、コリンに作用してこれをベタインに酸化
する過程において、化学量論的に対応して分子状酸素を
消費し過酸化水素を生成するCO生産菌を見出すべく広
く自然界より分離検索した結果、明石市下の土壌より分
離したアルカリゲネス属に属する細菌であるAK−2が
このようなCOを生産することを発見した。
本菌の生産するCOはコリン→ベタインアルデヒド→ベ
タインの反応を触媒し、前段および後段いずれの反応の
場合も1分子の酸素の消費と1分子の過酸化水素の生成
があり、コリン→ベタインの反応においては結局、2分
子の酸素の消費および過酸化水素の生成がある。
それ故、消費される酸素の量あるいは生成する過酸化水
素の量を公知の方法で定量することにより、存在するコ
リン量の測定が可能で、他の酵素の共存下で、リン脂質
、アセチルコリン、コリンエステラーゼ活性測定等の臨
床診断用試薬としてめ利用が考えられる。
このCO生産菌AK−2は次のような菌学的性質を有す
る。
A 形態 (1)肉汁寒天培地に生育し、菌の形態は桿状であり、
0.5 −0.8 × 1−3μの大きさで、通常単独
であるが、まれに2−4連をなす。
時に伸長した細胞もみられるが細胞の多形性はない。
(2)運動性あり、鞭鞭毛も有する。
(3)胞子形成なし (4)ダラム染色性は陰性 (5)抗酸性は陰性 B 生育状態 (1)肉汁寒天平板培養 半透明灰白色又は灰黄色で、やや光沢を有する円形のや
や隆起したコロニーを生じ、周縁は円形で拡散性色素は
生産しない。
(2)肉汁寒天斜面培養 生育は良好で、灰白色または灰黄色で拡幅状をなす。
(3)肉汁液体培地培養 生育は良好で表面に膜を形成することなく培地はやや濁
り、下層に白色の菌体を沈澱する。
(4)肉汁寒天穿刺培養 上面および穿刺孔中に生育する。
(5)肉汁ゼラチン穿刺培養 表面に生育しわずかに液化する。
(6)リトマスミルク 培養と共にpHはゆっくりアルカリ性となる。
わずかにリトマスを還元するが液化、凝固はしない。
C 生埋的性質 (1)硝酸塩の還元:陰性 (2)脱窒素反応:陰性 (3)MRテスト:陰性 (4)VPテスト:陰性 (5)インドールの生成:陰性 (6)硫化水素の生成:陰性 (7)デンプンの加水分解:陽性(微弱)(8)クエン
酸の利用:陽性 (9)無機窒素源の利用:硝酸塩 陰性アンモニ
ウム塩 陽性 (10)色素の生成:キングA培地およびB培地では色
素の生産はなし、肉汁寒天、肉汁ゼラチン、ポテトデキ
ストロース培地では水溶性色素の生成は認められない。
(11) ウレアーゼ:陰性 (12) オキシダーゼ:陽性 (13)カタラーゼ:陽性 (14)生育pH:5〜9、特にpH6.5〜7.5で
よく生育する。
(15)生育温度:15〜40℃、特に25〜30℃で
最もよく生育する。
(16)好気性および嫌気性:好気性 (17)O−Fテスト:陰性 (18)糖の利用:ビューライフノン培地を用いて糖の
利用を調べた。
下記いずれの糖からもガスの発生および酸の生成は認め
られない。
L−アラビノース、D−キシロース、D−グルコース、
D−マンノース、D−フラクトース、D−ガラクトース
、麦芽糖、シヨ糖、乳糖、トレハロース、D−マンニト
ール、D−ソルビトール、イノシトール、グリセロール
、可溶性澱粉。
D その他の性質 (1)3−ケトラクトースの生成:陰性 上記の菌学的性質を「パージエイのマニュアル・オブ・
デイターミネイティブ・バクテリオロジー(第8版、1
974年)」を参照して検討すると3一ケトラクトース
を生成せず、アミノ酸、アンモニア態窒素を利用するの
でアグロバクテリウム属に属さない。
クエン酸を利用するのでリゾビウム属ではない。
更に本菌は好気的に生育し、嫌気的には生育せず、水溶
性および非水溶性の顕著な色素を生成しないので、フラ
ボバクテリウム、クロモバクテリウム属にも属さず、ア
ルカリゲネス属に属するものと判定される。
なお本菌は工業技術院微生物工業研究所に微工研菌寄4
105号として寄託されている。
アルカリゲネスAK−2(微工研菌寄4105号)を用
いてCOを製造する方法について説明すると、本菌はコ
リンを含む栄養培地で液体培養することによりCOを菌
体内に蓄積するので、公知の方法で精製、乾燥すること
により、酵素粉末を得ることが出来る。
更に具体的に説明すると、本菌を適当な培地、例えば適
当な窒素源、無機塩類、有機促進物質と酵素生産を誘導
せしめるためにコリンを含む培地で培養し、COを蓄積
せしめるのであるが、ここで窒素源にはペプトン、酵母
エキス、肉エキス、コーンステイープリカーなどの有機
窒素源が有効である。
無機塩類としてはリン酸、カリウム、硫酸マグネシウム
などが用いられる。
コリンとしては工業的に製造されているいずれの塩でも
使用できる。
有機促進物質としては、酵母エキスやペプトン、肉エキ
ス、コーンステイープリカーなどがよい。
培地のpHは中性付近とし、通気攪拌などの好気的培養
を25〜35℃で1〜2日間行ないCOを菌体内に生産
蓄積せしめる。
COの菌体がらの抽出には、菌体磨砕、超音波処理、自
己消化などの公知の方法によって無細胞酵素液としたの
ち、硫酸アンモニウム塩析、あるいはアセトン、アルコ
ール等を用いる溶媒沈澱などの公知の方法で酵素標品を
得る。
更に高度に精製された酵素標品を得るには、イオン交換
を応用したクロマトグラフイーおよび分子篩を用いれば
よい。
本発明で得られる酵素の性質は次のとおりである。
A 酵素化学的性質 (1)至適pH pH8.0〜8.5(第1図参照
)(2)pH安定性 pH7.0〜9.0(第2図参照
)(3)至適温度 40℃ (第3図参照)(
4)熱安定性 35℃付近まで安定であるがそれ以上
になると急激に失活 する。
(第4図参照)B 作用 コリンが基質の場合には2分子の分子状酸素が消費され
、2分子の過酸化水素が生成する。
ベタインアルデヒドが基質の場合には、1分子の分子状
酸素の消費で1分子の過酸化水素が生成される。
C 基質特異性 コリン類似物質に対する作用を比較したところ表1に示
す如くコリンに対して特異性が高いことがわかる。
D 酵素活性測定法 コリン酸化酵素をコリンに作用せしめ、生じた過酸化水
素を測定することにより酵素活性が測定できる。
即ち生成する過酸化水素を0−アミンフェノールの存在
でベルオキシダーゼ(POD)で分解し、同時にO−ア
ミンフェノールを定量的に酸化せしめ、生成する色素量
を4 8 0 nmで比色定量することによりCOの酵
素力価を求める。
酵素反応液の組成および反応条件は以下のとおりである
(1) 反応液の組成 0.2M塩化コリン水溶液 1.0ml0.2
Mリン酸緩衝液( pH 7.5 ) 1.O
mlPOD水溶液(15プルプロガリン単 1.0m
l位/ml) 0.001M.O −アミンフェノール塩 1.0m
l酸塩水溶液 酵素液(0.004 〜0.015単位/ml) 0
. 5 ml(2)反応条件 37℃15分間反応する。
反応停止は1N塩酸0. 5ml添加で行ない、生成し
た色素を4 8 0 nmで比色定量する。
(3)酵素力価 酵素力価の表示は、1分間に1μモルのコリリンを分解
する酵素量を1単位とする。
E 酸素消費量および過酸化水素生成量の定量コリンお
よびベタインアルデヒドを本酵素で分解する際に消費さ
れる酸素の定量はワルブルグ検圧計を用いて通常の方法
により行ない生成する過酸化水素の定量は公知フェノー
ル−4−アミノアンチピリン発色系で行なった。
本発明の実施例を次に示す。
実施例 1 塩化コリン2%、ペプトン0.4%、酵母エキス0.2
%、硫酸マグネシウム(7水塩)0.2%、K2HPO
40.2%、pH7.2なる培地14lを含む30l容
ジャーファーメンター(600r.p.m)にアルカリ
ゲネスAK−2微工研菌寄4105号を植菌し、30℃
、22時間、通気攪拌培養を行なった。
培養後、連続遠心分離で菌体を分別し、湿菌体として3
00gを得た。
これを1.5lの0.05Mリン酸緩衝液( pH 7
.5 )に懸濁後、超音波処理にてCOを抽出し、遠心
分離によって不溶物の除去を行ない、得られた上澄液に
まず25%飽和になるように硫酸アンモニウムを加え、
生じる沈澱物を遠心分離で除去したのち、その上澄液に
更に硫酸アンモニウムを終濃度55%飽和になる様に加
え、COを沈澱せしめた。
塩析物をP別後、150mlの0.02Mリン酸緩衝液
( pH 7.5 )に溶解し、0.02Mリン酸緩衝
液( pH 7.5 )で緩衝化したセファデツクスG
−25を充填したカラム(径4.5、長さ60cm)に
通じ、脱塩を行ない、活性区分を集めた。
得られた脱塩酵素液を凍結乾燥した結果、140単位/
gのCOの粉末7グを得た。
実施例 2 実施例1と同様の操作で得られた脱塩酵素液を次いで予
め0.02Mリン酸緩衝液( pH 7.5 )で平衡
化したDEAE−セルロースカラム(径4cm、長さ4
0cm)に通して、COを吸着させ、同緩衝液で洗浄し
た後、同緩衝液と0.5Mの食塩を溶解した同緩衝液と
で濃度勾配を作り、除々に食塩濃度を上げなからCOを
溶出させた。
溶出されたCO活性区分(食塩濃度0.3〜0.4Mの
範囲で溶出される)を集め、50%飽和硫酸アンモニウ
ムによる塩折濃縮後、0.02Mリン酸緩衝液で緩衝化
したセファデツクスG−100、G−200の順に通し
て分子篩を行ない、最終的に得られるセファデツクスG
−200分子篩液は次いで凍結乾燥してCO標品200
mgを得た。
このものの比活性は214単位/mgであり、また培養
液からの収率は30%であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明酵素のpH活性曲線を示す。 第2図は本発明酵素のpH安定曲線を示す。 第3図は本発明酵素の温度活性曲線を示す。 第4図は本発明酵素の温度安定曲線を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 アルカリゲネス属に属し、コリン酸化酵素生産能を
    有する微生物を培養し、培養物よりコリン酸化酵素を採
    取することを特徴とするコリン酸化酵素の製造法。
JP52081836A 1977-07-07 1977-07-07 コリン酸化酵素の製造法 Expired JPS584551B2 (ja)

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