JPS5839829Y2 - スカム分離濃縮装置

Info

【考案の詳細な説明】本考案は下水処理系等に使用されるスカム分離濃縮装置
に関する。

従来、液面からスカムを分離し濃縮する装置として、チ
ェーンに付設したフライトにより搬出板上面に沿ってス
カムを掻き上げるものが使用されている。

しかし、掻き上げる間に十分に水切り濃縮を行なうこと
ができない問題がある。

本考案は、搬出板に転接するローラを用いることにより
、水切り濃縮を十分に行なえるよう図ったものであり、
以下その一実施例を図面に基づいて説明する。

図面はスカムの洗浄を兼ねた実施例を示す。

１はスカム槽であり、側壁にスカム流入管２が開口し、
底面に散気管３が配置されている。

スカム流入管２の開口と対応してスカムの分散用の阻流
板４が設けられ、またスカム槽１の中央には多数の傾斜
板５が平行に配置されている。

６はスカム流入管２と対向する側壁に設けた搬出板であ
る。

搬出板６は傾斜して設けられ、下端はスカム槽１の液面
ｌ下に浸漬されている。

７は搬出機であり、スカム槽１の液面ｌおよび搬出板６
の上面に沿う軌道の無端回動体としてチェーン８を有し
ている。

なお、無端回動体としてチェーン８の代りにロープ等を
用いることもできる。

９はチェーン８を掛装したスプロケットであり、いずれ
かのスプロケット９にチェーン駆動装置が連結されてい
る。

チェーン８には長手方向一定間隔おきにアタッチメント
１０が取付けられており、各アタッチメント１０に、搬
出板６の上面に転接するゴム製のローラ１１が設けられ
ている。

また、ローラ１１の３〜４個おきに１個の割合いでゴム
製の弾性板１２が設けられている。

弾性板１２はアタッチメント１３によりチェーン８に取
付けられている。

つぎに作用につい説明する。

スカム流入管２からスカムを流入させると、該スカムは
阻流板４に当たって分散し、スカム槽１の全体に広がる
。

スカム槽１内に入ったスカムは底部の散気管３より吹き
込まれた空気により攪拌され液中洗浄を受けると共に、
浮上の補助を受け、液面に浮上する。

このとき、傾斜板６が設けられていると、スカムは傾斜
板６に沿って浮上するため、より浮上が容易になされる
。

液面のスカムは、チェーン８の回動と共にローラ１１お
よび弾性板１２により液面上を押し流され、搬出板６に
載せられる。

ローラ１１はチェーン８の回動により、搬出板６の上面
に直接にあるいはスカムを挾んで接して回転するが、搬
出板６上のスカムはこの回転するローラ１１と搬出板１
２との間の挟圧によって水切り濃縮を受ける。

そして、一定量以上堆積すればローラ１１により搬出板
６上を押し上げられていく。

ローラ１１で押し上げられずに残ったスカムは弾性板１
２により搬出板６上を掻き上げられる。

弾性板１２はその弾性のため、搬出板６上面を円滑に摺
動する。

このように、ローラ１１により十分な水切り濃縮がなさ
れ、濃縮されたスカムは搬出板６の上端から排出される
。

以上説明したように、本考案によれば、無体回動体に取
付けられたローラにより水切り濃縮を行なうようにした
ので、十分に濃縮することができ、また円滑に濃縮作業
を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断側面図、
第２図は部分拡大断面図である。１・・・・・・スカム槽、６・・・・・・搬出板、７・
・・・・・搬出機、８・・・・・・チェーン、１０．１
３・・・・・・アタッチメント、１１・・・・・・ロー
ラ、１２・・・・・・弾性板。

【実用新案登録請求の範囲】