JPS6313834Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は沈殿槽の液面近傍にフライトコンベ
ア式スカム掻寄機を収納したスカムボツクスを回
転移動可能に配置し、液面に浮遊したスカムを効
果的に除去できるスカム処理装置に関する。

〔従来技術〕

従来から浮上濃縮槽、沈殿槽などのスカムを排
除する装置は種々提案されている。しかしなが
ら、いずれもスカムと共にその下方の水が混入
し、簡単な装置で確実にスカムだけを排除できる
ものはなかつた。

〔考案の概要〕

この考案は上記欠点を解消するためになされた
ものであつて、略円形の処理槽の液面にスカムボ
ツクスを走行させ、その内部にフライトコンベア
式スカム掻寄機を配置することによつて、液面の
スカムのみを効率的に外部へ排出できるスカム処
理装置を提供することを目的とする。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。

第１図乃至第４図に示すように、円形の処理槽
１の内周には、分離液排出口２が、また、略中央
部には、モータ３によりN₁方向へ回動される回
転軸４が設けられている。

この回転軸４の下端には、処理槽１の底部に沈
殿した沈殿固形物を掻き寄せ、沈殿物排出口５か
ら外部へ排出する沈殿物掻寄機６が固定されてい
る。他方、回転軸４の上方で、液面近傍には、ス
カムボツクス７が第３図、第４図に示すように回
転アーム８によつて、回転軸４に固定され、回転
軸４によつて回転される。

上記スカムボツクス７は、その一端を処理槽１
の略中央に配置され、液面上に開口されたスカム
室９に移動自在に支持され、他端をスカムバツク
ル１０上端のレール１１に車輪１２によつて同様
に移動自在に支持されている。

そして、このスカムボツクス７の前面には、第
４図、第５図に示すように、液中に浸漬され前方
伸びたスカム誘導板１３を備えたスカム流入口１
４が設けられていると共に、内部には流入してき
たスカムを掻き寄せるフライトコンベア式スカム
掻寄機１５が配置されている。

上記フライトコンベア式スカム掻寄機１５は、
モータ１６によつてベルト１７を介してN₂方向
に回動されるチエーン１８と、このチエーン１８
に取付けられた複数のフライト１９とを備え、ス
カム流入口１４から流入してきたスカムを掻き寄
せ、スカム室９へ移送排出する。

次に、この考案の動作について説明する。

第１図に示すように供給管２０から処理槽１へ
供給された被処理液イは、ここで固液分離され、
沈殿固形物ロは沈殿物掻寄機６によつて、沈殿物
排出口５から、他方、分離液ハは分離液排出口２
からそれぞれ外部へ排出される。そして、液面に
浮遊したスカムは、回転軸４によつてスカムボツ
クス７を回動移動させてすくい上げる。この際、
スカムボツクス７の前面には、液面下を移動する
スカム流入口１４が開口され、しかも、その周囲
には前方へ延びたスカム誘導板１３が設けられて
いるので、液面に浮遊したスカムは、スカム流入
口１４から確実にスカムボツクス７内へ流入す
る。次にスカムボツクス７内へ流入したスカム
は、フライトコンベア式スカム掻寄機１５により
掻き上げられ、スカム室９へ移送され、スカム排
出口９ａから外部へ排出される。このように、ス
カムはスカム掻寄機１５により水面上に掻き上げ
られるので、従来のようにスカムと一緒に水が排
出される虞れはなく、スカムのみを確実に排出で
きる。

第６図乃至第１０図はスカムボツクス７を上下
移動自在とし、間欠的に液中に浸漬して、スカム
量の少ない場合でも確実にスカム排出が行える他
の実施例を示す。

この実施例では、スカムボツクス７は回転軸４
に上下移動可能に取り付けられ、第８図に示すよ
うに、処理槽１に固定された仕切壁２１，２２の
支持レール２１ａ，２２ａに車輪１２ａ，１２ｂ
を介して回動自在に支持されている。ここで、支
持レール２１ａ，２２ａの少なくとも一方には、
第１０図に示すように、凹部２３が設けられ、ス
カムボツクス７はこの凹部２３を通過する時の
み、第１１図ａから第１１図ｂに示すように、液
中に浸漬する。

また、スカム室９は、スカムボツクス７の一端
で、処理槽１の側壁の一部に設けられ、上述の第
１の実施例と同様に、スカム掻寄機１５によつて
掻き上げされたスカムを外部へ排出する。

以上の構成の実施例によれば、スカムボツクス
７は、通常時第１１図ａのように、スカム誘導板
１３でスカムを掻寄せながら移動し、支持レール
２１ａ，２２ａの凹部２３を通過する時のみ、第
１１図ｂのように液中に浸漬するので、処理槽１
内のスカム発生量が少ない場合でも、スカム誘導
板１３で掻き寄せたスカムをボツクス７内に確実
に流入でき、効率的なスカム排出が行える。

この際、凹部２３を多数設け、スカムボツクス
７を複数回液中に浸漬させてもよいし、ボツクス
７全体が揺動するようにしてもよい。また、スカ
ム掻寄機１５の駆動は連続でもよいし、液中に浸
漬した時だけでもよい。さらに、スカムボツクス
７の底壁をスカム流入口１４側に向けて下向傾斜
させれば、スカムボツクス７が上昇した時、ボツ
クス７内に残留した被処理液が自動的に処理槽１
へ返送され、次回のスカムボツクス７浸漬の際、
スカムの流入がスムーズに行える。

第１２図乃至第１４図は、スカムボツクス７を
回転軸４に上下方向に移動可能に固定すると共
に、スカム掻寄機１５を一または複数設けた他の
実施例を示す。

この実施例のスカムボツクス７の車輪１２は第
１４図に示すように、支持軸２４上を移動調整で
きるねじ２５によつて、高さ調整可能に形成され
ている。そして、必要に応じて、第１３図に示す
ように、スカムボツクス７、スカム掻寄機１５を
複数設けてもよい。この実施例でも上述の実施例
と同様の効果を有する。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、略円形の処
理槽の液面にスカムボツクスを回転走行させ、そ
の内部にフライトコンベア式スカム掻寄機を配置
したので、スカムのみを効率的に外部へ排出でき
る等の極めて優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の概略的縦断面
図、第２図は同平面図、第３図は同要部の概略的
縦断面図、第４図は同平面図、第５図はスカムボ
ツクスの縦断面図、第６図は他の実施例の概略的
縦断面図、第７図は同平面図、第８図は同要部の
概略的縦断面図、第９図は同平面図、第１０図は
支持レールの一部拡大斜視図、第１１図はスカム
ボツクスの動作説明図、第１２図は他の実施例の
縦断面図、第１３図は同平面図、第１４図は車輪
の縦断面図を示す。 １……処理槽、４……回転軸、７……スカムボ
ツクス、９……スカム室、９ａ……スカム排出
口、１４……スカム流入口、１５……フライトコ
ンベア式スカム掻寄機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略円形の処理槽と、この処理槽の液面部を回転
   するスカムボツクスと、このスカムボツクスの前
   面に設けられたスカム流入口と、上記スカムボツ
   クス内に設けられ、流入してきたスカムを掻寄せ
   るフライトコンベア式スカム掻寄機と、上記スカ
   ムボツクスの一端近傍の液面上に開口設置され、
   上記スカム掻寄機によつて掻寄せられた上記スカ
   ムを排出するスカム室とを備えたスカム処理装
   置。