JPH0417236Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、砂利採取場や砕石場その他砂などの
固形物が排出される処理場において、濁水から固
形物を水洗選別して回収する分級機に関するもの
である。

〔従来技術〕

従来、濁水から砂を水洗選別して回収する装置
としては例えばロータリ分級機として特開昭49−
124671号のように回転ドラムの一端に原水供給部
と分離水排出部を、また他端に固形物排出部を配
設すると共に、回転ドラムの内周面に原水中の砂
を排出部に向けて移送する送り羽根を設け、さら
に該送り羽根の終端部に移送された砂を掻上羽根
ですくい上げたのち排出部へ排出するものが知ら
れている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、回転ドラム内で水と共に排出口側に
移送される沈殿砂は掻上羽根ですくい上げるだけ
なので砂の採取効率が悪いばかりでなく、採取砂
の脱水状態も多孔性掻上羽根で行つても良好でな
く、しかもドラム内では泥質分も砂排出側にも留
まる傾向があり、水面上に層状になり、掻上羽根
により順次すくい上げられた沈殿砂の表面に付着
し、せつかく洗浄済みとなつた沈殿砂に塗着混合
されることになつて、分級砂の洗浄度を低下し特
に浮遊物は有機分が多いこと、さらに浮遊しやす
い雲母細片その他軽質の有害物質などの不純物の
混入割合が多くなつて品質低下で商品価値を著し
く悪くすると共に、シルト、泥分の多い原液の場
合には一度の分級洗浄では所定のシルト分低下が
望めないし、要求される洗浄度を出すためには再
度洗浄機にかけなければならなくなる不便不経済
があるし、さらに作業現場が汚水で汚れ、環境上
問題があつた。

本考案は、これら従来の問題点を排除しようと
するもので、濁水から固形物を著しく効率よく洗
浄して採取できると共に、バケツトに振動脱水、
採取固形物の重複洗浄を可能にして洗浄度を著し
く向上した状態で且つ脱水状態も良好な固形物と
して歩留りよく回収できる分級機を提供すること
を目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、懸濁液中の固形物を沈降する沈降タ
ンク１を仕切壁２０で一次分級部２１と二次分級
部２２とに区画形成し、画沈降タンク１内の一次
分級部２１に回転自在に設けられ固形物を移送す
るためのスクリユーコンベヤ２と、スクリユーコ
ンベヤ２で移送された固形物を受入れ掻き上げる
バケツト３と、バケツト３から落下される固形物
を二次分級部２２に導出する移送シユート４とを
備えると共に、前記二次分級部２２に回転自在に
設けられ固形物を移送するためのスクリユーコン
ベヤ２３と該スクリユーコンベヤ２３で移送され
た固形物を受入れ掻き上げる水切バケツト２４
と、該水切バケツト２４から落下される固形物を
沈降タンク１外に導出する排出シユート２５とを
備え、かつ前記水切バケツト２４に当接して振動
を与える振動起動部６と、水切バケツト２４内を
上下連通状態で上下層に分断する仕切板１９とを
配備したことを特徴とする分級機である。

〔作用〕

この分級機では、沈降タンク１に投入口１１を
経て供給された濁水は一次分級部２１に貯留され
ている間に固形物が底に沈降し、上澄水はオーバ
ーフロー樋１３を経て排出口１２から排水され、
沈降した固形物はタンク１内に回転されているス
クリユーコンベヤ２で排出側にある掻上げ用のバ
ケツト３へ移送して該バケツ３で固形物を掻き上
げ、バケツト３から落下される固形物を洗浄水と
ともにシユート４で二次分級部２２に移送し、該
部で貯留されている間に固形物が沈降し、スクリ
ユーコンベヤ２３で水切バケツト２４へ移送し、
該水切バケツト２４で固形物を掻き上げてこの掻
き上げ中に振動起動部６を通過する際に、水切バ
ケツト２４が振動が与えられ水分を水切孔５より
水切バケツト２４外に押出し、固形物の脱水を行
つてさらに水切バケツト２４内での砂層が仕切板
１９で分離され振動によつて砂がしまりすぎない
で維持でき上方に達して水切バケツト２４が反転
された位置で脱水された固形物が水切バケツト２
４に与えられている振動の伝播で効率よく落下し
て排出シユート２５上に導出することができる。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１〜４図例で説明すると、
上方に向けて開放され、かつ砂などの固形物（以
下砂と総称す）の混入した濁水を供給する投入口
１１と分離水を排出する排出口１２とを有し濁水
を受け入れ、貯留され砂を沈降させる沈降タンク
１を仕切壁２０で一次分級部２１と二次分級部２
２とに区画形成し、該沈降タンク１内の一次分級
部２１に回転自在に設けられ沈降砂を移送するた
めのスクリユーコンベヤ２と、スクリユーコンベ
ヤ２で移送された砂を受入れ掻き上げるために回
転移動するバケツト３と、上方に達したバケツト
３から落下される砂を沈降タンク１の二次分級部
２２に導出する移送シユート４と移送シユート４
に落下してくる砂に洗浄水を供給する給水機構２
９とを備えると共に、前記二次分級部２２に回転
自在に設けられ砂を移送するためのスクリユーコ
ンベヤ２３と該スクリユーコンベヤ２３で移送さ
れた砂を受入れ掻き上げる水切バケツト２４と、
該水切バケツト２４から落下される砂を沈降タン
ク１外に導出する排出シユート２５とを備え、か
つ前記水切バケツト２４に通水用の水切孔５を設
けると共に、該水切バケツト２４内を上下連通状
態で上下層に分断する仕切板１９と水切バケツト
２４の外周面に設けたタイヤ２７に当接して振動
を与える振動発生用の起振部となる起動部６を前
記水切バケツト２４の移動路中に介在配備して振
動脱水部として構成した分級機としてある。

この場合、スクリユーコンベヤ２及び２３とし
ては一体又は分離独立した回転駆動軸７に設けた
支持アーム８によつて、回転されるスパイラル羽
根でリボン形に構成され、該スパイラル羽根の終
端縁をそれぞれ前記バケツト３又は水切バケツト
２４の取入口に対応させてあるが、この水切バケ
ツト２４は、水切孔５のある多孔板又はスクリー
ンで容器状に構成され、リング状端板２６に環状
に複数配列され、沈降タンク１の底面に沿つて移
動し、沈降砂をすくい上げられるように回転移動
するドラムタイプに構成してあり、水切バケツト
２４にはその外周面に前記振動起動部６に当接す
るタイヤ２７を備えている。またバケツト３も水
切孔のある透水性バケツトとしてもよい。

また前記排出シユート２５としては、樋状部材
であつて、砂が脱落しないように前記水切バケツ
ト２４の移動路面に沿つた曲板からなるガードプ
レート２８，２８を両側に備えていて、前記水切
バケツト２４が上に達したときに反転位置となつ
て落下する砂を受けられる位置に配備され機外に
誘導するものが用いられる。さらに前記振動起動
部６としては、前記バケツト２４に当接して転動
するローラ６₁を複数揺動自在の支持枠体６₂に設
け、該支持枠体６₂に振動モータ９を備えて振動
脱水部としたものを用いてある。

なお前記支持枠体６₂としては、対向する一対
の端板のある断面Ｕ字状チヤンネルで構成され、
防振ゴム部６₃で揺動自在に支持アーム１０に備
え、バケツト２４の外周に添つて前記ローラ６₁
を配列してバケツト２４の外側面にあるタイヤ２
７に当接するようにしてある。

図中１３はオーバーフロー樋、１４はドレーン
抜き口、１５はモータ、１６は伝動部材例えば鎖
車、チエンなどから成る。１７は回廊、１８は機
台である。

なお、前記仕切壁２０としては堰高さを一次分
級部２１の排水堰、即ちオーバーフロー樋１３の
区画壁高さよりも僅かに高くして二次分級部２２
の洗浄水がオーバーフローして一次分級部に入る
ようにしているが、一次分級部２１と二次分級部
２２の分をその独立的に排水する形態とすること
もできるし、必要に応じ二次分級部２２の後にさ
らに三次分級部（図示せず）を形成して前記と同
様な構成として複数列で重複度数を増すことも選
んで出来る。

〔考案の効果〕

本考案は、懸濁液中の固形物を沈降する沈降タ
ンクを仕切壁で一次分級部と二次分級部とに区画
形成し、該沈降タンク内の一次分級部に回転自在
に設けられ固形物を移送するためのスクリユーコ
ンベヤと、スクリユーコンベヤで移送された固形
物を受入れ掻き上げるバケツトと、バケツトから
落下される固形物を二次分級部に導出する移送シ
ユートとを備えると共に、前記二次分級部に回転
自在に設けられ固形物を移送するためのスクリユ
ーコンベヤと該スクリユーコンベヤで移送された
固形物を受入れ掻き上げる水切バケツトと、該水
切バケツトから落下される固形物を沈降タンク外
に導出する排出シユートとを備え、かつ前記水切
バケツトに当接して振動を与える振動起動部を配
備したことにより、シルト、泥分の処理液でも複
数次に分けて分級洗浄を重複的に行えて沈降タン
ク内で沈降しつつある固形物中に同伴される異物
を適確に分離除去することができると共に、沈殿
した固形物を極めて効果的に脱水処理することが
でき、高品質で含水率の低い回収物が得られ、し
かもバケツト内の固形物は振動でしまり、水切バ
ケツト内を上下に分断する仕切板で砂のしまり過
ぎを抑え、バケツト内に固着されることなく過不
足なく、適確な保持も可能で脱落も少なく歩留り
良く回収率を大幅に高められるし、バケツトから
の流出する水は沈降タンク内に戻され、機外に流
出しないので作業現場が汚水で汚れないし、バケ
ツト中での表面に層状に付着傾向にある泥質分の
分散除去も可能で洗浄度も著しく向上し、商品価
値を大幅に高められるし、稼動率も良好で運転経
費並びに設備費をも大幅に低減することができる
などの実用上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は平面
図、第２図は側面図、第３図は正面図、第４図は
第１図線の拡大縦断面図である。 １……沈降タンク、２……スクリユーコンベ
ヤ、３……バケツト、４……移送シユート、５…
…水切孔、６……振動起動部、６₁……ローラ、
６₂……支持枠体、６₃……防振ゴム部、７……回
転駆動軸、８……支持アーム、９……振動モー
タ、１０……支持アーム、１１……投入口、２０
……仕切壁、２１……一次分級部、２２……二次
分級部、２３……スクリユーコンベヤ、２４……
水切バケツト、２５……排出シユート、２６……
端板、２７……タイヤ、２８……ガードプレー
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 懸濁液中の固形物を沈降する沈降タンク１を仕
   切壁２０で一次分級部２１と二次分級部２２とに
   区画形成し、該沈降タンク１内の一次分級部２１
   に回転自在に設けられ固形物を移送するためのス
   クリユーコンベア２と、スクリユーコンベア２で
   移送された固形物を受入れ掻き上げるバケツト３
   と、バケツト３から落下される固形物を二次分級
   部２２に導出する移送シユート４とを備えると共
   に、前記二次分級部２２に回転自在に設けられ固
   形物を移送するためのスクリユーコンベヤ２３
   と、該スクリユーコンベヤ２３で移送された固形
   物を受入れ掻け上げ、水切孔５のある水切バケツ
   ト２４と、該水切バケツト２４から落下される固
   形物を沈降タンク１外に導出する排出シユート２
   ５とを備え、かつ前記水切バケツト２４に設けた
   タイヤ２７に当接して振動を与える振動起動部６
   と、水切バケツト２４内を上下連通状態で上下層
   に分断する仕切板１９とを配備したことを特徴と
   する分級機。