JPH067797Y2 - 砂分級機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、砂利採取場や砕石場、その他砂が排出される
処理場において、濁水から砂を水洗選別して回収する砂
分級機に関するものである。

〔従来技術〕

従来、濁水から砂を水洗選別して回収する装置として
は、例えばロータリ分級機として特開昭４９−１２４６
７１号のように、回転ドラムの一端に原水供給部と分離
水排出部を、また他端に固形物排出部を配設すると共
に、回転ドラムの内周面に原水中の砂を排出部に向けて
移送する送り羽根を設け、さらに該送り羽根の終端部に
移送された砂を掻上羽根ですくい上げたのち排出部へ排
出するものが知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、回転ドラム内で水と共に排出口側に移送され
る沈殿砂は、掻上羽根ですくい上げるだけなので、砂の
採取効率が悪いばかりでなく、採取砂の脱水状態も多孔
性掻上羽根で行っても良好でなく、しかもドラム内では
泥質分も砂排出側にも留まる傾向があり、水面上に層状
になり、掻上羽根により順次すくい上げられた沈殿砂の
表面に付着し、せっかく洗浄済みとなった沈殿砂に塗着
混合されることになって、分級砂の洗浄度を低下し特に
浮遊物は有機分が多いこと、さらに浮遊しやすい雲母細
片などの不純物の混入割合が多くなって品質を悪くして
しまい、コンクリート用砂としての商品価値が著しく低
下すると共に、要求される洗浄度を出すためには、再度
砂洗浄機にかけなければならなくなる不便不経済もある
し、さらに振動脱水すると、振動によって水がこぼれ作
業現場が汚水で汚れ、循環上問題があった。

本考案は、これら従来の問題点を排除しようとするもの
で、濁水から砂を著しく効率よく洗砂して採取できると
共に、バケットに振動脱水、採取砂の洗浄度を著しく向
上した状態で、且つ脱水状態も良好な砂として歩留りよ
く回収でき、作業性と安全性とを向上できる砂分級機を
提供することを目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、懸濁液中の砂を沈降する沈降タンク１と、該
沈降タンク１内に回転自在に設けられ砂を移送するため
のスクリューコンベア２と、スクリューコンベア２で移
送された砂を受入れ掻き上げ、かつ水切孔５のある複数
のバケット３と、バケット３から落下される砂を沈降タ
ンク１外に導出する排出シュート４とを備えると共に、
該バケット３の外周面に軌条状にタイヤ３_２を設け、こ
のタイヤ３_２に当接するローラ６_１を複数支持枠体６_２
に転動自在に配列し、該支持枠体６_２を弾性部材でバケ
ット３方向に付勢して枢着部６_３で揺動自在に装備し、
かつ、支持枠体６_２に振動モータ９を設けた構成からな
る振動起動部６を水面より上方位置でバケット３の外側
面に臨ましめて配備し、水面上に移動してくるバケット
３に水平方向に振動を与える構成としたことを特徴とす
る砂分級機である。

〔作用〕

沈降タンク１に供給された濁水は、貯留されている間に
砂が底に沈降し、上澄水はオーバーフロー樋１３を経て
排出口１２から排水され、沈降した砂は、タンク１内に
回転されているスクリューコンベア２で、排出側にある
掻上げ用のバケット３へ移送して、該バケット３で砂を
掻き上げ、掻き上げ中で水面から上がった位置で振動起
動部６を通過する際に、バケット３に水平方向の振動が
与えられバケット全体に均一な振動で水分を水切孔５よ
りバケット３外に押出し、砂の脱水を効率よく行って、
さらに上方に達してバケット３が反転された位置で脱水
された砂が、バケット３から落下して排出シュート４で
導出することができる。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１〜３図例で説明すると、上方に向
けて開放され、かつ砂の混入した濁水を供給する投入口
１１と分離水を排出する排出口１２とを有し濁水を受け
入れ、貯留され砂を沈降させる沈降タンク１と、該沈降
タンク１内に回転自在に設けられ沈降砂を移送するため
のスクリューコンベア２と、スクリューコンベア２で移
送された砂を受入れ掻き上げるために回転移動するバケ
ット３と、上方に達したバケット３から落下される砂を
沈降タンク１外に導出する排出シュート４とを備え、前
記バケット３に通水用の水切孔５を設けると共に、該バ
ケット３に当接して振動を与える振動起動部６を前記バ
ケット３の移動路中で水面上位置に配備した砂分級機と
してある。

この場合、スクリューコンベア２が、回転駆動軸７に支
持アーム８を介してスパイラル羽根をリボン形に設け、
該スパイラル羽根の終端縁を前記バケット３の取入口に
対応させてあるが、バケット３は、水切孔５のある多孔
板又はスクリーンで容器状に構成され、リング状端板３
_１に環状に複数配列され、沈降タンク１の底面に沿って
移動し、沈降砂をすくい上げられるように回転移動する
ドラムタイプに構成してあり、このバケット３の外周面
に軌条状にタイヤ３_２を備えている。

また前記排出シュート４としては、樋状部材であって、
砂が脱落しないように前記バケット３の移動路面に沿っ
た曲板からなるガイドプレート４_１を備えていて、前記
バケット３が上に達したときに反転位置となって落下す
る砂を受けられる位置に配備されて、機外に誘導するも
のが用いられる。さらに前記振動起動部６としては、前
記バケット３に当接して転動するローラ６_１を複数振動
自在の支持枠体６_２に設け、該支持枠体６_２に振動モー
タ９を備えたものを用いてある。

なお前記支持枠体６_２としては、対向する一対の端板の
ある断面Ｕ字状チャンネルで構成され、前記枢着部６_３
で揺動自在に枢支し、一方向に付勢するバネ１０又はア
ブソーバその他の弾性部材を備え、弧状に前記ローラ６
_１を配列してバケット３の外側面にあるタイヤ３_２に当
接するようにしてある。

図中１３はオーバーフロー樋、１４はドレーン抜き口、
１５はモータ、１６は伝動部材例えば鎖車、チェンなど
から成る。１７は回廊、１８は機台である。

第４〜５図例では、振動起動部６の付勢手段として前記
バネ１０に代えＶ形防振ゴム１０_１で支持枠体６_２を保
持し、円運動を画くようにし直線的な打撃よりも脱水効
果を大となるようにしてある。

〔考案の効果〕

本考案は、バケットに水切孔を設けると共に、該バケッ
トの外周面に軌条状にタイヤを設け、このタイヤに当接
するローラを複数支持枠体に転動自在に配列し、該支持
枠体を弾性部材でバケット方向に付勢して枢着部で揺動
自在に装備し、かつ、支持枠体に振動モータを設けた構
成からなる振動起動部を水面より上方位置でバケットの
外側面に臨ましめて配備し、水面上に移動してくるバケ
ットに水平方向に振動を与える構成としたことにより、
沈降タンク内で沈降しつつある砂中に同伴される異物を
適確に分離除去することができると共に、水面上に所定
位置でバケットに全体に均一な振動を与えるので、その
振動振巾も大きく安定した起振ができ、かつ振動力もバ
ケットの移動によって変化が与えられて、砂からの脱水
効率を著しく向上できるし、振動を与えてもタンク内の
水がこぼれることもなく、円滑な運転と消費動力の削減
化とが可能で、起振操作も回転ドラム外で処理すること
ができ、安全でかつ得られる砂製品は高品質で含水率の
低い回収砂が得られ、しかもバケット内の砂は振動でし
まり、適確な保持も可能で回収砂の脱落も少なく歩留り
良く回収率を大幅に高められるし、バケットからの流出
する水は沈降タンク内に戻され、機外にこぼれ出さない
ので、作業現場が汚水で汚れないし、バケット中での表
面に層状に付着傾向にある泥質分の分散除去も可能で砂
洗浄度も著しく向上し、商品価値を大幅に高められるな
どの実用上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は平面図、第２図
は側面図、第３図は第１図Ｉ−Ｉ線の拡大縦断面図、第
４図は起動部の他の実施例の縦断面図、第５図はその正
面図である。 １……沈降タンク、２……スクリューコンベア、３……
バケット、４……排出シュート、４_１……ガイドプレー
ト、５……水切孔、６……振動起動部、６_１……ロー
ラ、６_２……支持枠体、６_３……枢着部、７……回転駆
動軸、８……支持アーム、９……振動モータ、１０……
バネ、１１……投入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】懸濁液中の砂を沈降する沈降タンク（１）
   と、該沈降タンク（１）内に回転自在に設けられ砂を移
   送するためのスクリューコンベア（２）と、スクリュー
   コンベア（２）で移送された砂を受入れ掻き上げ、かつ
   水切孔（５）のある複数のバケット（３）と、バケット
   （３）から落下される砂を沈降タンク（１）外に導出す
   る排出シュート（４）とを備えると共に、該バケット
   （３）の外周面に軌条状にタイヤ（３_２）を設け、この
   タイヤ（３_２）に当接するローラ（６_１）を複数支持枠
   体（６_２）に転動自在に配列し、該支持枠体（６_２）を
   弾性部材でバケット（３）方向に付勢して枢着部
   （６_３）で揺動自在に装備し、かつ、支持枠体（６_２）
   に振動モータ（９）を設けた構成からなる振動起動部
   （６）を水面より上方位置でバケット（３）の外側面に
   臨ましめて配備し、水面上に移動してくるバケット
   （３）に水平方向に振動を与える構成としたことを特徴
   とする砂分級機。