JPS583532B2

JPS583532B2 - ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法

Info

Publication number: JPS583532B2
Application number: JP566478A
Authority: JP
Inventors: 山口尚; 石原尊司
Original assignee: Konica Minolta Inc
Current assignee: Konica Minolta Inc
Priority date: 1978-01-20
Filing date: 1978-01-20
Publication date: 1983-01-21
Also published as: JPS5499419A

Description

【発明の詳細な説明】本発明はハロゲン化銀写真乳剤の製造方法に関し、特に
、アンモニア法で、粒径分布の狭くカブりの少いハロゲ
ン化銀写真乳剤の製造方法に関する。

粒径分布の狭いハロゲン化銀写真乳剤（以下単分散乳剤
と称する）を製造する方法としてフォトグラフイツシエ
・コレスポンダンツ（Ｐｈｏｔｏｇｒａ−ｐｈｉｓｃ
ｈｅＫｏｒｒｅｓｐｏｎｄｅｎｚ）第１０２巻、第
１０号第１６２頁（１９６７年）記述された方法がある
この方法はＰＡｇおよびｐＨをコントロールしながら、
硝酸銀水溶液とハライド水溶液を親水性コロイドを含有
する水溶液に添加する方法である。

しかし、この方法では、短時間で大粒子の高感度ハロゲ
ン化銀写真乳剤を製造することが出来ないという問題点
がある。

従来、短時間で高感度ハロゲン化銀写真乳剤を製造する
方法として、アンモニアのようなハロゲン化銀粒子の成
長を促進させるような化合物を使用することは良く知ら
れている。

このアンモニアの存在は、中性法によって製造されるハ
ロゲン化銀粒子に比べてＰＡｇの高い領域でも（１，０
，０）面を持った粒子を生成する。

またアンモニアの存在でＰＡｇのかなり低い領域でハロ
ゲン化銀粒子を成長させると（１，０，０）面を有
する双晶ができＰＡｇが高過ぎると（１，１．１）
面を有する双晶ができる。

これらの事はダブリュー・モーコツキイ（Ｗ−Ｍ）ｒｃ
ｏｃｋｉ）およびエー・ザレスキー（Ａ・Ｚａｌｅｓｋ
ｉ）らのフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エ
ンジニアリング（Ｐｈｏｔｏｇｒａ一ｐｈｉｃＳｃ
ｉｅｎｃｅａｎｄＥｎｇｉｎｅｅｒｉｎｇ）第１
７巻、第２８９〜２９４頁（１９７３年）に記載されて
いる。

単分散乳剤を製造するには、双晶面を持たない非双晶の
粒子を作るか又は双晶面を持ったとしてもその粒子が他
の粒子より粒抹が大きくない粒子であることが必要であ
る。

しかし、アンモニアを使用して、単分散乳剤を製造する
には、工業的困難を伴う場合が多い。

その理由は一般的な物理熟成に使用される硝酸銀水溶液
とハライド水溶液以外に、アンモニア濃度を制御するた
めの溶液を添加しなければならない。

このような困難な状況で作り得たハロゲン化銀粒子は、
双晶面を有した粒子ができてしまい期待した程の粒径分
布の狭い単分散乳剤が得られない。

本発明の第一の目的は、高感度の単分散乳剤を製造する
ことである。

本発明の第二の目的は、カブリが少なく、コントラスト
が高い単分散乳剤を製造することである。

本発明の第三の目的は、短時間で高感度単分散乳剤を製
造することである。

本発明の第四の目的は、工業的に容易な高感度単分散乳
剤を製造することである。

本発明者は検討の結果、アンモニウムイオン、ハロイド
及び親水性コロイド物質を含有する水溶液にアンモニア
性硝酸銀水溶液および酸性ハロイド水溶液を同時混合法
により混合することによつて上記した目的は達成される
ことを見出した。

本発明において、アンモニウムイオン、ハライドおよび
親水性コロイド物質を含有する水溶液（以下混合液と称
する）のアンモニウムイオンはアンモニア水、ならびに
臭化アンモニウム、塩化アンモニウム、沃化アンモニウ
ムおよび硝酸アンモニウム等のアンモニウム塩の型で供
給されるが好ましくはアンモニウム水の型で供給され、
該水溶液中のアンモニウムイオンの濃度は任意であるが
、０．００５〜１．５モル／ｌが好ましく、特に０．０
５〜０．６０モル／ｌが好ましい。

混合液中のハライドとしては、例えば塩化カリウム、塩
化ナトリウムの如き塩化物；臭化カリウム、臭化ナトリ
ウムの如き臭化物；および沃化カカリウム、沃化ナトリ
ウムの如き沃化物が挙げられ、これらのハライドは単独
で用いてもよいし、２種以上を併用してもよい。

そして混合液中のハライドの濃度は０．００１〜１．０
モル／ｌが好ましく、特に０．０５〜０．２５モル／ｌ
が好ましい。

また混合液のｐＡｇは６〜１２が好ましく、特に６〜１
１が好ましく、ならびにｐＨは６．５〜１２が好ましく
、特に９〜１１が好ましい。

酸性ハライド水溶液は、ハライド水溶液のｐＨを酸性に
したものであり、ハライドとしては混合液に用いたと同
じ様なハライドが用いられ、該水溶液を酸性にするため
には有機酸、無機酸等の適当な酸を加えればよい。

用いられる酸は任意であるが、写真性能に悪影響を及ぼ
さないものが好ましく、特に酢酸、硫酸が好ましい。

酸性ハライド水溶液に用いられる酸の量はアンモニア性
硝酸銀水溶液を完全に中和し得る量の１０〜２００％が
好ましく、特に４０〜１５０％が好ましい。

本発明で使用されるアンモニア性硝酸銀水溶液は使用さ
れる銀イオンの一部または全部をアンモニア性銀醋塩と
して使用するが、好ましくは全てアンモニア性銀醋塩と
してでなく、単に混合液だけでアンモニアを多量に加え
て粒子を大きくして作られたハロゲン化銀写真乳剤は、
金塩の如き化学増感剤で化学増感したとき著しいカブリ
の発生がみられる。

又、アンモニウムイオン、ハライドおよび親水性コロイ
ドを含有する混合液にアンモニア性銀醋塩と、ハライド
水溶液を添加してできたハロゲン化銀写真乳剤は、大き
な粒子を作るがカブリの発生が完全に押えきれず且つ満
足すべき写真性能が得られない。

また、本発明の方法で得られたハロゲン化銀乳剤は、従
来の方法で得られたハロゲン化銀写真乳剤に比べて、コ
ントラストの高い高感度ハロゲン化銀写真乳剤が得られ
る。

本発明における同時混合法とは、混合液中へアンモニア
性硝酸水溶液および酸性ハライド水溶液と同時に添加す
る方法を意味し、添加時は撹拌されていてもよいし、撹
拌されていなくてもよいが好ましくは撹拌下に注入され
るのが望ましい。

この同時混合法については例えばシー・イー・ケーミー
ス（Ｃ・Ｅ・Ｋ・Ｍｅｅｓ）およびティー・エイチ・ジ
ェームス（Ｔ−Ｈ−Ｊａｍｅｓ）著ザ・セオリーオブ・
フォトグラフィック・プロセス（ＴｈｅＴｈｅｏｒ
ｙｏｆＰｈｏｔｏｇｒａｐｈｉｃＰｒｏｃｅｓｓ
）第３版第３１〜４０頁（１９６６年）に記載されてい
る。

添加速度は、ハロゲン化銀粒子の成長速度に見合う添加
速度で添加をすべきである。

成長速度は、小板橋洸夫および松坂昌司の昭和５２年度
日本写真学会秋季大会研究発表会講演要旨集「臭化銀微
結晶の成長機構（■）」第１〜３頁に記載されている方
法により決定することが好ましい。

本発明に用いる親水性コロイド物質としては任意のもの
が用いられるがゼラチンが代表的である。

また、ゼラチンの一部もしくは全部を誘導体ゼラチン、
コロイド状アルブミン、寒天、アラビアゴム、デキスト
ラン、アルギン酸、たとえばアセチル含量１９〜２６％
にまで加水分解されたセルローズアセテートの如きセル
ローズ誘導体、ポリアクリルアミド、イミド化ポリアク
リルアミド、カゼイン、たとえばビニルアルコールービ
ニルシアンアセテートコポリマーの如きウレタンカルボ
ン酸基またはシアノアセチル基を含むビニルアルコール
ポリマー、ポリビニルアルコールーポリビニルピロリド
ン、加水分解ポリビニルアセテート、蛋白質または飽和
アシル化蛋白質とビニル基を有するモノマーとの重合で
得られるポリマー、ポリビニルピリジン、ポリビニルア
ミン、ポリアミノエチルメタクリレート、ポリエチレン
イミン等に代えて用いることもできる。

本発明によって提供されるハロゲン化銀写真乳剤を構成
するハロゲン化銀としては塩化銀、臭化銀、沃化銀、塩
臭化銀、臭沃化銀、塩沃臭化銀およびこれらの混合物で
ある。

本発明の方法により製造されたハロゲン化銀写真乳剤は
平均粒子サイズが０．１ミクロン以上、好ましくは１．
０ミクロン以上で、全粒子の９５重量％が平均粒子サイ
ズの４０％以内、好ましくは３０％以内にある単分散乳
剤である。

本発明のハロゲン化銀写真乳剤は各種の公知の化学増感
剤、安定剤、カブリ防止剤、現像捉進剤、硬膜剤、感光
色素、界面活性剤等通常のハロゲン化銀写真乳剤に添加
される種々の添加剤を含有することができる。

このハロゲン化銀写真乳剤は必要により下引層、中間層
等を介して、バライタ紙、ラミネート紙、セルローズア
セテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン
等の適当な支持体上に公知の方法により塗布される。

本発明を適用し得るハロゲン化銀写真感光材料としては
、たとえば白黒写真感光材料、カラー写真感光材料、偽
カラー写真感光材料のいずれの型でもよく、また一般用
、印刷用、Ｘ線用、放射線用等の種々の用途に供せられ
る写真感光材料をはじめ、機構的にはネガ型、ポジ型、
拡散転写型等の全ゆる写真感光材料を挙げることができ
る。

上述の如くして製造されたハロゲン化銀写真感光材料は
通常の方法で写真処理することができる。

基本的な写真処理工程は現像工程と定着工程であり、こ
の２つの工程は同時に行なってもよい。

この２つの基本工程の前後および中間に必要に応じて前
硬膜工程、中和工程、停止工程、水洗工程および安定化
工程等を有してもよい。

カラー写真感光材料は発色現像工程、漂白工程および定
着工程からなり、このうち漂白工程と定着工程を同時に
行なってもよく、この３つの基本工程の前後および中間
に必要に応じて前硬膜工程、中和工程、停止工程、停止
定着工程、安定化工程およびリンス工程等を有してもよ
い。

これらの写真工程に用いられる処理液には各種の公知の
写真処理液添加剤を含有せしめることができる。

以下、実施例をもって本発明を例証するが、これによっ
て本発明の実施の態様がこれらに限定されるものではな
い。

実施例１本発明の乳剤〔以下乳剤（１）と称する〕乳剤（１）を
次のように製造した。

５０℃に保持された溶液（Ａ）の中に、溶液（Ｂ）及び
（Ｃ）を同時に３０分間で混合した。

出来た乳剤は平均粒子サイズが１．５１ミクロンで全粒
子の９５重量％が平均粒子サイズの±２１％以内にある
立方体粒子ができた。

また、比較として公知の方法により単分散乳剤（■）を
製造した。

すなわち７０℃の温度で、ＰＡｇ値を８．９に調整しな
がら、約３５分間で臭化カリウムと沃化カリウムの水溶
液（Ｄ）と硝酸銀の水溶液（Ｅ）を同時混合した。

得られたハロゲン化銀粒子は平均粒子サイズが０．２０
ミクロンで全粒子の９５重量％が平均粒子サイズの±２
３％以内にある立方体粒子ができた。

このように、本発明の乳剤は、粒径分布の狭い単分散乳
剤であることがわかる。

乳剤（Ｉ）および（ＩＩ）をそれぞれ常法により水洗後
、金増感及び硫黄増感法により化学熟成を行ったのち、
安定剤として４−ヒドロキシ−６−メチル−１．３．３
ａ−７−テトラザインデンをハロゲン化銀１モルあたり
４．０ｇになるように添加し、さらに塗布助剤及び硬膜
剤を所定量添加した。

このようにして得られた乳剤をポリエチレンテレフタレ
ートフイルムベース上に塗布した。

この試料をＫＳ−１型センシトメーター（小西六写真工
業株式会社製）により白色露光を与えたのち、下記組成
の現像液で２０℃５分間現像を行った。

現像液メートル３ｇ無水亜硫酸ソーダ５０ｇハイドロキノン６ｇ炭酸ソーダ２９．５ｇ臭化カリウム１ｇ水を加えて１ｌ常法により定着、水洗および乾燥した後、第１表に示し
た如く感度およびカブリを求めた。

表中の感度は乳剤（Ｉ）の感度を１００とする相対感度
である。

第１表の結果より、本発明の方法で製造された乳剤はカ
ブリの少ない高感度な単分散乳剤であることがわかる。

実施例２実施例１の溶液（Ｃ）の酢酸を除いて、乳剤（■）を製
造した。

乳剤（Ｉ）および（■）をそれぞれ常法により水洗後、
金増感及び硫黄増感法により第２の熟成を行ったのち、
安定剤として４−ヒドロキシ−６−メチル−１．３．３
ａ−７−テトラザインデンをハロゲン化銀１モルあたり
４．０ｇになるように添加し、さらに塗布助剤及び硬膜
剤を所定量添加した。

このようにして得られた乳剤をポリエチレンテレフタレ
ートフイルムベース上に、塗布した。

これらの試料をＫＳ−１型センシトメーター（小西六写
真工業株式会社製）により白色露光を与えたのち、下記
組成の現像液で２０℃５分間現像を行った。

現像液メートル３ｇ無水亜硫酸ソーダ５０ｇハイドロキノン６ｇ炭酸ソーダ− ２９．５．９臭化カリ１ｇ水を加えて１ｌ常法により定着を行ない、得られた感度、カブリおよび
ガンマー（γ）を第２表に示した。

感度は乳剤（Ｉ）の感度を１００とする相対感度である
。

以上より、本発明の乳剤のカブリが少なく且つコントラ
ストが高いことがわかる。

実施例３実施例１の溶液（０）の酢酸を除いて、その酢酸を別の
注加ノズルより添加して乳剤（ＩＶ）を製造して、実施
例２と同様に支持体に塗布し、ハロゲン化銀写真感光材
料を得た。

得られた感光材料を実施例２と同様に処理し，、得られ
た結果を第３−１表に示した。

感度は乳剤（Ｉ）の感度を１００とする相対感度である
。

第３−１表より、本発明の乳剤のカブリが少なく且つコ
ントラストが高いことがわかる。

乳剤（１）および（５）を塗布した試料を温度５５℃、
相対湿度８０％ＲＨの条件下に３日間放置した後の感度
、カブリおよびγを第３−２表に示した。

感度は乳剤（１）の感度を１００とした相対感度でる。

第３−２表の結果から、本発明の乳剤は高温、高湿下に
保存した後でもカブリが少なく且つガンマーが高いこと
がわかる。

Claims

【特許請求の範囲】

１アンモニウムイオン、ハライドおよび親水性コロイ
ド物質を含有する水溶液にアンモニア性硝酸銀水溶液お
よび酸性ハライド水溶液を同時混合法により混合するこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。