JPS5834339B2 - コツプ兼用袋の原紙 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は収納物を封入しておく機能と、収納物使用時
には切断開口してコツプとしての機能とを果す袋を形成
するための原紙に関する。

最近、中に収納物を収容保持し、自立機能を持たせるよ
うに合成樹脂フィルムにより形成した袋が使用されてい
る。

このような袋の目的はあくまで収納物を充填した状態で
自立することに集約されているので、開口後に水等の液
体を注入してコツプの機能を果す目的は考慮されていな
かった。

従ってこのような袋は外側体と底部との部材が同一もし
くはそれに近いために、柔軟性のある材質で袋を形成す
ると、袋層側が頗る柔軟になりコツプの機能を奏さなく
なる。

また、このような袋は底部が内方に折曲されて二重構造
になっているため、コツプとして使用しようとしてもこ
の折曲部と袋用側下部との間に、例えば収納物が粉末ジ
ュースのような場合には飲食時に水を袋に入れて粉と混
ぜ合わせる必要があるが、これがうまく混ぜ合わせるこ
とができなくなる欠点がある。

したがって、この発明の目的は底部が一重構造であり、
使用時には簡単に開口でき、かつ広がってコツプ状にす
ることができ、この場合の自立性にも優れる袋を容易に
形成することのできる原紙を提供することである。

以下に、この発明の一実施例のコツプ兼用袋の原紙をそ
の製造方法と共に添付図面を参照して説明する。

第１図に示すように、剛性を有する、例えば厚紙で形成
された長尺の外層シート１を用意し、これの中心線に沿
って多数の同長の細長い中心スリット２を等間隔に形成
する。

また、外層シート１の両端側にも夫々前記中心スリット
２と対応するようにしてこれと同長の端部スリット３゜
４を形成する。

次に、前記外層シート１の内面にこの中心スリット２の
長さが長径となるような楕円形状に全面シリコン５を塗
布する。

そして、この外層シート１の内面に熱可塑性合成樹脂、
例えばポリエチレンでできた内層シート６を熱圧着して
ラミネート構造とする。

この場合、この内層シート６はシリコン５の塗布部にお
いては外層シート１と接着することがない。

次に、このラミネート構造のシートを隣り合うスリット
間の中央部、即ち破線７に沿って夫々切断して原紙を製
造し、この原紙を中心スリット２を中心として第３図に
示すように、内方に、即ち内層シート６が内方にそして
外層シート１が外方になるように折曲する。

コノ時一方の端部スリット３が他方の端部スリット４と
合致し、ラミネート構造のシートの側端縁相互並びに上
端縁相互が一致するので、次に一致した側端部相互をス
リ７ｉ２，３．４の端部の所まで熱圧着して、上端部が
開口した袋状に成形する。

そして、この袋に、必要に応じて飲食物例えば粉末ジュ
ース、粉末コーヒー等を充填してから上端部を円様に熱
圧着してシールする。

最後に切り裂き案内用の切欠部８をスリット３，４と対
向する側端部（こスリット３，４の端部まで延出するよ
うに形成して完成する。

上述のようにして形成された袋においては、使用時には
切欠部８から端部スリット３，４に沿って引き裂けば上
部金縁が完全直線状に切断されて開口する。

次に第５図に示すように指で矢印方向に側端部から押し
て袋をコツプ状にし、ここに水、熱湯等を注入して充填
物を所要の飲物にする。

このコツプ状にする時には、側端部が他の周側よりも厚
く、かつ剛性に優れるので、矢印方向の抑圧により容易
にコツプ状に変ぼうされると共に、使用時には手による
挾持部の役割を果す。

また、このコツプの底部は一重構造に加えて柔軟性のあ
る内層シート６だけで横取されているので、矢印方向の
抑圧による外周部の広がりに伴なって容易に広がる。

以上説明したことですでに明らかなように、上記原紙に
よれば袋を容易に形成することができる。

そしてこの袋は端部スリットを案内として容易に開口さ
れてコツプとしての機能を奏することができ、しかも゛
このコツプは容易に、かつ良好に広がると共に剛性を有
する外層シートで外周が形成されかつこの下端がこのコ
ツプの底縁の役割りを果すので安定したコツプとなる。

また両側の周縁部が熱湯と挟持手指との間の断熱作用も
果す効果がある。

さらに、前記原紙は、内層シートを貼着する前（ζ外層
シートにスリットを形成し、しかも底縁となる中心スリ
ットと開口案内となる端部スリットとを開時に形成する
ことができるので、このスリット形成が容易である。

かつ、これらスリットの延出端は外層シートの両側端と
離間しているので、外層シートは中心スリットを境とし
て分離しておらず、袋形成作業が容易であり、しかも形
成された袋の底縁も強庶上優れる効果がある。

前記実施例では、外層シートとして厚紙を、また内層シ
ートとして合成樹脂膜を使用したが、材質はこれらに限
定されるものではなく、内層シートは比較的柔軟性を外
層シートは剛性を有していればどのようなものでも良く
、入れられる物に応じて適宜選択すれば良い。

したがって、この材質に応じて、シリコンの代りに適当
な物質が内層シートと外層シートとの接着を防止するた
めに使用され得る。

また、この非接着性物質は実施例のように楕円状ではな
く、他の形状、例えば矩形状に塗布されても良く、この
塗布は内層シートの方にやっても良い。

そして、内層シートと外層シートとが選択的に接着しな
いようにすれば、例えば熱圧着をこの必要部分だけしな
いようにすれば必らずしも上記非接着性物質を使用しな
くても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの発明の一実施例に係る袋用原
紙に関し、第１図は外層シートの一部を示す平面図、第
２図は第１図の外層シートｌこ内層シートを貼着した後
の原紙の２−２線に沿う断面図、第３図は、第２図の破
線７に沿って切断した後の折曲時の３−３線に沿う断面
図、第４図は完成した袋の正面図、そして第５図は袋を
コツプ状にした時の斜視図である。 １・・・・・・外層シート、２・・・・・・中心スリッ
ト、３゜４・・・・・・端部スリット、５・・・・・・
シリコン、６・・・・・・内層シート、８・・・・・・
切欠部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 同じ長さの３本の直線状スリットが形成され、剛性
   を有する長方形の外層シートの内面に、中心部を除いて
   貼着された柔軟性を有する内層シートを備え、前記３本
   の直線状スリットは、外層シートの中心線上に、前記中
   心部を横切るように延出した中心スリットと、この中心
   スリットと等間隔を有して平行に延出した１対の端部ス
   リットとからなり、これら３本のスリットはこれらの両
   延出端が外層シートの両側端から等間隔離間しているこ
   とを特徴とするコツプ兼用袋の原紙。