JPS5833632Y2 - 押釦式スイツチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ハート型カムを有する押釦スイッチに関し、
特に、ロックピンの弾持手段として、該ロックピンに当
接する部分を円弧面状に切欠した板ばねを使用するよう
に構成したものである。

従来、この種の押釦スイッチにおけるロックピンの弾持
手段としては、古くはスライダーの復帰用スプリングを
利用した構造のもの、或は、ケースに取付けられたカバ
ー内に収納のコイルスプリング又は通常の所謂平板状の
板ばねを利用した構造のものが主であった。

従って、前者の構成によれば、組立てにくく極めて非能
率的であるのみならず、自動化は勿論のこと量産化にも
不向きな構造であった。

又、後者のコイルスプリングを利用した構成によれば、
仮りに、ロックピンが不動のものであれば良いが、少な
くともロックピンは一端部を支端を支点としてハート型
カム溝の形状に応じて上下及び左右に振れ乍から、該ハ
ート型カム溝の移動方向に対する中心線上に於いて係止
される構成であるから、ロックピンは上記ハート型カム
溝面と該ハート型カム溝の中心線側に作用すべく弾持さ
れているのが、理想的であるが、上記コイルスプリング
は、その伸縮方向の軸心が当然変位し易く、従って、ロ
ックピンの上記可動を阻止する方向に弾持することが多
々発生し、円滑なる作動が得られない欠点があり、又、
後者の板ばねからなる構成のものによれば、ロックピン
に当接する部分が偏平なので、ロックピンは上記ハート
型カム溝の上記中心線側に作用すべく弾持されず、従っ
て、ロックピンの上記係止位置におけるロック状態が極
めて不安定であるのみならず、ロックピンの円滑なる作
動が得られない欠点があった。

本考案は、上述した従来の各欠点を完全に一掃すべく意
図して創案されたものである。

即ち、本考案によれば、板ばねのロックピンと当接する
部分を略円弧面に切欠すると共に、ロックピンの外周面
の一部を囲繞すべく、上記円弧面が斜め下方に折曲した
ことを主たる特徴とする押釦式スイッチである。

以下、本考案の構成を一実施例として示した図面につき
説明する。

図において、１はフレームであって、このフレーム１内
にはハート型カム溝２ａを有するスライダー２がスライ
ド自在に収納されている。

又、フレーム１の端部附近の上面、即ち、スライダー２
のハート型カム溝２ａと列内する部分にはロックピン３
の先端部が挿通する貫通孔１ａが穿かれており、又、符
号１ｂも同じくフレーム１の上面端部に穿った貫通孔で
、この貫通孔１ｂに上記ロックピン３の後端部３ｂが挿
通されて、ロックピン３の支点を構成している。

４はカバーで゛、このカバー４は少なくとも上記ロック
ピン３を覆う如きにフレーム１の上面板に着脱可能に取
付ける。

この取付手段は、第２図に示すように、例えば、フレー
ム１の上面板に３個の係止孔１Ｃを穿け、この係止孔１
Ｃにカバー４に設けた３個の係止片４ａを係入する構成
となっている。

５は板ばねで、この板ばね５には上記カバー４の内側に
設けた突片４ｂに取付けるための支持孔５ａが穿かれて
おり、更に、板ばね５の先端面は略■字形又は略円弧面
５ｂに切欠形成すると共に、先端部５Ｃを斜め下方に折
曲する。

尚、上記板ばね５は上述の形状に限定されることなく、
例えば、第５図に示す如く、ロックピン３と当接する面
を略■字形又は略円弧形５ｂに切り込みするか、或は切
り込みせずして、板ばね５のロックピン３に対する作用
方向゛と直交する方向に彎曲形成しても、前述の板ばね
と同様の作用が得られる。

図中６は端子基板、７は該基板６の固装の固定端子を示
す。

上述の構成からなる押釦式スイッチの基本的な動作につ
いては従来のものと同じであるから省略し、本考案の要
旨構成についてのみ、その動作を説明する。

先ず、スライダー２を押進或は原位置に復帰すると、ス
ライダー２に一体に切欠形成のハート型カム溝２ａも前
進或は原位置に復帰し、このハート型カム溝２ａの移動
により、ロックピン３のハート型カム溝２ａと当接して
いる先端部３ａは該ハート型カム溝２ａの形状及び上下
方向に対する段差に応じて、後端部３ｂを支点として回
動及び上下方向に可動する。

このように、ハート型カム溝２ａの移動に応じて上記可
動を行なうロックピン３はハート型カム溝２ａとの当接
関係を良好とすべくカバー４に固装の板ばね５にて弾持
されている。

即ち、板ばね５のロックピン３と当接する部分は、略円
弧面５ｂに形成されており、且つ、この円弧面５ｂを含
む先端部５Ｃは斜め下方に折曲されているから、上記ロ
ックピン３との当接状態は、恰もロックピン３の外径よ
りも大きな内径の円弧面にて抱き込む如きとなり、ロッ
クピン３の上記可動中特に後端部３ｂを支点として回動
々作の場合に、ロックピン３の先端部３ａを常にハート
型カム溝２ａの移動方向に対する中心方向に作用すべく
力が加わり、この結果、ロックピン３のハート型カム溝
２ａ内の動きが無駄なく、極めて円滑に行なわれ、感触
の良い切換え手段を提供することができる。

更に、板ばね５はカバー４に固着する構成であるから、
予め、板ばねをカバー４に取付け、このカバー４をフレ
ーム１に取付けるだけの極めて簡単な組立操作により、
板ばねのロックピンに対する上記弾持作用が得られ、実
用価値大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部を切欠し
た縦断面図、第２図は同上平面図、第３図は板ばねの斜
視図、第４図はロックピンと板ばねとの当接関係を示す
説明図、第５図は板ばねの他側図である。 尚、図中、３はロックピン、４はカバー、５は板ばねを
示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハート型カム溝を形成したスライダーと、略−型に折曲
   形成され、その一端を上記ハート型カム溝にのぞませて
   上記スライダーの可動範囲を規制すると共に該スライダ
   ーをロックするロックピンと、該ロックピンの一端を上
   記ハート型カム溝の底面に当接すべく弾持する板ばねと
   からなる押釦スイッチにおいて、上記板ばねのロックピ
   ンに対する当接部分にロックピンの外径より大きな内径
   の円弧面を形成し、該円弧面の頂部に上記ロックピンを
   保持しつつ板ばねでロックピンを弾持する構成とした事
   を特徴とする押釦式スイッチ。