JPS5819391Y2 - エアスプリング式シヨツクアブソ−バ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエアスプリング式ショックアブソーバに関し、
更に詳しくはフリーピストンの起動時にはね特性が不連
続となるのを防止するようにしたエアスプリング式ショ
ックアブソーバに関する。

一般にラム型エアスプリング式ショックアブソーバは第
１図に示すように二股はねを得る為に２つのエアー室を
形成している。

即ちシリンダ１内にピストン２を介して中空シリンダ３
が摺動自在に挿入され、ピストン２はシリンダ１内に上
下２つの液室４，５を区画し、この液室４，５はピスト
ン２に穿ったオリフィス６を介して連通している。

シリンダ１内に於て液室４上方にはエアー室７を区画し
、又中空シリンダ３内にはフリーピストン８が摺動自在
に遊嵌され、フリーピストン８の下方には中空シリンダ
３内のエアー室９を区画し、このエアー室９の内圧は上
記他方のエアー室７の内圧より高くなっている。

又中空シリンダ３内に於てフリーピストン８の上方に液
室が区画され、この液室はピストン２に軸方向に穿った
通孔１０を介して上部液室４と通じているが、通常フリ
ーピストン８はエアー室９の内圧によりピストン２の下
端ストッパ一部１１に押し付けられている。

上記のショックアブソーバでは圧縮時にシリンダ１が下
降し液室５が拡大し、他方の液室４が縮少することから
液室４の作動油がオリフィス６を介して液室５に流出し
ながら減衰力を発生すると共に、中空シリンダ３の進入
体積相当分の作動油のうち液室５へと流出できない作動
油は、上方のエア室７を圧縮して一段目のバネ特性を発
生する。

更にシリンダ１が下降してエア室７の内圧上昇が中空シ
リンダ３内のエア室９の封入ガス圧力に達すると、液室
４内の作動油はフリーピストン８を下降させながら中空
シリンダ３内にも流入してエア室９を圧縮して二段目の
バネ特性を発生するように構成されている。

しかしながら、第４図に示すようにＸ軸に荷重、Ｙ軸に
撓みをとった時のバネ特性は実線Ａで示され、一段目ａ
と二段目すの合致点に不連続点Ｃが発生する。

即ちフリーピストン８の起動時に起動フリークッション
及び慣性マスによってフリーピストン８がスムースに始
動せず、そのはね特性の合致点Ｃにおいて不連続点が発
生し二輪車等の乗心地を悪くするものである。

従って本考案の目的はエアーばね特性が不連続になる事
をを防止する為にフリーピストンのストッパ一部にクッ
ションゴム又はスプリングを介在させフリーピストンの
起動時に助走させるようにしたエアスプリング式ショッ
クアブソーバを提供することである。

以下本考案の実施の態様を図面について説明する。

本考案に係るショックアブソーバは第１図と同じくシリ
ンダ１内にピストン２を介して中空シリンダ３の摺動自
在に挿入され、シリンダ１内には上下２つの液室４，５
と上部エアー室７が区画され、又中空シリンダ３内には
フリーピストン８ａを遊嵌させて液室１２とエアー室９
を区画している。

シリンダ１はブラケット１３を介して二輪車等の車体側
に連結され、又エアー室７にガスを封入させる栓１４が
取り付けられ、又中空シリンダ３は車輪側に連結するブ
ラケット１５とエアー室９にガスを封入する栓１６が取
り付けられている。

更にピストン２のストッパ一部１１の下端にはクッショ
ンゴム１７が介在され、フリーピストン８ａは通常この
クッションゴムにエアー室９の内圧で押し付けられてい
る。

又第３図はこのクンジョンゴム１７に代えピストン２の
ストッパ一部１１ａとフリーピストン８間にスプリング
１８を介在させ、フリーピストン８ａはこのスプリング
１８の張力とエアー室９の内圧とのバランスする位置に
通常保持されている。

尚、クッションゴム１７、スプリング１８に限定するこ
となく同様の弾性なその他の助走部材を使用することも
可能である。

上記のショックアブソーバでは圧縮時にエアー室７，９
がバランスした時点で更に圧縮しフリーピストン１７が
始動する時フリーピストンに起動フリークッションや慣
性マスがあってもクッションゴム１７やスプリング１８
等の助走部材が常にフリーピストン８ａを下方に押圧し
ている為にスムースにフリーピストン８ａが下方に移動
し始め第４図のＢに示すような連続したばね特性が得ら
れ乗心地がよくなるものである。

以上のように本考案ではクッションゴム又はスプリング
により起動フリークッションを相殺し、微少変位を与え
る為にスプリング又ステムとして滑らかな特性が得られ
る。

従って実用上作動がスムースになり車体に装着した時良
好な乗心地が得られる。

又上記構造に於て、温度上昇がある時スプリング及びク
ッションゴムに保持させる為温度上昇に依る圧力上昇分
をスプリング及びクッションゴムの撓みによって吸収で
き温度補償効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のショックアブソーバの縦断側面図、第２
図は本考案の一実施態様に係るショックアブソーバの縦
断側面図、第３図は他の実施態様に係るショックアブソ
ーバの一部切欠き縦断側面図、第４図はばね特性のグラ
フである。 １・・・シリンダ、２・・・ピストン、３・・・中空シ
リンダ、４，５・・・液室、７・・・上部エアー室、８
ａ・・・フリーピストン、９・・・下部エアー室、１２
・・・液室、１７・・・クッションゴム、１８・・・ス
プリング。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）シリンダ内にピストンを介して中空シリンダが挿
   入されてシリンダ内を上下の液室と上部エアー室とに区
   画し、又中空シリンダ内にはフリーピストンを遊嵌して
   液室と下部エアー室を区画した二段エアスプリング式シ
   ョックアブソーバに於て、フリーピストン上側に助走部
   材を介在させたエアスプリング式ショックアブソーバ。
2. （２）助走部材としてクッションゴムを使用した実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のエアスプリング式ショッ
   クアブソーバ。
3. （３）助走部材としてスプリングを使用した実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のエアスプリング式ショックア
   ブソーバ。