JP2021095938A - フロントフォークおよび懸架装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、部品点数の削減可能なフロントフォークおよび懸架装置の提供を目的とする。【解決手段】フロントフォークF1は、アウターチューブ1と、アウターチューブ1内に摺動自在に挿入されるインナーチューブ2とを有するフォーク本体Bと、フォーク本体B内に収容される弾性部材Eと、インナーチューブ2の外側から加締められてインナーチューブ2の中間の内部に固定されて弾性部材Eに対向するストッパ3とを備えて構成される。【選択図】図2
Description
本発明は、フロントフォークおよび懸架装置に関する。
従来、鞍乗車両の車体と前輪との間に介装されるフロントフォークの中には、アウターチューブ内に移動可能に挿入されたインナーチューブの内側にダンパを設け、そのダンパのシリンダをインナーチューブに連結するとともに、ダンパのロッドをアウターチューブに連結したものがある。
そして、このようなフロントフォークは、シリンダのアウターチューブ側の端部に嵌合されるとともにロッドを軸支するヘッド部材と、アウターチューブの上端を閉塞するキャップに支承される筒状のばね受けとの間に介装される懸架スプリングによって伸長方向に付勢されていて、車体を弾性支持する(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、一対のフロントフォークによって懸架装置を構成する場合、一方のフロントフォークのみに前述のダンパを設けて、他方のフロントフォークにはダンパを設けないようにし、一方のフロントフォークのみに減衰力を発揮させ、他方のフロントフォークには車体を弾性支持させる機能のみを担わせる場合がある。
車体の弾性支持機能のみを発揮するフロントフォークは、懸架スプリングを内部に収容して自身を伸長方向に付勢する弾発力を発揮しなくてはならず、そのため、懸架スプリングの下端を支持するばね受部材をインナーチューブの中間部内周側に設置するか、あるいは、懸架スプリングを長尺化して下端をインナーチューブの下端を閉塞するボトム部材に支持させる必要がある。
懸架スプリングを長尺化するとフロントフォークが非常に重くなるため、ばね受部材をインナーチューブの内周の適切な位置に設置するために、ばね受部材に嵌合するシリンダを設ける構造が採用される。
このように、車体の弾性支持機能のみを発揮するフロントフォークにあっても、ダンパを内部に備えるフロントフォークと同様にシリンダを備えており、未だ部品点数が多いことから、より一層の部品点数の削減が要望される。
そこで、本発明は、部品点数の削減可能なフロントフォークおよび懸架装置の提供を目的とする。
前述の課題を解決するため、本発明のフロントフォークは、アウターチューブと、アウターチューブ内に摺動自在に挿入されるインナーチューブとを有するフォーク本体と、フォーク本体内に収容される弾性部材と、インナーチューブの外側から加締められてインナーチューブの中間の内部に固定されて弾性部材に対向するストッパとを備えて構成される。
このように構成されたフロントフォークは、弾性部材に対向してばね受として機能するストッパがインナーチューブの内周に直接固定されているので、ストッパの設置位置を位置決めするための部品が不要となる。
また、フロントフォークは、アウターチューブに一端が連結されてインナーチューブ内に出入りするロッドを備え、ストッパが筒状のオイルロックケースを有し、ロッドが外周にオイルロックケース内に出入り可能なオイルロックピースを有し、オイルロックケース内にオイルロックピースが侵入するとフォーク本体の収縮を抑制するよう構成されてもよい。このように構成されたフロントフォークは、ストッパとオイルロックピースとでオイルロック機構を構成して、オイルロックによるフロントフォークの最収縮時の衝撃を緩和できる。また、このように構成されたフロントフォークは、弾性部材のばね受としての機能とオイルロック機構におけるオイルロックケースとしての機能をストッパに集約できるので、部品点数をより一層少なくでき、高いコスト削減効果と高い軽量化効果が得られる。
さらに、フロントフォークにおける弾性部材がアウターチューブとストッパとの間に介装される懸架スプリングと、ロッドの外周に設けられてストッパに対向するリバウンドクッションとを備えてもよい。このように構成されたフロントフォークは、懸架スプリングのばね受としての機能と、リバウンドクッションのばね受としての機能を一つのストッパに集約できるので、部品点数をより一層少なくでき、高いコスト削減効果と高い軽量化効果が得られる。
また、フロントフォークは、アウターチューブに一端が連結されてインナーチューブ内に出入りするロッドを備え、弾性部材がアウターチューブとストッパとの間に介装される懸架スプリングと、一端がロッドに装着されて他端がストッパに対向するリバウンドクッションと、ロッドの外周に配置されてアウターチューブとストッパとの間に配置されるバンプクッションとを有してもよい。このように構成されたフロントフォークによれば、ストッパが懸架スプリングのばね受、リバウンドクッションのばね受とバンプクッションのばね受として機能できるので、部品点数をより一層少なくでき、高いコスト削減効果と高い軽量化効果が得られる。
さらに、懸架装置は、内部にダンパを収容しない第一フロントフォークと、内部にダンパを収容する第二フロントフォークとを備え、第一フロントフォークがアウターチューブと、アウターチューブ内に摺動自在に挿入されるインナーチューブとを有するフォーク本体と、フォーク本体内に収容される弾性部材と、インナーチューブの外側から加締められてインナーチューブの中間の内部に固定されて弾性部材に対向するストッパとを有し、第二フロントフォークがアウターチューブと、アウターチューブ内に摺動自在に挿入されるインナーチューブとを有するフォーク本体と、フォーク本体内に収容されて伸縮時に減衰力を発揮するダンパと、フォーク本体内に収容される弾性部材とを備え、ダンパがインナーチューブに一端が連結されるシリンダと、アウターチューブに一端が連結されるとともに他端がシリンダ内に挿入されるロッドと、ロッドの他端側に連結されるとともにシリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、シリンダの他端に嵌合してインナーチューブの外側から加締められてインナーチューブの中間の内部に固定されて弾性部材に対向するストッパとを有し、第一フロントフォークと第二フロントフォークにおけるストッパが筒状のオイルロックケースを有し、第一フロントフォークと第二フロントフォークにおけるロッドは、外周に対応するオイルロックケース内に侵入するとフォーク本体の収縮を抑制するオイルロックピースを有して構成される。
このように構成された懸架装置では、ダンパを収容しない第一フロントフォークとダンパを収容する第二フロントフォークの双方においてストッパを共通部品とでき、第二フロントフォーク側ではストッパを利用してダンパをフォーク本体内に固定できる。このように懸架装置では、ダンパを収容しない第一フロントフォークにおいて部品点数の削減が可能であるだけでなく、第一フロントフォークとダンパを収容する第二フロントフォークとの双方において部品を共通化できるので、高いコスト低減効果が得られる。また、第一フロントフォークおよび第二フロントフォークの双方に、ロッドに設けたオイルロックピースとストッパにおけるオイルロックケースとで部品が共通化されたオイルロック機構を設けることができるので、懸架装置は、第一フロントフォークと第二フロントフォークの最収縮時における収縮を抑制する荷重の特性を均一化できる。よって、このように構成された懸架装置では、最収縮時における荷重特性の設計が容易となる。
本発明のフロントフォークおよび懸架装置によれば、部品点数の削減が可能となる。
図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
本発明に係るフロントフォークは、第一フロントフォークF1に具現化されている。また、図1に示すように、第一フロントフォークF1は、第二フロントフォークF2と対を成して鞍乗型車両の前輪を懸架する懸架装置Sを構成している。以下の説明では、第一フロントフォークF1および第二フロントフォークF2が鞍乗車両に取り付けられた状態での上下を、特別な説明がない限り、第一フロントフォークF1および第二フロントフォークF2の「上」「下」とする。また、本発明に係るフロントフォークが搭載される鞍乗型車両とは、鞍に跨るような姿勢で乗員が乗車するタイプの車両全般のことであり、自動二輪車(スクーターを含む)、三輪車等を含む。そして、本発明に係るフロントフォークは、如何なる鞍乗型車両に利用されていてもよい。
第一フロントフォークF1は、図2に示すように、アウターチューブ1と、アウターチューブ1内に摺動自在に挿入されるインナーチューブ2とを有して構成されるテレスコピック型のフォーク本体Bと、このフォーク本体B内に収容される弾性部材Eと、インナーチューブ2の中間の内部に固定されて弾性部材Eに対向するストッパ3とを備えて構成されており、内部にダンパを収容していない。
フォーク本体Bは、倒立型となっており、アウターチューブ1を上側(車体側)へ、インナーチューブ2を下側(車輪側)へ向けて配置される。つまり、本実施の形態では、アウターチューブ1が車体側チューブ、インナーチューブ2が車輪側チューブとなる。
アウターチューブ1は、車体側ブラケット(図示せず)を介して車両の車体に連結される。その一方、インナーチューブ2は、車輪側ブラケット11を介して前輪の車軸に連結される。このようにしてフロントフォークF1は車体と車軸との間に介装される。そして、車両が凹凸のある路面を走行する等して前輪が上下に振動すると、インナーチューブ2がアウターチューブ1に出入りして第一フロントフォークF1が伸縮する。なお、フォーク本体Bは、正立型になっていて、アウターチューブ1を車輪側チューブ、インナーチューブ2を車体側チューブとしてもよい。
つづいて、アウターチューブ1の上端は、キャップ10で塞がれており、当該キャップ10がアウターチューブ1の上端を塞ぐ蓋部となっている。また、インナーチューブ2の下端には、車輪側ブラケット11が取り付けられており、インナーチューブ2の下端は、車輪側ブラケット11によって閉塞されている。さらに、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間は、シール部材12で塞がれている。
このようにしてフォーク本体Bの内側は密閉空間とされており、フォーク本体B内には、アウターチューブ1とインナーチューブ2との円滑な相対移動を保障するべく図示しない作動油が気体とともに充填されている。
キャップ10には、ロッド8が連結されている。ロッド8の上端は、前述のようにキャップ10に連結され、ロッド8の下端は、インナーチューブ2内に挿通されている。このように、ロッド8は、一端がキャップ10を介してアウターチューブ1に連結されているので、フォーク本体Bが伸縮するとインナーチューブ2に出入りする。
また、ロッド8の下端には、図2に示すように、ナット9が螺着されており、ロッド8の下端外周には、ナット9に積層されるリバウンドクッションとしてのリバウンドスプリング15が設けられている。
さらに、ロッド8の途中の外周には、図3に示すように、ロッド8の外周に固定されるホルダ14を介して環状のオイルロックピース13が装着されている。より詳細には、オイルロックピース13は、ホルダ14の外周に上下動可能に装着されている。ホルダ14は、ロッド8の外周に嵌合する筒部14aと、筒部14aの上端に設けられたフランジ14bと、筒部14aの下端外周に取り付けられたCリング14cとを備えている。オイルロックピース13は、環状であって筒部14aの外周に上下動可能に装着されている。オイルロックピース13の軸方向長さは、フランジ14bの下端からCリング14cの上端までの長さよりも短く、また、オイルロックピース13の内周径は、筒部14aの外周径よりも大径となっている。よって、オイルロックピース13は、筒部14aの外周を上下に移動でき、フランジ14bに当接した状態では、オイルロックピース13の内側を通しての作動油の行き来を妨げる。
ストッパ3は、図2および図3に示すように、インナーチューブ2の中間の内周に固定されている。ストッパ3は、インナーチューブ2に固定される環状の固定部4と、筒状のオイルロックケース5とを備えて構成されている。
固定部4の外周には、周方向に沿って環状溝4aが形成されている。そして、当該固定部4をインナーチューブ2内へ挿入した状態で、インナーチューブ2の外側から環状溝4aと対向する部分を加締めて内周側へ突出させ、その部分(以下、加締部2aという)を環状溝4aに嵌め込む。すると、ストッパ3がインナーチューブ2の中間の内側に固定される。なお、加締部2aの数は、任意に設定でき、固定部4の軸方向に長くする場合には、複数の加締部2aをインナーチューブ2の軸方向にずらして形成することもできる。また、加締部2aを嵌合するストッパ3側の溝の形状は、環状でなくてもよく、ストッパ3の周方向に複数並べて形成されていてもよい。
また、固定部4とアウターチューブ1の上端に設けたキャップ10との間には、懸架スプリング6が介装されている。懸架スプリング6は、コイルスプリングとされており、固定部4がインナーチューブ2に固定され、キャップ10がアウターチューブ1に連結されるので、第一フロントフォークF1を伸長方向へ付勢している。よって、第一フロントフォークF1が収縮してインナーチューブ2がアウターチューブ1内へ侵入すると、懸架スプリング6は、圧縮されて弾性変形して第一フロントフォークF1の収縮を抑制する弾発力を発揮する。よって、第一フロントフォークF1は、鞍乗車両の車体と車軸との間に介装されると、懸架スプリング6の弾発力で車体を弾性支持する。なお、図示はしないが、懸架スプリング6の上端に当接するばね受と、当該ばね受をキャップ10に対して上下方向へ変位させるアジャスタ機構とを設けて、懸架スプリング6の上端の支持位置を変更可能として、車高調整を可能としてもよい。
つづいて、オイルロックケース5は、図3に示すように、内周に環状のブッシュ7が嵌合する環状のガイド部5aと、固定部4の下端内周から垂下されてガイド部5aの上端外周に連なる筒状のケース部5bと、ケース部5bの上端の肉を貫く通孔5cと、ガイド部5aの下端外周に設けた段部5dとを備えて構成されている。なお、オイルロックケース5は、フォーク本体B内に充填した作動油に常に浸漬した状態に設けられる。
ガイド部5aの内周側には、ロッド8が挿通されており、ブッシュ7がロッド8の外周に摺接している。つまり、ストッパ3は、ブッシュ7を介してロッド8を摺動自在に軸支しており、ロッドガイドとしても機能する。このように、ロッド8がストッパ3内に挿入されると、ストッパ3とロッド8とでフォーク本体B内がストッパ3よりも上方側の空間と下方側の空間に仕切られる。
通孔5cは、前記上方側の空間と前記下方側の空間とを連通している。フォーク本体Bが伸縮作動してロッド8がインナーチューブ2内に出入りする際に、通孔5cによって前記上方側の空間と前記下方側の空間とを行き来する作動油の移動が許容され、フォーク本体Bの伸縮作動が妨げられないようになっている。
また、ロッド8に装着されたオイルロックピース13は、ガイド部5aよりも上方に配置され、リバウンドスプリング15は、コイルスプリングとされていて、ガイド部5aよりも下方に配置されている。リバウンドスプリング15の一端である上端は、ストッパ3のガイド部5aの下端に対向している。それゆえ、リバウンドスプリング15は、第一フロントフォークF1が最伸長する前に、ガイド部5aに当接してガイド部5aとナット9との接近によって圧縮されフォーク本体Bのそれ以上の伸長を妨げる弾発力を発揮して、第一フロントフォークF1の最伸長時の衝撃を緩和する。
また、オイルロックピース13は、第一フロントフォークF1が最収縮する際に、ストッパ3におけるケース部5b内に侵入する。オイルロックピース13は、ケース部5bの内周に摺接するようになっており、ケース部5b内に侵入するとホルダ14のフランジ14bに当接してオイルロックケース5内の作動油がオイルロックケース5外へ流出するのを妨げてオイルロックケース5内の液体を閉じ込める。このように、オイルロックピース13とストッパ3におけるオイルロックケース5は、オイルロック機構を構成している。オイルロック機構は、オイルロックピース13がオイルロックケース5内に侵入した状態で、第一フロントフォークF1が収縮作動すると、オイルロックケース5内の油圧を上昇させ、第一フロントフォークF1の収縮を妨げる荷重を発生する。
なお、オイルロック機構を構成するオイルロックピース13とオイルロックケース5の構造は、適宜変更できる。さらに、第一フロントフォークF1の最伸長時の衝撃を緩和するリバウンドクッションは、リバウンドスプリング15に変えてクッションゴムであってもよい。
このようにストッパ3は、懸架スプリング6の一端である下端に対向して懸架スプリング6のばね受けとして機能するとともに、リバウンドスプリング15の一端である上端に対向してリバウンドスプリング15のばね受としても機能している。よって、第一フロントフォークF1における弾性部材Eは、懸架スプリング6とリバウンドスプリング15とで構成されている。なお、懸架スプリング6を廃止して、代わりにフォーク本体B内の加圧した気体を封入してエアばねを形成して第一フロントフォークF1を伸長方向に付勢する場合には、弾性部材Eをリバウンドスプリング15のみとしてもよいし、第一フロントフォークF1を収縮方向に付勢してエアばねの非線形性を補正する反力ばねをガイド部5aとロッド8との間に介装する場合には、反力ばねを弾性部材Eとしてもよい。また、懸架スプリング6のみを弾性部材Eとしてリバウンドスプリング15を廃止してもよい。
このように構成された第一フロントフォークF1は、鞍乗車両の走行中の振動により、或いは、鞍乗車両の車体積載重量の変化によって、伸縮する際に懸架スプリング6が伸び縮みし、懸架スプリング6の全長の変化に見合った弾発力を発揮して前記車体を弾性支持する。
つづいて、第二フロントフォークF2について説明する。第二フロントフォークF2は、図4に示すように、アウターチューブ1と、アウターチューブ1内に摺動自在に挿入されるインナーチューブ2とを有して構成されるテレスコピック型のフォーク本体Bと、フォーク本体B内に収容されて伸縮時に減衰力を発揮するダンパDと、このフォーク本体B内に収容される弾性部材Eとを備えて構成されている。
第二フロントフォークF2は、内部にダンパDを収容している点で第一フロントフォークF1と異なっており、以下、この異なる部材について詳細に説明し、両者の共通する部材については詳しい説明を省略する。
第二フロントフォークF2では、ストッパ3とロッド8がダンパDの一部を構成している。ダンパDは、フォーク本体Bの内側に収容されており、フォーク本体BとダンパDとの間には、油溜室Rが形成され、この油溜室Rには図示しない作動油が貯留されるとともに、その油面上側に気体が封入されている。
ダンパDは、液体を収容するシリンダ21と、このシリンダ21内に摺動自在に挿入されるピストン22と、上端がピストン22に連結されて下端がシリンダ21外へ突出するロッド8と、シリンダ21の上端に嵌合してロッド8の挿通を許容する環状のストッパ3と、シリンダ21の下端に嵌合するボトム部材23とを備えている。
また、ダンパDは、正立型となっており、シリンダ21外へ突出するロッド8をシリンダ21の上側(車体側)へ向けて配置されている。そして、ロッド8がキャップ10を介してアウターチューブ1に連結されるとともに、シリンダ21の一端である下端が車輪側ブラケット11を介してインナーチューブ2に連結されている。
このようにしてダンパDはアウターチューブ1とインナーチューブ2との間に介装されている。そして、第二フロントフォークF2が伸縮すると、ロッド8がシリンダ21に出入りしてダンパDが伸縮し、ピストン22がシリンダ21内を上下に移動する。
シリンダ21の上下の開口は、ストッパ3におけるガイド部5aとボトム部材23とでそれぞれ塞がれている。そして、シリンダ21内には、作動油が充填される油室が形成されており、この油室は、ピストン22で上側(ロッド8側)の伸側室R1と、下側(ピストン22側)の圧側室R2とに区画されている。
ピストン22には、伸側室R1と圧側室R2とを連通する伸側通路22aと圧側通路22bが形成されている。また、ピストン22の下側には、伸側通路22aの出口を開閉する伸側バルブ40が積層されている。この伸側バルブ40は、減衰バルブであり、伸側通路22aを伸側室R1から圧側室R2へ向かう液体の流れに抵抗を与えるとともに、その逆向きの流れを阻止する。その一方、ピストン22の上側には、圧側通路22bの出口を開閉する圧側バルブ41が積層されている。この圧側バルブ41は、チェックバルブであり、圧側通路22bを圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れを許容するが、その逆向きの流れを阻止する。また、ストッパ3とピストン22との間であってロッド8の外周にリバウンドスプリング15が設けられている。
つづいて、ボトム部材23は、シリンダ21の下端に嵌合する嵌合部23aと、この嵌合部23aの下端部から横方向へ張り出すフランジ部23bとを有する。このフランジ部23bは、シリンダ21の下側へ突出し、シリンダ21と車輪側ブラケット11とで挟まれる。さらに、フランジ部23bには、油溜室Rの液体を嵌合部23aの下側へ導く切欠23cが形成されており、嵌合部23aには、切欠23cを介して圧側室R2と油溜室Rとを連通する吸込通路23dと排出通路23eが形成されている。
また、嵌合部23aの上側には、吸込通路23dの出口を開閉する吸込バルブ70が積層されている。この吸込バルブ70は、チェックバルブであり、吸込通路23dを油溜室Rから圧側室R2へ向かう液体の流れを許容するが、その逆向きの流れを阻止する。その一方、嵌合部23aの下側には、排出通路23eの出口を開閉する排出バルブ71が積層されている。この排出バルブ71は、減衰バルブであり、排出通路23eを圧側室R2から油溜室Rへ向かう液体の流れに抵抗を与えるとともに、その逆向きの流れを阻止する。
上記構成によれば、第二フロントフォークF2が伸長してロッド8がシリンダ21から退出し、ピストン22がシリンダ21内を上方へ移動して伸側室R1が縮小すると、伸側室R1の液体が伸側バルブ40を押し開き、伸側通路22aを通って圧側室R2へ移動する。当該液体の流れに対しては、伸側バルブ40により抵抗が付与されるので、伸側室R1の圧力が上昇し、ダンパDが伸長作動を妨げる伸側の減衰力を発揮する。また、伸長時には、吸込バルブ70が開いて、シリンダ21から退出したロッド体積分の液体が吸込通路23dを通じて油溜室Rから圧側室R2へ供給される。
反対に、第二フロントフォークF2が収縮してロッド8がシリンダ21内へ侵入し、ピストン22がシリンダ21内を下方へ移動して圧側室R2が縮小すると、圧側室R2の液体が圧側バルブ41を開き、圧側通路22bを通って伸側室R1へ移動する。さらに、収縮時には、圧側室R2の液体が排出バルブ71を押し開き、シリンダ21内へ侵入したロッド体積分の液体が排出通路23eを通じて油溜室Rへ排出される。当該液体の流れに対しては、排出バルブ71により抵抗が付与されるので、シリンダ21内の圧力が上昇し、ダンパDが収縮作動を妨げる圧側の減衰力を発揮する。
なお、ダンパDの構成は、上記の限りではなく適宜変更できる。例えば、伸側室R1、圧側室R2、油溜室R等の各部屋を連通する通路の構成および通路に設けるバルブの構成は、適宜変更できる。さらに、液体の流れに抵抗を与えるのにオリフィス、又はチョーク等を利用してもよい。
また、フォーク本体Bが正立型になっている場合には、ダンパDが倒立型になっていて、シリンダ21から下側へロッド8を突出させてもよい。さらに、本実施の形態では、ダンパDが片ロッド型になっており、油溜室Rがシリンダ21に出入りするロッド8の体積補償をするためのリザーバとして機能する。
しかし、フリーピストン、ブラダ等を利用してシリンダ21内に膨縮可能な気室を形成し、当該気室でシリンダ21に出入りするロッド8の体積補償をしてもよい。さらに、ダンパDが両ロッド型になっていて、ロッド8がピストン22の両側からシリンダ21外へ突出していてもよく、この場合には、シリンダ21に出入りするロッド8の体積補償をする必要がない。
つづいて、ストッパ3は、第一フロントフォークF1の説明で前述した通りの構成を備えている。ストッパ3におけるガイド部5aの下端外周に設けられている段部5dにシリンダ21の他端である上端における開口端が嵌合されて、ストッパ3はシリンダ21の他端に装着される。ストッパ3におけるガイド部5aの内周側には、ロッド8が挿通されており、ストッパ3は、ダンパDにおけるロッド8の軸方向の移動を案内するロッドガイドとして機能する。
そして、ストッパ3は、前述のようにインナーチューブ2を外周から加締めることによってインナーチューブ2に固定される。ストッパ3は、このようにインナーチューブ2の中間の内周に固定されるとシリンダ21をインナーチューブ2の下端に取り付けられる車輪側ブラケット11とで挟持する。
第二フロントフォークF2のより具体的な組み立て手順を以下に説明する。まず、車輪側ブラケット11を装着したインナーチューブ2の内側にダンパDを挿入する。その際に、シリンダ21の両端にストッパ3とボトム部材23とを軽圧入しておき、シリンダ21内に先端にピストン22が装着されたロッド8を挿入しておく。
次に、ストッパ3に軸方向へ力を加えて、ストッパ3、シリンダ21およびボトム部材23を車輪側ブラケット11へ押し付けつつ、インナーチューブ2において環状溝4aに対応する部分を加締め、加締部2aを環状溝4aに嵌合させる。すると、ストッパ3、シリンダ21およびボトム部材23が軸力を受けた状態でインナーチューブ2にガタツキなく固定される。なお、前述した第二フロントフォークF2の組み立て手順は、一例であり、他の手順で組み立てられてもよい。
このように、第二フロントフォークF2においても、ストッパ3は、図4に示すように、インナーチューブ2の中間の内周に固定される。そして、第二フロントフォークF2にあっても、ストッパ3のガイド部5aとキャップ10との間に懸架スプリング6が介装されており、ストッパ3のガイド部5aに対向するとともにロッド8の外周に設けられるリバウンドスプリング15が設けられている。
ストッパ3は、懸架スプリング6の一端である下端に対向して懸架スプリング6のばね受けとして機能するとともに、リバウンドクッションとしてのリバウンドスプリング15の一端である上端に対向してリバウンドスプリング15のばね受としても機能する。よって、第二フロントフォークF2における弾性部材Eは、懸架スプリング6とリバウンドスプリング15とで構成されている。なお、第二フロントフォークF2にあっても、懸架スプリング6を廃止して、代わりにフォーク本体B内の加圧した気体を封入してエアばねを形成して第二フロントフォークF2を伸長方向に付勢する場合には、弾性部材Eをリバウンドスプリング15のみとしてもよいし、第二フロントフォークF2を収縮方向に付勢してエアばねの非線形性を補正する反力ばねをガイド部5aとロッド8との間に介装する場合には、反力ばねを弾性部材Eとしてもよい。また、懸架スプリング6のみを弾性部材Eとしてリバウンドスプリング15を廃止してもよい。また、第二フロントフォークF2は、ダンパDを備えて減衰力を発揮できればよいので、懸架スプリング6もエアばねも備えずリバウンドクッションとしてのリバウンドスプリング15のみを弾性部材Eとしてもよい。
また、第二フロントフォークF2にあっても、ロッド8の外周にオイルロックピース13とストッパ3におけるオイルロックケース5によってオイルロック機構が構成されている。オイルロック機構は、オイルロックピース13がオイルロックケース5内に侵入した状態で、第二フロントフォークF2が収縮作動すると、オイルロックケース5内の油圧を上昇させ、第二フロントフォークF2の収縮を妨げる荷重を発生する。
なお、オイルロック機構を構成するオイルロックピース13とオイルロックケース5の構造は、適宜変更できる。さらに、第二フロントフォークF2の最伸長時の衝撃を緩和するリバウンドクッションは、リバウンドスプリング15に変えてクッションゴムであってもよい。
このように構成された第二フロントフォークF2は、鞍乗車両の走行中の振動により、或いは、鞍乗車両の車体積載重量の変化によって、伸縮する際に懸架スプリング6が伸び縮みし、懸架スプリング6の全長の変化に見合った弾発力を発揮するだけでなく、ダンパDが伸縮して前記車体の振動を抑制する減衰力を発揮する。
懸架装置Sは、図1に示すように、前述した第一フロントフォークF1と、前述した第二フロントフォークF2と、第一フロントフォークF1と第二フロントフォークF2とを把持して両者を保持するアッパーブラケット26およびアンダーブラケット27と、アッパーブラケット26とアンダーブラケット27とに架け渡されてこれらを連結するシャフト28とで構成される。第一フロントフォークF1と第二フロントフォークF2の下端に設けられた車輪側ブラケット11で鞍乗車両の図示しない前輪における車軸を保持させ、シャフト28を図示しない車体の前方に設けられたヘッドパイプ内に挿通させることによって、懸架装置Sは、鞍乗車両の車体と前輪との間に介装される。
懸架装置Sにおける第一フロントフォークF1は、懸架スプリング6を備えるか或いはエアばねを備えて弾発力を発揮して車体を弾性支持し、伸縮時に弾発力を発揮して前輪の上下振動の車体への伝達を抑制する。他方、懸架装置Sにおける第二フロントフォークF2は、内部にダンパDを備えて伸縮時に減衰力を発揮して、車体の振動エネルギを熱エネルギに変換して車体の振動を減衰させる。このように、懸架装置Sは、弾発力を発揮する第一フロントフォークF1と減衰力を発揮する第二フロントフォークF2とを備えることで、車体の振動を抑制できる。
そして、前述した通り、本実施の形態のフロントフォークである第一フロントフォークF1は、アウターチューブ1と、アウターチューブ1内に摺動自在に挿入されるインナーチューブ2とを有するフォーク本体Bと、フォーク本体B内に収容される弾性部材Eと、インナーチューブ2の外側から加締められてインナーチューブ2の中間の内部に固定されて弾性部材Eに対向するストッパ3とを備えて構成されている。このように構成された第一フロントフォークF1は、懸架スプリング6やリバウンドスプリング(リバウンドクッション)15といった弾性部材Eに対向してばね受として機能するストッパ3がインナーチューブ2の内周に直接固定されているので、ストッパ3の設置位置を位置決めするための部品が不要となる。よって、本実施の形態のフロントフォークである第一フロントフォークF1によれば、ストッパ3の設置位置を位置決めするための部品が不要となる分、部品点数を削減できる。加えて、本実施の形態のフロントフォークである第一フロントフォークF1によれば、部品点数の削減が可能であるから、コストが安価となるとともに軽量化できる。
また、本実施の形態のフロントフォークである第一フロントフォークF1は、アウターチューブ1に一端が連結されてインナーチューブ2内に出入りするロッド8を備え、ストッパ3が筒状のオイルロックケース5を有し、ロッド8が外周にオイルロックケース5内に出入り可能なオイルロックピース13を有し、オイルロックケース5内にオイルロックピース13が侵入するとフォーク本体Bの収縮を抑制するようになっている。このように構成されたフロントフォークである第一フロントフォークF1は、ストッパ3とオイルロックピース13とでオイルロック機構を構成して、オイルロックによる第一フロントフォークF1の最収縮時の衝撃を緩和できる。また、本実施の形態のフロントフォークである第一フロントフォークF1は、ストッパ3がオイルロックケース5を備えているので、弾性部材Eのばね受としての機能とオイルロック機構におけるオイルロックケース5としての機能をストッパ3に集約できるので、部品点数をより一層少なくでき、高いコスト削減効果と高い軽量化効果が得られる。
さらに、本実施の形態のフロントフォークである第一フロントフォークF1では、弾性部材Eがアウターチューブ1とストッパ3との間に介装される懸架スプリング6と、ロッド8の外周に設けられてストッパ3に対向するリバウンドスプリング(リバウンドクッション)15とを備えている。このように構成されたフロントフォークである第一フロントフォークF1は、懸架スプリング6のばね受としての機能と、リバウンドスプリング(リバウンドクッション)15のばね受としての機能を一つのストッパ3に集約できるので、部品点数をより一層少なくでき、高いコスト削減効果と高い軽量化効果が得られる。
また、本実施の形態の懸架装置Sは、内部にダンパDを収容しない第一フロントフォークF1と、内部にダンパDを収容する第二フロントフォークF2とを備え、第一フロントフォークF1がアウターチューブ1と、アウターチューブ1内に摺動自在に挿入されるインナーチューブ2とを有するフォーク本体Bと、フォーク本体B内に収容される弾性部材Eと、インナーチューブ2の外側から加締められてインナーチューブ2の中間の内部に固定されて弾性部材Eに対向するストッパ3とを有し、第二フロントフォークF2がアウターチューブ1と、アウターチューブ1内に摺動自在に挿入されるインナーチューブ2とを有するフォーク本体Bと、フォーク本体B内に収容されて伸縮時に減衰力を発揮するダンパDと、フォーク本体B内に収容される弾性部材Eとを備え、ダンパDがインナーチューブ2に一端が連結されるシリンダ21と、アウターチューブ1に一端が連結されるとともに他端がシリンダ21内に挿入されるロッド8と、ロッド8の他端側に連結されるとともにシリンダ21内に摺動自在に挿入されてシリンダ21内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン22と、シリンダ21の他端に嵌合してインナーチューブ2の外側から加締められてインナーチューブ2の中間の内部に固定されて弾性部材Eに対向するストッパ3とを有し、第一フロントフォークF1と第二フロントフォークF2におけるストッパ3が筒状のオイルロックケース5を有し、第一フロントフォークF1と第二フロントフォークF2におけるロッド8は、外周に対応するオイルロックケース5内に侵入するとフォーク本体Bの収縮を抑制するオイルロックピース13を有して構成されている。
このように構成された懸架装置Sでは、ダンパDを収容しない第一フロントフォークF1の部品点数の削減が可能であるだけでなく、第一フロントフォークF1とダンパDを収容する第二フロントフォークF2との双方においてストッパ3を共通部品とでき、第二フロントフォークF2側ではストッパ3を利用してダンパDをフォーク本体B内に固定できる。このように懸架装置Sでは、ダンパDを収容しない第一フロントフォークF1とダンパDを収容する第二フロントフォークF2の双方において部品を共通化できるので、高いコスト低減効果が得られる。つまり、ごく少数の部品を除き、ダンパDを収容する第二フロントフォークF2から不要な部品を省略すれば、ダンパDを収容しない第一フロントフォークF1を製造することができ、懸架装置Sによれば、高いコスト低減効果が得られるのである。
また、第一フロントフォークF1および第二フロントフォークF2の双方に、ロッド8に設けたオイルロックピース13とストッパ3におけるオイルロックケース5とでオイルロック機構を設けることができ、懸架装置Sは、第一フロントフォークF1および第二フロントフォークF2の最収縮時に収縮を抑制する荷重を発生できる。第一フロントフォークF1と第二フロントフォークF2のオイルロック機構における構造と共通化できるので、懸架装置Sは、第一フロントフォークF1と第二フロントフォークF2の最収縮時における収縮を抑制する荷重の特性を均一化できる。よって、このように構成された懸架装置Sでは、最収縮時における荷重特性の設計が容易となる。
なお、第一フロントフォークF1および第二フロントフォークF2において最収縮時のオイルロックが不要であるような場合、フロントフォークは、図5に示した一実施の形態の第一変形例のフロントフォークF3のように構成されてもよい。このフロントフォークF3では、ストッパ31は、環状であって、外周に加締部2aが侵入する環状溝31aを備えるとともに、内周でロッド8の外周に摺接するブッシュ7を保持している。また、このフロントフォークF3にあっても、ストッパ31とロッド8とでフォーク本体B内が上方側の空間と下方側の空間に仕切られるが、ストッパ31を上下に貫く通孔31bによって前述の二つの空間同士が連通され、フォーク本体Bの伸縮に伴う作動油の前記二つの空間でやり取りされる作動油の通過が許容され、フロントフォークF3の円滑な伸縮が保証される。
また、フロントフォークF3では、フロントフォークF3の最収縮時の衝撃を緩和する目的で、ロッド8の外周にバンプクッションとしてコイルスプリングでなるバンプスプリング32が設けられている。バンプスプリング32は、一端がストッパ31の上面に対向し、アウターチューブ1とストッパ31との間に配置されている。よって、フロントフォークF3の最収縮時には、バンプスプリング32は、アウターチューブ1に連結されたキャップ10とストッパ31とで圧縮されて、フロントフォークF3のそれ以上の収縮を抑制する弾発力を発揮し、フロントフォークF3の最収縮時の衝撃を緩和する。なお、バンプクッションは、バンプスプリング32に変えてクッションゴムであってもよい。
また、フロントフォークF3は、懸架スプリング6とリバウンドスプリング15を備えており、懸架スプリング6とリバウンドスプリング15が第一フロントフォークF1と同様の態様でストッパ31に対向している。
よって、フロントフォークF3におけるストッパ31は、懸架スプリング6の一端である下端に対向して懸架スプリング6のばね受けとして機能し、リバウンドスプリング15の一端である上端に対向してリバウンドスプリング15のばね受として機能するとともに、バンプスプリング32の下端に対向してバンプスプリング32のばね受としても機能している。
よって、フロントフォークF3における弾性部材Eは、懸架スプリング6、リバウンドスプリング15およびバンプスプリング32とで構成されている。なお、懸架スプリング6を廃止して、代わりにフォーク本体B内の加圧した気体を封入してエアばねを形成してフロントフォークF3を伸長方向に付勢する場合には、弾性部材Eをリバウンドスプリング15とバンプスプリング32の一報あるいは両方としてもよいし、フロントフォークF3を収縮方向に付勢してエアばねの非線形性を補正する反力ばねをストッパ31とロッド8との間に介装する場合には、反力ばねを弾性部材Eとしてもよい。また、懸架スプリング6のみを弾性部材Eとしてリバウンドスプリング15およびバンプスプリング32を廃止してもよい。
このように構成されたフロントフォークF3にあっても、懸架スプリング6、リバウンドスプリング(リバウンドクッション)15あるいはバンプスプリング(バンプクッション)32といった弾性部材Eに対向してばね受として機能するストッパ3がインナーチューブ2の内周に直接固定されているので、ストッパ3の設置位置を位置決めするための部品が不要となる。よって、本実施の形態のフロントフォークF3によれば、ストッパ3の設置位置を位置決めするための部品が不要となる分、部品点数を削減でき、コストが安価となるとともに軽量化を図れる。
また、本実施の形態のフロントフォークF3では、懸架スプリング6のばね受としての機能、リバウンドスプリング(リバウンドクッション)15のばね受としての機能と、バンプスプリング(バンプクッション)32のばね受としての機能を一つのストッパ3に集約できるので、部品点数をより一層少なくでき、高いコスト削減効果と高い軽量化効果が得られる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形および変更が可能である。
1・・・アウターチューブ、2・・・インナーチューブ、3,31・・・ストッパ、5・・・オイルロックケース、6・・・懸架スプリング、8・・・ロッド、13・・・オイルロックピース、15・・・リバウンドスプリング(リバウンドクッション)、21・・・シリンダ、22・・・ピストン、32・・・バンプスプリング(バンプクッション)、B・・・フォーク本体、D・・・ダンパ、E・・・弾性部材、F1・・・第一フロントフォーク、F2・・・第二フロントフォーク、F3・・・フロントフォーク、R1・・・伸側室、R2・・・圧側室
Claims (5)
- アウターチューブと、前記アウターチューブ内に摺動自在に挿入されるインナーチューブとを有するフォーク本体と、
前記フォーク本体内に収容される弾性部材と、
前記インナーチューブの外側から加締められて前記インナーチューブの中間の内部に固定されて前記弾性部材に対向するストッパとを備えた
ことを特徴とするフロントフォーク。 - 前記アウターチューブに一端が連結されて前記インナーチューブ内に出入りするロッドを備え、
前記ストッパは、筒状のオイルロックケースを有し、
前記ロッドは、外周に前記オイルロックケース内に出入り可能なオイルロックピースを有し、
前記オイルロックケース内に前記オイルロックピースが侵入すると前記フォーク本体の収縮を抑制する
ことを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。 - 前記弾性部材は、前記アウターチューブと前記ストッパとの間に介装される懸架スプリングと、前記ロッドの外周に設けられて前記ストッパに対向するリバウンドクッションとを有する
ことを特徴とする請求項2に記載のフロントフォーク。 - 前記アウターチューブに一端が連結されて前記インナーチューブ内に出入りするロッドを備え、
前記弾性部材は、前記アウターチューブと前記ストッパとの間に介装される懸架スプリングと、一端が前記ロッドに装着されて他端が前記ストッパに対向するリバウンドクッションと、前記ロッドの外周に配置されて前記アウターチューブと前記ストッパとの間に配置されるバンプクッションとを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。 - 内部にダンパを収容しない第一フロントフォークと、内部にダンパを収容する第二フロントフォークとを備えて鞍乗車両の車体と車軸との間に介装される懸架装置であって、
第一フロントフォークは、
アウターチューブと、前記アウターチューブ内に摺動自在に挿入されるインナーチューブとを有するフォーク本体と、
前記フォーク本体内に収容される弾性部材と、
前記インナーチューブの外側から加締められて前記インナーチューブの中間の内部に固定されて前記弾性部材に対向するストッパとを有し、
前記ストッパは、筒状のオイルロックケースを有し、
前記ロッドは、外周に前記オイルロックケース内に侵入すると前記フォーク本体の収縮を抑制するオイルロックピースを有し、
第二フロントフォークは、
アウターチューブと、前記アウターチューブ内に摺動自在に挿入されるインナーチューブとを有するフォーク本体と、
前記フォーク本体内に収容されて伸縮時に減衰力を発揮する前記ダンパと、
前記フォーク本体内に収容される弾性部材とを備え、
前記ダンパは、前記インナーチューブに一端が連結されるシリンダと、前記アウターチューブに一端が連結されるとともに他端が前記シリンダ内に挿入されるロッドと、前記ロッドの他端側に連結されるとともに前記シリンダ内に摺動自在に挿入されて前記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、前記シリンダの他端に嵌合して前記インナーチューブの外側から加締められて前記インナーチューブの中間の内部に固定されて前記弾性部材に対向するストッパとを有し、
前記ストッパは、筒状のオイルロックケースを有し、
前記ロッドは、外周に前記オイルロックケース内に侵入すると前記フォーク本体の収縮を抑制するオイルロックピースを有する
ことを特徴とする懸架装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019226110A JP2021095938A (ja) | 2019-12-16 | 2019-12-16 | フロントフォークおよび懸架装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019226110A JP2021095938A (ja) | 2019-12-16 | 2019-12-16 | フロントフォークおよび懸架装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2021095938A true JP2021095938A (ja) | 2021-06-24 |
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ID=76430939
Family Applications (1)
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JP2019226110A Pending JP2021095938A (ja) | 2019-12-16 | 2019-12-16 | フロントフォークおよび懸架装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2021095938A (ja) |
-
2019
- 2019-12-16 JP JP2019226110A patent/JP2021095938A/ja active Pending
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