JPS5815076Y2 - 工作機械における工具取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作機械における工具取付装置の改良に関する
ものである。

工作機械の回転主軸にドリル等の工具を取付ける取付装
置の従来例を第１図に従って説明すると、１は図示しな
い動力源に連結される回転主軸であって、取付穴２が形
成されている。

３は同取付穴２に挿入される工具ホルダであって、キー
４によって主軸１に対する回動力勧止されるとともに、
六角穴付比ねじ５によって主軸１の軸方向の移動が防止
される。

また、工具ホルダ３にはテーパ穴６が形成され、同テー
パ穴６に工具７が嵌装される。

また、同ホルダ３には雄ねじ８が刻設され、同ホルダ３
の主軸１に対する相対位置が調節されるように構成され
ている。

上記構成によると、工具７を主軸１に取付げる場合は先
ず工具Ｉを工具ホルダ３のテーパ穴６に嵌装し、同ホル
ダ３を主軸１の取付穴２に挿入し、止ねじ５によって固
定して成り、工具７を取外す場合はこの逆の順序に従う
ものであるが、倒れの場合も作業工数が多いため作業に
長時間装するばかりでなく、作業者の疲労を招（等の欠
点があった。

また、上記欠点を解消するために、第２図に示す様な取
付装置も既に提案されている。

同装置を同第２図に従って説明すると、主軸１に穿設さ
れた取付穴２に工具ホルダ３が挿入され、同ホルダ３は
キー４によって主軸１に対して回動を防止されるととも
にテーパ穴６が穿設され、同テーパ穴６には工具７が嵌
装される。

また、ホルダ３には位置決め穴１１が形成された保持部
材１２が六角穴付比ねじ１３によって取付けられ、同保
持部材１２によりホルダ３に対する相対位置が決定され
る。

また、主軸１にはテーパを有する貫通孔１４が穿設され
た固定スリーブ１５が止ねじ１６によって取付けられ、
同固定スリーブ１５には少なくとも軸方向に摺動可能な
摺動スリーブ１７が嵌装され、上記固定スリーブ１５と
摺動スリーブ１７との間には同摺動スリーブ１７を図面
右方に付勢するスプリング１８が縮設されている。

上記貫通孔１４には鋼球１９が収納され、保持部材１２
の軸方向の移動が禁止される。

同鋼球１９には、同鋼球が位置決め穴１１および貫通孔
１４から外れないように摺動スリーブ１７０当接面２０
が当接している。

また、工具７を主軸１に取付げあるいは同主軸から取外
す場合、通常は固定スリーブ１５、摺動スリーブ１７お
よびスプリング１８をあらかじめ所定位置に装備し、工
具７および保持部材１２が取付けられた工具ホルダ３の
みを主軸１に取付けある（・は同主軸から取外すように
構成されている。

上記構成によると、工具７および保持部材１２が取付け
られた工具ホルダ３を主軸１に取付げる場合、摺動スリ
ーブ１７０当接面２０が鋼球１９に当接しないように同
スリーブ１７をスプリング１８に抗して図面左方へ移動
させ、上記ホルダ３を主軸１の取付穴２に挿入し、保持
部材１２の位置決め穴１１に鋼球１９が嵌まり込んだと
きに摺動スリーブ１７を元の位置に戻して完了する。

工具ホルダ３を取外す場合はこの逆の順序に従えば良い
。

したがって、工具ホルダ３の取付けおよび取外しが極め
て簡単にしかも迅速に行うことができる。

ところが、工具ホルダ３の取付げおよび取外しに際して
作業者は一方の手で工具ホルダ３を持ち、他方の手で摺
動スリーブ１７を移動させる必要があり、主軸１部近辺
が極めて狭いスペースしかない小型の工作機械等におい
ては、作業者が両手を思い通りに動かせず、実際上は取
付けおよび取外しが極めて困難となる欠点があった。

また、構造が複数であるために製作コストが高くつ（と
ともに、摺動スリーブ１７が回転主軸１の外側に嵌装さ
れるためにスペース的に不利となる欠点があった。

本考案は上記に鑑み創案されたもので、主軸に装着され
自由端に向けて開口し内周面を上記主軸に平行に形成さ
れ有底円筒状に形成されたソケット、上記開口から上記
ソケットに挿入嵌合され工具を装着する工具固定手段を
有した工具ホルダ、同工具ホルダの外周面または上記ソ
ケットの内周面の一方に形成されたピン、上記工具ホル
ダの外周面またはソケットの内周面の他方に形成され上
記主軸に平行に延びかつ上記工具ホルダの上記ソケット
への挿入時に上記ピンが侵入する平行部と上記主軸に垂
直な平面内に延び上記平行部に侵入したピンが上記工具
ホルダを上記ソケットに対し主軸の回転方向と逆方向に
回転させることにより侵入する円周部とを備えた溝、お
よび上記ソケットに設げられ押圧部材により付勢されて
上記工具ホルダの外周面に形成された凹所に嵌合し上記
工具ホルダを上記ソケットに対して位置決めする鋼球を
有し、ソケットの回転力はピンを介して工具ホルダに伝
達されることを特徴とする工作機械における工具取付装
置を要旨とするものである。

以下、本考案の一実施例を第３図乃至第５図に従って詳
細に説明する。

１００は回転主軸であって、図示しない動力源に連結さ
れるとともに取付穴１０１が形成されている。

１０２は同取付穴１０１に挿入されるソケットであって
、キー１０３によって主軸１００に対する回動が防止さ
れるとともに六角穴付止ねじ１０４によって主軸１００
の軸方向の移動が防止される。

同ソケット１０２には取付穴１０５が形成されるととも
に同取付穴１０５の内周面に突出する固定ピン１０６が
圧入により取付けられている。

また、同ソケット１０２にはテーパを有する貫通孔１０
７が形成され、同貫通孔に鋼球１０８が収納され、同鋼
球はリング状の板ばね１０９により内方に付勢される。

１１０は上記取付穴１０５に挿入される工具ホルダであ
って、Ｌ字状の溝１１１が形成され、同ホルダを溝１１
１の開口端１１２から固定ピン１０６が間溝１１１内に
入るようにソケット１０２の取付穴１０５に挿入し、更
に矢印Ａ方向（主軸１０００回転方向と反対方向）へ回
動させ、同ピン１０６を溝１１１の最奥部１１３に位置
させることにより、同ホルダ１１０の軸方向の摺動およ
び矢印Ａ方向の回動が規制される。

また、ホルダ１１０には、溝１１１の最奥部１１３に固
定ピン１０６が位置したときに同ホルダ１１０の鋼球１
０８と対応する位置に位置決め穴１１４が形成されてい
る。

したがって溝１１１の最奥部１１３に固定ピン１０６が
位置するときに工具ホルダ１１０は鋼球１０８によって
矢印Ａ方向と反対方向の回動をも規制される。

なお、位置決め穴１１４の深さは、作業者がホルダ１１
０を手で矢印Ａ方向と反対方向に回動させたときに、鋼
球１０８が同位置決め穴１１４から容易に退去できる程
度である。

また、ホルダ１１０には工具１１５が挿入される取付穴
１１６が形成されるとともに同工具を固定する六角穴付
止ねじ１１７が取付げられ、更に同工具１１５の同ホル
ダからの突出量を調整する六角穴付調整ねじ１１８が取
付げられている。

また、工具１１５を主軸１００に取付けあるいは同主軸
から取外す場合、通常はソケット１０２、鋼球１０８、
ピン１０６および板ばね１０９はあらかじめ所定の位置
に装備し、工具１１５が取付げられた工具ホルダ１１０
のみを主軸１００に取付けあるいは同主軸から取外すよ
うに構成されている。

上記構成によれば、工具１１５が取付げられた工具ホル
ダ１１０をソケット１０２に取付ける場合、同ホルダ１
１０を固定ピン１０６が溝１１１の開口端１１２から同
溝内に入るように取付穴１０５に挿入し、更に同ホルダ
をピ／１０６が溝１１１の最奥部１１３に位置するよう
に矢印Ａ方向へ回動させ、鋼球１０８を位置決め穴１１
４に嵌まり込ませて取付けを完了する。

ホルダ１１０を取外す場合はこの逆の順序に従えば良い
。

したがって、本実施例によれば工具ホルダ１１０の取付
げ、取外しが片手で容易に行うことができ、主軸１００
部近辺で極めて狭いスペースしかない小型の工作機械に
おいても容易に、しかも極めて短時間で行うことができ
るという効果を奏する。

また、従来の工作機械の主軸にもそのまま使うことがで
きるとともに、構造が比較的簡単であるために安価で製
作することができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は夫々従来装置を示す断面説明図、
第３図は本考案の一実施例を示す断面説明図、第４図は
第３図のｆＶ−ｆＶ線に沿う断面図、第５図は第３図の
工具ホルダ１１０の斜視図である。 １・・・・・・主軸、７・・・・・・工具、１００・・
・・・・主軸、１０２・・・・・・ソケット、１１０・
・・・・・工具ホルダ、１１１・・・・・・溝、１１５
・・・・・・工具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主軸に装着され自由端に向けて開口し内周面を上記主軸
   に平行に形成され有底円筒状に形成されたソケット、上
   記開口から上記ソケットに挿入嵌合され工具を装着する
   工具固定手段を有した工具ホルダ、同工具ホルダの外周
   面または上記ソケットの内周面の一方に形成されたピン
   、上記工具ホルダの外周面またはソケットの内周面の他
   方に形成され上記主軸に平行に延びかつ上記工具ホルダ
   の上記ソケットへの挿入時に上記ピンが侵入する平行部
   と上記主軸に垂直な平面内に延び上記平行部に侵入した
   ピンが上記工具ホルダを上記ソケットに対し主軸の回転
   方向と逆方向に回転させることにより侵入する円周部と
   を備えた溝、および上記ソケットに設けられ押圧部材に
   より付勢されて上記工具ホルダの外周面に形成された凹
   所に嵌合し上記工具ホルダを上記ソケットに対して位置
   決めする鋼球を有し、ソケットの回転力はピンを介して
   工具ホルダに伝達されることを特徴とする工作機械にお
   ける工具取付装置。