JPH1196593A - 情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

情報記録媒体及びその製造方法

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JPH1196593A
JPH1196593A JP10213549A JP21354998A JPH1196593A JP H1196593 A JPH1196593 A JP H1196593A JP 10213549 A JP10213549 A JP 10213549A JP 21354998 A JP21354998 A JP 21354998A JP H1196593 A JPH1196593 A JP H1196593A
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JP
Japan
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dye
absorbing layer
groove
layer
substrate
Prior art date
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Application number
JP10213549A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光の照射により情報の記録が可能な色
素層を持つ情報記録媒体であって、市販のCDプレーヤ
による確実な記録信号再生を可能にするのに充分なレベ
ルの反射率を有し、かつ、再生用レーザ光を用いて記録
情報を読み取る際には、トラッキング特性に優れ、かつ
変調度の高い信号として記録信号を読み取ることを可能
にする情報記録媒体を提供することを目的とする。 【解決手段】 プリグルーブが形成された円盤状の基板
上に、レーザ光を照射してピットを形成することにより
情報の記録が可能な色素を含む光吸収層が設けられ、更
に光吸収層上に金属反射層が設けられた情報記録媒体で
あって、プリグルーブの深さが5〜60nmの範囲内に
あり、かつプリグルーブ底部の光吸収層の光学的膜厚と
プリグルーブ間のランド部の光吸収層の光学的膜厚との
間の差がλ/8(λは再生用レーザ光の波長)以下であ
る情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光による情
報の記録と再生とが可能な情報記録媒体、特に市販のコ
ンパクトディスクプレーヤによる記録情報の確実な読取
を可能にする情報記録媒体、そしてその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年において、レーザ光等の高エネルギ
ー密度のビームを用いる情報記録媒体が開発され、実用
化されている。この情報記録媒体は光ディスクと称さ
れ、ビデオ・ディスク、オーディオ・ディスク、さらに
は大容量静止画像ファイルおよび大容量コンピュータ用
ディスク・メモリーとして使用され得るものである。こ
れらの情報記録媒体のうちで、音楽等のオーディオ再生
用としてコンパクトディスク(CD)が広く実用化され
ている。コンパクトディスクは、製造時に基板上に形成
されたピット列からなる情報を再生するためにのみ使用
される。すなわち、コンパクトディスクは、可撓性のプ
ラスチック材料を成形してスパイラル状にピットを形成
し、そしてその表面に反射層として金属層を形成するこ
とにより製造される。このように、コンパクトディスク
は再生専用の記録媒体である。
【0003】コンパクトディスクの情報の読み取りは、
ディスクを回転させながらレーザビームを照射すること
により行われる。情報はディスク上のピットの有無によ
る反射光量の変化を検知して再生される。再生のみのコ
ンパクトディスクは、CD規格に基づいて、CDを1.
2〜1.4m/秒の定線速度で回転させながら読み取る
(再生する)ように作られており、信号面内径46mm
および信号面外径116mmの範囲内で、トラックピッ
チ1.6μmにて最大約74分の記録時間を持つように
要求されている。
【0004】前述のように、オーディオ用CDは現在広
く使用されている。従って、オーディオ用CDの再生に
用いられる市販のCDプレーヤも広く一般に使用されて
いるので、性能の向上と大量生産による価格の低下が実
現している。
【0005】また、情報の書き込み(記録)が可能なD
RAW(Direct Read After Write)型の情報記録媒体
についても開発が進み、実用化されている。このような
DRAW型の情報記録媒体(光ディスク)は、基本構造
として、プラスチック、ガラス等からなる円盤状の透明
基板と、この上に設けられたBi、Sn、In、Te等
の金属または半金属からなる記録層または色素からなる
記録層とを有する。光ディスクへの情報の記録は、例え
ば、回転下にある光ディスクにレーザビームを照射する
ことにより行なわれ、記録層の照射部分がその光エネル
ギーを吸収して局所的に温度上昇する結果、ピット形成
等の物理的変化あるいは相変化等の化学的変化を生じ
て、その光学的特性を変えることにより情報が記録され
る。光ディスクからの情報の読み取り(再生)もまた、
レーザビームを光ディスクに照射することなどにより行
なわれ、記録層の光学的特性の変化に応じた反射光また
は透過光を検出することにより情報が再生される。
【0006】光ディスクへの情報の記録及び再生のため
のレーザビームの照射は、回転下にあるディスク表面の
所定の位置に行なわれる。この際、レーザビームを案内
して照射予定位置に正確にたどる(一般にトラッキング
位置と呼ばれる)ようにするため、凹溝のトラッキング
ガイド(プリグルーブ)が基板の表面に設けられること
が一般的である。
【0007】ところで、色素を含む記録層は、一般にプ
リグルーブが形成された基板上に色素を含む溶液を塗布
し乾燥することによって形成されているが、その場合、
プリグルーブ底部の色素記録層の膜厚はランド部(プリ
グルーブ間の部分)の色素記録層の膜厚よりも厚くな
る。そのため、基板のプリグルーブ溝の形状を反映して
形成された色素記録層の表面の溝の深さは、基板のプリ
グルーブ溝の深さよりも浅くなり、記録層に情報を記録
してプリグルーブ内に記録ピットを形成させたとき、色
素記録層の表面の溝の上部(基板のランド部を反映した
部分)と溝の底部との位相差が小さくなるために、記録
ピットの変調度が小さくなるという問題がある。
【0008】変調度の低下を防ぐため、基板のプリグル
ーブの深さを大きくして、色素記録層の表面に形成され
る溝の深さを相対的に深くすることによって記録ピット
の変調度を大きくすることが考えられるが、その場合に
は一般に反射率が低下する傾向があり、情報の読み取り
のためにCDが一定の値以上の反射率を持つことを要求
する市販のCDプレーヤを用いて再生するためには、反
射率が不十分になりやすい。
【0009】また、基板上に予めピットが形成されたR
OM領域と、レーザ光の照射によりデータ再生用のピッ
トが形成される記録可能領域とを共に有する情報記録媒
体が提案されている(特開平2−42652号公報参
照)。この情報記録媒体においては、色素からなるレー
ザ光吸収層が記録可能領域にのみ設けられ、プリピット
が形成されたROM領域には色素からなるレーザ光吸収
層は設けられていない。その理由は、プリピットが形成
された領域に色素からなるレーザ光吸収層を設けると、
プリピットが浅くなって、プリピット信号の変調度が小
さくなり、ROM領域の情報を実用的に再生することが
できなくなるためである。
【0010】すなわち、色素からなるレーザ光吸収層は
一般に色素の溶液を塗布し乾燥することによって形成さ
れるものであり、プリピット形成領域に色素溶液を塗布
すると、前記のプリグルーブ形成領域への色素溶液の塗
布の場合と同様に、プリピット部(穴部)のレーザ光吸
収層の膜厚がプリピット間部(プリピットとプリピット
との間の部分で、前記ランド部に相当する)のレーザ光
吸収層の膜厚よりも大きくなり、そのために、基板のプ
リピット部の形状を反映して形成されたレーザ光吸収層
の表面の穴の深さは、基板のプリピットの深さよりも浅
くなり、プリピット部とプリピット間部との位相差が小
さくなるために、プリピットに記録されていた情報の変
調度が小さくなる。
【0011】特開平2−42652号公報に記載されて
いるような、プリピット部(ROM領域)に色素層を設
けず、記録可能領域にのみ色素層を設けた情報記録媒体
においては、色素層が設けられた部分と色素層が設けら
れていない部分との境界部において、境界を再現性よく
形成することが困難であるとか、色素層の膜厚がそのエ
ッジ部で不均一になりやすく、円環状の色素層の偏心が
生じ易いなどの問題がある。さらに、実際上、ROM領
域とその外周側の記録可能領域との二つの領域に分かれ
た情報記録媒体しか製造することができず、ROM領域
の内周側にも追加して記録可能領域を設けたり、ROM
領域と記録可能領域を混在させて設けたりすることが極
めて困難となって、ROM領域へ予め記録しておくこと
のできるアプリケーションソフトやその利用方法などが
制限され、実用上不便であるという問題点もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、レーザ光の
照射により情報の記録が可能な色素層を持つ情報記録媒
体であって、市販のコンパクトディスクプレーヤによる
確実な記録信号再生を可能にするのに充分なレベルの反
射率(再生用レーザ光に対する反射率)を有し、かつ記
録用レーザ光を照射して情報信号を記録した後に、再生
用レーザ光を用いて記録情報を読み取る際には、その読
取操作時のトラッキング特性に優れ、かつ変調度の高い
信号として記録信号を読み取ることを可能にする情報記
録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、プリグルーブ
が形成された円盤状の基板上に、レーザ光を照射してピ
ットを形成することにより情報の記録が可能な色素を含
む光吸収層が設けられ、更に該光吸収層上に金属からな
る反射層が設けられてなる情報記録媒体であって、プリ
グルーブの深さが5〜60nmの範囲内にあり、かつプ
リグルーブ底部の光吸収層の光学的膜厚とプリグルーブ
間のランド部の光吸収層の光学的膜厚との差がλ/8
(但し、λは再生用レーザ光の波長)以下であることを
特徴とする情報記録媒体にある。
【0014】本発明の情報記録媒体は、5〜60nmの
範囲内にある深さを持つプリグルーブが形成された円盤
状の基板上に、色素を溶剤に溶解して調製した色素溶液
であって、該色素溶液の塗布温度において該色素溶液か
ら該溶剤を蒸発させることにより色素の析出が始まった
ときの色素懸濁液の体積の該色素溶液の元の体積に対す
る比率として定義される濃縮限界が99〜20%の範囲
にある色素溶液を、スピンコート法により塗布し、乾燥
することによって、レーザ光による情報の記録が可能
で、プリグルーブ底部の光学的膜厚とプリグルーブ間の
ランド部の光学的膜厚との差がλ/8(但し、λは再生
用レーザ光の波長)以下である光吸収層を形成し、次い
で、該光吸収層上に金属からなる反射層を設けることに
より容易に製造することができる。
【0015】すなわち、本発明は、情報記録媒体の基板
に形成するプリグルーブの深さを通常より浅めに設定
し、かつ基板のプリグルーブ底部の色素記録層の膜厚と
ランド部の色素記録層の膜厚とがほぼ同じように色素記
録層を形成させることにより、レーザによる情報記録が
可能な色素記録層を持つ情報記録媒体であって、市販の
コンパクトディスク(CD)プレーヤによる記録情報の
確実な再生を実現するために必要な再生用レーザ光に対
する高い反射率と高い変調度とを示す情報記録媒体が得
られるという本発明者の新たな知見に基づき完成された
ものである。
【0016】
【実施の形態】本発明の情報記録媒体の好ましい態様は
以下のとおりである。 1)プリグルーブ底部の光吸収層の光学的膜厚とランド
部の光吸収層の光学的膜厚との差がλ/16(但し、λ
は再生用レーザ光の波長)以下である。 2)プリグルーブと共にプリピットが設けられる場合、
そのプリピット部の光吸収層の光学的膜厚とピット間部
の光吸収層の光学的膜厚との差がλ/16(但し、λは
再生用レーザ光の波長)以下である。 3)光吸収層の、ランド部の膜厚が40〜400nmで
ある。 4)プリグルーブが、0.2〜1.4μmの半値幅と、
15〜60nmの深さを有する。 5)プリグルーブと共にプリピットが設けられる場合、
プリピットが、0.2〜1.4μmの半値幅と、60〜
300nmの深さを有する。 6)プリグループの深さが、上記プリピットの深さより
も、光路長で表わしてλ/16以上短い。 7)ミラー部(ランド間の信号が記録されていない領
域、あるいはプリピット間の信号が記録されていない領
域)の反射率に対するプリグルーブ底部の反射率の比率
が70%以上である。 8)金属反射層の上に、更に保護層が形成されている。
【0017】本発明の情報記録媒体の製造方法の好まし
い態様は以下の通りである。 1)色素溶液の濃縮限界が、90〜50%である。 2)溶剤が単一の溶剤である。 3)溶剤が、使用する色素の良溶剤(好ましくは、色素
溶液の塗布温度において使用する色素を2重量%以上溶
解し得る溶剤)と、該良溶剤と相溶性である使用する色
素の貧溶剤(好ましくは、色素溶液の塗布温度において
使用する色素を2重量%以上溶解しない溶剤)との混合
物である。 4)色素溶液中の上記色素の濃度が0.5〜15重量%
である。 5)0〜100℃の温度、300〜10000r.p.m.の
回転数で、基板を回転させて乾燥する。
【0018】
【発明の効果】本発明の情報記録媒体は、プリグルーブ
の深さが浅く、また色素を含む光吸収層の光学的膜厚
が、グルーブ底部とランド部とで差が少ないので、光吸
収層の表面の溝の深さが十分大きく、レーザ光を照射し
て情報を記録した後、変調度及び反射率が共に大きくC
D規格を満足する再生信号を得ることができ、トラッキ
ング特性が良好であるという顕著に優れた情報記録媒体
である。
【0019】本発明の情報記録媒体は、プリグルーブを
有する基板上に、色素を含む光吸収層および金属からな
る反射層がこの順で設けられた基本構成を有する。
【0020】本発明の情報記録媒体の円盤状の基板の材
料としては、従来の情報記録媒体の基板として用いられ
ている各種の材料から任意に選択することができる。基
板の光学的特性、平面性、加工性、取扱い性、経時安定
性および製造コストなどの点から、基板材料の例として
は、ガラス、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹
脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニ
ル系樹脂;エポキシ樹脂;ポリカーボネート樹脂;アモ
ルファスポリオレフィンおよびポリエステルを挙げるこ
とができる。好ましくは、ポリカーボネート、ポリオレ
フィン、ガラスおよびポリメチルメタクルレートを挙げ
ることができる。
【0021】光吸収層が設けられる側の基板表面には、
平面性の改善、接着力の向上、基板の耐溶剤性の改善お
よび記録層の変質の防止の目的で、下塗層が設けられて
も良い。下塗層の材料の例として、ポリメチルメタクル
レート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン
・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N
−メチロールアクリルアミド、スチレン・スルホン酸共
重合体、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルス
ルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビ
ニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミ
ド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロポレン、ポリ
カーボネート、エポキシ樹脂等の高分子物質;シランカ
ップリング剤、チタネート系カップリング剤などの有機
物質;及び無機誘電体(SiO2、ZnS、AlN、S
34 等)、無機フッ化物(MgF2 )などの無機物
質を挙げることができる。
【0022】下塗層は、例えば上記物質を適当な溶剤に
溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液
をスピンコート、ディップコート、エクストルージョン
コートなどの塗布法により基板表面に塗布することによ
り形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.0
05〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜1
0μmの範囲である。
【0023】本発明の情報記録媒体本発明では、上記基
板表面(または下塗層表面)に、記録又は再生時のトラ
ッキングを良好に行なうために、プリグルーブ(トラッ
キング用溝)が形成されている。プリグルーブの形状
は、グルーブの深さ(添付する第1図のd1 )が5〜6
0nmの範囲にあり、且つグルーブの半値幅(グルーブ
の深さの1/2の深さにおけるグルーブの幅)が0.2
〜1.4μmであるものが好ましく、グルーブの深さが
15〜60nmの範囲にあり、且つグルーブの半値幅が
0.3〜0.7μmであるものが更に好ましく、グルー
ブの深さが20〜50nmの範囲にあり、且つグルーブ
の半値幅が0.35〜0.6μmであるものが最も好ま
しい。アドレッシング、あるいは線速制御用にグルーブ
をウォブリングさせても良い。
【0024】本発明においては、更に、上記基板表面
(または下塗層表面)に、種々のアプリケーションソフ
ト、アドレス信号などの予め記録したプリピット(RO
M領域)が形成されていてもよい。プリピットの形状
は、ピットの深さ(添付する第2図のd2 )が60〜3
00nmの範囲にあり、且つピットの半値幅(ピットの
深さの1/2の深さにおけるピットの幅)が0.2〜
1.4μmであるものが好ましく、ピットの深さが70
〜250nmの範囲にあり且つピットの半値幅が0.3
〜1.0μmであるものが更に好ましく、ピットの深さ
が90〜200nmの範囲にあって、且つピットの半値
幅が0.4〜0.7μmであるものが最も好ましい。
【0025】また、プリピットが形成される場合、プリ
グルーブの深さは、プリピットの深さよりも光路長で表
わして、λ/16(但し、λは再生用レーザ光の波長で
あって、以下の記載においても同じである)以上短いこ
とが好ましく、λ/14以上短いことが更に好ましく、
λ/12以上短いことが特に好ましい。その理由は、プ
リグルーブの深さを、変調度が十分大きくなるプリピッ
トの深さと同じように大きくすると、プリグルーブの反
射率が低くなり過ぎるからである。
【0026】基材材料がプラスチックの場合は、射出成
形あるいは押出成形などにより基板表面に上記プリグル
ーブ又はプリグルーブとプリピットとを直接設けてもよ
い。また、基板の表面上に、上記プリグルーブ又はプリ
グルーブとプリピットとを形成するためのプリグルーブ
層を設けても良い。
【0027】プリグルーブ層の材料としては、アクリル
酸のモノエステル、ジエステル、トリエステルおよびテ
トラエステルのうちの少なくとも一種のモノマー(また
はオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用いること
ができる。
【0028】プリグルーブ層の形成は、まず精密に作ら
れた母型(スタンパ)上に上記のアクリル酸エステルお
よび重合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗
布液層の上に基板を載せたのち、基板または母型を介し
て紫外線を照射することにより液層を硬化させて基板と
液相とを固着させる。次いで、基板を母型から剥離する
ことによりプリグルーブ層の設けられた基板が得られ
る。プリグルーブ層の層厚は一般に0.1〜100μm
の範囲にあり、好ましくは0.1〜50μmの範囲であ
る。
【0029】プリグルーブ又はプリピットを形成した基
板(またはプリグルーブ層)上に、前記下塗層を形成す
る材料と同様の材料を使用して、光吸収層を形成するた
めの塗布液中の溶剤から保護するための耐溶剤層を設け
ても良い。
【0030】基板(または下塗層)上には、色素を含む
光吸収層が設けられる。基板側からレーザ光を照射して
光吸収層に再生用のピットを形成することにより、光吸
収層に情報を記録することができる。従って、基板のプ
リグルーブが形成された領域の光吸収層は、記録層とし
て機能する。
【0031】本発明に使用される色素は特に限定される
ものではなく、どのようなものでも良い。例えば、シア
ニン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン
系色素、ピリリウム系色素、チオピリリウム系色素、ア
ズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Cr
などの金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラ
キノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニリ
ン系色素、トリフェニルメタン系色素、トリアリルメタ
ン系色素、アミニウム系色素、ジインモニウム系色素、
ニトロソ系色素、ロイコ系色素、クロコニウム系色素、
等々の色素を挙げることができる。
【0032】これらの色素は、ライト・ワンス(WO)
型に限らず、リライタブル(RW)型(又は可逆型)の
ものであってもよい。
【0033】これらの色素のうちでも、記録再生用レー
ザとして近赤外光を発振する半導体レーザの利用が実用
化されている点から、700〜900nmの近赤外領域
の光に対する吸収率が高い色素が好ましい。
【0034】特に、シアニン系色素、アズレニウム系色
素及びスクワリリウム色素が好ましく、シアニン系色素
の中でも、ナフトインドレニン系色素及びイミダゾキノ
ンキサリン系色素が好ましい。
【0035】これらの色素は単独でも、あるいは二種以
上の混合物として用いてもよい。また、シアニン系色素
を用いる場合には、上記金属錯塩系色素またはアミニウ
ム系色素又はジインモニウム系色素をクエンチャーとし
て一緒に用いることが好ましい。その場合、クエンチャ
ーとして金属錯塩系色素などを全色素1モルに対して
0.001〜0.3モルの割合で含むことが好ましい。
【0036】本発明の情報記録媒体では、光吸収層のグ
ルーブ底部の光学的膜厚とランド部の光学的膜厚との差
は、λ/8以下である。
【0037】本発明の情報記録媒体における光吸収層の
光学的膜厚について、添付する図面を参照して詳細に説
明する。
【0038】第1図は、本発明の情報記録媒体の一実施
例のプリグルーブ領域における断面の一部を模式的に示
す断面図である。第2図は、プリピット領域における断
面の一部を模式的に示す断面図である。第3図は、従来
公知の情報記録媒体の、プリグルーブ領域における断面
の一部を模式的に示す断面図である。
【0039】第3図において、プラスチックからなる基
板31の表面に色素からなる光吸収層32が形成され、
光吸収層32の上に金属からなる反射層33が形成され
ている。基板31に、プリグルーブ34が形成されてい
る。光吸収層32は、色素をその溶剤に溶解して調製し
た光吸収層形成用溶液をスピンコート法により塗布し乾
燥することによって形成されている。プリグルーブ34
のグルーブ底部36の光吸収層32の膜厚tc は、基板
31のランド部35の光吸収層32の膜厚t5よりも大
きくなっている。その結果、光吸収層32の反射層33
との接触面における溝形状の深さがプリグルーブ34の
深さd3 よりも小さくなり、情報を記録するためにレー
ザ光を照射してプリグルーブ34に記録ピットを形成し
たとき、光吸収層32の溝の上部(基板のランド部に対
応する部分)と底部との位相差が小さくなるために、記
録ピットの変調度が小さくなるという問題があった。こ
の問題を解消するために、グルーブの深さを大きくして
いる。しかし、グルーブの深さを大きくし過ぎるとグル
ーブ部の反射率が低下するという問題が生じる。
【0040】第1図の本発明の情報記録媒体でも、プラ
スチックからなる基板11の表面に色素からなる光吸収
層12が形成され、光吸収層12の上に金属からなる反
射層13が形成されている。基板11には、プリグルー
ブ14が形成されている。光吸収層12は色素を溶剤に
溶解して調製した、前記のように特定の性状を有する光
吸収層形成用溶液を、スピンコート法により塗布し乾燥
することによって形成されたものである。プリグルーブ
14のグルーブ底部16の光吸収層12の光学的膜厚
(nr ・t2 )(但し、nr は光吸収層の屈折率であ
り、t2 はグルーブ底部16の光吸収層12の膜厚であ
る)と、基板11のランド部15の光吸収層12の光学
的膜厚(nr ・t1 )(但し、nr は光吸収層の屈折率
であり、t1はランド部15の光吸収層12の膜厚であ
る)との差は、λ/8以下であるように形成されてい
る。その結果、光吸収層12の反射層13との接触面に
おける溝形状の深さはグルーブ14の深さd1 と同じか
又は光学的膜厚でλ/8以下ほど小さくなっており、光
吸収層12のグルーブ底部とランド部とで位相差が大き
く記録ピットの変調度が大きくなる。更にnr ・t1
r ・t2 との差を上記のようにし、グルーブ14の深
さd1 を小さくすることにより、グルーブ部の反射率が
大きくなる。
【0041】上記のnr ・t1 とnr ・t2 との差はλ
/11以下であることが好ましく、λ/13以下である
ことが更に好ましく、λ/16以下であることがより一
層好ましい。
【0042】また、ミラー部(ランド間の信号が記録さ
れていない領域、あるいはプリピット間の信号記録がさ
れていない領域)の反射率に対するグルーブ底部の反射
率の比率が、70%以上、特に80%以上、更に特に9
0%以上にすることが好ましい。ミラー部の反射率に対
するグルーブ底部の反射率の比率を増大させるために
は、グルーブ部の光路長とランド部の光路長との差を小
さくすればよい。
【0043】第2図の情報記録媒体では、プラスチック
からなる基板21の表面に色素からなる光吸収層22が
形成され、光吸収層22の上に金属からなる反射層23
が形成されている。基板21には、プリピット24が形
成されている。光吸収層22は色素を溶剤に溶解して調
製した、前記のように特定の性状を有する光吸収形成用
溶液をスピンコート法により塗布し乾燥することによっ
て形成されたものである。プリピット24のピット部2
6の光吸収層22の光学的膜厚(nr ・t4 )(但し、
r は光吸収層の屈折率であり、t4 はピット部26の
光吸収層22の膜厚である)と、基板21のピット間部
25の光吸収層22の光学的膜厚(nr・t3 )(但
し、nr は光吸収層の屈折率であり、t3 はピット間部
25の光吸収層22の膜厚である)との差は、λ/8以
下であるように形成されている。その結果、光吸収層2
2の反射層23との接触面における穴形状の深さは、ピ
ット24の深さd2 と同じか又は光学的膜厚でλ/8以
下ほど小さくなっており、光吸収層22のピット部とピ
ット間部とで位相差が大きくピットの変調度が大きくな
っている。その結果、基板のプリピット形成領域に光吸
収層が形成されていても、基板のピットを高い変調度で
再生することが可能となる。
【0044】上記のnr ・t3 とnr ・t4 との差は、
λ/11以下であることが好ましく、λ/13以下であ
ることが更に好ましく、λ/16以下であることがより
一層好ましい。
【0045】本発明の情報記録媒体は、光吸収層の上に
更に反射層が形成されたものであるが、上記のような特
定された関係の光学的膜厚を有する光吸収層の効果は、
反射層が形成されていない情報記録媒体においても同時
に奏される。
【0046】基板にプリグルーブとプリピットとの両方
が形成されている場合は、グルーブの深さd1 はピット
部の深さd2 よりも、光路長(n・d:nは基板の屈折
率で、dは深さ寸法である)で表わしてλ/16以上、
特にλ/14以上、更に特に、λ/12以上小さいこと
が好ましい。
【0047】上記光吸収層の、ランド部及び上記ピット
間部の膜厚は、40〜400nm、特に60〜300n
m、更に特に80〜250nmであることが好ましい。
【0048】本発明の情報記録媒体における特定の光学
的膜厚を有する光吸収層、即ち、プリグルーブ底部の光
吸収層の光学的膜厚とランド部の光吸収層の光学的膜厚
との差がλ/8以下であり、プリピット部の光吸収層の
光学的膜厚とプリピット間部の光吸収層の光学的膜厚と
の差がλ/8以下である光吸収層は、下記の方法によっ
て形成することができる。
【0049】本発明の製造方法において光吸収層の形成
は、前記のような色素を溶剤に溶解して色素溶液を調製
し、次いでこの色素溶液を基板の表面にスピンコート法
により塗布して塗膜を形成した後乾燥することにより行
なう。
【0050】上記の製造方法において使用される色素溶
液は、特定の性状を有するもの、即ち、濃縮限界が99
〜20%である色素溶液である。本明細書において、
「濃縮限界」の用語は、色素溶液の塗布温度において該
色素溶液から該溶剤を蒸発させることにより色素の析出
が始まったときの色素懸濁溶液の体積の、該色素溶液の
元の体積に対する比率を意味するものとして定義され
る。例えば、色素を溶剤に溶解した色素溶液を光吸収層
を形成するための塗布温度に維持して溶剤を蒸発させた
とき、溶剤の蒸発に伴ってその体積が減少し、やがて溶
解していた色素が析出してくるが、色素の析出が始まっ
たときの色素溶液(厳密には色素懸濁溶液である)の体
積が元の色素溶液の体積の90%である色素溶液を、濃
縮限界が90%の色素溶液という。
【0051】従って、色素溶液の濃縮限界(以下、限界
濃度ということがある。)は、色素と溶剤(単一溶剤又
は混合溶剤)との組合せ、溶剤を二種以上の溶剤の組合
せとしたときその種類と比率、色素溶液中の色素の濃
度、塗布温度、等々によって変化する。そのために、特
定の濃縮限界を有する色素溶液を特定の色素について一
律に定めることはできないが、上記のような条件を種々
変えて所望の濃縮限界を有する色素溶液を調製すること
は、当業者が容易になし得ることである。
【0052】上記の色素溶液は、濃縮限界が99〜20
%である色素溶液であるが、濃縮限界が99〜30%、
特に95〜40%、更に特に90〜50%である色素溶
液であることが好ましい。色素溶液の濃縮限界が、上記
範囲よりも大きいと光吸収層の膜厚が全体的に不均一に
なり、また上記範囲よりも小さいとプリグループ底部と
ランド部との光吸収層の光学的膜厚の差及びプリピット
部とプリピット部間との光吸収層の光学的膜厚の差が大
きくなる。
【0053】上記色素溶液を調製するために使用する溶
剤は、色素溶液の濃縮限界を満足するものである限り、
単一の溶剤であってもよく、二種以上の溶剤の混合溶剤
出会ってもよい。上記溶剤が混合溶剤である場合、使用
する色素の良溶剤(好ましくは、色素溶液の塗布温度に
おいて使用する色素を2重量%以上溶解し得る溶剤)
と、使用する色素の貧溶剤(好ましくが、色素溶液の塗
布温度において使用する色素を2重量%以上溶解しない
溶剤)との混合物であることが好ましい。その際に、良
溶剤と貧溶剤とは相溶性であり、塗布温度において貧溶
剤の蒸発速度が良溶剤の蒸発速度よりも大きくないこと
が必要である。一般に貧溶剤の混合割合を増大させるほ
ど濃縮限界は大きくなる。
【0054】上記の溶剤の例は、ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶
剤;ヘキサン、オクタン、ノナン、シクロヘキサンなど
の脂肪族炭化水素系溶剤;酢酸のような有機酸系溶剤;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテルアセテート、セロソルブアセテ
ートなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケ
トンメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン系溶剤;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタ
ン、クロロホルム、メチルクロロホルム、トリクレン四
塩化炭素、テトラクロロエチレンなどハロゲン化炭化水
素系溶剤;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、イソ
プロピルエーテル、ジオキサン、ダイグライムなどのエ
ーテル系溶剤;エタノール、n−プロパノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノールアミルアルコール、ジアセ
トンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール
などのアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミドなどの
アミド系溶剤;2,2,3,3,テトラフロロプロパノ
ールなどのフッ素化アルコール、フッ素置換ケトン、フ
ッ素置換エステル、フッ素置換アミド、フッ素置換エー
テル、フッ素置換芳香族炭化水素、フッ素置換脂肪族炭
化水素などフッ素系溶剤などである。本発明の情報記録
媒体の製造方法において、上記色素溶液が上記濃縮限界
を満足するものである限り特に限定されるものではない
が、その取扱の便宜上及びスピンコート法により基板状
の全体的に均一な膜厚の光吸収層を形成させるために、
上記色素溶液中の上記色素の濃度は0.5〜05重量
%、特に1〜10重量%、更に特に1.5〜8重量%で
あることが好ましい。
【0055】色素溶液中には、さらに酸化防止剤、UV
吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じ
て添加してもよい。
【0056】結合剤を使用する場合において結合剤とし
ては、例えばゼラチン、ニトロセルロース、酢酸セルロ
ース等のセルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴ
ムなどの天然有機高分子物質;及びポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化
水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体などのビニル系
樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル
等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ
オレフィンエポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導
体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹
脂の初期縮合物などの合成有機高分子物質を挙げること
ができる。
【0057】色素溶液をスピンコート法により基板上に
塗布するに際しては、それ自体公知の装置及び方法を使
用して行なうことができる。色素溶液を、一般に0〜1
00℃、特に5〜80℃、更には10〜60℃の温度で
塗布することが好ましい。基板の回転数は、色素溶液を
塗布する際は、一般に10〜1000r.p.m.、特
に100〜500r.p.m.にすることが好ましく、
色素塗膜を乾燥するときは、一般に300〜10000
r.p.m.、特に500〜7000r.p.m.、更
には700〜4000r.p.m.にすることが好まし
い。
【0058】本発明の情報記録媒体の光吸収層の上に
は、さらに反射層が設けられる。反射層の材料の例とし
ては、Be、B、C、Sc、Rb、Sr、As、Os、
Tl、At、Fr、Ra、Mg、Se、Y、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、CrMo、W、Mn、R
e、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、P
t、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、I
n、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi、Sb
などの金属及び半金属を挙げることができる。これらの
中でもC、Au、Zn、Cu、Pt、Al、Ni、In
及びステンレス鋼が特に好ましい。これらの物質は単独
で用いてもよいし、あるいは二種以上の組み合わせでま
たは合金として用いてもよい。
【0059】反射層は、たとえば上記光反射性物質を蒸
着、スパッタリングまたはイオンプレーティングするこ
とにより記録層の上に形成することができる。特に、ス
パッタリングによって反射層を成膜することが好まし
い。反射層の層厚は一般には100〜3000Å、、好
ましくは400〜2000Åの範囲にある。
【0060】反射層として貴金属反射層を設けた場合
は、その上にAlなどの金属密着層又は有機物の密着層
を設けることができる。
【0061】この反射層の上に、情報記録媒体全体、特
に光吸収層及び反射層を物理的及び化学的に保護する目
的で保護層を設けてもよい。また、この保護層は、基板
の光吸収層が設けられていない側においても、耐傷性、
耐湿性を高めるために設けてもよい。
【0062】保護層に用いられる材料の例としては、無
機物質として、SiO、SiO2 、SiN4 、MgF
2 、SnO2 を挙げることができる。また、有機物質と
して、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等
を挙げることができ、好ましくはUV硬化性樹脂であ
る。
【0063】保護層は、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂などを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したの
ち、この塗布液を塗布し、乾燥することによって形成す
ることができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのまま
もしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、
この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させること
によって保護層を形成することができる。UV硬化性樹
脂としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ
(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリレートのオリゴマー類、(メ
タ)アクリル酸エステル等のモノマー類等と光重合開始
剤等との通常のUV硬化性樹脂を使用することができ
る。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止
剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加して
もよい。保護層の材料としてUV硬化性樹脂を用いるこ
とが好ましい。
【0064】保護層の層厚は一般には0.1〜100μ
m、好ましくは0.5〜20μmの範囲にある。
【0065】保護層はまた、たとえばプラスチックの押
出加工で得られたフィルムを接着層を介して反射層の上
にラミネートすることにより形成することができる。あ
るいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により
設けられてもよい。
【0066】本発明の情報記録媒体への情報の記録は、
情報記録媒体を定線速度(好ましくは1.2〜2.8m
/秒、特に好ましくは1.2〜1.4m/秒)にて回転
させながら、基板側からプリグルーブの底部にレーザ光
を照射してグルーブ上にある光吸収層に再生用のピット
を形成して信号を記録することにより行なう。信号とし
てはCDフォーマットのEFM信号を記録することが本
発明の効果を得る上で好ましい。一般に、記録光として
は750〜850nmの範囲の発振波長を有する半導体
レーザービームが用いられる。本発明の情報記録媒体で
は、10mW以下のレーザーパワーで記録することがで
きる。
【0067】レーザによる情報記録後のピットは、基板
及び/又は色素がレーザ光の照射により発熱し、溶融、
蒸発、昇華、変形あるいは変質することにより、基板−
色素間に凸状、波状、凹状等の変化が起こったり、色素
内で変化が起こったり、色素−金属反射層間で変化が起
こったりするなどの形態のものである。
【0068】上記の記録方法により、本発明の情報記録
媒体にCDフォーマット信号などを定線速度で記録を行
なうことにより、信号の変調度、再生C/Nなどについ
て優れた記録再生特性を得ることができ、さらに記録経
時のトラッキング性、特にプッシュプル法によるトラッ
キング性が優れたものとなる。また本発明の情報記録媒
体(光ディスク)は高反射率を有するので、記録された
CDフォーマット信号を市販のCDプレーヤーを用いて
再生することができる。更にROM領域が設けられた本
発明の情報記録媒体の場合は、ROM領域においてもC
D規格を満足する高い変調度の再生信号を得ることがで
きる。
【0069】
【実施例】次に、本発明の実施例及び比較例を記載す
る。ただし、これらの各例は、本発明を制限するもので
はない。
【0070】[実施例1]ほぼ全面にプリグルーブが設
けられた円盤状のポリカーボネート基板(外径:120
mm、内径:15mm、厚さ:1.2mm、トラックピ
ッチ:1.6μm、グルーブの半値幅:0.55μm、
グルーブの深さ:50nm)を用意した。そして、別
に、下記構造式:
【0071】
【化1】
【0072】を有する色素(A)を、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテルに溶解して、色素(A)2.4
重量%含有する色素溶液を調製した。この色素溶液の2
3℃における濃縮限界は70%であった。
【0073】この色素溶液を23℃に維持し、23℃の
上記基板上に上記色素溶液をスピンコート法により基板
回転数200r.p.m.の速度で4秒間塗布した後、
回転数700r.p.m.で30秒間乾燥して光吸収層
を形成した。
【0074】形成された光吸収層の上に、480W、タ
ーゲット−基板距離95mm、ガス圧2Pa、レート2
nm/秒の条件下で、AuをDCスパッタリングして膜
厚が100nmのAuからなる反射層を形成した。
【0075】上記反射層上に、保護層としてUV硬化性
樹脂(商品名:3070、スリーボンド社製)を、スピ
ンコート法により回転数1500r.p.m.の速度で
塗布した後、高圧水銀灯にて紫外線を照射して塗布層を
硬化させ、層厚2μmの保護層を形成した。
【0076】このようにして、基板、色素記録層、反射
層及び保護層からなる情報記録媒体を製造した。
【0077】得られた情報記録媒体について、グルーブ
底部の光吸収層の光学的膜厚、ランド部の光吸収層の光
学的膜厚、ミラー部(=ランド部)の反射率、グルーブ
反射率、記録後グルーブ反射率、及びトラッキングサー
ボゲインを、下記の評価方法により測定した。評価結果
を第1表に記載する。
【0078】[実施例2]実施例1において、プリグル
ーブのグルーブの半値幅が0.45μm、グルーブの深
さが30nmである他は実施例1で使用した基板と同じ
基板を使用し、光吸収層、反射層及び保護層を実施例1
におけると同様にして基板上に順次形成して情報記録媒
体を製造した。得られた情報記録媒体について実施例1
におけると同様にして評価した。評価結果を第1表に記
載する。
【0079】[比較例1]実施例1で使用した基板と同
じ基板を使用し、色素溶液を調製するための溶剤とし
て、プロピレングリコールモノエチルエーテルの代わり
に2.2.3.3−テトラフロロプロパノールを使用し
て色素溶液を調製した、色素(A)を2.3重量%含有
する色素溶液(この色素溶液の23℃における濃縮限界
は20%未満であった)を使用した他は実施例1におけ
ると同様にして光吸収層を形成し、次いで、反射層及び
保護層を実施例1におけると同様にして基板上に順次形
成して情報記録媒体を製造した。得られた情報記録媒体
について実施例1におけると同様にして評価した。評価
結果を第1表に記載する。
【0080】[実施例3]直径46〜80mmの領域に
EFM信号を記録したプリピット(ピットの半値幅:
0.6μm、ピットの深さ:130nm)が形成され、
直径80mm〜118mmの領域にプリグルーブ(トラ
ックピッチ:1.6μm、グルーブの半値幅:0.55
μm、グルーブの深さ:50nm)が形成された円盤状
のポリカーボネート基板(外径:120mm、内径:1
5mm、厚さ:1.2mm)を用意した。上記の基板を
使用し、光吸収層、反射層及び保護層を実施例1におけ
ると同様にして基板上に順次形成して情報記録媒体を製
造した。
【0081】得られた情報記録媒体について、プリピッ
ト形成領域では、ピット部の光吸収層の光学的膜厚、ピ
ット間部の光吸収層の光学的膜厚、及びプリピット部の
11T変調度を下記の評価方法により測定し、プリグル
ーブ形成領域では、実施例1におけると同様にして各項
目に関して評価した。評価結果を第1表に記載する。
【0082】[実施例4]実施例3で使用した基板と同
じ基板を使用し、色素溶液として、下記構造式:
【0083】
【化2】
【0084】を有する色素(B)を、2,2,3,3,
−テトラフロロプロパノールとプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルとの92:8の体積比の混合溶剤に溶
解して調製した色素(B)を2.3重量%含有する色素
溶液(この色素溶液の23℃における濃縮限界は90%
であった)を使用した他は、実施例3におけると同様に
して光吸収層を形成し、次いで、反射層及び保護層を実
施例3におけると同様にして基板上に順次形成して情報
記録媒体を製造した。得られた情報記録媒体について実
施例3におけると同様にして評価した。評価結果を第1
表に記載する。
【0085】[実施例5]実施例3で使用した基板と同
じ基板を使用し、色素溶液として、色素(B)を2,
2,3,3,−テトラフロロプロパノールとブタノール
との70:30の体積比の混合溶剤に溶解して調製し
た、色素(B)を2.3重量%含有する色素溶液(この
色素溶液の23℃における濃縮限界は90%であった)
を使用した他は実施例3におけると同様にして光吸収層
を形成し、次いで、反射層と保護層とを実施例3におけ
ると同様にして基板上に順次形成して情報記録媒体を製
造した。得られた情報記録媒体について実施例3におけ
ると同様にして評価した。評価結果を第1表に記載す
る。
【0086】[実施例6]プリピットのピットの半値幅
が0.5μm、ピットの深さが120nmである他は実
施例3で使用した基板と同じ基板を使用し、光吸収層、
反射層及び保護層を実施例3におけると同様な方法によ
り基板上に順次形成して情報記録媒体を製造した。得ら
れた情報記録媒体について実施例3に記載の方法と同様
にして評価した。評価結果を第1表に記載する。
【0087】[実施例7]プリピットのピットの半値幅
が0.5μm、ピットの深さが90nmである他は実施
例3で使用した基板と同じ基板を使用し、光吸収層、反
射層及び保護層を実施例3におけると同様な方法により
基板上に順次形成して情報記録媒体を製造した。得られ
た情報記録媒体について実施例3におけると同様にして
評価した。評価結果を第1表に記載する。
【0088】[実施例8]実施例3で使用した基板と同
じ基板を使用し、色素溶液として、色素(B)を2,
2,3,3,−テトラフロロプロパノールとイソプロピ
ルエーテルとの90:10の体積比の混合溶剤に溶解し
て調製した、色素(B)を2.3重量%含有する色素溶
液(この色素溶液の23℃における濃縮限界は80%で
あった)を使用した他は実施例3におけると同様にして
光吸収層を形成し、次いで、反射層及び保護層を実施例
3におけると同様にして基板上に順次形成して情報記録
媒体を製造した。得られた情報記録媒体について実施例
3におけると同様にして評価した。評価結果を第1表に
記載する。
【0089】[実施例9]実施例3で使用した基板と同
じ基板を使用し、色素溶液として、色素(B)を2,
2,3,3,−テトラフロロプロパノールとジイソプロ
ピルケトンとの70:30の体積比の混合溶剤に溶解し
て調製した、色素(B)を2.3重量%含有する色素溶
液(この色素溶液の23℃における濃縮限界は65%で
あった)を使用した他は実施例3におけると同様にして
光吸収層を形成し、次いで、反射層及び保護層を実施例
3におけると同様にして基板上に順次形成して情報記録
媒体を製造した。得られた情報記録媒体について実施例
3におけると同様にして評価した。評価結果を第1表に
記載する。
【0090】[実施例10]実施例3で使用した基板と
同じ基板を使用し、色素溶液として、色素(B)を2,
2,3,3,−テトラフロロプロパノールと酢酸との9
0:10の体積比の混合溶剤に溶解して調製した、色素
(B)を2.3重量%含有する色素溶液(この色素溶液
の23℃における濃縮限界は60%であった)を使用し
た他は実施例3におけると同様にして光吸収層を形成
し、次いで、反射層及び保護層を実施例3におけると同
様にして基板上に順次形成して情報記録媒体を製造し
た。得られた情報記録媒体について実施例3におけると
同様にして評価した。評価結果を第1表に記載する。
【0091】[実施例11]実施例3で使用した基板と
同じ基板を使用し、色素溶液として、色素(B)を2,
2,3,3,−テトラフロロプロパノールとエチルセロ
ソルブとの90:10の体積比の混合溶剤に溶解して調
製した、色素(B)を2.3重量%含有する色素溶液
(この色素溶液の23℃における濃縮限界は70%であ
った)を使用した他は実施例3におけると同様にして光
吸収層を形成し、次いで、反射層及び保護層を実施例3
におけると同様にして基板上に順次形成して情報記録媒
体を製造した。得られた情報記録媒体について実施例3
におけると同様にして評価した。評価結果を第1表に記
載する。
【0092】[実施例12]実施例3で使用した基板と
同じ基板を使用し、色素溶液として、色素(B)を2,
2,3,3,−テトラフロロプロパノールとブチルセロ
ソルブとの90:10の体積比の混合溶剤に溶解して調
製した、色素(B)を2.3重量%含有する色素溶液
(この色素溶液の23℃における濃縮限界は70%であ
った)を使用した他は実施例3におけると同様にして光
吸収層を形成し、次いで、反射層及び保護層を実施例3
におけると同様にして基板上に順次形成して情報記録媒
体を製造した。得られた情報記録媒体について実施例3
におけると同様にして評価した。評価結果を第1表に記
載する。
【0093】[実施例13]実施例3で使用した基板と
同じ基板を使用し、色素溶液として、色素(B)を2,
2,3,3,−テトラフロロプロパノールとイソアミル
アルコールとの70:30の体積比の混合溶剤に溶解し
て調製した、色素(B)を2.3重量%含有する色素溶
液(この色素溶液の23℃における濃縮限界は55%で
あった)を使用した他は実施例3におけると同様にして
光吸収層を形成し、次いで、反射層及び保護層を実施例
3におけると同様にして基板上に順次形成して情報記録
媒体を製造した。得られた情報記録媒体について実施例
3におけると同様にして評価した。評価結果を第1表に
記載する。
【0094】[実施例14]色素(B)を、下記構造
式:
【0095】
【化3】
【0096】を有する色素(C)に変えた他は、実施例
4におけると同様にして(色素溶液の23℃における濃
縮限界は90%であった)、情報記録媒体を製造した。
得られた情報記録媒体について実施例3におけると同様
にして評価した。評価結果を第1表に記載する。
【0097】[比較例2]実施例3で使用した基板と同
じ基板を使用し、色素溶液を比較例1で使用した色素溶
液に変えた以外は実施例3におけると同様にして光吸収
層を形成し、次いで、反射層及び保護層を実施例3にお
けると同様にして基板上に順次形成して情報記録媒体を
製造した。得られた情報記録媒体について実施例3にお
けると同様にして評価した。評価結果を第1表に記載す
る。
【0098】[比較例3]実施例3で使用した基板と同
じ基板を使用し、色素溶液として、色素(B)を2,
2,3,3,−テトラフロロプロパノールに溶解して調
製した、色素(B)を2.3重量%含有する色素溶液
(この色素溶液の23℃における濃縮限界は20%未満
であった)を使用した他は実施例3におけると同様にし
て光吸収層を形成し、次いで、反射層及び保護層を実施
例3におけると同様にして基板上に順次形成して情報記
録媒体を製造した。得られた情報記録媒体について実施
例3におけると同様にして評価した。評価結果を第1表
に記載する。
【0099】[比較例4]実施例3で使用した基板と同
じ基板を使用し、色素溶液として、色素(B)を2,
2,3,3,−テトラフロロプロパノールとエタノール
との70:30の体積比の混合溶剤に溶解して調製し
た、色素(B)を2.3重量%含有する色素溶液(この
色素溶液の23℃における濃縮限界は20%未満であっ
た)を使用した他は実施例3におけると同様にして光吸
収層を形成し、次いで、反射層及び保護層を実施例3に
おけると同様にして基板上に順次形成して情報記録媒体
を製造した。得られた情報記録媒体について実施例3に
おけると同様にして評価した。評価結果を第1表に記載
する。
【0100】[情報記録媒体の評価]実施例と比較例で
得られた情報記録媒体をディスク評価装置(NA:0.
5、レーザー波長:780nm)及びEFMエンコーダ
(KEM−WOOD)を用いて、記録する際のレーザー
パワー(記録パワー)を6mW、定線速度:1.3m/
秒にてプリグルーブの底部に記録を行なった。
【0101】1)プリグルーブの底部の光吸収層の光学
的膜厚 光吸収層の絶対膜厚を、断面部の超高分解能電子顕微鏡
(株式会社日立製作所製S900)観察によって測定
し、光吸収層の屈折率を、別に形成した色素薄膜の反射
率、透過率、及び絶対膜厚を測定した結果から求め、こ
れらの絶対膜厚と屈折率とから光学的膜厚を算出した。
【0102】2)ランド部の光吸収層の光学的膜厚 上記1)の方法と同様にして求めた。
【0103】3)ミラー部(基板上に金属反射層のみが
設けられている表面)の反射率 反射率が既知のAl板をリファレンスとして、分光光度
計(株式会社島津製作所製UV130)を使用して測定
した。
【0104】4)プリグルーブ反射率 ミラー部の反射率をリファレンスとして、ディスク評価
装置を使用して測定した。
【0105】5)記録後グルーブ反射率 上記4)の方法と同様にして求めた。
【0106】6)トラッキングサーボゲイン オジレータで外乱を与え、サーボアナライザで測定し、
CDに比較したゲインで表した。
【0107】7)プリピット部の光吸収層の光学的膜厚 上記1)の方法と同様にして求めた。
【0108】8)プリピット部間の光吸収層の光学的膜
厚 上記1)の方法と同様にして求めた。
【0109】9)11T変調度 プリピットとして形成されたEFM信号のCDフォーマ
ット信号のうち記録長11Tの直流再生信号について、
信号記録部分とミラー部(プリピット間の信号が記録さ
れていない領域)の信号強度を測定し、その変調度
(C)を次式により求めた。
【0110】 C = (SH − SL)/SH × 100 (SH:信号の最大強度(ミラー部の信号強度)、S
L:信号の最小強度(プリピット部の信号強度)
【0111】
【表1】
【0112】第1表より明らかなように、本発明の実施
例の情報記録媒体では、プリグルーブ形成領域(情報記
録対象領域)における反射率は、CDプレーヤによる読
取に充分な程度の高いレベルにあり、一方、情報記録部
分の反射率は充分に低くなるため、変調度の高い信号の
読み取りが可能となり、またトラッキングサーボゲイン
(TSG)の低下が少ないため、トラッキングエラーの
発生を充分に抑制できることが分かる。
【0113】これに対して、比較例の情報記録媒体で
は、プリグルーブ形成領域(情報記録対象領域)におけ
る反射率は、CDプレーヤによる読取に充分な程度の高
いレベルにあるが、一方では、情報記録部分の反射率が
充分に低くならないため、読取信号の変調度が低く、信
頼性の高い信号の読取が困難となる。また、トラッキン
グサーボゲイン(TSG)の低下が激しいため、トラッ
キングエラーが多発する心配がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、本発明の情報記録媒体の−実施例の
プリグルーブ領域における断面の一部を模式的に示す断
面図である。
【図2】第2図は、プリピット領域における断面の一部
を模式的に示す断面図である。
【図3】第3図は従来公知の情報記録媒体のプリグルー
ブ領域における断面の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
11、21、31 基板 12、22、32 光吸収層 13、23、33 反射層 14、34 プリグルーブ 24 プリピット 15、35 ランド部 25 プリピット間部 16、36 グルーブ底部 26 プリピット部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリグルーブが形成された円盤状の基板
    上に、レーザ光を照射してピットを形成することにより
    情報の記録が可能な色素を含む光吸収層が設けられ、更
    に該光吸収層上に金属からなる反射層が設けられてなる
    情報記録媒体であって、プリグルーブの深さが5〜60
    nmの範囲内にあり、かつプリグルーブ底部の光吸収層
    の光学的膜厚とプリグルーブ間のランド部の光吸収層の
    光学的膜厚との間の差がλ/8(但し、λは再生用レー
    ザ光の波長)以下であることを特徴とする情報記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 5〜60nmの範囲内にある深さを持つ
    プリグルーブが形成された円盤状の基板上に、色素を溶
    剤に溶解して調製した色素溶液であって、該色素溶液の
    塗布温度において該色素溶液から該溶剤を蒸発させるこ
    とにより色素の析出が始まったときの色素懸濁液の体積
    の該色素溶液の元の体積に対する比率として定義される
    濃縮限界が99〜20%の範囲にある色素溶液をスピン
    コート法により塗布し、乾燥することによって、レーザ
    光による情報の記録が可能で、プリグルーブ底部の光学
    的膜厚とプリグルーブ間のランド部の光学的膜厚との間
    の差がλ/8(但し、λは再生用レーザ光の波長)以下
    である光吸収層を形成し、次いで、該光吸収層上に金属
    からなる反射層を設けることを特徴とする情報記録媒体
    の製造方法。
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