JP3152351B2 - 情報記録媒体 - Google Patents
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Description
とも一方が複数個設けられた、レーザ光による情報の記
録及びは再生が可能な情報記録媒体に関するものであ
る。
ムを用いる情報記録媒体が開発され、実用化されてい
る。この情報記録媒体は光ディスクと称され、ビデオ・
ディスク、オーディオ・ディスク、さらには大容量静止
画像ファイルおよび大容量コンピュータ用ディスク・メ
モリーとして使用され得るものである。これらの情報記
録媒体のうちで、音楽等のオーディオ再生用としてコン
パクトディスク(CD)が広く実用化されている。コンパ
クトディスクは、製造時に基板上に形成されたピット列
からなる情報を再生するためにのみ使用される。すなわ
ち、コンパクトディスクは、適当なプラスチック材料を
成形してスパイラル状にピットを形成し、そしてその表
面に反射層として金属層を形成することにより製造され
る。このように、コンパクトディスクは再生専用の記録
媒体である。
回転させながらレーザビームを照射することにより行な
われる。情報はディスク上のピットの有無による反射光
量の変化を検知して再生される。再生のみのコンパクト
ディスクは、CD規格に基づいて、CDを1.2〜1.4m/秒の定
線速度で回転させながら読み取る(再生する)ように作
られており、信号面内径46mmおよび信号面外径117mmの
範囲内で、トラックピッチ1.6μmにて最大約74分の記
録時間を有することが要求されている。
いる。従って、オーディオ用CDの再生に用いられる市販
のCDプレーヤも広く一般に使用されているので、大量生
産による価格の低下および性能の向上が実現している。
Read After Write)型の情報記録媒体についても開発
され一部実用化されている。このようなDRAW型の情報記
録媒体(光ディスク)は、基本構造として、プラスチッ
ク、ガラス等からなる円盤状の透明基板と、この上に設
けられたBi、Sn、In、Te等の金属または半金属からなる
記録層又は色素からなる記録層とを有する。光ディスク
への情報の記録は、例えば、レーザービームを光ディス
クに照射することにより行なわれ、記録層の照射部分が
その光を吸収して局所的に温度上昇する結果、ピット形
成等の物理的変化あるいは相変化等の化学的変化を生じ
てその光学的特性を変えることにより情報が記録され
る。光ディスクからの情報の読み取り(再生)もまた、
レーザビームを光ディスクに照射することなどにより行
なわれ、記録層の光学的特性の変化に応じた反射光また
は透過光を検出することにより情報が再生される。
ザビームの照射は、通常ディスク表面の所定の位置に行
われる。レーザビームを案内して照射予定位置に正確に
たどる(一般にトラッキングと呼ばれる)ようにするた
め、凹溝のトラッキングガイド(プリグルーブ)が基板
の表面に設けられることが一般的である。
が形成された基板上に色素を含む溶液を塗布し乾燥する
ことによって形成されているが、その場合、グルーブ底
部の色素記録層膜厚はランド部の色素記録層膜厚よりも
厚くなる。そのため、基板のプリグルーブ溝の形状を反
映して形成された色素記録層の表面の溝の深さは、基板
のプリグルーブ溝の深さよりも浅くなり、記録層に情報
を記録してプリグルーブに記録ピットを形成させたと
き、色素記録層の表面の溝の上部(基板のランド部を反
映した部分)と溝の底部との位相差が小さくなるため
に、記録ピットの変調度が小さくなるという問題点があ
る。
色素記録層の表面に形成される溝の深さを相対的に深く
することによって記録ピットの変調度を大きくすること
が考えられるが、その場合は一般に反射率が低下する傾
向にあり、一般のCDプレーヤを用いて再生するために反
射率が不十分になる恐れがある。
素記録層膜厚とがほぼ同じになると、基板のプリグルー
ブの深さを小さくすることができ、これらの問題点を同
時に解決した変調度及び反射率が共に大きい情報記録媒
体になる。
レーザ光の照射によりデータ再生用のピットが形成され
る記録可能領域とを有する情報記録媒体が提案されてい
る(特開平2−42652号公報参照)。この情報記録媒体
においては、色素からなるレーザ吸収層が記録可能領域
にのみ設けられ、プリビットが形成されたROM領域には
色素からなるレーザ吸収層は設けられていない。その理
由は、プリピットが形成された領域に色素からなるレー
ザ吸収層を設けると、プレピット信号の変調度が小さく
なりROM領域の情報を実用的に再生することができなく
なるためである。
を塗布し乾燥することによって形成されるものであり、
プリピット形成領域に色素溶液を塗布すると、前記のプ
リグルーブ形成領域への色素溶液の塗布の場合と同様
に、ピット部(穴部)のレーザ吸収層の膜厚がピット間
部(ピットとピットとの間の部分で、前記ランド部に相
当する)のレーザ吸収層の膜厚よりも大きくなり、その
ために、基板のピット部の形状を反映して形成されたレ
ーザ吸収層の表面の穴の深さは、基板のピットの深さよ
りも浅くなり、ピット部とピット間部との位相差が小さ
くなるために、プリピットの変調度が小さくなるのであ
る。
いるような、プリピット部(ROM領域)に色素層を設け
ず、記録可能領域にのみ色素層を設けた情報記録媒体に
おいては、色素層が設けられた部分と色素層が設けられ
ていない部分との境界部において、境界を再現性よく形
成することが困難であるとか、色素層のエッジ部で膜厚
が不均一になり易いとかの問題があり、円環状の色素層
の偏心が生じ易いなどの問題がある。
に設けた記録可能領域との二つの領域に分かれた情報記
録媒体しか製造することができず、ROM領域の内周側に
も追加して記録可能領域を設けたり、複数個のROM領域
と複数個の記録可能領域とを混在させて設けることは不
可能であった。従って、プログラム等を入れたROM領域
(プリピット)に基づき記録可能領域(グルーブ)に新
たな情報を追記する際には、内周側のプリピットから外
周側のプリグルーブにまでピックアップを大きく移動さ
せる必要があり、アクセス時間を長く必要とした。ま
た、その途中でプリピット部とプリグルーブ部との境界
部に形成される反射率が不連続なギャップを飛び越さな
くてはならなかった。その際に、ギャップ部で反射率の
不連続な大きな変化のためにピックアップのフォーカス
が外れる恐れがあった。そのためにハード側でこのよう
な危険に対処するために新しい制御機構を追加する必要
があった。更に、ギャップが存在することによって情報
記録媒体の記憶容量が減少することになる。このような
フォーマット上の制約に伴なって、例えば、追記可能な
光情報記録媒体において、プリピットによって与えられ
た情報に、後から新たな情報を追加することができる、
CDプレーヤーで使用可能な情報記録媒体を作ることがで
きない等、アプリケーションの利用上数多くの制限があ
った。
色素を含む色素層が形成されており、しかもプリピット
部の変調度が50%以上であって、複数個のプリピット部
及びプリグルーブ部が混在しており、アプリケーション
の利用態様及び分野を著しく拡大させることができる新
規なフォーマットを有する情報記録媒体を提供すること
を目的とする。
存在し、少なくともそれらのうちの一方が互いに分離し
た二以上の領域に分割されて形成されている円盤状の基
板の該プリピット部と該プリグルーブ部との上に、レー
ザ光を照射して情報再生用のピットを形成することによ
り情報の記録が可能な色素を含む塗布型の色素層が設け
られていて、さらに金属反射層が備えられている情報記
録媒体であって、該プリピット部の変調度が50%以上で
あり、該プリピットの深さが60〜300nmの範囲に、そし
て該プリグルーブの深さが5〜70nmの範囲にあって、該
プリピットが、該プリグルーブよりも、光路長で少なく
ともλ/16(但し、λは記録情報再生用レーザ光の波長
である)深く、かつ該プリピット部におけるプリピット
底部の色素層の光学的膜厚とプリピット間部の色素層の
光学的膜厚との差、及び該プリグルーブ部におけるグル
ーブ底部の色素層の光学的膜厚のランド部の色素層の光
学的膜厚との差がいずれもλ/8以下(但し、λは記録情
報再生用レーザ光の波長である)であることを特徴とす
るライトワンス型の情報記録媒体にある。
りである。
ャップが存在しないか又は該基板の半径方向の長さが2.
5mm以下であるギャップ部が設けられていることを特徴
とする上記情報記録媒体。
記録媒体。
mの深さとを有し、該プリグルーブが0.2〜1.4μmの半
値幅と5〜70nmの深さとを有し、該プリピットの深さが
該プリグルーブの深さよりも光路長で表わしてλ/8(但
し、λは再生用レーザ光の波長)以上大きく、且つ、ピ
ット底部における該基板と該色素層との合計の光路長
が、ピット間部における該基板と該色素層との合計の光
路長よりもλ/8(但し、λは再生用レーザ光の波長)以
上長いことを特徴とする上記情報記録媒体。
成されていることを特徴とする上記情報記録媒体。
されていることを特徴とする上記(4)の情報記録媒
体。
の反射率との差が5%以下であることを特徴とする上記
情報記録媒体。
がプリグルーブ部のミラー部の反射率の20%以上である
ことを特徴とする上記情報記録媒体。
上記プリピット部よりも内周側に形成されていることを
特徴とする上記情報記録媒。
が、一人又は二人以上のユーザーに割り当てられている
ことを特徴とする上記情報記録媒体。
が、一個又は二個以上のプログラム及び/又はファンク
ションに割り当てられていることを特徴とする上記情報
記録媒体。
ト部とプリグルーブ部とが混在していることを特徴とす
る上記情報記録媒体。
グによりプリピット部に形成されていることを特徴とす
る上記情報記録媒体。
能領域が、CDフォーマットに準じた記録を追記できる領
域であることを特徴とする上記情報記録媒体。
の領域若しくは最外周の領域に、プリマスタリング又は
追記により記録されていることを特徴とする上記情報記
録媒体。
媒体の最内周の領域若しくは最外周の領域に形成されて
いることを特徴とする上記情報記録媒体。
リアが、プリピット部及びプリグルーブ部と連続した領
域又はプリピット部とプリグルーブ部との間に設けられ
ていることを特徴とする上記情報記録媒体。
3〜107個であることを特徴とする上記情報記録媒体。
情報記録媒体であるので、追記可能なCDコンパチブルの
ディスクであって、アプリケーションの利用態様及び分
野を著しく拡大させることができ、ハードの負担を軽く
することができ、容易に効率高く製造することができる
という顕著に優れた効果を奏するものである。
グルーブ部とが複数個分離して形成されているので、ピ
ックアップのアクセス距離が短かくアクセスタイムの短
縮が計られる;ギャップの管理が不要である;ディスク
作成の際の色素層形成時に、タイトルによって位置が変
わるギャップから正確に塗布するための煩わしい管理が
不要である;ディスク全域に亙って反射率の変化が少な
いのでハードの負担が軽くなる;コピー回数を制限でき
る;記録領域が広くなる;全て連続した光学特性のエリ
ア内で行なえるのでハードの負担が軽くなる;等の効果
を奏する。
ーブ部が形成された円盤状の基板上に、レーザ光を照射
して再生用のピットを形成することにより情報の記録が
可能な色素を含む色素層が設けられており、該プリピッ
ト部の変調度が50%以上であり、該プリピット部及び該
プリグルーブ部の少なくとも一方が二個以上存在する構
成を有している。
ているにもかかわらず、プリピット部の変調部が50%以
上であるので、基板上のプリピット部とプリグルーブ部
との両方に同じ色素層を形成させることが可能であり、
少なくとも一方が複数個であるプリピット部及びプリグ
ルーブ部を混在させて形成した基板を使用して情報記録
媒体を製造することにより、同一情報記録媒体にプリピ
ット部及びプリグルーブ部を混在させることができるの
である。
部を有する情報記録媒体においては、プリピット部には
色素層を設けることが不可能であったので、同一情報記
録媒体にプリピット部及びプリグルーブ部を混在させる
ためには、プリピット部に色素層を形成させることなく
プリグルーブ部にのみ色素層を形成させなくてはなら
ず、一般に色素層は色素を含有する溶液を基板上に塗布
することによって形成されるので、プリグルーブ部が形
成された部分のみに色素層を形成することは、実際上不
可能であったのである。
あるプリピット部及びプリグルーブ部を混在させて形成
した基板に、色素含有溶液を従来公知の塗布方法により
塗布することによって基板の全面に均一な色素層を形成
することによって製造することができるので、従来の情
報記録媒体によっては不可能であった種々のフォーマッ
トを形成させることが可能になったのである。
が、先ず、本発明の情報記録媒体のプリピット部及びプ
リグルーブ部の構成並びにフォーマットの態様につい
て、添付する図面を参照して説明する。
ト部及びプリグルーブ部の構成並びにフォーマットの態
様の実施例を示す概略図であり、第6図は、従来の情報
記録媒体において採り得るプリピット部及びプリグルー
ブ部の構成並びにフォーマットを示す概略図である。
Gはプリグルーブ部を示し、gはギャップを示す。情報
部は情報記録媒体に予め情報が記録された領域を示す。
即ち、情報記録媒体の製造者がプリマスタリングなどに
より情報を記録しておく領域であり、例えば、プログラ
ム・データが記録されている。記録部は情報記録媒体の
製造後に情報記録媒体の製造者又はユーザが情報を追記
できる領域を示す。即ち、情報部で与えられたプログラ
ムに基づき、新たなデータをユーザが書き込んだり、情
報記録媒体の製造者がユーザ番号など各ディスク毎に異
なる情報を記録したりする。情報部の利用方法として、
複数のプログラムを情報部に記録しておき、特定のディ
スク毎に一個又は二個以上のプログラムを使用できるよ
うにプログラム使用許可信号を記録部に記録し、指定し
ないプログラムは使用できないようにプロテクトをかけ
ることもできる。これにより、一種類のマスタリング成
形だけで、数種類のアプリケーション・ディスクを製造
することが可能となる。管理情報部はリードインとも呼
ばれる領域で、情報部の内容を管理する情報[ディレク
トリ情報、時間情報、情報数(例えば、曲数)など]が
記録されている領域や、CD−DAにおける導入部等を示
す。終了部はリードアウトとも呼ばれる領域で、情報領
域の終了を示す。制御部はコピーの禁止、コピーの許可
回数、コピーを許可するユーザー情報、コピーを許可す
るユーザー機械、コピー回数、等などの情報が記録され
ているか又は記録できる領域を示す。Q部はパワー調整
領域及び/又は一次記録領域を示す。また、「内」は情
報記録媒体の中心方向を示し、「外」は情報記録媒体の
外周方向を示す。
らなる情報部とプリグルーブ部からなる記録部とが夫々
一個設けられており、プリピット部とプリグルーブ部と
の間には、一般に数ミリメートル程度のギャップが形成
されている。前記のように、従来の情報記録媒体におい
てはプリピット部には色素層が形成されずプリグルーブ
部にのみ色素層が形成されているので、両者の間に必然
的にギャップが形成される。
ブ部との両方に同じ色素層が形成されているので、両者
の間にギャップは形成されず、プリピット部とプリグル
ーブ部とを、任意の数で、任意の大きさで、任意の場所
に設けることができる。第1図には、本発明の情報記録
媒体におけるプリピット部とプリグルーブ部との構成の
態様の数例を示す。例えば、情報記録媒体1Aには、プリ
ピット部とプリグルーブとが夫々二個交互に形成されて
おり、情報部1、記録部1、情報部2及び記録部2を構
成している。これにより、情報部1及び記録部1をユー
ザ1に、情報部2及び記録部2をユーザ2に割り当てる
といった具合に、領域毎に異なったユーザに割り当てる
ことによりマルチユーザ化を計ることができる。また、
情報部1及び記録部1をプログラム1に、情報部2及び
記録部2をプログラム2に割り当てるといった具合に、
領域毎に異なったプログラムに割り当てることによりマ
ルチプログラム化を計ることもできる。このようにする
ことによって、ピックアップのアクセス時間を短縮でき
る、プログラム管理が容易になる、システム・プログラ
ムが作成し易い等の効果を奏することができる。
ック以上であってよく、両者の合計が情報記録媒体の容
量限界になるまで可能である。従って、プリピット部及
びプリグルーブ部の合計個数が、3〜107個になるまで
プリピット部及びプリグルーブ部を任意の個数で、情報
記録媒体の使用目的、プログラムの内容に応じて適宜設
定することができる。
ギャップを形成しない態様を示しているが、必要に応じ
て任意の大きさのギャップを形成させることもできる。
リピット部とプリグルーブ部との間に、一般に数ミリメ
ートル程度のギャップが形成されている。プリピット部
には色素層がなく基板に直接金属の反射層が設けられて
いるのでその反射率は一般に約92%であり、プリグルー
ブ部には色素層があるのでその反射率は一般に約84%で
あるが、ギャップ部には色素層のエッジ部が存在するの
でその反射率は一般に約16〜84%の範囲で大きく変動し
ている。従って、ピックアップでフォーカスをかけたま
まギャップの部分を横切ろうとしても、反射率の不連続
な大きな変動のためにフォーカスが外れる恐れがあっ
た。そのためにハード側でこのような危険に対処するた
めに新しい制御機構を追加する必要があった。更にギャ
ップが存在することによって情報記録媒体の記憶容量が
減少することになる。
2図に示すように、目的に応じて故意にギャップを設け
た場合でも、プリピット部、ギャップ及びプリグルーブ
部の全てに均一な色素層が形成されているので、全ての
領域の反射率は実質的に同じである。従って、故意にギ
ャップを設けた場合でも、フォーカスをかけたままピッ
クアップを移動させたときフォーカスが外れる恐れがな
い。勿論、前記のように本発明の情報記録媒体において
はギャップを設けないこともでき、従って本発明の情報
記録媒体においては、必要に応じて任意の大きさのギャ
ップを何等の障害もなく自由に設けることができる。
ト部で形成され、管理情報部、情報部及び終了部が設け
られている。これに更に記録部を設けようとすると、情
報記録媒体6Cの構成を採ることになる。しかし6Cの構成
では終了部の外側に記録部が位置するので、通常のCDプ
レーヤではプリピット部の情報しか再生することができ
ない。
リピット部及びプリグルーブ部を任意の位置に任意の個
数形成することができるので、管理情報部及び一般情報
部を任意に設けることができ、外周部に終了部(プリピ
ット部でもプリグルーブ部でもよい)を設けることがで
き、通常のCDプレーヤで再生することが可能である。管
理情報部及び一般情報部の夫々に、任意の数のプリピッ
ト部及びプリグルーブ部が含まれるようにすることがで
きる。
れている。このCDからディジタル−ディジタルコピーす
ると情報の劣化を伴なうことなくコピーすることが可能
である。従って、著作権保護の目的で、コピー機(例え
ば、DAT)において再コピーを許さないような処置がと
られているが、元のCDからは何回もコピーすることがで
き著作権の保護は充分ではない。
リピット部からなる情報が既に記録されているROM部よ
りも内周側及び/又は外周側の通常再生に用いられない
部分にプリグルーブを形成し、そこの制御部を設けるこ
とができる。この制御部には、前記のようなコピーに関
する情報を通常用いない信号(例えば、CDのRSTUVWコー
ド、ウォルブ信号等)で予め記録しておくことができ
る。
ーブ部で形成され、管理情報部、情報部及び終了部が設
けられている。この場合、前もって情報を一部記録して
おこうとしても、一枚ずつ記録機で記録しておかなくて
はならないので、大量複製のために多くの時間を要す
る。
られる。従来の情報記録媒体にQ部を設ける場合には、
第6図の情報記録媒体6F及び6Gの態様しかとることがで
きない。情報記録媒体6Fの構成では、ギャップの幅が拡
がり、ピックアップをアクセスする際にパワー調整時に
記録した不適正な記録法による記録部を通過する必要が
あり、ハード上好ましくなく、記録領域が減少するとい
う問題点がある。また、情報記録媒体6Gの構成では、外
周部は情報記録媒体のハンドリング中に汚れ易く、最外
周部は基板の複屈折が大きく色素層の成膜が不均一にな
り易い等のために、パワー調整のためには非常に問題で
ある。
ることができるので、パワー調整その他の情報を記録し
ても上記のような問題は全く生じない。
について種々多様な構成の展開が考えられるにもかかわ
らず、従来の情報記録媒体ではそれを実用的に可能にす
ることができないか、又はできたとしても極めて複雑に
なるか若しくは不安定なものしかできなかった。しかし
ながら、本発明の情報記録媒体では広い範囲の種々の展
開が容易に可能になった。第1〜5図に示した態様はそ
の例示であって、これら以外の構成を自由に採ることが
できることは勿論のことである。
グルーブ部以外の構造及びその製造方法について詳細に
説明する。
録媒体Aと言う)は、プリピット部及びプリグルーブが
形成された円盤状の基板上に、レーザ光を照射して再生
用のピットを形成することにより情報の記録が可能な色
素を含む色素層(光吸収層ということもある)が設けら
れてなる情報記録媒体であって、ピット部の光吸収層の
光学的膜厚とピット間部の光吸収層の光学的膜厚との差
がλ/8(但し、λは再生用レーザ光の波長)以下であ
り、グルーブ底部の光吸収層の光学的膜厚とランド部の
光吸収層の光学的膜厚との差がλ/8(但し、λは再生用
レーザ光の波長)以下であることを特徴とする情報記録
媒体である。
層が形成されているが、反射層の上に更に保護層が形成
されていてもよい。
は、従来の情報記録媒体の基板として用いられている各
種の材料から任意に選択することができる。基板の光学
的特性、平面性、加工性、取扱い性、経時安定性および
製造コストなどの点から、基板材料の例としては、ガラ
ス、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹
脂;エポキシ樹脂;ポリカーボネート樹脂;アモルファ
スポリオレフィンおよびポリエステルを挙げることがで
きる。好ましくは、ポリカーボネート、ポリオレフィ
ン、ガラスおよびポリメチルメタクリレートを挙げるこ
とができる。
善、接着力の向上、基板の耐溶剤性の改善および記録層
の変質の防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。下
塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレー
ト、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無
水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メ
チロールアクリルアミド、スチレン・スルホン酸共重合
体、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホ
ン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミ
ド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
カーボネート、エポキシ樹脂等の高分子物質;シランカ
ップリング剤、チタネート系カップリング剤などの有機
物質;および無機誘電体(SiO2、ZnS、AlN、Si3N
4等)、無機フッ化物(MgF2)などの無機物質を挙げる
ことができる。
分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコ
ート、ディップコート、エクストルージョンコートなど
の塗布法により基板表面に塗布することにより形成する
ことができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの
範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
塗層表面)に、記録又は再生時のトラッキングを良好に
行なうために、前記のようなプリピット部及びプリグル
ーブ(トラッキング用溝)部が形成されている。
のd2)が60〜300nmの範囲にあり且つピットの半値幅
(ピットの深さの1/2の深さにおけるピットの幅)が0.2
〜1.4μmであるものが好ましく、ピットの深さが70〜2
50nmの範囲にあり且つピットの半値幅が0.3〜1.0μmで
あるものが更に好ましく、ピットの深さが90〜200nmの
範囲にかつ且つピットの半値幅が0.4〜0.7μmであるも
のが最も好ましい。
7図のd1)が5〜70nmの範囲にあり且つグルーブの半値
幅(グルーブの深さの1/2の深さにおけるグルーブの
幅)が0.2〜1.4μmであるものが好ましく、グルーブの
深さが15〜60nmの範囲にあり且つグルーブの半値幅が0.
3〜0.7μmであるものが更に好ましく、グルーブの深さ
が20〜50nmの範囲にあり且つグルーブの半値幅が0.35〜
0.6μmであるものが最も好ましい。アドレッシング、
或は線速制御用にグルーブをウォブリングさせても良
い。
も光路長で表わしてλ/16(但し、λは再生用レーザ光
の波長であって、以下の記載において同じである)以上
短いことが好ましく、λ/14以上短いことが更に好まし
く、λ/12以上短いことが特に好ましい。その理由は、
プリグルーブの深さを、変調度が充分大きくなるプリピ
ットの深さと同じように大きくすると、プリグルーブの
反射率が低くなり過ぎるからである。
押出成形などにより基板表面に上記プリピットとプリグ
ルーブとを直接設けてもよい。また、基板の表面上に、
上記プリピットとプリグルーブとを形成するためのプリ
グルーブ層を設けてもよい。
ステル、ジエステル、トリエステルおよびテトラエステ
ルのうちの少なくとも一種のモノマー(またはオリゴマ
ー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。
(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよび重
合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層
上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線
の照射により液層を硬化させて基板と液相とを固着させ
る。次いで、基板を母型から剥離することによりプリグ
ルーブ層の設けられた基板が得られる。プリグルーブ層
の層厚は一般に0.1〜100μmの範囲にあり、好ましくは
0.1〜50μmの範囲である。
プリグルーブ層)上に、前記下塗層を形成する材料と同
様の材料を使用して、光吸収層を形成するための塗布液
中の溶剤から保護するための耐溶剤層を設けてもよい。
設けられている。基板側からレーザ光を照射して光吸収
層に再生用のピットを形成することにより、光吸収層に
情報を記録する。従って、基板のプリグルーブが形成さ
れた領域の光吸収層は、記録層として機能する。
のではなく、どのようなものでも良い。例えば、シアニ
ン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系
色素、ピリリウム系色素、チオピリリウム系色素、アズ
レニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni,Crなどの
金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン
系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色
素、トリフェニルメタン系色素、トリアリルメタン系色
素、アミニウム系色素、ジインモニウム系色素、ニトロ
ソ系色素、ロイコ系色素、クロコニウム系色素、等々の
色素を挙げることができる。
リライタブル(RW)型(又は可逆型)のものであっても
よい。
赤外光を発振する半導体レーザーの利用が実用化されて
いる点から、700〜900nmの近赤外領域の光に対する吸収
率が高い色素が好ましい。
ワリリウム系色素が好ましく、シアニン系色素の中で
も、ナフトインドレニン系色素及びイミダゾキノキサリ
ン系色素が好ましい。
して用いてもよい。また、シアニン系色素を用いる場合
に、上記金属錯塩系色素またはアミニウム系色素又はジ
インモニウム系色素をクエンチャーとして一緒に用いる
ことが好ましい。その場合、クエンチャーとして金属錯
塩系色素などを全色素1モルに対して0.001〜0.3モルの
割合で含むことが好ましい。
の光学的膜厚とランド部の光学部膜厚との差が、λ/8以
下であり、また、光吸収層のピット部の光学的膜厚とピ
ット間部の光学的膜厚との差が、λ/8以下であることを
特徴とする。
て、添付する図面を参照して詳細に説明する。
ブ領域における断面の一部を模式的に示す断面図であ
る。第8図は、情報記録媒体Aの一実施例の、プリピッ
ト領域における断面の一部を模式的に示す断面図であ
る。第9図は、従来公知の情報記録媒体の、プリグルー
ブ領域における断面の一部を模式的に示す断面図であ
る。
に色素からなる光吸収層32が形成され、光吸収層32の上
に金属からなる反射層33が形成されている。基板31に
は、プリグルーブ34が形成されている。光吸収層32は色
素をその溶剤に溶解して調製した光吸収層形成用溶液を
スピンコート法により塗布し乾燥することによって形成
されたものである。プリグルーブ34のグルーブ底部36の
光吸収層32の膜厚t6は、基板31のランド部35の光吸収層
32の膜厚t5よりも大きくなっている。その結果、光吸収
層32の反射層33との接触面における溝形状の深さがグル
ーブ34の深さd3よりも小さくなり、情報を記録するため
にレーザ光を照射してプリグルーブ34に記録ピットを形
成したとき、光吸収層32の溝の上部(基板のランド部に
対応する部分)と底部との位相差が小さくなるために、
記録ピットの変調度が小さくなるという問題があった。
この問題を解消するために、グルーブの深さを大きくし
ている。しかし、グルーブの深さを大きくし過ぎるとグ
ルーブ部の反射率が低下するという問題が生じる。
に色素からなる光吸収層12が形成され、光吸収層12の上
に金属からなる反射層13が形成されている。基板11に
は、プリグルーブ14が形成されている。光吸収層12は色
素を溶剤に溶解して調製した前記のように特定の性状を
有する光吸収層形成用溶液を、スピンコート法により塗
布し乾燥することによって形成されたものである。プリ
グルーブ14のグルーブ底部16の光吸収層12の光学的膜厚
(nr・t2)(但し、nrは光吸収層の屈折率であり、t2は
グルーブ底部16の光吸収層12の膜厚である)と、基板11
のランド部15の光吸収層12の光学的膜厚(nr・t2)(但
し、nrは光吸収層の屈折率であり、t1はランド部15の光
吸収層12の膜厚である)との差は、ときλ/8以下である
ように形成されている。その結果、光吸収層12の反射層
13との接触面における溝形状の深さはグルーブ14の深さ
d1と同じか又は光学的膜厚でλ/8以下ほど小さくなって
おり、光吸収層12のグルーブ部とランド部とで位相差が
大きく記録ピットの変調度が大きいものである。更にnr
・t1とnr・t2との差を上記のようにすることにより、グ
ルーブ14の深さd1を小さくすることが可能となりグルー
ブ部の反射率が大きくなる。
とが好ましく、λ/13以下であることが更に好ましく、
λ/16以下であることがより一層好ましい。
率の比率が、70%以上、特に80%以上、更に特に90%以
上にすることが好ましい。ミラー部の反射率に対するグ
ルーブ底部の反射率の比率を増大させるためには、グル
ーブ部の光路長とランド部の光路長との差を小さくすれ
ばよい。
に色素からなる光吸収層22が形成され、光吸収層22の上
に金属からなる反射層23が形成されている。基板21に
は、プリピット24が形成されている。光吸収層22は色素
を溶剤に溶解して調製した前記のように特定の性状を有
する光吸収層形成用溶液を、スピンコート法により塗布
し乾燥することによって形成されたものである。プリピ
ット24のピット部26の光吸収層22の光学的膜厚(nr・
t4)(但し、nrは光吸収層の屈折率であり、t4はピット
部26の光吸収層22の膜厚である)と、基板21のピット間
部25の光吸収層22の光学的膜厚(nr・t3)(但し、nrは
光吸収層の屈折率であり、t3はピット間部25の光吸収層
22の膜厚である)との差は、λ/8以下であるように形成
されている。その結果、光吸収層22の反射層23との接触
面における穴形状の深さはピット24の深さd2と同じか又
は光学的膜厚でλ/8以下ほど小さくなっており、光吸収
層22のピット部とピット間部とで位相差が大きくピット
の変調度が大きいものである。その結果、基板のピット
形成領域に光吸収層が形成されていても、基板のピット
を高い変調度で再生することが可能となる。
とが好ましく、λ/13以下であることが更に好ましく、
λ/16以下であることがより一層好ましい。
(n・d:nは基板の屈折率で、dは深さ寸法である)で
表わしてλ/16以上、特にλ/14以上、更に特にλ/12以
上小さいことが好ましい。
膜厚は、40〜400nm、特に60〜300nm、更に特に80〜250n
mであることが好ましい。
吸収層、即ち、グルーブ底部の光吸収層の光学的膜厚と
ランド部の光吸収層の光学的膜厚との差がλ/8以下であ
り、ピット部の光吸収層の光学的膜厚とピット間部の光
吸収層の光学的膜厚との差がλ/8以下である光吸収層
は、下記の情報記録媒体Aの製造方法によって形成する
ことができる。
が形成された円盤状の基板上に、色素を溶剤に溶解して
調製した色素溶液であって、該色素溶液の塗布温度にお
いて該色素溶液から該溶剤を蒸発させることにより色素
の析出が始まったときの色素懸濁溶液の体積の、該色素
溶液の元の体積に対する比率として定義される濃縮限界
が99〜20%である色素溶液を、スピンコート法により塗
布し乾燥することによって、ピット部の光学的膜厚とピ
ット間部の光学的膜厚との差がλ/8(但し、λは再生用
レーザ光の波長)以下であり、グルーブ底部の光学的膜
厚とランド部の光学的膜厚との差がλ/(但し、λは再
生用レーザ光の波長)以下である。レーザ光を照射して
再生用のピットを形成することにより情報の記録が可能
な光吸収層を、該基板のプリピット部及びプリグルーブ
部が形成された面上に形成することを特徴とする情報記
録媒体Aの製造方法によって製造できる。
は、前記のような色素を溶剤に溶解して色素溶液を調製
し、次いでこの色素溶液を基板の表面にスピンコート法
により塗布して塗膜を形成した後乾燥することにより行
なう。
色素溶液は、特定の性状を有するもの、即ち、濃縮限界
が99〜20%である色素溶液である。本明細書において、
[濃縮限界」の用語は、色素溶液の塗布温度において該
色素溶液から該溶剤を蒸発させることにより色素の析出
が始まったときの色素懸濁溶液の体積の、該色素溶液の
元の体積に対する比率と意味するものとして定義され
る。例えば、色素を溶剤に溶解した色素溶液を光吸収層
を形成するための塗布温度に維持して溶剤を蒸発させた
とき、溶剤の蒸発に伴なってその体積が減少し、やがて
溶解していた色素が析出してくるが、色素の析出が始ま
ったときの色素溶液)厳密には色素懸濁溶液である)の
体積が、元の色素溶液の体積の90%である色素溶液を、
濃縮限界が90%の色素溶液という。
ことがある)は、色素と溶剤(単一溶剤又は混合溶剤)
との組合せ、溶剤を二種以上の溶剤の組合せとしたとき
その種類と比率、色素溶液中の色素の濃度、塗布温度、
等々によって変化する。そのために、特定の濃縮限界を
有する色素溶液を特定の色素について一律に定めること
はできないが、上記のような条件を種々変えて所望の濃
縮限界を有する色素溶液を調製することは、当業者が容
易になし得ることである。
は、濃縮限界が99〜20%である色素溶液であるが、濃縮
限界が99〜30%、特に95〜40%、更に特に90〜50%であ
り色素溶液であることが好ましい。色素溶液の濃縮限界
が、上記範囲よりも大きいと光吸収層の膜厚が全体的に
不均一になり、また上記範囲よりも小さいとグルーブ底
部とランド部との光吸収層の光学的膜厚の差及びピット
部とピット間部との光吸収層の光学的膜厚の差が大きく
なる。
溶液の濃縮限界を満足するものである限り、単一の溶剤
であってもよく、二種以上の溶剤の混合溶剤であっても
よい。上記溶剤が混合溶剤である場合、使用する色素の
良溶剤(好ましくは、色素溶液の塗布温度において使用
する色素を2重量%以上溶解し得る溶剤)と、使用する
色素の貧溶剤(好ましくは、色素溶液の塗布温度におい
て使用する色素を2重量%以上溶解しない溶剤)との混
合物であることが好ましい。その際に、該良溶剤と該貧
溶剤とは相溶性であり、上記塗布温度において該貧溶剤
の蒸発速度が該良溶剤の蒸発速度よりも大きくないこと
が必要である。一般に該貧溶剤の混合割合を増大させる
ほど濃縮限界は大きくなる。
ン、エチルベンゼンなどのような芳香族炭化水素系溶
剤;ヘキサン、オクタン、ノナン、シクロヘキサンなど
のような脂肪族炭化水素系溶剤;酢酸のような有機酸系
溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、エチレン
グリコールモノエチルエーテルアセテート、セロソルブ
アセテートなどのようなエステル系溶剤;アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノンなどのようなケトン系溶剤;ジクロルメタン、
1,2−ジクロルエタン、クロロホルム、メチルクロロホ
ルム、トリクレン、四塩化炭素、テトラクロロエチレン
などのようなハロゲン化炭化水素系溶剤;テトラヒドロ
フラン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオ
キサン、ダイグライムなどのようなエーテル系溶剤;エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、アミルアルコール、ジアセトンアルコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのような
アルコール系溶剤;ジメチルホルムアミドのようなアミ
ド系溶剤;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのよ
うなフッ素化アルコール、フッ素置換ケトン、フッ素置
換エステル、フッ素置換アミド、フッ素置換エーテル、
フッ素置換芳香族炭化水素、フッ素置換脂肪族炭化水素
などのようなフッ素系溶剤などを挙げることができる。
情報記録媒体Aの製造方法において、上記色素溶液が上
記濃縮限界を満足するものである限り特に限定されるも
のではないが、その取扱いの便宜上及びスピンコート法
により基板状の全体的に均一な膜厚の光吸収層を形成さ
せるために、上記色素溶液中の上記色素の濃度は0.5〜1
5重量%、特に1〜10重量%、更に特に1.5〜8重量%で
あることが好ましい。
可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加し
てもよい。
チン、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロー
ス誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機
高分子物質;及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポ
リ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル
酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、
ポリビニルアルコール、塩素化ポリオレフィン、エポキ
シ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物など
の合成有機高分子物質を挙げることができる。
るに際しては、それ自体公知の装置及び方法を使用して
行なうことができる。上記色素溶液を、一般に0〜100
℃、特に5〜80℃、更に特に10〜60℃の温度で塗布する
ことが好ましい。基板の回転数は、色素溶液を塗布する
ときは、一般に10〜1000r.p.m.、特に100〜500r.p.m.に
することが好ましく、色素塗膜を乾燥するときは、一般
に300〜10000r.p.m.、特に500〜7000r.p.m.、更に特に7
00〜4000r.p.m.にすることが好ましい。
られていてもよい。
s、Os、Tl、At、Fr、Ra、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、R
h、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、S
i、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi、Sbなどの金属及び半金属
を挙げることができる。これらの中でもC、Au、Zn、C
u、Pt、Al、Ni、In及びステンレス鋼が特に好ましい。
これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以
上の組合せでまたは合金として用いてもよい。
タリングまたはイオンプレーティングすることにより記
録層の上に形成することができる。特に、スパッタリン
グによって反射層を成膜することが好ましい。反射層の
層厚は一般には100〜3000Å、好ましくは400〜2000Åの
範囲にある。
Alなどの金属密着層又は有機物の密着層を設けることが
できる。
光吸収層及び反射層を物理的及び化学的に保護する目的
で保護層を設けてもよい。また、保護層は、基板の光吸
収層が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高める
ために設けてもよい。
ては、SiO、SiO2、Si3N4、MgF2、SnO2等を挙げることが
できる。また、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げることができ、好まし
くはUV硬化性樹脂である。
適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布
液を塗布し、乾燥することによって形成することができ
る。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な
溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布
し、UV光を照射して硬化させることによって保護層を形
成することができる。UV硬化性樹脂としては、ウレタン
(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレー
ト、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)ア
クリレートのオリゴマー類、(メタ)アクリル酸エステ
ル等のモノマー類等と光重合開始等との通常のUV硬化性
樹脂を使用することができる。これらの塗布液中には、
更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤
を目的に応じて添加してもよい。保護層の材料としてUV
硬化性樹脂を用いることが好ましい。
5〜20μmの範囲にある。
出加工で得られたフィルムを接着層を介して色素層また
は反射層の上にラミネートすることにより形成すること
ができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等
の方法により設けられてもよい。
線速度(好ましくは1.2〜2.8m/秒、好ましくは1.2〜1.4
m/秒)にて回転させながら、基板側から該プリグルーブ
の底部にレーザー光を照射してグルーブ上にある光吸収
層に再生用のピットを形成して信号を記録することによ
り行なう。信号としてはCDフォーマットのEFM信号を記
録することが本発明の効果を得る上で好ましい。一般
に、記録光としては750〜850nmの範囲の発振波長を有す
る半導体レーザービームが用いられる。本発明の情報記
録媒体では、10mW以下のレーザーパワーで記録すること
ができる。
ザ光の照射により発熱し、溶融、蒸発、昇華、変形或る
いは変質することにより、基板−色素間に凸状、波状、
凹状等の変化が起こったり、色素内で変化が起こった
り、色素−金属反射層間で変化が起こったりするなどの
形態のものである。
ト信号などを定線速度で記録を行うことにより、信号の
変調度、再生C/Nなどの優れた記録再生特性を得ること
ができ、さらに記録時のトラッキング性、特にプッシュ
プル法によるトラッキング性が優れたものとなる。また
情報記録媒体Aは高反射率を有するので、プリピット部
の信号及びプリグルーブ部に記録されたCDフォーマット
信号を市販のCDプレーヤーを用いて再生することができ
る。
し、これらの各例は本発明を制限するものではない。
に、EFM信号を記録したプリピット部(半値幅:0.6μ
m、深さ:120nm)が形成され、直径42mm〜46mmの領域、
及び直径70mm〜116mmの領域に、プリグルーブ部(半値
幅:0.45μm、深さ:45nm)が形成された円盤状のポリカ
ーボネート基板(外径:120mm、内径:15mm、厚さ:1.2m
m)を用意した。
ルエーテルに溶解して、色素(A)を2.4重量%含有す
る色素溶液を調製した。この色素溶液の23℃における濃
縮限界は80%であった。
記色素溶液をスピンコート法により基板回転数200r.p.
m.の速度で4秒間塗布した後、回転数700r.p.m.で30秒
間乾燥して色素層を形成した。ピット底部の光学的膜厚
は360nmでありピット間部の光学的膜厚は320nmであっ
た。
離95mm、ガス圧2Pa、レート2nm/秒の条件下で、AuをDC
スパッタリングして膜厚が100nmのAuからなる反射層を
形成した。
名:3070、スリーボンド社製)をスピンコート法により
回転数1500r.p.m.の速度で塗布した後、高圧水銀灯にて
紫外線を照射して硬化させ、層厚2μmの保護層を形成
した。
層からなる情報記録媒体を製造した。
り測定したプリピット部の変調度は68%であり反射率は
84%であり、プリグルーブ部の変調度は64%であった。
より再生読み出しが可能な信号が得られた。
(NA:0.5、レーザー波長:780nm)及びEFMエンコーダ(K
EN−WOOD)を用いて、記録する際のレーザーパワー(記
録パワー)を6mW、定線速度:1.3m/秒にてプレグルーブ
の底部に記録を行なった。
(株式会社日立製作所製S900)観察によって測定した。
の直流再生信号について、信号部分の信号強度を測定
し、その変調度(C)を次式により求めた。
比較して較正した。
おけると同様の方法で測定した。
リピット部が形成され、直径70mm〜116mmの領域に、実
施例1におけると同じプリグルーブ部が形成された他
は、実施例1におけると同じ円盤状のポリカーボネート
基板を使用した他は、実施例1におけると同様にして、
情報記録媒体を製造した。
射率、並びにプリグルーブ部の変調度は実施例1で得ら
れた情報記録媒体と同じであった。
機械により再生読み出しが可能な信号が得られた。
リピット部が形成され、直径46mm〜50mmの領域(直径70
mm〜118mmの領域の管理情報を追記するための領域)及
び直径70mm〜118mmの領域に、実施例1におけると同じ
プリグルーブ部が形成された他は、実施例1におけると
同じ円盤状のポリカーボネート基板を使用した他は、実
施例1におけると同様にして、情報記録媒体を製造し
た。
射率、並びにプリグルーブ部の変調度は実施例1で得ら
れた情報記録媒体と同じであった。
機械により再生読み出しが可能な信号が得られた。
プリピット部が形成され、直径44mm〜46mmの領域に、実
施例1におけると同じプリグルーブ部が形成された他
は、実施例1におけると同じ円盤状のポリカーボネート
基板を使用した他は、実施例1におけると同様にして、
情報記録媒体(a)を製造した。
と同じプリグルーブ部が形成された他は、実施例1にお
けると同じ円盤状のポリカーボネート基板を使用した他
は、実施例1におけると同様にして、情報記録媒体
(b)を製造した。
部の変調度及び反射率、並びにプリグルーブ部の変調度
は実施例1で得られた情報記録媒体と同じであった。
機械により再生読み出しが可能な信号が得られた。
を、ディジタル−ディジタルでコピーできる再生機・記
録機を用いて、情報記録媒体(b)のプリグルーブ部に
コピーした。情報記録媒体(a)を再生する際に、ディ
ジタル−ディジタルでコピーできるようにシステムを組
んだ。コピー許可を得たらその後直径45nmの部分に3T信
号を記録し、その後、コピーが始まるようにした。従っ
て、次にコピーしようとしても情報記録媒体(a)から
はコピーができないようになった。
リグルーブ部の構成並びにフォーマットの態様の一実施
例を示す概略図である。 第2〜5図は、本発明の情報記録媒体のプリピット部及
びプリグルーブ部の構成並びにフォーマットの態様の他
の実施例を示す概略図である。 第6図は、従来の情報記録媒体において採り得るプリピ
ット部及びプリグルーブ部の構成並びにフォーマットの
態様の他の実施例を示す概略図である。 第7図は、本発明の情報記録媒体Aの一実施例のプリグ
ルーブ領域における断面の一部を模式的に示す断面図で
ある。 第8図は、本発明の情報記録媒体Aの一実施例のプリピ
ット領域における断面の一部を模式的に示す断面図であ
る。 第9図は、従来公知の情報記録媒体のプリグルーブ領域
における断面の一部を模式的に示す断面図である。 11、21、31:基板、 12、22、32:色素層、 13、23、33:反射層、 14、34:プリグルーブ、 24:プリピット、 15、35:ランド部、 25:ピット間部、 16、36:グルーブ底部、 26:ピット部。
Claims (4)
- 【請求項1】プリピット部とプリグルーブ部との双方が
存在し、少なくともそれらのうちの一方が互いに分離し
た二以上の領域に分割されて形成されている円盤状の基
板の該プリピット部と該プリグルーブ部との上に、レー
ザ光を照射して情報再生用のピットを形成することによ
り情報の記録が可能な色素を含む塗布型の色素層が設け
られていて、さらに金属反射層が備えられている情報記
録媒体であって、該プリピット部の変調度が50%以上で
あり、該プリピットの深さが60〜300nmの範囲に、そし
て該プリグルーブの深さが5〜70nmの範囲にあって、該
プリピットが、該プリグルーブよりも、光路長で少なく
ともλ/16(但し、λは記録情報再生用レーザ光の波長
である)深く、かつ該プリピット部におけるプリピット
底部の色素層の光学的膜厚とプリピット間部の色素層の
光学的膜厚との差、及び該プリグルーブ部におけるグル
ーブ底部の色素層の光学的膜厚とランド部の色素層の光
学的膜厚との差がいずれもλ/8以下(但し、λは記録情
報再生用レーザ光の波長である)であることを特徴とす
るライトワンス型の情報記録媒体。 - 【請求項2】プリピットが、プリグルーブよりも、光路
長で少なくともλ/12(但し、λは記録情報再生用レー
ザ光の波長である)深いことを特徴とする請求項1に記
載の情報記録媒体。 - 【請求項3】プリピット部におけるプリピット底部の色
素層の光学的膜厚とピット間部の色素層の光学的膜厚と
の差、及びプリグルーブ部におけるグルーブ底部の色素
層の光学的膜厚とランド部の色素層の光学的膜厚との差
がいずれもλ/16以下(但し、λは記録情報再生用レー
ザ光の波長である)であることを特徴とする請求項1も
しくは2に記載の情報記録媒体。 - 【請求項4】プリグルーブ部が、互いに分離した二以上
の領域に分割されていて、そのうちの一の領域がプリピ
ット部よりも内周側に形成されていることを特徴とする
請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載の情報記録
媒体。
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