JP2514846B2 - 光情報記録方法及び情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録方法及び情報記録媒体

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、高エネルギー密度のレーザビームを用いて
色素を含む色素含有層及び反射層を有する情報記録媒体
に高い変調度の記録情報が得られるように光情報を記録
する方法、及び上記のようにして光情報を記録した情報
記録媒体に関する。
[発明の技術的背景] 近年において、レーザ光等の高エネルギー密度のビー
ムを用いる情報記録媒体が開発され、実用化されてい
る。この情報記録媒体は光ディスクと称され、ビデオ・
ディスク、オーディオ・ディスク、さらには大容量静止
画像ファイルおよび大容量コンピュータ用ディスク・メ
モリなどとして使用されている。
光ディスクは基本構造として、ガラス、合成樹脂など
からなる円盤状の基板と、この上に設けられたBi、Sn、
In、Te等の金属または半金属;またはシアニン系、金属
錯体系、キノン系等の色素からなる記録層とを有する。
なお、記録層が設けられる側の基板表面には通常、基板
の平面性の改善、記録層との接着力の向上あるいは光デ
ィスクの感度の向上などの点から、高分子物質からなる
中間層が設けられることが多い。
また、情報記録媒体の耐久性を向上させる目的で、記
録層上に保護層を設けたり、あるいはディスク構造とし
て、二枚の円盤状基板のうちの少なくとも一枚の基板上
に記録層を設け、この二枚の基板を、記録層が内側に位
置し、かつ空間を形成するようにリング状内側スペーサ
とリング状外側スペーサとを介して接合してなるエアー
サンドイッチ構造が提案されている。このような保護層
が設けられた光ディスクやエアーサンドイッチ構造を有
する光ディスクでは、記録層は直接外気に接することが
なく、情報の記録、再生は基板を透過するレーザ光で行
なわれるために、記録層が物理的または化学的な損傷を
受けたり、あるいはその表面に塵埃が付着して情報の記
録、再生の障害となることがないとの利点がある。
そして、光ディスクへの情報の記録および光ディスク
からの情報の再生は通常下記の方法により行なわれる。
情報の記録はレーザビームをこの光ディスクに照射す
ることにより行なわれ、記録層の照射部分がその光を吸
収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的な変
化(たとえば、ピットの生成)が生じてその光学的特性
を変えることにより情報が記録される。情報の再生もま
た、レーザビームを光ディスクに照射することにより行
なわれ、記録層の光学的特性の変化に応じた反射光また
は透過光を検出することにより情報が再生される。
このような情報記録媒体の記録層を形成する記録材料
として上記のように金属類や色素等が知られている。色
素を用いた情報記録媒体は、金属等の記録材料に比べて
高感度であるなど記録媒体自体の特性において長所を有
する他に、記録層を塗布法により簡単に形成することが
できるという製造上の大きな利点を有している。しかし
ながら、色素からなう記録層は、一般に反射率が低い、
あるいは高いC/Nが得られ難いとの欠点がある。
色素を含む記録層(以下、色素記録層と言うこともあ
る)への情報の記録は、レーザ光を照射することにより
色素記録層にピットを形成することにより行なわれる。
色素記録層がレーザ光を吸収し、それにより色素が融解
するのに伴なってプラスチック製の基板が加熱され、該
基板は色素記録層側に肉盛り変形しピットが形成される
ことが知られている。
しかしながら、このような状態で記録された情報の変
調度は未だ不充分であり、情報再生信号をコントラスト
が高く読み誤りが低減された状態で読み取るために、上
記変調度を更に増大させることが望まれている。
[発明の目的] 本発明は、基板上に色素を含む色素含有層及び反射層
が設けられた情報記録媒体に、高い変調度で情報再生信
号を得ることができるように光情報を記録する方法、及
び上記のようにして光情報が記録された情報再生信号の
変調度が高い情報記録媒体を提供することを目的とす
る。
[発明の要旨] 本発明は、円盤状基板上にレーザ光により情報の記録
又は再生が可能な色素を含む色素含有層が設けられ、該
色素含有層の上に反射層が設けられた情報記録媒体に光
情報を記録する方法において、該光情報の記録を、レー
ザ光が照射された部位の該色素含有層の該反射層との境
界側部に空洞部が形成されるように行なうことを特徴と
する光情報記録方法にある。
本発明はまた、円盤状基板上にレーザ光により情報の
記録又は再生が可能な色素を含む色素含有層が設けら
れ、該色素含有層の上に反射層が設けられた情報記録媒
体に光情報が記録された情報記録媒体であって、該光情
報を記録するためのレーザ光が照射された部位の該色素
含有層の該反射層との境界側部に空洞部が形成されてい
ることを特徴とする情報記録媒体にある。
上記本発明の光情報記録方法及び光情報が記録された
情報記録媒体の好ましい態様は以下のとおりである。
1)上記情報記録媒体の色素が、シアニン系色素、フタ
ロシアニン系色素、メロシアニン系色素、ピリリウム系
色素、チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、ス
クワリリウム系色素、インドフェノール系色素、インド
アニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、トリアリ
ルメタン系色素、キノン系色素、アミニウム系色素、ジ
インモニウム系色素、金属錯塩系色素、などから選ばれ
る色素の一種又は二種以上からなることを特徴とする上
記光情報記録方法及び光情報が記録された情報記録媒
体。
2)上記情報記録媒体の色素含有層が、更に金属錯体系
色素を上記色素又は色素混合物1モル部に対して0.001
〜0.3モル部含むことを特徴とする上記光情報記録方法
及び光情報が記録された情報記録媒体。
3)上記色素含有層の層厚が、500〜2000Åの範囲にあ
ることを特徴とする上記光情報記録方法及び光情報が記
録された情報記録媒体。
4)上記情報記録媒体の反射層が、Au、Ag、Cu、Pt、C
r、Ti、Alおよびステンレスからなる群より選ばれる少
なくとも一種の金属または合金からなることを特徴とす
る上記光情報記録方法及び光情報が記録された情報記録
媒体。
5)上記反射層の層厚が、500〜2000Åの範囲にあるこ
とを特徴とする上記光情報記録方法及び光情報が記録さ
れた情報記録媒体。
6)上記反射層の上に保護層が設けられていることを特
徴とする上記光情報記録方法及び光情報が記録された情
報記録媒体。
7)上記情報記録媒体の基板の材料が、ポリカーボネー
ト、ポリオレフィンまたはセルキャストポリメタルメタ
クリレートであることを特徴とする上記光情報記録方法
及び光情報が記録された情報記録媒体。
8)上記空洞部の上記情報記録媒体の厚さ方向の最大大
きさが、上記色素含有層の層厚の2〜80%であることを
特徴とする上記光情報記録方法及び光情報が記録された
情報記録媒体。
9)上記光情報記録方法において、上記基板がプラスチ
ック製である情報記録媒体を使用し、上記光情報の記録
を、レーザ光が照射された部位の上記色素含有層の上記
反射層との境界側部に空洞部が形成されると共に、上記
円盤状基板の上記部位が上記色素含有層側に肉盛り変形
するように行なうことを特徴とする上記光情報記録方法
及び光情報が記録された情報記録媒体。
[発明の詳細な記述] 本発明の方法で使用される情報記録媒体は、プラスチ
ック製の円盤状基板上に、レーザ光により情報の記録又
は再生が可能な色素を含む色素含有層が設けられ、この
色素含有層の上に反射層が設けられた基本構成を有す
る。
上記基板としては、透明体であればガラス、合成樹脂
等それ自体公知のものを任意に使用できるが、特に透明
プラスチックが好ましい。
上記基板を製造するためのプラスチックとしては従来
の情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料
から任意に選択することができる。基板の光学的特性、
平面性、加工性、取扱い性、経時安定性および製造コス
トなどの点から、基板材料の例としては、セルキャスト
ポリメチルメタクリレート、射出成形ポリメチルメタク
リレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニ
ル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;ポリカーボネート樹
脂、アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルを
挙げることができる。好ましくは、ポリカーボネート、
ポリオレフィンおよびセルキャストポリメチルメタクリ
レートを挙げることができる。
色素含有層が設けられる側の基板表面には、平面性の
改善、接着力の向上、基板の耐溶剤性の改善および色素
含有層の変質の防止の目的で、下塗層が設けられてもよ
い。下塗層の材料としてはたとえば、ポリメチルメタク
リレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレ
ン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、
N−メチロールアクリルアミド、スチレン・スルホン酸
共重合体、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロル
スルホン化ポリエチレン、ニトロセルロール、ポリ塩化
ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイ
ミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤
などの有機物質;および無機酸化物(SiO2、Al2O
3等)、無機フッ化物(MgF2)などの無機物質を挙げる
ことができる。
下塗層は、たとえば上記物質を適当な溶剤に溶解また
は分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピン
コート、ディップコート、エクストルージョンコートな
どの塗布法により基板表面に塗布することにより形成す
ることができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μm
の範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
また、基板(または下塗層)上には、トラッキング用
溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸の形成の目
的で、プレグルーブ層および/またはプレピット層が設
けられてもよい。プレグルーブ層等の材料としては、ア
クリル酸のモノエステル、ジエステル、トリエステルお
よびテトラエステルのうちの少なくとも一種のモノマー
(またはオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用い
ることができる。
プレグルーブ層の形成は、まず精密に作られた母型
(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよび重
合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層
上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線
の照射により液層を硬化させて基板と液層とを固着させ
る。次いで、基板を母型から剥離することによりプレグ
ルーブ層の設けられた基板が得られる。プレグルーブ層
の層厚は一般に0.05〜100μmの範囲にあり、好ましく
は0.1〜50μmの範囲である。また射出成形あるいは押
出成形などにより直接基板にプレグルーブおよび/また
はプレピットが設けられてもよい。
基板(またはプレグルーブ層等)上には、レーザ光に
より情報の記録(書き込み)または再生(読み取り)が
可能な色素を含む色素含有層が設けられる。
上記色素は特に限定されるものではなく、どのような
ものでも良い。例えば、シアニン系色素、フタロシアニ
ン系色素、メロシアニン系色素、ピリリウム系色素、チ
オピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリ
ウム系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン
系色素、トリフェニルメタン系色素、トリアリルメタン
系色素、キノン系色素、アミニウム系色素、ジインモニ
ウム系色素、金属錯塩系色素などを挙げることができ
る。色素は単一の色素であってもよく、また二種以上の
色素の混合物であってもよい。特に好ましい色素は、シ
アニン系色素、メロシアニン系色素、アズレニウム系色
素、及びスクワリリウム系色素である。
また、シアニン系色素を用いる場合に、上記金属錯塩
系色素またはアミニウム系・ジインモニウム系色素をク
エンチャーとして一緒に用いることが好ましい。その場
合、クエンチャーとして金属錯塩系色素などを全色素1
モル部に対して0.001〜0.3モル部含むことが好ましい。
色素含有層の形成は、上記色素、さらに所望により結
合剤を溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布
液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥するこ
とにより行なうことができる。
上記色素塗布液調製用の溶剤としては、酢酸エチル、
酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン、ジクロルメタン、1,2−ジクロ
ルエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テ
トラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどの
エーテル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノールなどのアルコール、ジメチルホ
ルムアミドなどのアミド、2,2,3,3−テトラフロロ−1
−プロパノール等フッソ系溶剤などを挙げることができ
る。なお、これらの非炭化水素系有機溶剤は、50容量%
以内である限り、脂肪族炭化水素溶剤、脂環族炭化水素
溶剤、芳香族炭化水素溶剤などの炭化水素系溶媒を含ん
でいてもよい。
塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、
滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合に結合剤としては、例えばゼラ
チン、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロー
ス誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機
高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・
ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリオレフィン、エ
ポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール
・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物
などの合成有機高分子物質を挙げることができる。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、デ
ィップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクタ
ーロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができ
る。色素の良好な配向状態を形成するためには、スピン
コート法を用いることが好ましい。
色素含有層の材料として結合剤を併用する場合に、結
合剤に対する色素の比率は一般に0.01〜99%(重量比)
の範囲にあり、好ましくは1.0〜95%(重量比)の範囲
にある。
色素含有層の層厚は一般には100〜3000Å、好ましく
は、500〜2000Åの範囲である。
本発明で使用される情報記録媒体において上記色素含
有層の上に反射層、特に金属からなる反射層が設けられ
ている。反射層を設けることにより、反射率の向上の効
果、情報の再生時におけるS/Nの向上および記録時にお
ける感度の向上の効果も得ることができる。
反射層の材料としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Ta、Cr、MoW、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、P
d、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、G
e、Te、Pb、Pr、Sn、Biなどの金属および半金属を挙げ
ることができる。さらにステンレス鋼などの合金であっ
てもよい。本発明では、温度400Kにおける熱伝導率が高
い、少なくとも10w/m・k以上の金属からなる反射層が
設けられることが好ましい。これにより、色素含有層に
レーザ光を照射した際の熱を反射層に急速に伝導するこ
とができる。これらの中でもAu、Ag、Cu、Pt、Al、Cr、
Niおよびステンレス鋼が特に好ましい。これらの物質は
単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せでま
たは合金として用いてもよい。
反射層は、たとえば上記光反射性物質を蒸着、スパッ
タリングまたはイオンプレーティングすることにより色
素含有層の上に形成することができる。反射層の層厚は
一般には100〜3000Åの範囲、好ましくは、500〜2000Å
の範囲である。
そして該反射層の上には、色素含有層および情報記録
媒体全体を物理的および化学的に保護する目的で保護層
を設けてもよい。また、この保護層は、耐傷性、耐湿質
性を高めるために基板の色素含有層が設けられていない
側にも設けられていてもよい。
保護層に用いられる材料の例としては、無機物質とし
ては、SiO、SiO2、Si3N4、MgF2、SnO2等を挙げることが
できる。また、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げることができ、好まし
くはUV硬化性樹脂である。本発明においては、上記物質
を塗布により設けた場合に顕著な効果を得ることができ
る。特に上記有機物質を塗布により設けた場合に有効で
ある。
すなわち、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを適当な
溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗
布し、乾燥することによっても形成することができる。
UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤
に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、
UV光を照射して硬化させることによっても形成すること
ができる。UV硬化性樹脂としては、ウレタン(メタ)ア
クリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエス
テル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートの
オリゴマー類、(メタ)アクリル酸エステル等のモノマ
ー類等さらに光重合開始剤等の通常のUV硬化性樹脂を使
用することができる。これらの塗布液中には、更に帯電
防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に
応じて添加してもよい。本発明では、UV硬化性樹脂を用
いることが好ましい。
保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。
上記以外にも、保護層は、たとえばプラスチックの押
出加工で得られたフィルムを接着層を介して反射層の上
にラミネートすることにより形成することができる。あ
るいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により
設けられてもよい。
本発明は、上記のような情報記録媒体にレーザ光を使
用して特定の条件下に光情報を記録する方法である。
本発明において使用されるレーザ光としては、従来情
報記録媒体の情報記録に使用されている公知のレーザ光
のいずれであってもよい。
本発明における上記光情報記録の条件は、レーザ光が
照射された部位の色素含有層の反射層との境界側部に空
洞部が形成されるようにレーザ光の照射を行なうことで
ある。
本発明において使用される前記のような構成の情報記
録媒体にレーザ光を照射して情報を記録する際に、レー
ザ光の照射条件を変えることによりレーザ光が照射され
た部位の色素含有層の、反射層との境界側の部分に空洞
部が形成されることは、従来知られておらず本発明者ら
により初めて見出された現象である。レーザ光を受けた
部位の色素含有層の色素がレーザ光を吸収することによ
り化学的及び/又は物理的に変化して該部位の色素含有
層の温度が上昇し、色素の上記のような変化によりガス
が発生し、このガスが色素含有層と反射層との間にたま
り、上記温度上昇に伴なって色素含有層は軟化している
ので、このガスが色素含有層を変形させ、その結果色素
含有層が変形することにより色素含有層と反射層との境
界に空洞部が形成され、ガスの発生量の増加につれて次
第に成長するものと考えられる。この時、反射層は前記
のように金属等からなっているので色素含有層よりも変
形し難く、上記空洞部の形成及び成長の間に変形するこ
となく通常は元の平面状態を維持している。従って、こ
の空洞部は、反射層側が平面で色素含有層側が球面又は
楕円体面状の平凸レンズ形状になっている。
本発明においては、上記空洞部の情報記録媒体の厚さ
方向の最大大きさが、上記色素含有層の層厚の2〜80
%、特に、10〜60%になるように空洞部が形成されるよ
うに光情報の記録を行なうことが好ましい。
上記空洞部の情報記録媒体の厚さ方向の大きさが、上
記範囲の下限よりも小さ過ぎると空洞部の作用が十分発
現されず、また、上記範囲の上限よりも大き過ぎると相
対的に空洞部の情報記録媒体の平面方向の大きさも大き
くなりピット部の歪等が大きくなり、信号品位の低下を
示す傾向にある。
上記空洞部の大きさは、情報記録媒体の色素含有層に
含まれる色素の種類及び量、色素含有層の厚さ、使用す
るレーザ光の強度及び照射時間、基板の種類などの諸条
件により変化するので、所望の大きさの空洞部を形成す
るための情報記録の条件を一義的に定めることはできな
い。しかしながら、所望の空洞部を形成するために最適
なこれらの諸条件は当業者が実験的に容易に決定するこ
とができ、光情報の記録の際の諸条件を調節して任意の
所望の空洞部が形成できるように光情報記録を行なうこ
とができる。
情報の記録時に上記空洞部を形成させることにより記
録情報の変調度が増大する詳細な機作については必ずし
も明確ではないが、情報記録媒体の基板側から情報再生
用のレーザ光を照射し反射層での反射光のうち色素含有
層及び基板を通過した透過光をディテクタにより測定す
ることによって情報再生を行なう際に、上記空洞部と色
素含有層との界面での反射光の方向が上記透過光方向と
は大きくずれる(空洞部は気相であり色素含有層とは密
度が大きく異なるのでこのずれは大きい)ため、ビット
内での多重干渉が起こり難くなりビットを認識し易くな
るためであると考えられる。
本発明の光情報記録方法において、基板がプラスチッ
ク製である情報記録媒体を使用する場合、情報記録のた
めのレーザ光が照射された基板の部位(上記空洞部に対
面する部位)が、色素含有層の色素の温度上昇、化学変
化等により、また該色素との混和等により、色素含有層
側に膨れ肉盛り変形するように光情報の記録を行なって
もよい。色素含有層と基板とは密度及び透過係数が異な
っているので、上記の肉盛り変形部が形成されることに
より、この変形部が上記空洞部と同様の機能を果たし記
録情報の変調度を増大させることができる。
以下に、本発明の実施例および比較例を記載する。た
だし、これらの各例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] 下記構造式: を有する色素を2,2,3,3−テトラフロロ−1−プロパノ
ールに溶解して色素含有層塗布液(色素濃度:2.0重量
%)を調製した。
トラッキングガイドが設けられた円盤状のポリカーボ
ネート基板(外径:120mm、内径:15mm、厚さ:1.2mm、ト
ラックピッチ:1.6μm、グルーブの深さ:800Å)上に、
上記塗布液をスピンコート法により回転数500r.p.m.の
速度で塗布し、30秒間乾燥して膜厚が1300Åの色素含有
層を形成した。
色素からなる色素含有層上に、AuをDCマグネトロンス
パッタリングして膜厚が1300Åの反射層を形成した。
上記反射層上に、保護層としてUV硬化性樹脂(スリー
ボンド社製、商品名:3070)をスピンコート法により回
転数1500r.p.m.の速度で塗布した後、高圧水銀灯にて紫
外線を照射して硬化させ、層厚2μmの保護層を形成し
た。
このようにして、基板、色素含有層、反射層及び保護
層からなる情報記録媒体を製造した。
得られた情報記録媒体を使用して、ディスク評価装置
(NA:0.5、レーザ光波長:780nm)及びEFMエンコーダ(K
EN−WOOD)を用いて、記録パワー7mW、定線速度1.3m/秒
で、変調周波数720kHz(デューティ:33%)の単一信号
を記録した。
上記条件で情報を記録した情報記録媒体の変調度を、
記録された情報を再生したときの、直流再生波形の反射
光レベルの極大値をA、極小値をBとし、プレグルーブ
のない領域での反射光レベルをRとして、 変調度=(A−B)/R×100% で求めたところ、変調度は39%であった。
また、上記条件で情報を記録した情報記録媒体の反射
層を剥離してSTM観察(走査トンネル顕微鏡観察)した
ところ、反射層は変形しておらず、色素含有層に膜厚方
向の最大深さ約200Åの凹みが形成されていることが確
認された。また、この凹みに対面する基板面に、色素含
有層側への肉盛り変形が観察された。
[比較例1] 実施例1におけると同様にして製造した情報記録媒体
を使用して、記録パワーを5mWに変えた他は実施例1に
おけると同様の条件で単一信号を記録した。
上記条件で情報を記録した情報記録媒体の、実施例1
におけると同様にして求めた変調度は、23%であった。
また、上記条件で情報を記録した情報記録媒体の反射
層を剥離してSTM観察したところ、反射層も色素含有層
も共に変形していなかった。しかし、基板面には実施例
1での情報を記録した情報記録媒体と同様に、色素含有
層側への肉盛り変形が観察された。
実施例1の結果と比較例1の結果との比較から明らか
なように、本発明による実施例1で情報記録したものは
高い変調度の再生信号を与える。
[発明の効果] 本発明の光情報記録方法は、記録再生信号の変調度を
高くするという顕著に優れた効果を奏する。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円盤状基板上にレーザ光により情報の記録
    又は再生が可能な色素を含む色素含有層が設けられ、該
    色素含有層の上に反射層が設けられた情報記録媒体に光
    情報を記録する方法において、該光情報の記録を、レー
    ザ光が照射された部位の該色素含有層の該反射層との境
    界側部に空洞部が形成されるように行なうことを特徴と
    する光情報記録方法。
  2. 【請求項2】該円盤状基板がプラスチック製である情報
    記録媒体を使用し、該光情報の記録を、レーザ光が照射
    された部位の該色素含有層の該反射層との境界側部に空
    洞部が形成されると共に、該円盤状基板の該部位が該色
    素含有層側に肉盛り変形するように行なうことを特徴と
    する請求項1記載の光情報記録方法。
  3. 【請求項3】円盤状基板上にレーザ光により情報の記録
    又は再生が可能な色素を含む色素含有層が設けられ、該
    色素含有層の上に反射層が設けられた情報記録媒体に光
    情報が記録された情報記録媒体であって、該光情報を記
    録するためのレーザ光が照射された部位の該色素含有層
    の該反射層との境界側部に空洞部が形成されていること
    を特徴とする情報記録媒体。
  4. 【請求項4】該円盤状基板がプラスチック製であり、該
    光情報を記録するためのレーザ光が照射された部位の該
    色素含有層の該反射層との境界側部に空洞部が形成さ
    れ、且つ、該円盤状基板の該部位が該色素含有層側に肉
    盛り変形していることを特徴とする請求項3記載の情報
    記録媒体。
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