JP2966077B2 - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP2966077B2
JP2966077B2 JP2267865A JP26786590A JP2966077B2 JP 2966077 B2 JP2966077 B2 JP 2966077B2 JP 2267865 A JP2267865 A JP 2267865A JP 26786590 A JP26786590 A JP 26786590A JP 2966077 B2 JP2966077 B2 JP 2966077B2
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、レーザ光による情報の記録及び/又は再生
が可能な情報記録媒体に関するものである。
[発明の技術的背景] 近年において、レーザ光等の高エネルギー密度のビー
ムを用いる情報記録媒体が開発され、実用化されてい
る。この情報記録媒体は光ディスクと称され、ビデオ・
ディスク、オーディオ・ディスク、さらには大容量静止
画像ファイルおよび大容量コンピュータ用ディスク・メ
モリーとして使用され得るものである。これらの情報記
録媒体のうちで、音楽等のオーディオ再生用としてコン
パクトディスク(CD)が広く実用化されている。コンパ
クトディスクは、製造時に基板上に形成されたピット列
からなる情報を再生するためにのみ使用される。すなわ
ち、コンパクトディスクは、適当なプラスチック材料を
成形してスパイラル状にピットを形成し、そしてその表
面に反射層として金属層を形成することにより製造され
る。このように、コンパクトディスクは再生専用の記録
媒体である。
コンパクトディスクの情報の読み取りは、ディスクを
回転させながらレーザビームを基板側から照射すること
により行なわれる。情報はディスク上のピットの有無に
よる反射光量の変化を検知して再生される。再生のみの
コンパクトディスク、CD規格に基づいて、CDを1.2〜1.4
m/秒の定線速度で回転させながら読み取る(再生する)
ように作られており、信号面内径46mmおよび信号面外径
117mmの範囲内で、トラックピッチ1.6μmにて最大約74
分の記録時間を有することが要求されている。
前述のように、オーディオ用CDは現在広く使用されて
いる。従って、オーディオ用CDの再生に用いられる市販
のCDプレーヤも広く一般に使用されているので、大量生
産による価格の低下および性能の向上が実現している。
また、情報の書き込み(記録)が可能なDRAW(Direct
Read After Write)型の情報記録媒体についても開発
され一部実用化されている。このようなDRAW型の情報記
録媒体(光ディスク)は、基本構造として、プラスチッ
ク、ガラス等からなる円盤状の透明基板と、この上に設
けられたBi、Sn、In、Te等の金属または半金属からなる
記録層又は色素からなる記録層とを有する。光ディスク
への情報の記録は、例えば、レーザビームを光ディスク
に照射することにより行なわれ、記録層の照射部分がそ
の光を吸収して局所的に温度上昇する結果、ピット形成
等の物理的変化あるいは相変化等の化学的変化を生じて
その光学的特性を変えることにより情報が記録される。
光ディスクからの情報の読み取り(再生)もまた、レー
ザビームを光ディスクに照射することなどにより行なわ
れ、記録相の光学的特性の変化に応じた反射光または透
過光を検出することにより情報が再生される。
上記光ディスクへの情報の記録及び再生のためのレー
ザビームの照射は、通常ディスク表面の所定の位置に行
われる。レーザビームを案内して照射予定位置に正確に
たどる(一般にトラッキングと呼ばれる)ようにするた
め、凹溝のトラッキングガイド(プリグルーブ)が基板
の表面に設けられることが一般的である。
ところで、色素を含む記録層は、一般にプリグルーブ
が形成された基板上に色素を含む溶液を塗布し乾燥する
ことによって形成されているが、その場合、グルーブ底
部の色素記録層膜厚はランド部の色素記録層膜厚よりも
厚くなる。そのため、基板のプリグルーブ溝の形状を反
映して形成された色素記録層の表面の溝の深さは、基板
のプリグルーブ溝の深さよりも浅くなり、記録層に情報
を記録してプリグルーブに記録ピットを形成させたと
き、色素記録層の表面の溝の上部(基板のランド部を反
映した部分)と溝の底部との位相差が小さくなるため
に、記録ピットの変調度が小さくなるという問題点があ
る。
また、基板上に予めピットが形成されたROM領域と、
レーザ光の照射によりデータ再生用のピットが形成され
る記録可能領域とを有する情報記録媒体が提案されてい
る(特開平2−42652号公報参照)。この情報記録媒体
においては、色素からなるレーザ吸収層が記録可能領域
にのみ設けられ、プリピットが形成されたROM領域には
色素からなるレーザ吸収層は設けないで反射層のみを設
けている。その理由は、プリピットが形成された領域に
色素からなるレーザ吸収層を設けると、プレピット信号
の変調度が小さくなりROM領域の情報を実用的に再生す
ることができなくなるためである。
その理由を、従来の基板上のプリピット形成面に色素
層を塗布により形成した場合の、情報記録媒体のプリピ
ットにおける断面の一部を模式的に示す断面図である添
付する第2図について説明する。
第2図において、プラスチックからなる基板21の表面
に色素からなる色素層22が形成され、色素層22の上に金
属からなる反射層23が形成されている。基板21には、プ
リピット24が形成されている。色素層22は色素をその溶
剤に溶解して調製した色素層形成用溶液をスピンコート
法により塗布し乾燥することによって形成されたもので
ある。プリピット24のピット底部26の色素層22の膜厚t4
は、基板21のピット間部25の色素層22の膜厚t3よりも大
きくなっている。その結果、ピット底部26における基板
21と色素層23との合計の光路長と、ピット間部25におけ
る基板21と色素層22との合計の光路長との差が非常に小
さくなるのである。
即ち、ピット底部26における光路長OLP2は、 OLP2=nD・T4+nB・dP2 (但し、nDは色素層22の屈折率であり、nBは基板21の屈
折率であり、dP2はピット底部26の基板21の厚さであ
る) で示され、ピット間部25における光路長OLL2は、 OLL2=nD・t3+nB・dL (但し、nD及びnBは上記と同じ意味を有し、dLピット間
部25の基板21の厚さである) で示される。
dL=dP2+d2 (但し、d2はプリピットの深さである) であるから、OLL2とOLP2との差は、 |OLL2−OLP2|=|nD・t3+nB・d2−nD・t4| で表わされる。
通常、nDはnBよりも大きく、またt3はt4よりも小さい
[プリピット形成領域に色素溶液を塗布すると、前記の
プリグルーブ形成領域への色素溶液の塗布の場合と同様
に、ピット部(穴部)のレーザ吸収層の膜厚がピット間
部(ピットとピットとの間の部分で、前記ランド部に相
当する)のレーザ吸収層の膜厚よりも大きくなる]の
で、nD・t3+nB・d2とnD・t4とは近似した値となり、従
って|OLL2−OLP2|は非常に小さい値となる。そのため
に、情報を再生するためにレーザ光を照射したとき、ピ
ット間部25とピット底部26との位相差が小さくなるため
に、再生信号の変調度が小さくなるという問題があっ
た。従って、従来のCDやROM領域では、プリピットの上
に色素層を形成させなかったのである。
しかしながら、特開平2−42652号公報に記載されて
いるような、プリピット部(ROM領域)に色素層を設け
ず、記録可能領域にのみ色素層を設けた情報記録媒体に
おいては、色素層が設けられた部分と色素層が設けられ
ていない部分との境界部において、境界を再現性よく形
成することが困難であるとか、色素層のエッジ部で膜厚
が不均一になり易いとかの問題があり、円環状の色素層
の偏心が生じ易いなどの問題がある。更に、実際上、RO
M領域とその外周側の記録可能領域との二つの領域に分
かれた情報記録媒体しか製造することができず、ROM領
域の内周側にも追加して記録可能領域を設けたり、ROM
領域と記録可能領域を混在させて設けたりすることが極
めて困難であり、ROM領域へ予め記録しておくアプリケ
ーションソフトやその利用方法などが制限され、実用上
不便であるという問題点もある。
プリピット部に色素からなるレーザ光吸収層を形成し
てもプリピットの変調度を大きくすることができると、
プリピット形成領域(ROM領域)及びプリグルーブ形成
領域(記録可能領域)の両方に、色素を含む光吸収層を
形成することが可能になり、上記のような問題点が解消
される。
プリピット部に色素層を形成することによって更に次
のような利点が生みだされる。
従来のCDは上記のように基板のプリピットが設けられ
た表面上に金属からなる反射層が設けられた構造を有す
るものであるので、基板側から見たCDの色は反射層を形
成する金属の色であり、例えば、アルミニウムで反射層
を形成した場合は銀色であり、金で反射層を形成した場
合は金色であった。反射層を形成する物質は反射層の性
能の面から選択されるので、反射層の色、即ち基板側か
ら見たCDの色は限定され、無味乾燥なものが多かった。
CDが一般的に多く使用されてくるに連れて、広い範囲
の種々の色に着色されたCDが望まれる風潮があり、CDを
任意の色及び柄に着色できることが望ましい。
CDを着色する手段として、基板に色素を練り込んで基
板自体を着色したり、基板のプリピット形成面とは反対
側の表面に着色層を設ける方法が提案されている。しか
しながら、基板に色素を練り込む微細なプリピットを有
する基板を成形することが困難になり、基板及び色素の
材料の特性並びにそれらの組合せに対応させて基板の成
形条件を微妙に調整する必要があり、優れた性能を安定
に維持できる基板を製造することが困難である。更に、
CDの再生は基板側からレーザ光を照射して行なわれるの
で、情報の再生に対する基板の色による影響も考慮する
必要がある。
[発明の目的] 本発明は、従来その上に色素層を形成することが行な
われていなかった、基板のプリピットが形成された面上
に、色素を含む色素層を形成し、この色素層の上に反射
層を設けた構造の情報記録媒体でありながら、CD規格を
満足する再生信号を得ることができる情報記録媒体を提
供することを目的とする。
[発明の要旨] 本発明者らは、基板のプリピット部に色素層を形成し
た場合でも、プリピット部の位相差が大きくなり、従っ
てプリピット信号の変調度の大きい情報記録媒体につい
て鋭意研究した結果、特定の形状のプリピットを基板に
形成することによって上記の目的が達成されることを見
出し、本発明を完成した。
本発明は、プリピットが形成された円盤状の基板上
に、レーザ光による情報の記録が可能な色素記録層が設
けられ、更に該色素記録層上に金属反射層が設けられて
なる情報記録媒体であって、該プリピットが0.2〜1.4μ
mの半値幅と150〜400nmの深さとを有し、且つ、プリピ
ット底部における該基板と該色素記録層との合計の光路
長が、プリピット間部における該基板と該色素記録層と
の合計の光路長よりもλ/10(但し、λは再生用レーザ
光の波長)以上長いことを特徴とする情報記録媒体にあ
る。
本発明はまた、プリピット及びプリグルーブが形成さ
れた円盤状の基板上に、レーザ光による情報の記録が可
能な色素記録層が設けられ、更に該色素記録層上に金属
反射層が設けられてなる情報記録媒体であって、該プリ
ピットが0.2〜1.4μmの半値幅と150〜400nmの深さとを
有、該プリグルーブが0.2〜1.4μmの半値幅と70〜200n
mの深さとを有し、該プリピットの深さが該プリグルー
ブの深さよりも光路長で表わしてλ/8(但し、λは再生
用レーザ光の波長)以上大きく、且つ、プリピット底部
における該基板と該色素記録層との合計の光路長が、プ
リピット間部における該基板と該色素記録層との合計の
光路長よりもλ/10(但し、λは再生用レーザ光の波
長)以上長いことを特徴とする情報記録媒体にもある。
上記本発明の情報記録媒体の好ましい態様は以下の通
りである。
1)上記プリピットの半値幅が、0.3〜1.0μm、特に、
0.35〜0.7μmであることを特徴とする上記情報記録媒
体。
2)上記プリピットの深さが、160〜350nm、特に170〜3
00nmであることを特徴とする上記情報記録媒体。
3)上記プリグルーブの半値幅が、0.3〜1.0μm、特
に、0.35〜0.7μmであることを特徴とする上記情報記
録媒体。
4)上記プリグルーブの深さが、80〜180nm、特に90〜1
60nmであることを特徴とする上記情報記録媒体。
5)ピット底部における該基板と該色素層との合計の光
路長が、ピット間部における該基板と該色素層との合計
の光路長よりもλ/8(但し、λは再生用レーザ光の波
長)以上長いことを特徴とする上記情報記録媒体。
6)上記色素層の、上記ピット間部の膜厚が、40〜400n
mであることを特徴とする上記情報記録媒体。
7)上記反射層の上に、更に保護層が形成されているこ
とを特徴とする上記情報記録媒体。
8)上記色素層と上記反射層との間にエンハンス層が形
成されていることを特徴とする上記情報記録媒体。
[発明の効果] 本発明の情報記録媒体は、特定の形状のプリピットが
形成された基板の表面に色素を含む色素層が形成されて
おり、色素層の上に反射層が形成された構造を有してい
るので、従来のCDのものと同様の材料の基板であってよ
く、広範囲の種々の色に任意に着色することができる。
同時にCD規格を満足する変調度の高い再生信号を得るこ
とができ、トラッキングサーボゲインが大きいという顕
著に優れた効果を奏する情報記録媒体である。
更に本発明の情報記録媒体は、基板と反射層との間に
色素層が設けられているので、基板から反射層への有害
成分(例えば、塩素、水分等)による攻撃を防止乃至減
少させることができると言う優れた効果を奏する。
更に本発明の情報記録媒体は、基板がプリピットとプ
リグルーブとの両方を有するものであってもプリピット
部とプリグルーブ部との両方に色素層が連続して形成さ
れており、プリピット部において変調度の高い再生信号
を得ることができると共に、プリグルーブ部において情
報の記録及び再生が可能であり、しかもプリピット部と
プリグルーブ部との境界部に色素層の周縁部が存在しな
いので前記のような従来技術で生じる問題点がないと言
う顕著な効果を奏する。
更に本発明の情報記録媒体は、基板に特定形状のプリ
ピットが形成されているので、従来方法によって基板上
に色素奏を容易に形成して製造することができると言う
優れた効果を奏する。
[発明の詳細な記述] 本発明の情報記録媒体は、プリピットを有する基板上
又はプリピットとプリグルーブとを有する基板上に、色
素を含む色素層および金属からなる反射層がこの順で設
けられた基本構成を有する。
本発明における円盤状の基板の材料としては、従来の
情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料か
ら任意に選択することができる。基板の光学的特性、平
面性、加工性、取扱い性、経時安定性および製造コスト
などの点から、基板材料の例としては、ガラス、ポリメ
チルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキ
シ樹脂;ポリカーボネート樹脂;アモルファスポリオレ
フィンおよびポリエステルを挙げることができる。好ま
しくは、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ガラスお
よびポリメチルメタクリレートを挙げることができる。
本発明においては、上記基板表面に、種々のオーディ
オ信号、アプリケーションソフト、アドレス信号などの
情報を予め記録したプリピットが形成されている。
本発明の情報記録媒体における基板のプリピットにつ
いて、添付する図面を参照して詳細に説明する。
第1図は、本発明の情報記録媒体の一実施例の、プリ
ピットにおける断面の一部を模式的に示す断面図であ
る。
第1図において、プラスチックからなる基板11の表面
に色素からなる色素層12が形成され、色素層12の上に金
属からなる反射層13が形成されている。基板11には、プ
リピット14が形成されている。色素層12は色素をその溶
剤に溶解して調製した色素層形成用溶液をスピンコート
法により塗布し乾燥することによって形成されたもので
ある。プリピット14のピット底部16の色素層12の膜厚t2
は、前記の理由によって基板11のピット間部15の色素層
12の膜厚t1よりも大きくなっている。ピット底部16にお
ける基板11と色素層12との合計の光路長と、ピット間部
15における基板11と色素層12との合計の光路長とは下記
のように表わされる。
即ち、ピット底部16における光路長OLP1は、 OLP1=nD・t2+nB・dP1 (但し、nDは色素層12の屈折率であり、nBは基板11の屈
折率であり、dP1はピット底部16の基板11の厚さであ
る) で示され、ピット間部15における光路等OLL1は、 OLL1=nD・t1+nB・dL (但し、nD及びnBは上記と同じ意味を有し、dLはピット
間部15基板11の厚さである) で示される。
dL=dP1+d1 (但し、d1はプリピットの深さである) であるから、OLP1とOLL1との差は、 |OLP1−OLL1|=|nD・t2−(nD・t1+nB・d1)| で表わされる。
本発明において、プリピット14は特定の形状を有する
ものである。即ち、プリピット14の半値幅(ピットの深
さの1/2の深さにおけるピットの幅)は、0.2〜1.4μ
m、好ましくは0.3〜1.0μm、特に好ましくは0.35〜0.
7μmである。また、プリピット14の深さd1は、150〜40
0nm、好ましくは160〜350nm、特に好ましくは170〜300n
mである。本発明におけるプリピット14の深さd1は、従
来公知のCDにおけるプリピットの深さ(一般に110nm程
度である)よりも非常に大きいものである。
通常、nDはnBよりも大きく、本発明においては上記の
ようにプリピット14の深さd1が従来公知のものよりも非
常に大きく形成されているので、t2はt1よりも非常に大
きくなっており、そのためにOLP1はOLL1よりも大きくな
り、OLP1とOLL1との差、即ち、|OLP1−OLL1|が大きくな
る。
本発明の情報記録媒体においては、ピット底部におけ
る基板と色素層との合計の光路長OLP1が、ピット間部に
おける該基板と該色素層との合計の光路長OLL1よりもλ
/10(但し、λは再生用レーザ光の波長)以上、好まし
くはλ/4以上長くなるように構成されている。
本発明の情報記録媒体において、上記OLP1とOLL1との
差がλ/10以上になるようにするためには、プリピット1
4の深さd1を前記のような大きさに形成した基板上に、
色素層12を形成したとき、色素層12の膜厚t1及びt2を考
慮して、式: |OLP1−OLL1|≧λ/10 を満足するように、色素層12の屈折率nD及び基板11の屈
折率nBを選定すればよい。
nD及びnBは、t1及びt2の値、並びにnDとnBとの相対関
係を考慮して決定しなくてはならないので、一義的に選
定することはできないが、nDが所望の値になるような色
素の選択、及びnBが所望の値になるような基板材料の選
択は、上記の条件を考慮して当業者が実験的に容易に行
なうことができる。
上記のようにして選定されるnDを有する色素及び上記
のようにして選定されるnBを有する基板材料は何れも特
殊なものではなく、それ自体公知の材料の中から適宜選
択することができる。また、上記のt1及びt2の値も、そ
れ自体公知の塗布方法により色素溶液から形成された色
素層の膜厚である。それにもかかわらず、本発明の情報
記録媒体において上記OLP1とOLL1との差がλ/10以上に
なるようにすることができるのは、主としてプリピット
の形状(特にその深さ)を前記のように特定範囲の値に
形成したためである。
本発明の情報記録媒体は、上記OLP1とOLL1との差がλ
/8以上であるので、情報を再生するためにレーザ光を照
射したとき、ピット間部15とピット底部16との位相差が
大きく、変調度の大きい再生信号を得ることができるの
である。
基板材料がプラスチックの場合は、前記のようなプリ
ピットを有する基板は、スタンパを使用して射出成形に
より製造することができる。
また、基板の表面上に、上記プリピットを形成するた
めのプリピット層を設けてもよい。
プリピット層の材料としては、アクリル酸のモノエス
テル、ジエステル、トリエステルおよびテトラエステル
のうちの少なくとも一種のモノマー(またはオリゴマ
ー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。
プリピット層の形成は、まず精密に作られた母型(ス
タンパ)上に上記のアクリル酸エステルおよび重合開始
剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層上に基
板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線の照射
により液層を硬化させて基板と液相とを固着させる。次
いで、基板を母型から剥離することによりプリピット層
の設けられた基板が得られる。プリピット層の層厚は一
般に0.1〜100μmの範囲にあり、好ましくは0.1〜50μ
mの範囲である。
本発明においては、上記基板の表面に、記録又は再生
時のトラッキングを良好に行なうために、更にプリグル
ーブ(トラッキング用溝)が形成されていてもよい。プ
リグルーブの形状は、グルーブの半値幅(グルーブの深
さの1/2の深さにおけるグルーブの幅)が、0.2〜1.4μ
m、好ましくは0.3〜1.0μm、特に好ましくは0.35〜0.
7μmであり、プリグルーブの深さが、70〜200nm、好ま
しくは80〜180nm、特に好ましくは90〜160nmであるよう
な形状である。アドレッシング、或いは線速制御用にグ
ルーブをウォブリングさせても良い。
プリグルーブが形成される場合、プリグルーブの深さ
は、同一基板のプリピットの深さよりも光路長で表わし
てλ/8(但し、λは前記の意味である)以上小さいこと
が望ましい。
プリグルーブは、プリピットの形成と同時に同様にし
て形成することができる。
基板の表面には、前記プリピット及びプリグルーブの
形状を保持する条件下で、平面性の改善、接着力の向
上、基板の耐溶剤性の改善及び色素層の変質の防止の目
的で下塗装及び/又は耐溶剤層が設けられてもよい。こ
のような下塗層及び耐溶剤層は、蒸着又はスパッタリン
グにより設けることが望ましい。
本発明の情報記録媒体は、基板のプリピット上に、及
びプリグルーブも設けられている場合はプリグルーブ上
にも、色素を含む色素層が設けられている。
本発明に使用される色素は特に限定されるものではな
く、どのようなものでも良い。例えば、シアニン系色
素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、
ピリリウム系色素、チオピリリウム系色素、アズレニウ
ム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯
塩系色素、ナフトキノン系色素、アトラキノン系色素、
インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリ
フェニルメタン系色素、トリアリルメタン系色素、アミ
ニウム系色素、ジインモニウム系色素、ニトロソ系色
素、ロイコ系色素、クロコニウム系色素、等々の色素を
挙げることができる。
これらのうちでも記録再生用レーザとして近赤外光を
発振する半導体レーザの利用が実用化されている点か
ら、600〜900nmの近赤外領域の光に対する吸収率が高い
色素が好ましい。
これらの色素は単独でもあるいは二種以上の混合物と
して用いてもい。また、シアニン系色素を用いる場合
に、上記金属錯塩系色素またはアミニウム系色素又はジ
インモニウム系色素をクエンチャーとして一緒に用いて
もよい。
これらの色素は、ライト・ワンス(WO)型に限らず、
リライタブル(RW)型(又は可塑型)のものであっても
よい。
色素層の形成は、上記色素、さらに所望により結合剤
を溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を
基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することに
より行なうことができる。
上記色素塗布液調製用の溶剤としては、酢酸エチル、
酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン、ジクロルメタン、1,2−ジクロ
ルエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テ
トラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどの
エーテル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノールなどのアルコール、ジメチルホ
ルムアミドなどのアミド、2,2,3,3−テトラフロロプロ
パノール等フッ素系溶剤などを挙げることができる。な
お、これらの非炭化水素系有機溶剤は、50容量%以内で
ある限り、脂肪族炭化水素溶剤、脂環属炭化水素溶剤、
芳香族炭化水素溶剤などの炭化水素系溶媒を含んでいて
もよい。
塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV呼吸剤、可塑剤、
滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合に結合剤としては、例えばゼラ
チン、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロー
ス誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機
高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・
ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリオレフィン、エ
ポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール
・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物
などの合成有機高分子物質を挙げることができる。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、デ
ィップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクタ
ーロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができ
る。色素の良好な配向状態を形成するためには、スピン
コート法を用いることが好ましい。
色素層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤
に対する色素の比率は一般に0.01〜99%(重量比)の範
囲にあり、好ましくは1.0〜95%(重量比)の範囲にあ
る。
上記色素層の、上記ピット間部の膜厚は、40〜400n
m、特に60〜300nm、更に特に80〜250nmであることが好
ましい。
本発明の情報記録媒体は、反射率を向上させるために
色素層と反射層との間にエンハンス層が設けられていて
もよい。
上記エンハンス層を形成するための物質は、60〜400
℃、好ましくは100〜300℃、更に好ましくは100〜250℃
の範囲内のガラス転移温度、60〜500℃、好ましくは100
〜400℃、更に好ましくは100〜350℃の範囲内の融点、8
0〜600℃、好ましくは120〜500℃、更に好ましくは120
〜450℃の範囲内の融点又は分解点、及び、1.1〜1.8、
好ましくは1.2〜1.7、更に好ましくは1.3〜1.6の範囲内
の再生用レーザ光の波長での屈折率(n)及び0.3以
下、好ましくは0.1以下の消衰係数(k)を有する物質
であることが好ましい。エンハンス層を形成する物質と
しては上記のような特性を有するものであれば、有機物
であっても無機物であってもよい。エンハンス層は蒸
着、スパッタリング等によって形成することも可能であ
るが、容易に且つ経済的に形成できることから、上記物
質を含む溶液の塗布、乾燥によってエンハンス層を形成
することが好ましく、そのためにエンハンス層を形成す
る物質としては、塗布によって成膜することができる物
質、例えば、ポリブタジエン、シリコン系樹脂、フッ素
系樹脂等が好ましい。
エンハンス層を塗布によって形成する方法としては、
特に限定されず、エンハンス層形成物質を適当な溶剤に
溶解した溶液を通常の塗布方法、例えばスピンコート法
により塗布し、次いで乾燥して溶剤を除去して成膜する
方法を採用することができる。この際、エンハンス層の
膜厚(寸法膜厚)は、ピット間部よりもピット部の方が
厚くなることもあるが、その場合でもエンハンス層の屈
折率が小さいので、エンハンス層の光学的膜厚はピット
間部とピット部とで殆ど差はない。従って、本発明の情
報記録媒体においては、エンハンス層を設けたことによ
ってプリピット信号の再生に悪影響を及ぼすことはなく
反射率を向上させることができる。
エンハンス層の膜厚は、グルーブ底部及びピット部の
膜厚が、50〜600nmであり、ランド部及びピット間部の
膜厚が、50〜600nmであることが好ましい。
本発明の情報記録媒体の色素層の上には更に反射層が
設けられる。
反射層の材料としては、Be、B、C、Sc、Rb、Sr、A
s、Os、Tl、At、Fr、Ra、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Re、R
h、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、S
i、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi、Sbなどの金属及び半金属
を挙げることができる。これらの中でもC、Au、Zn、C
u、Pt、Al、Ni、In及びステンレス鋼が特に好ましい。
これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以
上の組合せでまたは合金として用いてもよい。
反射層は、たとえば上記光反射性物質を蒸着、スパッ
タリングまたはイオンプレーティングすることにより記
録層の上に形成することができる。特に、スパッタリン
グによって反射層を成膜することが好ましい。反射層の
層厚は一般には100〜3000Å、好ましくは400〜2000Åの
範囲にある。
反射層として貴金属反射層を設けた場合は、その上に
Alなどの金属密着層又は有機物の密着層を設けることが
できる。
この反射層の上に、情報記録媒体全体、特に色素層及
び反射層を物理的及び化学的に保護する目的で保護層を
設けてもよい。また、この保護層は、基板の色素層が設
けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高めるために設
けてもよい。
保護層に用いられる材料の例としては、無機物質とし
ては、SiO、SiO2、Si3N4、MgF2、SnO2等を挙げることが
できる。また、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げることができ、好まし
くはUV硬化性樹脂である。
保護層は、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを
適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布
液を塗布し、乾燥することによって形成することができ
る。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な
溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布
し、UV光を照射して硬化させることによって保護層を形
成することができる。UV硬化性樹脂としては、ウレタン
(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレー
ト、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)ア
クリレートのオリゴマー類、(メタ)アクリル酸エステ
ル等のモノマー類等と光重合開始剤等との通常のUV硬化
性樹脂を使用することができる。これらの塗布液中に
は、等に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添
加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の材料とし
てUV硬化性樹脂を用いてことが好ましい。
保護層の層厚は一般には0.1〜100μm、好ましくは0.
5〜20μmの範囲にある。
上記以外にも、保護層は、たとえばプラスチックの押
出加工で得られたフィルムを接着層を介して色素記録層
の上にラミネートすることにより形成することができ
る。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法
により設けられてもよい。
本発明の情報記録媒体は、プリピットが形成された基
板の表面に色素層が設けられていても、CD規格を満足す
る高い変調度の再生信号を得ることができる。
また、プリピットと共にプリグルーブが設けられた本
発明の情報記録媒体への情報の記録は、情報記録媒体を
定線速度(好ましくは1.2〜2.8m/秒、特に好ましくは1.
2〜1.4m/秒)にて回転させながら、基板側から該プレグ
ルーブの底部にレーザー光を照射してグルーブ上にある
色素層に再生用のピットを形成して信号を記録すること
により行なう。信号としてはCDフォーマットのEFM信号
を記録することが本発明の効果を得る上で好ましい。一
般に、記録光としては750〜850nmの範囲の発振波長を有
する半導体レーザービームが用いられる。本発明の情報
記録媒体では、10mW以下のレーザーパワーで記録するこ
とができる。
上記の記録後のピットは、基板及び/又は色素がレー
ザ光の照射により発熱し、溶融、蒸発、昇華、変形或る
いは変質することにより、基板−色素間に凸状、波状、
凹状等の変化が起こったり、色素内で変化が起こった
り、色素−金属反射層間で変化が起こったりするなどの
形態のものである。
上記記録方法により、本発明の情報記録媒体にCDフォ
ーマット信号などを定線速度で記録を行なうことによ
り、信号の変調度、再生C/Nなどの優れた記録再生特性
を得ることができ、さらに記録時のトラッキング性、特
にプッシュプル法によるトラッキング性が優れたものと
なる。また本発明の光ディスクは高反射率を有するの
で、記録されたCDフォーマット信号を市販のCDプレーヤ
ーを用いて再生することができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例を記載する。ただ
し、これらの各例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] ほぼ全面にEFM信号を記録したプリピットが設けられ
た円盤状のポリカーボネート基板(外径:120mm、内径:1
5mm、厚さ:1.2mm、トラックピッチ:1.6μm、プリピッ
トの半値幅:0.65μm、プリピットの深さ:180nm、屈折
率nB:1.58)を用意した。
一方、下記構造式: を有する色素(A)を、2,2,3,3−テトラフロロプロパ
ノールに溶解して、色素(A)を2.8重量%含有する色
素溶液を調製した。
この色素溶液を上記基板上にスピンコート法により、
23℃で基板回転数200r.p.m.の速度で5秒間塗布した
後、回転数700r.p.m.で30秒間乾燥して色素層を形成し
た。
形成された色素層の上に、480W、ターゲット−基板距
離95mm、ガス圧2Pa、レート2nm/秒の条件下で、AuをDC
スパッタリングして膜厚が100nmのAuからなる反射層を
形成した。
上記反射層上に、保護層としてUV硬化性樹脂(商品
名:3070、スリーボンド社製)をスピンコート法により
回転数1500r.p.m.の速度で塗布した後、高圧水銀灯にて
紫外線を照射して硬化させ、層厚2μmの保護層を形成
した。
このようにして、基板、色素記録層、反射層及び保護
層からなる情報記録媒体を製造した。
得られた情報記録媒体について、ピット底部の色素層
の膜厚t2、ピット間部の色素層の膜厚t1、ピット底部に
おける基板と色素層との合計の光路長OLP1、ピット間部
における基板と色素層との合計の光路長OLL1、プリピッ
ト信号の11T変調度を、下記の評価方法により測定し
た。評価結果を第1表に記載する。
[実施例2] 実施例1において、EFM信号を記録したプリピットの
ピットの半値幅が0.60μm、ピットの深さが240nmであ
る他は実施例1で使用した基板と同じ基板を使用し、色
素層、反射層及び保護層を実施例1におけると同様にし
て基板上に順次形成して情報記録媒体を製造した。
得られた情報記録媒体について実施例1におけると同
様にして評価した。評価結果を第1表に記載する。
[実施例3] 実施例1において、ピットの半値幅が0.70μm、ピッ
トの深さが240nmであるEFM信号を記録したプリピット
が、直径46mm〜80mmの領域に形成され、直径80mm〜118m
mの領域にトラックピッチ:1.6μm、グルーブの半値幅:
0.60μm、グルーブの深さ:90nmのプリグルーブが形成
された他は実施例1で使用した基板と同じ基板を使用
し、色素層、反射層及び保護層を実施例1におけると同
様にして基板上に順次形成して情報記録媒体を製造し
た。
得られた情報記録媒体について実施例1におけると同
様にして評価した。また、プリグルーブ部については、
EFM信号を記録し、記録部の11T変調度を下記の評価方法
により測定した。評価結果を第1表に記載する。
[比較例1] EFM信号を記録したプリピットのピット半値幅が0.65
μm、ピットの深さが130nmである他は実施例1で使用
した基板と同じ基板を使用し、色素層、反射層及び保護
層を実施例1におけると同様にして基板上に順次形成し
て情報記録媒体を製造した。
得られた情報記録媒体について実施例1におけると同
様にして評価した。評価結果を第1表に記載する。
[情報記録媒体の評価] 得られた情報記録媒体について、ピット底部の色素層
の膜厚t2、ピット間部の色素層の膜厚t1、ピット底部に
おける基板と色素層との合計の光路長OLP1、ピット間部
における基板と色素層との合計の光路長OLL1、プリピッ
ト信号の11T変調度を、下記の評価方法により測定し
た。
1)ピット底部の色素層の膜厚t2 色素層の膜厚t2(絶対膜厚)を、断面部の超高分解能
電子顕微鏡(株式会社日立製作所製S900)観察によって
測定した。
2)ピット間部の色素間の膜厚t1 上記1)の方法と同様にして求めた。
3)光路長OLP1 色素層の屈折率nDを、別に形成した色素薄膜の反射
率、透過率、及び絶対膜厚を測定した結果から求め、前
記式から光路長OLP1を算出した。
なお、第1図における基板のdP1の部分はピット底部
とピット間部とで共通であるので、この部分の光路長を
差し引いて第1表に示した。
4)光路長OLL1 上記3)の方法と同様にして前記式から光路長OLL1
算出した。
5)11T変調度 プリピットとして記録されたCDフォーマット号(EFM
信号)のうち記録長11Tの直流再生信号について、信号
部分(プリピット部)とミラー部(プリピット間の信号
記録が無い領域部分)の信号強度が測定し、その変調度
(C)を次式により求めた。
(SH:信号の最大強度(ミラー部の信号強度)、SL:
信号の最小強度(プリピット部の信号強度)) 6)グルーブ部の評価 上記で得られた情報記録媒体を、ディスク評価装置
(NA:0.5、レーザー波長:780nm)及びEFMエンコーダ(K
EN−WOOD)を用いて、記録する際のレーザーパワー(記
録パワー)を6mW、定線速度:1.3m/秒にてプレグルーブ
の定部に記録を行なった。
記録された部分の11T変調度を、上記5)と同じ方法
で測定した。
第1表より明らかなように、実施例の情報記録媒体
は、プリピット形成領域(ROM領域)で変調度が大きく
優れた性能を有するものである。
これに対して、比較例の情報記録媒体は、プリピット
形成領域で変調度が極めて小さいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の情報記録媒体の一実施例のプリピッ
トにおける断面の一部を模式的に示す断面図である。 第2図は、従来の基板上のプリピット形成面に色素層を
塗布により形成した場合の、情報記録媒体のプリピット
における断面の一部を模式的に示す断面図である。 11、21:基板、 12、22:色素層、 13、23:反射層、 14、24:プリピット、 15、25:ピット間部、 16、26:ピット底部。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/24 561 G11B 7/24 563 G11B 7/24 565 G11B 7/24 522

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プリピットが形成された円盤状の基板上
    に、レーザ光による情報の記録が可能な色素記録層が設
    けられ、更に該色素記録層上に金属反射層が設けられて
    なる情報記録媒体であって、該プリピットが0.2〜1.4μ
    mの半値幅と150〜400nmの深さとを有し、且つ、プリピ
    ット底部における該基板と該色素記録層との合計の光路
    長が、プリピット間部における該基板と該色素記録層と
    の合計の光路長よりもλ/10(但し、λは再生用レーザ
    光の波長)以上長いことを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】プリピット及びプリグルーブが形成された
    円盤状の基板上に、レーザ光による情報の記録が可能な
    色素記録層が設けられ、更に該色素記録層上に金属反射
    層が設けられてなる情報記録媒体であって、該プリピッ
    トが0.2〜1.4μmの半値幅と150〜400nmの深さとを有
    し、該プリグルーブが0.2〜1.4μmの半値幅と70〜200n
    mの深さとを有し、該プリピットの深さが該プリグルー
    ブの深さよりも光路長で表わしてλ/8(但し、λは再生
    用レーザ光の波長)以上大きく、且つ、プリピット底部
    における該基板と該色素記録層との合計の光路長が、プ
    リピット間部における該基板と該色素記録層との合計の
    光路長よりもλ/10(但し、λは再生用レーザ光の波
    長)以上長いことを特徴とする情報記録媒体。
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