JPH1194016A - 転動型制振装置およびそれを用いた制振構造 - Google Patents

転動型制振装置およびそれを用いた制振構造

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JPH1194016A
JPH1194016A JP9261723A JP26172397A JPH1194016A JP H1194016 A JPH1194016 A JP H1194016A JP 9261723 A JP9261723 A JP 9261723A JP 26172397 A JP26172397 A JP 26172397A JP H1194016 A JPH1194016 A JP H1194016A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で、小型かつ低廉であり、保守点
検なしにすぐれた制振機能を発揮することができ、構造
物の各次数の振動に簡単かつ容易に同調させることがで
きる転動型制振装置を提供する。 【解決手段】 円弧状外周面1aを有し、中心軸線の周
りで転動する振動子1と、構造物に取付けられて、振動
子1の、二次元平面内での転動を許容する円弧状内周面
2aを有する転動ガイド2とを具えるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、構造物、たとえ
ば、建築物、橋梁、船舶、車両、鉄塔、煙突、タンク、
ダム、その他に、地震、風等に起因して発生する、主に
は水平方向の振動を慣性質量としての振動子の転動をも
って制振する、構造が簡単であるとともに、保守点検が
実質的に不要な、小型にして低廉な転動型制振装置およ
び、構造物の各次数の固有振動数に十分に対処してそれ
ぞれの次数の振動を有効に制振することができる制振構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地震や風などによって構造物に発生する
水平方向の振動を制振する従来技術としては、たとえ
ば、構造物の質量の1%以上の質量を有する容器入りの
液体や、機械的振動源を構造物の上部に設置し、液体ま
たは機械的振動源の振動を、構造物の振動に同調させる
ことによってその構造物を制振するものがある。ここ
で、同調とは、構造物の固有振動数と、液体や機械的振
動源のそれとを、180°の位相差の下でほぼ一致させ
ることをいい、構造物の振動と同時にこの同調をもたら
すことで、振動エネルギーを吸収することが可能とな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、かかる従来
技術にあっては、液体を用いる場合および機械的振動源
を用いる場合のいずれにおいても、装置の構造が複雑に
なるとともに装置が大型化し、また、所期した通りの制
振性能の発揮のために頻繁な保守点検が不可避となると
いう問題があった他、これら従来装置は、主に、構造物
の一次の固有振動数を念頭に置いて構成されており、こ
の一方で、二次、三次等の高次の固有振動数に対処する
ためには、装置構造がより複雑化するとともに、装置が
一層大型化するという難点があって実用性がほとんどな
く、従って、従来の制振装置を構造物に適用してなる制
振構造では、その構造物が二次、三次等の高次の固有振
動数で振動する場合には、制振機能をほとんど発揮する
ことができないという問題もあった。
【0004】ところで、特開平6−307495号公報
には、簡単な構造で、どの方向の振動をも制振できる制
振装置として、内部に球面状凹部が形成された本体と、
その球面状凹部内に移動自在に載置され、振動方向に応
じた方向に球面状凹部内を転動する球状のおもりとより
なる装置が開示されており、この制振装置では、複数方
向からの振動の入力に対しておもりが球面状凹部に沿っ
て三次元運動することになり、おもりが回転しながら球
面状凹部内を転動して周期的運動をすることにより、そ
のおもりが自転しながら公転し、それの慣性モーメント
により、単におもりを揺動させたり、平行移動させる構
成の装置よりも、同じ質量のおもりでより大きな等価質
量分の運動エネルギを得ることができるとしている。
【0005】しかしながら、これによれば、おもりが球
面状凹部内を自転しながら公転するに当たり、そのおも
りの球面状凹部内での通過経路が振動振幅、振動入力等
の大小、振動入力の方向その他によって種々に変化する
ことから、制振装置を構造物の振動に同調させるための
理論計算が極めて困難である他、構造物の実際の振幅、
そこへの振動入力等が予想したところとわずかに相違す
るだけで、制振装置を所期した通りに同調させることが
できないという問題がある。
【0006】加えてここでは、複数方向からの振動入力
に対しておもりを三次元運動させるとしているも、構造
物の全ての方向の振動に対して常に適正に対処すること
は実質上不可能であり、これがため、予想しない方向の
振動に対しては、おもりが、制振とは異なる不本意な運
動を行うおそれが高い。これをいいかえれば、構造物の
ねじれを含む無限の振動方向に十分に対処するために
は、球面状凹部の曲率を無限に変化させること、ひいて
は、無限数の制振装置を準備することが不可避となると
いう問題があった。
【0007】しかも、この先行技術もまた、構造物の一
次の固有振動数だけを念頭に置いて構成されたものであ
り、それをもって高次の固有振動数に対処するために
は、球状のおもりを大きくするか、球面状凹部の曲率を
小さくしなければならないため、おもりの自由度が大き
く失われることになり、この結果として、おもりの複雑
な三次元運動に対して、予期せぬ慣性力を構造物に与え
ることになるので、これまた、高次の振動に対する制振
機能を十分に発揮させることが実質的に不可能であっ
た。
【0008】この発明は、従来技術が抱えるこのような
問題点をことごとく解決することを課題として検討した
結果なされたものであり、それの目的とするところは、
簡単な構造で、小型かつ低廉であるとともに、保守点検
を実質上不要ならしめてなお常にすぐれた制振機能を発
揮することができる他、構造物の各次数の固有振動数に
簡単かつ容易に同調させることができる転動型制振装置
および、構造物の各次数の振動に十分に対処して、高次
の振動に対しても常にすぐれた制振機能を発揮すること
ができる制振構造を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の転動型制振装
置は、円弧状外周面を有し、中心軸線の周りで転動す
る、たとえば、円板状、円柱状、円筒状等をなす振動子
と、構造物に取付けられて、振動子の、二次元平面内で
の転動を許容する円弧状内周面を有する転動ガイドとを
具えるものである。
【0010】ここでは、構造物の、地震、風等に起因す
る剪断もしくは曲げ剪断振動に際し、そこに取付けた転
動ガイドの円弧状内周面上で振動子を慣性振動させるこ
とで、制振装置を、180°の位相差の下で構造物の振
動に同調させることができ、これによって、振動エネル
ギーを十分に吸収してすぐれた制振性能を実現すること
ができる。ここにおいて、振動子および転動ガイドの機
械材料としては、たとえば、鋼、アルミニウム、ゴムそ
の他の高分子材料中から、それら両者の摩擦力を考慮し
て、構造物の振動減衰速度を速めるべく選択することが
できる。
【0011】またこの装置では、振動子および転動ガイ
ドのそれぞれの円弧状周面の少なくとも一方を適宜に選
択することで、構造物の、一次の固有振動数から高次の
固有振動数に至るまで、簡単かつ容易に同調させること
ができる。
【0012】従って、この発明によれば、簡単な構造の
下で、装置の十分なる小型化および低廉化をもたらすこ
とができ、また、保守点検の必要なしに、常にすぐれた
制振機能を発揮させることができる。しかもこの装置で
は、振動子外周面および転動ガイド内周面のそれぞれの
円弧面の少なくとも一方の曲率半径を変更するだけで、
装置の大型化、構造の複雑化等をもたらすことなく、構
造物の所要の次数の振動に簡単かつ容易に同調させるこ
とができる。
【0013】ところで、このような制振装置において、
転動ガイドの円弧状内周面を、エンドレスに連続する環
状面とした場合には、振幅の大きい振動にも十分に対処
することができる。一方、振動子を、必要な振動振幅を
確保できることを条件に、半円板状、半円柱状もしくは
半円筒状とした場合には、転動ガイドを振動子とほぼ対
応する寸法とすることで、装置をより一層小型化するこ
とができる。
【0014】また、この発明の制振構造は、先に述べた
構造を有する転動型制振装置の複数個において、転動子
の円弧状外周面および、転動ガイドの円弧状内周面の少
なくとも一方の曲率半径を相互に異ならせたものを構造
物に配設してなる。
【0015】ここにおける転動型制振装置は、先に述べ
たように、振動子の外周面および転動ガイド内周面のそ
れぞれの円弧面の少なくとも一方の曲率半径を変更する
ことで、構造物の所要の次数の振動に簡単に同調させる
ことができるので、それらの曲率半径を適宜に選択し
た、基本構造は共通の複数個の制振装置を一の構造物に
設置することで、それぞれの制振装置の作用に基づい
て、その構造物の振動を一次の振動のみならず、所期の
高次数の振動に至るまで十分に制振することができる。
【0016】ここで、この制振構造では、円弧状外周面
の曲率半径が相違する複数の振動子のそれぞれを、一の
転動ガイドの円弧状内周面上に、軸線方向に隣接させて
配置すること、または、複数の振動子のそれぞれを、一
の転動ガイドの、曲率半径が相互に異なるそれぞれの円
弧状内周面上に、軸線方向に隣接させて配置することが
好ましく、これによれば、一の転動ガイドを複数個の転
動型制振装置に共用することができるので、複数の制振
装置の全体をより小型化して、それらの占有空間を一層
低減させることができる。
【0017】なおこの場合において、相互に隣接して位
置する振動子間で円弧状内周面に隔壁を形成したときに
は、隣接する振動子相互の干渉のおそれを除去して、各
個の振動子の転動を常に円滑ならしめることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の転動型制振装
置の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明す
る。図1 (a), (b) はそれぞれ、制振装置の実施形態
を示す縦断面図および横断面図であり、図中1は振動子
を示す。ここでは中実円板状をなすこの振動子1を収容
する転動ガイド2は、振動子1の円弧状外周面1aに接
触して、その振動子1の2次元平面内での転動を許容す
る円弧状内周面2aを有する。ここで、振動子1は、そ
れ自身の質量、円弧状外周面1aおよび円弧状内周面2
aの曲率半径、それらの両円弧状周面1a,2aの摩擦
力等を選択することで、円弧状内周面2aに対してスリ
ップを生じることなく転動することができる。
【0019】また、円弧状内周面2aは、図1に示すよ
うに、それをエンドレスに連続する環状面とすること
で、構造物、ひいては、振動子1の大きな振幅に対して
も、その振動子1の、確実にして円滑な転動を担保する
ことができる。この一方で、円弧状内周面2aは、振動
子1の最大振幅を許容できることを条件に、図2(a)
に示すように、その上部を切除することもでき、これに
よれば、転動型制振装置を一層小型に構成することがで
きる。
【0020】なおこのことは、振動子1についても同様
であり、振動子それ自身の所要の振幅を確保し得るかぎ
りにおいて、その振動子1を、図2(b)に示すような
半円板形状として装置の小型化を図ることもできる。
【0021】ところで、図1および2に示すところにお
いて、振動子1の形状を、それの質量その他との関連に
おいて、円柱状もしくは円筒状とすることもでき、ま
た、半円柱状もしくは半円筒状とすることもできる。
【0022】このように構成してなる転動型制振装置
は、転動ガイド2を、構造物の床または壁に埋込んで、
または埋込むことなく取付けるとともに、その転動ガイ
ド内に振動子を収容することで、予め選択した振動子質
量および、それぞれの円弧状周面1a,2aの曲率半径
に基づいて構造物の振動に同調して振動エネルギーを吸
収し、結果として、その構造物を有利に制振することが
できる。なおここでは、振動子1および振動ガイド2の
材質を適宜に選択して、材料特有の粘弾の性質を有効に
利用することで、構造物の振動減衰速度を速めることも
できる。またこの装置では、それぞれの円弧状周面1
a,2aの少なくとも一方の曲率半径を選択すること
で、固有振動数を、構造物の各次数の固有振動数に簡単
かつ容易に一致させることができる。
【0023】従ってここでは、簡単な構造の、小型かつ
低廉な制振装置をもたらすことができ、また、保守点検
の必要なしに、所期した通りの制振機能を十分に発揮さ
せることができ、併せて、制振装置を、構造物の各次数
の振動に、簡単かつ容易に、しかも正確に同調させるこ
とができる。
【0024】図3は、構造物の一例としての建築物につ
いての制振構造の実施形態を示す概念図であり、図中1
1は建築物の基礎を、12は基礎上に建てた建築物の全
体をそれぞれ示す。この建築物12は、図3の紙面と直
角をなす方向の剛性が、紙面と平行方向のそれより大き
く、従って、建築物12は、地震、風等を受けても、紙
面と直角方向に振動することはほとんどない。この一方
で、建築物12は、紙面と平行をなす方向、すなわち、
図の左右方向には振動し易い。
【0025】そこでこの制振構造では、建築物2の幅方
向の振動に同調して制振機能を発揮する、先に述べた基
本構造を有する3個の転動型制振装置13,14,15
のそれぞれを、建築物2のそれぞれの階層の床12a,
12b,12cに取付ける。
【0026】これらの制振装置13,14,15のそれ
ぞれは、振動子1の円弧状外周面1aおよび、転動ガイ
ド2の円弧状内周面2aの少なくとも一方の曲率半径を
相互に異にしており、たとえば、制振装置13は、建築
物12の二次の固有振動数にほぼ等しい固有振動数を、
制振装置14は、建築物12の三次の固有振動数にほぼ
等しい固有振動数を、そして制振装置15は、一次の固
有振動数にほぼ等しい固有振動数をそれぞれ有する。
【0027】従って、この制振構造によれば、建築物1
2の一次の振動に対しては制振装置15が、二次の振動
に対しては制振装置13が、また、三次の振動に対して
は制振装置14が、それぞれ主として制振機能を発揮す
ることになり、建築物12の一次から三次までの振動の
全てが効果的に制振されることになる。
【0028】図4は、橋梁についての制振構造を示す実
施形態であり、これは、橋梁21の橋桁22に2個の転
動型制振装置23,24を取付け、両制振装置23,2
4の、振動子外周面および転動ガイド内周面の少なくと
も一方の曲率半径を相互に相違させることで、たとえ
ば、制振装置23の固有振動数を、橋梁21の一の特定
次数の固有振動数に、制振装置24の固有振動数を、橋
梁21の他の特定次数の振動数にそれぞれほぼ一致させ
たものである。
【0029】このような制振構造では、橋梁21の水平
振動に際し、それの一の特定次数のの振動は、主として
制振装置23によって、また他の特定次数の振動は、主
として制振装置24によってそれぞれ制振されることに
なり、橋梁21の各次数の水平振動はその振幅を効果的
に低減されることになる。
【0030】図5は送電ケーブル31に転動型制振装置
32,33を取付けた他の実施形態であり、ここでもま
た、一方の制振装置32の固有振動数を、送電ケーブル
31の特定次数の振動数に、そして、他の制振装置33
のそれを、送電ケーブル31の他の特定次数の固有振動
数にそれぞれほぼ一致させることで、送電ケーブル31
の水平方向の振動振幅を有効に低減させることができ
る。
【0031】
【実施例】以下にこの発明に係る制振構造の実施例につ
いて述べる。この発明に係る制振構造による制振性能を
確認するべく、図6に示すような二層のラーメン構造模
型を作製した。
【0032】この模型は、高さが1000mm、厚みが
2mm、幅が20mmで、重量が0.1073kgfの
アルミニウム柱部材51の一対を、それらの下端部、中
央部および上端部で、柱部材51の間に配置したそれぞ
れの横桟部材52,53,54に、各柱部材51の外側
に配置したそれぞれの当板55,56,57を介してボ
ルト締めしてなる。ここで、各横桟部材52,53,5
4は、高さが40mm、厚みが20mm、長さが296
mmで、重量が0.2108kgfのアルミニウム材料
により、当板55は、高さが40mm、厚みが9mm、
長さが20mmで、重量が0.050kgfのアルミニ
ウム材料により、そして、他の当板56,57のそれぞ
れを、高さが40mm、厚みが5mm、長さが60mm
で、重量が0.177kgfのアルミウニム材料により
それぞれ構成した。また、使用したボルト(M6×1
0)は12本であり、ボルト一本の重量は0.0023
kgfであった。
【0033】かかるラーメン構造模型を、その下端の横
桟部材52の、机上面への締付固定をもって机に強固に
組付けた場合における、図の左右方向での一次および二
次のそれぞれの固有振動数の理論値は表1に示す通りと
なり、また、一次および二次のそれぞれの振動モードは
図7 (a), (b) に示す通りとなる。
【0034】
【表1】
【0035】ここにおいて、図示の制振構造では、上端
部の横桟部材54および中央部の横桟部材53のそれぞ
れの上面に、転動型制振装置58,59のそれぞれを取
付け、制振装置58を、模型の一次の振動用として、ま
た、制振装置59を二次振動用としてそれぞれ機能させ
る。ここで、図示の制振装置58,59はいずれも、転
動ガイドとしての外筒内に、振動子としての内筒を配置
した構成を有しており、一方の制振装置58では、外筒
の内径が79mm、重量が79gf、内筒の外径が12
mm、重量が18gfであり、計算による予想固有振動
数は2.3Hzである。また、他方の制振装置59で
は、外筒の内径を65mm、重量を66gf、錘を内蔵
した内筒の外径を51mm、重量を29gfとし、計算
による予想固有振動数を6.5Hzとした。
【0036】以上のような制振構造において、制振装置
58,59のそれぞれの内筒重量を除く、構造物の総重
量が1.828kgfであり、このうち振動部分の重量
が約1.095kgfである場合に、模型を一次の固有
振動数で自由振動させたときの振動波形は、図8(a)
に示すように計測されたのに対し、一方の制振装置58
を機能させたときの振動波形は図8(b)に示す通りと
なった。
【0037】またここで、模型を二次の固有振動数で自
由振動させたときの振動波形は図9(a)に示す通りで
あったのに対し、両制振装置58,59をともに作用さ
せたときの振動波形は図9(b)に示す通りとなった。
従ってこの制振構造によれば、模型の一次振動用および
二次振動用のそれぞれの制振装置を設置することで、そ
れらのいずれの振動に対してもすぐれた制振効果をもた
らすことができる。
【0038】なおここで、模型の一次の振動に対して、
両制振装置58,59を共に機能させた場合には、はじ
めに、一方の制振装置58によって一次の振動が制振さ
れ、その後、他方の制振装置59によって、続いて起こ
る二次の振動が制振されることになる。
【0039】
【発明の効果】以上のべたところから明らかなように、
この発明の転動型制振装置によれば、簡単な構造の、小
型かつ低廉な装置にして、保守点検を実質的に不要なら
しめてなお常にすぐれた制振機能を発揮させることがで
き、加えて、振動子の外周面および振動ガイドの内周面
の少なくとも一方の曲率半径を適宜に選択することで、
構造物の各次数の振動に、制振装置を簡単かつ容易に同
調させることができる。
【0040】また、この発明の制振構造によれば、複数
の制振装置のそれぞれにて、構造物の所要のそれぞれの
次数の振動を制振させることによっで、構造物の各次数
の振動を効果的に制振することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転動型制振装置の実施形態を示す断面図であ
る。
【図2】転動型制振装置の他の実施形態を示す断面図で
ある。
【図3】制振構造の実施形態を示す概念図である。
【図4】制振構造の他の実施形態を示す概念図である。
【図5】制振構造のさらに他の実施形態を示す概念図で
ある。
【図6】ラーメン構造模型および制振装置の適用状態を
示す正面図である。
【図7】模型の固有振動モードを示す線図である。
【図8】一次振動の制振性能を示すグラフである。
【図9】二次振動の制振性能を示すグラフである。
【符号の説明】
1 振動子 1a 円弧状外周面 2 転動ガイド 2a 円弧状内周面 11 基礎 12 建築物 12a,12b,12c 床 13,14,15,23,24,32,33,58,5
9 転動型制振装置 21 橋梁 22 橋桁 31 送電ケーブル 51 アルミニウム柱部材 52,53,54 横桟部材 55,56,57 当板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円弧状外周面を有し、中心軸線の周りで
    転動する制振子と、構造物に取付けられて、振動子の、
    二次元平面内での転動を許容する円弧状内周面を有する
    転動ガイドとを具えてなる転動型制振装置。
  2. 【請求項2】 円弧状内周面を、エンドレスに連続する
    環状面としてなる請求項1に記載の転動型制振装置。
  3. 【請求項3】 振動子を、半円板状、半円柱状もしくは
    半円筒状としてなる請求項1もしくは2に記載の転動型
    制振装置。
  4. 【請求項4】 円弧状外周面を有し、中心軸線の周りで
    転動する制振子と、構造物に取付けられて、振動子の、
    二次元平面内での転動を許容する円弧状内周面を有する
    転動ガイドとを具えてなり、前記円弧状外周面および円
    弧状内周面の少なくとも一方の曲率半径を相互に異なら
    せた複数の転動型制振装置を構造物に配設してなる制振
    構造。
  5. 【請求項5】 円弧状外周面の曲率半径が相違する複数
    の振動子のそれぞれを、一の転動ガイドの円弧状内周面
    上に、軸線方向に隣接させて配置してなる請求項4に記
    載の制振構造。
  6. 【請求項6】 複数の振動子のそれぞれを、一の転動ガ
    イドの、曲率半径が相互に異なるそれぞれの円弧状内周
    面上に、軸線方向に隣接させて配置してなる請求項4も
    しくは5に記載の制振構造。
  7. 【請求項7】 相互に隣接して位置する振動子間で円弧
    状内周面に隔壁を設けてなる請求項5もしくは6に記載
    の制振構造。
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