JP3275144B2 - ポール用制振装置 - Google Patents

ポール用制振装置

Info

Publication number
JP3275144B2
JP3275144B2 JP27981599A JP27981599A JP3275144B2 JP 3275144 B2 JP3275144 B2 JP 3275144B2 JP 27981599 A JP27981599 A JP 27981599A JP 27981599 A JP27981599 A JP 27981599A JP 3275144 B2 JP3275144 B2 JP 3275144B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
horizontal
short
vibration
mass body
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27981599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001064923A (ja
Inventor
健治 古田
泰稔 長谷川
Original Assignee
株式会社飯島建築事務所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社飯島建築事務所 filed Critical 株式会社飯島建築事務所
Priority to JP27981599A priority Critical patent/JP3275144B2/ja
Publication of JP2001064923A publication Critical patent/JP2001064923A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3275144B2 publication Critical patent/JP3275144B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Road Signs Or Road Markings (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ポール用制振装
置、特に、街灯、信号器、標識体等を支持するポールの
振動を制振するポール用制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】街灯等を支持するポールには、主に次の
ような問題がある。 (a)風によって生ずるカルマン渦に起因するポールの
共振によりポールが破損又は破断する。 (b)橋梁等では、交通振動、すなわち、車両の走行に
起因する路床板等の振動がその脚部からポールに入力し
て、ポールが振動することにより、ランプの寿命が大幅
に低下する、設計時に想定した照度分布が十分に確保で
きない、照明の揺れによる利用者の不安感が増大する。
このため、街灯等を支持するポールに制振装置を設ける
ことが行われている。上記制振装置は、ポールの振動エ
ネルギを他の力学的エネルギに変換・消費することによ
って、ポールの振動を制振する(抑える)ようになって
いる。
【0003】ポールに設ける制振装置としては、例え
ば、次の〜のようなものが提案され、これらの幾つ
かが実用化されている。 チェーン式制振装置 ポールの円筒柱内に所定長さの金属製のチェーンを吊る
し、ポールが振動したときに、チェーンが振動して、こ
れが壁面に衝突して、ポールの振動エネルギを吸収す
る。 鋼球式制振装置 ポールの円筒柱内に鋼球を入れた円筒容器を取り付け、
ポールが振動したときに、鋼球が振動して、これが円筒
容器の壁面に衝突して、その衝突によりポールの振動エ
ネルギを吸収する。 磁石式制振装置 永久磁石と導体板とを振動時に相対的に移動可能に配設
してなる制振装置をポールに取り付け、ポールが振動し
たときに、永久磁石と導体板とが相対的に振動して、導
体板に渦電流を発生して、その渦電流の渦電流損により
振動エネルギを吸収する。
【0004】 衝撃質量制振装置 装置枠内に設けた水平軸に腕体の一端を回動自在に取り
付け、前記腕体の他端に錘を取り付けて振り子を形成
し、前記振り子の腕体と前記装置枠との間にスプリング
及び油圧ダンパを設けてなる制振装置をポールに取り付
け、ポールが振動したときに、振り子が振動して、その
腕体に連結したスプリング及び油圧ダンパが変形(変
位)して、この変形(変位)により振動エネルギを吸収
する。 粘弾性体制振装置 複数の部材を振動時に互いに相対的に移動可能に配設
し、それらの部材間に粘弾性体層を介在させてなる制振
装置をポールに取り付け、ポールが振動したときに、複
数の部材が相対的に振動して、部材間に介在させた粘弾
性体層が変形(変位)して、その変形(変位)により振
動エネルギを吸収する。 バネと粘弾性体を用いる制振装置 円筒状容器内に、コイルバネを介して前記容器の底部等
に支持されかつその下部に抵抗体を備えたポールと同じ
固有周期を持つ質量体を設け、前記容器内に粘弾性体を
入れて、前記抵抗体の主要部分が粘弾性体中に没するよ
うにしてなる制振装置をポールに取り付け、ポールが振
動したとき、前記質量体が振動し、コイルバネが変形
(変位)し、質量体の抵抗体により粘弾性体が変形(変
位)して、コイルバネ及び粘弾性体の変形(変位)によ
り振動エネルギを吸収する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のチェーン式制
振装置及び前記の鋼球式制振装置は、装置が簡単で、
耐久性があるが、振動エネルギの減衰の評価(モデル
化)が困難で、微小振幅動に対する制振効果が殆ど期待
できないだけでなく、ポールの上下動に対する制振効果
も殆ど見込めない。前記の磁石式制振装置は、振幅、
振動数に依存しないが、振動エネルギの減衰の評価(モ
デル化)が困難であり、強い磁石を使用するため、重く
て、コスト高となり、実用化には疑問がある。前記の
衝撃質量制振装置は、一質点系の振動モデルを基本とし
ているため、理論的な解明が可能であるが、特定の振動
数帯域のみ制振効果を発揮するので、幅広い振動数帯域
に対応できる装置をつくることができない。また、その
制振効果がポールの振動特性により大きな影響を受ける
ため、ポールの振動特性の詳細な把握が不可欠である。
さらに、大変形時等のポールのソフトニング等によるポ
ールの振動特性の変化には対応できない。
【0006】前記の粘弾性体制振装置は、振動エネル
ギの減衰の評価(モデル化)が容易であり、減衰特性が
ポールの振動特性、外乱の振動数に依存しない良さがあ
るが、ポール用制振装置として、実用に供し得るものは
まだ開発されていない。前記のバネと粘弾性体を用い
る制振装置は、水平方向の振動と鉛直方向の振動とを同
時に制振できるが、ポールが振動したとき、質量体が振
動して、これを支持するコイルバネが変形(変位)し、
質量体の一部を構成する抵抗体が粘弾性体を変形(変
位)させて、コイルバネと粘弾性体の変形(変位)によ
り振動エネルギを吸収するため、抵抗体の形状や大きさ
を実験的に決める必要があり、その設計に多額の費用を
必要とする欠点がある。この発明の解決しようとする課
題は、上記の〜及びの制振装置が有していた欠点
を有しないポール用制振装置を提供すること、換言する
と、振動モデルによる数学的な解析及び評価が可能で、
より安価で、広い振動数帯域の制振性能が確保できるポ
ール用制振装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明のポール用制振
装置は、水平制振部と鉛直制振部とを備え、水平制振部
を水平横制振部と水平縦制振部とで構成したポール用制
振装置において、細長い箱状支持体の基板上にその長手
方向に移動自在に第1質量体が配置され、箱状支持体の
一方の端部と第1質量体との間に水平横復元バネが配さ
れ、水平横復元バネの一方の端が前記の一方の端部に連
結されその他方の端が第1質量体に連結され、箱状支持
体の他方の端部と第1質量体との間に振動減衰体が配さ
れ、振動減衰体の一方の端が他方の端部に連結されその
他方の端が第1質量体に連結されて、前記水平横制振部
が構成され、第1短角筒状支持体内に第2質量体である
前記水平横制振部が配置され、水平横制振部が第1短角
筒状支持体内においてその長手方向に対して直角な方
向、すなわち、縦方向に移動自在とされ、第2質量体で
ある水平横制振部の一方の側部とこれに対向する第1短
角筒状支持体の周囲壁との間に少なくとも一つの水平縦
復元バネが配され、水平縦復元バネの一方の端が前記側
部に連結されその他方の端が前記周囲壁に連結され、第
2質量体である水平横制振部の他方の側部とこれに対向
する第1短角筒状支持体の周囲壁との間に少なくとも一
つの振動減衰体が配され、振動減衰体の一方の端が前記
側部に連結されその他方の端が前記周囲壁に連結され
て、前記水平縦制振部が構成され、第3質量体である前
記水平制振部が第2短角筒状支持体内に配置され、第3
質量体である前記水平制振部が第2短角筒状支持体内に
おいて鉛直方向に移動自在とされ、第2短角筒状支持体
の下部と第1短筒状支持体の下部との間、又は第2短筒
状支持体の上部と第1短筒状支持体の上部との間、或い
は第2短筒状支持体の下部と第1短筒状支持体の下部と
の間及び第2短筒状支持体の上部と第1短筒状支持体の
上部との間に、少なくとも一つの振動減衰体及び複数の
鉛直復元バネが間隔をおいて鉛直方向に向けて配され、
鉛直復元バネの上端が第1短筒状支持体の下部又は第2
短筒状支持体の上部に連結されその下端が第2短筒状支
持体の下部又は第1短筒状支持体の上部に連結され、振
動減衰体の上端が第1短筒状支持体の下部又は第2短筒
状支持体の上部に連結されその下端が第2短筒状支持体
の下部又は第1短筒状支持体の上部に連結されて、前記
鉛直制振部が構成され、上記の各振動減衰体として油圧
ダンパーと弾性バネとを直列に連結してなるものが用い
られていることを特徴とするものである。
【0008】この発明の好ましい形態では、細長い箱状
支持体の基板上にその長手方向の移動自在に第1質量体
が配置され、箱状支持体の一方の端板と第1質量体との
間に水平横復元バネが配され、水平横復元バネの一方の
端が一方の端板に連結されその他方の端が第1質量体に
連結され、箱状支持体の他方の端板と第1質量体との間
に振動減衰体が配され、振動減衰体の一方の端が他方の
端板に連結されその他方の端が第1質量体に連結され
て、前記水平横制振部が構成され、第1短角筒状支持体
内に第2質量体である水平横制振部が配置され、第2質
量体である水平横制振部が第1短角筒状支持体の底蓋上
にてその長手方向に対して直角な方向、すなわち、縦方
向に移動自在とされ、第2質量体である水平横制振部の
一方の側板とこれに対向する第1短角筒状支持体の周囲
壁との間に少なくとも一つの水平縦復元バネが配され、
水平縦復元バネの一方の端が前記側板に連結されその他
方の端が前記周囲壁に連結され、第2質量体である水平
横制振部の他方の側板とこれに対向する第1短角筒状支
持体の周囲壁との間に少なくとも一つの振動減衰体が配
され、振動減衰体の一方の端が前記側板に連結されその
他方の端が前記周囲壁に連結されて、前記水平縦制振部
が構成され、第3質量体である前記水平制振部が第2短
角筒状支持体内に配置されて、第3質量体である前記水
平制振部が第2短角筒状支持体内において鉛直方向に移
動自在とされ、第2短角筒状支持体の底蓋と第1短筒状
支持体の底蓋との間、又は第2短筒状支持体の上蓋と第
1短筒状支持体の上蓋との間、或いは第2短筒状支持体
の底蓋と第1短筒状支持体の底蓋との間及び第2短筒状
支持体の上蓋と第1短筒状支持体の上蓋との間に、少な
くとも一つの振動減衰体及び複数の鉛直復元バネが間隔
をおいて鉛直方向に向けて配され、鉛直復元バネの上端
が第1短筒状支持体の底蓋又は第2短筒状支持体の上蓋
に連結されその下端が第2短筒状支持体の底蓋又は第1
短筒状支持体の上蓋に連結され、振動減衰体の上端が第
1短筒状支持体の底蓋又は第2短筒状支持体の上蓋に連
結されその下端が第2短筒状支持体の底蓋又は第1短筒
状支持体の上蓋に連結されて、前記鉛直制振部が構成さ
れ、前記の各振動減衰体として油圧ダンパーと弾性バネ
とを直列に連結してなるものが用いられる。
【0009】また、この発明の好適な形態では、細長い
箱状支持体の基板上にその長手方向の移動自在に第1質
量体が配置され、箱状支持体の一方の端板と第1質量体
との間に水平横復元バネが配され、水平横復元バネの一
方の端が一方の端板に連結されその他方の端が第1質量
体に連結され、箱状支持体の他方の端板と第1質量体と
の間に振動減衰体が配され、振動減衰体の一方の端が他
方の端板に連結されその他方の端が第1質量体に連結さ
れて、水平横制振部が構成され、第1短角筒状支持体内
に第2質量体である水平横制振部が配置され、第2質量
体である水平横制振部が第1短角筒状支持体内に設けた
案内軌条で案内されてその底蓋上においてその長手方向
に対して直角な方向に、すなわち、縦方向に移動自在と
され、第2質量体である水平横制振部の一方の側板とこ
れに対向する第1短角筒状支持体の周囲壁との間に水平
縦復元バネが配され、水平縦復元バネの一方の端が前記
側板に連結されその他方の端が前記周囲壁に連結され、
第2質量体である水平横制振部の他方の側板とこれに対
向する第1短角筒状支持体の周囲壁との間に振動減衰体
が配され、振動減衰体の一方の端が前記側板に連結され
その他方の端が前記周囲壁に連結されて、水平縦制振部
が構成され、前記の各振動減衰体として油圧ダンパーと
弾性バネとを直列に連結してなるものが用いられる。
【0010】さらに、この発明の好適な形態では、水平
横制振部は、細長い箱状支持体と、第1質量体、水平横
復元バネ、及び油圧ダンパーと弾性バネとを直列に連結
してなる振動減衰体とからなり、箱状支持体の基板上に
下側に転動又は滑動部材を備えた第1質量体が配置さ
れ、箱状支持体の一方の端板と第1質量体との間に水平
横復元バネが配され、水平横復元バネの一方の端が一方
の端板に連結されその他方の端が第1質量体に連結さ
れ、箱状支持体の他方の端板と第1質量体との間に上記
振動減衰体が配され、この振動減衰体の一方の端が他方
の端板に連結されその他方の端が第1質量体に連結さ
れ、箱状支持体の基板及び両端板の両側にそれぞれ側板
が設けられる。この発明の好適な形態では、第2短角筒
状支持体の周囲壁の内側に複数の案内体が鉛直方向に向
けて設けられ、第2短角筒状支持体内に第3質量体であ
る水平制振部が配置されて、第3質量体である水平制振
部が前記案内体に案内されて鉛直方向に移動自在になる
ようにする。案内体としては、多数の鋼球を備えた転動
案内体又は減摩剤を含む材料(金属、合成樹脂等)から
なる滑動(摺動)案内体を使うこともできる。
【0011】
【発明の作用】この発明のポール用制振装置は、水平制
振部と鉛直制振部とを備え、水平制振部が水平横制振部
と水平縦制振部とで構成され、水平制振部の水平横制振
部が水平横方向の振動を制振し、水平制振部の水平縦制
振部が水平縦方向の振動を制振し、鉛直制振部が鉛直方
向の振動を制振するので、ポールに作用する全ての方向
の振動を一つの制振装置で制振することができる。
【0012】
【実施例】この発明の実施例を、図1〜図12を使って
詳細に説明する。ポール用制振装置100は、水平方向
の制振を掌る水平制振部10と鉛直方向の制振を掌る鉛
直制振部20とを備えている。
【0013】水平制振部10は、水平横制振部10Aと
水平縦制振部10Bとで構成されている。水平横制振部
10Aは、図3〜図6に示すように、箱状支持体11、
第1質量体12、水平復元バネ13及び振動減衰体14
で構成される。箱状支持体11は、平面視が長い矩形の
基板11aの長手方向の両端に端板11b,11cを基
板11a面に対して直角に固着し、基板11a及び両端
板11b,11cの両端縁に側板11d,11eを取外
可能に固着し、かつ両端板11b,11c及び両側板1
1d,11eの上端に上板11fを取外可能に固着して
形成される。箱状支持体11から側板11d,11e及
び上板11fを外した状態において、基板11aの上側
の面上に下側に複数の車輪12aを取り付けた直方体状
の第1質量体12を載置し、左側の端板11bと第1質
量体12との間に水平横復元バネ13を配し、水平横復
元バネ13の一方の端を端板11bに連結し、水平横復
元バネ13の他方の端を第1質量体12に連結する。ま
た、第1質量体12と右側の端板11cとの間に油圧ダ
ンパ14aと弾性バネ14bとを直列に連結してなる振
動減衰体14を配し、振動減衰体14の一方の端を第1
質量体12に連結し、振動減衰体14の他方の端を端板
11cに連結する。それから、基板11a及び両端板1
1b,11cの両端縁に側板11d,11eを取外可能
に固着し、必要に応じて、両端板11b,11c及び両
側板11d,11eの上端に上板11fを取外可能に固
着する。なお、水平横復元バネ13は、第1質量体12
をその振幅の中央位置に保持する(戻す)働きをする。
箱状支持体11がその基板11aの長手方向に振動する
と、基板11aの上側の面上において、該面に接触して
回転する車輪12aを介して、第1質量体12が基板1
1aの長手方向に振動する。すなわち、水平横復元バネ
13、油圧ダンパ14a及び弾性バネ14bが変形(変
位)する。そして、振動減衰体14の油圧ダンパ14a
及び弾性バネ14b並びに水平横復元バネ13の変形
(変位)のために消費さるエネルギ分だけ振動のエネル
ギが吸収される。
【0014】水平縦制振部10Bは、図7及び図8に示
すように、第1短角筒状支持体15、第2質量体16で
ある水平横制振部10A、水平縦復元バネ17、振動減
衰体18及び案内体19で構成される。第1短角筒状支
持体15は、平面視が矩形で、少なくともその平行な二
辺の長さが箱状支持体11の基板11aの長手方向の寸
法よりも幾分か大きい短角筒状の周囲壁15a,15
b,15c,15dに、底蓋15e及び上蓋15fを着
脱可能に固定して構成されてる。第1短角筒状支持体1
5の底蓋15eの上側の両側の周囲壁15a,15cよ
りの部分に、周囲壁15a,15cと平行に案内軌条1
9を設ける。水平横制振部10Aの基板11aの下面の
その長手方向の端よりの部分に、基板11aの長手方向
と平行な軸線回りに回動自在に複数の車輪16aを取り
付けて、これを第2質量体16とする。第1短角筒状支
持体15の上蓋15fを外した状態にして、第1短角筒
状支持体15内に水平横制振部10A等からなる第2質
量体16を配置して、水平横制振部10Aの車輪16a
を前記案内軌条19と係合させ、第2質量体16(すな
わち、水平横制振部10A)をその長手方向に対して直
角な方向へ、すなわち、縦方向へ移動自在に支持する。
【0015】第2質量体16である水平横制振部10A
の側板11dの中央部と第1短角筒状支持体15の周囲
壁15bの中央部との間に水平縦復元バネ17を配し、
水平縦復元バネ17の一方の端を側板11dに連結し、
水平縦復元バネ17の他方の端を周囲壁15bに連結す
る。また、第2質量体16である水平横制振部10Aの
側板11eの中央部分と第1短角筒状支持体15の周囲
壁15dの中央部分との間に油圧ダンパ18aと弾性バ
ネ18bとを直列に連結してなる振動減衰体18を配
し、振動減衰体18の一方の端を側板11eに連結し、
振動減衰体18の他方の端を周囲壁15dに連結する。
それから、必要に応じて、第1短角筒状支持体15の周
囲壁15a〜15dの上端に上蓋15fを取外可能に固
定する。なお、水平縦復元バネ17は、第2質量体12
(すなわち、水平横制振部10A)をその縦方向の振幅
の中央位置に保持する(戻す)働きをする。
【0016】水平縦制振部10Bは、その第2質量体1
6である水平横制振部10Aがその長手方向に対して直
角な方向の振動を受けると、第1短角筒状支持体15の
底蓋15eの上側において、第2質量体16の車輪16
aが案内軌条19にて案内されて、水平横制振部10A
の長手方向に対して直角な方向、すなわち、縦方向に振
動する。第2質量体12(すなわち、水平横制振部10
A)の縦方向の振動により、水平縦復元バネ17、油圧
ダンパ18a及び弾性バネ18bが変形(変位)する。
そして、振動減衰体18の油圧ダンパ18a及び弾性バ
ネ18b並びに水平縦復元バネ17の変形(変位)によ
り消費さるエネルギ分だけその振動のエネルギが吸収さ
れる。一つの水平縦復元バネ17と一つの振動減衰体1
8を第1短角筒状支持体15の中央に配設する場合が図
1に示されているが、二つの水平縦復元バネ17と二つ
の振動減衰体18とを第1短角筒状支持体15の中心線
から同じ距離はなれた位置に配設するようにしてもよ
い。
【0017】鉛直制振部20は、図1及び図2に示すよ
うに、第2短角筒状支持体21、第3質量体22である
水平制振部10、鉛直復元バネ23、振動減衰体24及
び転動案内体25で構成される。第2短角筒状支持体2
1は、平面視が矩形で、その各辺の長さ及びその鉛直方
向の寸法が、第1短角筒状支持体15の各辺の長さ及び
その鉛直方向の寸法よりも幾分か大きい短角筒状の周囲
壁21a,21b,21c,21dに、底蓋21e及び
上蓋21fを着脱可能に固定して構成される。第2短角
筒状支持体21の各周囲壁21a〜21dの内側に、複
数の鋼球を備えた転動案内体25を、第3質量体22
(すなわち、水平制振部10)を鉛直方向に案内し得る
ように、鉛直方向に向けて2列ずつ適宜の固定手段にて
固定する。第3質量体22である水平制振部10の第1
短角筒状支持体15の底蓋15eの下側の4隅よりの部
分にそれぞれ鉛直復元バネ23を配し、各鉛直復元バネ
23の上方の端を底蓋15eに連結し、前記底蓋15e
の下側の中央部分に油圧ダンパ24aと弾性バネ24b
とを直列に連結してなる振動減衰体24を配し、振動減
衰体24の上端を前記底蓋15eの中央部分に連結す
る。そして、第2短角筒状支持体21の底蓋21e及び
上蓋21fを外した状態にして、水平制振部10からな
る第3質量体22を第2短角筒状支持体15の周囲壁2
1a〜21d内に挿入して、水平制振部10の第1短角
筒状支持体15の各周囲壁15a〜15dの外側の面を
第2短角筒状支持体21の各周囲壁21a〜21dの内
側に取り付けた各転動案内体25に係合させて、第3質
量体22を鉛直方向に移動自在とする。それから、各鉛
直復元バネ23の下方の端を第2短角筒状支持体21の
底蓋21eの4隅よりの部分に連結し、前記振動減衰体
24の下方の端を第2短角筒状支持体21の底蓋21e
の中央部分に連結する。その後、底蓋21eを周囲壁の
下端に取外可能に固定する。
【0018】鉛直復元バネ23は、第3質量体22をそ
の鉛直方向の振幅の中央位置に保持する(戻す)働きを
する。鉛直制振部20は、その第3質量体16である水
平制振部10が鉛直方向の振動を受けると、水平制振部
10の第1短角筒状支持体15が第2短角筒状支持体2
1の周囲壁21a〜21dに設けた転動案内体25によ
り鉛直方向に案内されて、水平制振部10が鉛直方向に
振動する。水平制振部10が鉛直方向に振動することに
より、鉛直復元バネ23、振動減衰体24の油圧ダンパ
24a及びバネ24bが変形(変位)する。そして、振
動減衰体24の油圧ダンパ24a及びバネ24b並びに
鉛直復元バネ23の変形(変位)のために消費さるエネ
ルギ分だけその振動のエネルギが吸収される。
【0019】街灯を支持する湾曲管ポール1は、図9に
示すように「し」の字を逆さにした形状の円筒柱体で構
成され、その曲がった部分1aの先端部に照明器3を取
り付けるようになっている。図9に示すような湾曲管ポ
ール1の場合で、円筒柱体の真っ直ぐな部分の内径が大
きくて外観を重んずる場合には、曲がった部分1aより
の真っ直ぐな部分Aの円筒柱体内に、実施例のポール用
制振装置100を挿入し、その底蓋15e,21eが略
水平になるように、その第2短角筒状支持体21をポー
ル1に着脱可能に固定する。図9に示すような湾曲管ポ
ール1の場合で、円筒柱体の真っ直ぐな部分の内径が小
さかったり内径が大きくても外観を重んじない場合に
は、曲がった部分1aよりの真っ直ぐな部分Aの円筒柱
体の外側に、その底蓋15e,21eが略水平になるよ
うに、制振装置100の第2短角筒状支持体21を着脱
可能に固定する。また、図9に示すような湾曲管ポール
1の場合には、曲がった部分1aの略水平の部分Bの円
筒柱体の外側に、その底蓋11e,21eが略水平にな
るように、制振装置100の第2短角筒状支持体21を
着脱可能に固定するようにしてもよい。さらに、図9に
示すように、湾曲管ポール1の先に取り付けた照明器3
の外側又は内側に、その底部11a,21aが略水平に
なるように、制振装置100の第2短角筒状支持体21
を着脱可能に固定する。なお、真っ直ぐな部分の先が曲
がっている(例えば゛「し」の字を逆さにした形状に曲
がっている)円筒柱体からなる湾曲管ポール1に、実施
例のポール用制振装置100を内装又は外装する場合に
は、例えば、ポール用制振装置100の水平制振部10
の水平横制振部10Aの箱状支持体11の長手方向を、
湾曲したポール1の円筒柱体の中心軸線を含む平面に対
して直交させて、制振装置100の第2短角筒状支持体
21を着脱可能に固定する。
【0020】街灯を支持する直管ポール2は、図10に
示すように真っ直ぐな円筒柱体で構成され、その上部に
照明器3を着脱可能に固着するようになっている。図1
0に示すようなポール2の場合で、真っ直ぐな円筒柱体
の内径が大きいくて外観を重んずる場合には、円筒柱体
の上端より少し下がった部分Aの円筒柱体内に、ポール
用制振装置100を挿入し、その底蓋11e,21eが
略水平になるように、その第2短角筒状支持体21をポ
ール2に着脱可能に固定する。図10に示す直管ポール
2の場合で、その円筒柱体の内径が小さかったり内径が
大きくても外観を重んじない場合には、上端より少し下
がった部分Aの円筒柱体の外側に、その底蓋11e,2
1eが略水平になるように、制振装置100の第2短角
筒状支持体21を着脱可能に固定する。また、図10に
示す直管ポール2のようにその上端に照明器3を取り付
ける場合には、照明器3を含む部分Cの照明器3の外側
又は内側に、その底部11e,21eが略水平になるよ
うに、制振装置100の第2短角筒状支持体21を着脱
可能に固定する。
【0021】次に、図9に示す湾曲ポール1の部分Aの
円筒柱体の外側に、実施例のポール用制振装置100
を、その水平制振部10の水平横制振部10Aの箱状支
持体11の長手方向が湾曲したポールの円筒柱体の中心
軸線を含む平面に対して直交し、かつその底蓋11e,
21eが略水平になるように、制振装置100の第2短
角筒状支持体21をポール1に着脱可能に固定した場合
のポール用制振装置100の作用を説明する。ポール1
が水平な横方向の振動、すなわち、湾曲したポールの円
筒柱体の中心軸線を含む平面に対して直角な方向の振動
を受けると、制振装置100の水平横制振部10Aの第
1質量体12は、第1質量体12の下側に設けた車輪1
2aが転動しなから基板11aの上側面に案内されて、
各水平横復元バネ14に抗して、前記振動に対応して水
平横方向に振動する。第1質量体12は油圧ダンパ14
aと弾性バネ14bとからなる振動減衰体14を介して
箱状支持体11の端板11cに連結されているから、第
1質量体12の水平横方向の振動に応じて、油圧ダンパ
14a、バネ14b及び水平横復元バネ14が変形(変
位)する。この振動減衰体14の油圧ダンパ14a及び
バネ14b並びに水平横復元バネ14の変形(変位)の
ために消費さるエネルギ分だけポール1の振動のエネル
ギが吸収される。従って、ポール1に作用する水平横方
向の振動が減衰される。
【0022】ポール1が水平な縦方向、すなわち、湾曲
したポールの円筒柱体の中心軸線を含む平面と平行な方
向の振動を受けると、制振装置100の水平縦制振部1
0Bの第2質量体16である水平横制振部10Aが、そ
の長手方向に対して直角な方向の振動力を受ける。そし
て、第1短角筒状支持体15の底蓋15eの上側におい
て、第2質量体16の車輪16aが案内軌条19にて案
内されて、水平横制振部10Aの長手方向に対して直角
な方向、すなわち、水平な縦方向に振動する。この第2
質量体16(すなわち、水平横制振部10A)の縦方向
の振動により、水平復元バネ17、油圧ダンパ18a及
び弾性バネ18bが変形(変位)する。そして、振動減
衰体18の油圧ダンパ18a及び弾性バネ18b並びに
水平復元バネ17の変形(変位)のために消費されるエ
ネルギ分だけ水平な縦方向の振動のエネルギが吸収され
る。従って、ポールに作用する水平な縦方向の振動が減
衰される。
【0023】また、湾曲管ポール1が鉛直方向の振動を
受けると、制振装置100の鉛直制振部20の第3質量
体22、すなわち、水平制振部10の第1短角筒状支持
体15が第2短角筒状支持体21の周囲壁21a〜21
dに設けた転動案内体25にて鉛直方向に案内されて、
第3質量体22(すなわち、水平制振部10)が鉛直方
向に振動する。第3質量体22が鉛直方向に振動するこ
とにより、鉛直復元バネ23、油圧ダンパ24a及びバ
ネ24bが変形(変位)する。そして、振動減衰体24
の油圧ダンパ24a及びバネ24b並びに鉛直復元バネ
23の変形(変位)させるために消費されるエネルギ分
だけその振動のエネルギが吸収される。従って、ポール
1に作用する鉛直方向の振動が減衰される。
【0024】実施例のポール用制振装置100の水平制
振部10の水平横制振部10A及び水平縦制振部10B
並びに鉛直制振部20は、図7に示すように、一質点系
の振動モデルとして示すことができる。振動減衰体1
4,18,24の油圧ダンパ14a,18a,24a及
び弾性バネ14b,18b,24bと質量体14,24
との間においては、Mを質量体の質量、Kdanpを油
圧ダンパとバネとからなる振動減衰体の軸剛性、Fda
npをその固有振動数、Cdanpをその粘性減衰定数
とすると、 Kdanp=(2πFdanp)M (1) の式が成立する。また、質量体14,16,24と復元
バネ13,17,23との間においては、Ktmdを復
元バネのバネ定数、Ftmdを復元バネの固有振動数と
すると、 Ktmd=(2πFtmd)M (2) の式が成立する。制振装置100の水平制振部10の水
平横制振部10A及び水平縦制振部10Bの機能、並び
に鉛直制振部20の機能は、上記式(1)及び(2)に
より、数学的に容易に解析することができる。
【0025】図9には他の実施例が示されている。この
実施例は、鉛直復元バネ23及び振動減衰体24の取り
付け方が図1〜図8に示す実施例と相違しているだけ
で、他の構成は図1〜図8に示すものと同じである。図
9に示す実施例では、第3質量体22である水平制振部
10の第1短角筒状支持体15の上蓋15fの4隅より
の部分にそれぞれ鉛直復元バネ23の下端を連結する。
そして、第1短角筒状支持体15を第2短角筒状支持体
21内にこれらの中心軸線を一致させて嵌め合わした状
態にし、各鉛直復元バネ23の上端を第2短角筒状支持
体21の上蓋21fの4隅よりの部分に連結し、前記振
動減衰体24の上端を前記上蓋21fの中央部分に連結
する。その後、上蓋21fを周囲壁21a〜21dの上
部に適宜の固定手段にて着脱可能に固定する。また、第
2短角筒状支持体21の上蓋21fと第1短筒状支持体
11の上蓋15fとの間の4隅よりの各部分に鉛直復元
バネ27Aを配設し、第2短角筒状支持体21の底蓋2
1eと第1短筒状支持体11の底蓋15eとの間の中央
部分に振動減衰体24を配設してもよいし、逆に、第2
短角筒状支持体21の底蓋21eと第1短筒状支持体1
1の底蓋15eとの間の4隅よりの各部分に鉛直復元バ
ネ27Aを配設し、第2短角筒状支持体21の上蓋21
fと第1短筒状支持体11の上蓋15fとの間の中央部
分に振動減衰体24を配設するようにしてもよい。さら
に、第2短角筒状支持体21の上蓋21fと第1短筒状
支持体11の上蓋15fとの間の4隅よりの各部分に鉛
直復元バネ27Aを配設しその中央部分に振動減衰体2
4を配設するとともに、第2短角筒状支持体21の底蓋
21eと第1短筒状支持体11の底蓋15eとの間の4
隅よりの各部分に鉛直復元バネ27Aを配設しその中央
部分に振動減衰体24を配設するようにしてもよい。
【0026】上記の実施例のポール用制振装置100に
おいて、箱状支持体11の側板11d,11e及び上板
11f、第1及び第2短角筒状支持体15,21の周囲
壁15a〜15d,21a〜21d、底蓋15e,21
e及び上蓋15f,21f等には、必要に応じて、重さ
の調節、組立の容易化、換気等を考慮して、必要部分に
開口又は切欠きを設ける場合がある。なお、図1〜図8
に示す実施例の場合には、上板11fや上蓋15fは省
いてもよい。上記の実施例の説明においては、街灯を支
持する湾曲管ポール1又は直管ポール2にポール用制振
装置100を取り付ける場合について説明したが、実施
例のポール用制振装置100は、標識体、信号器等を支
持するポールの制振にも使用し得るものである。
【0027】
【発明の効果】(イ)請求項1に係る発明のポール用制
振装置は、水平制振部と鉛直制振部とを備え、水平制振
部を水平横制振部と水平縦制振部とで構成したポール用
制振装置において、細長い箱状支持体の基板上にその長
手方向に移動自在に第1質量体が配置され、箱状支持体
の一方の端部と第1質量体との間に水平横復元バネが配
され、水平横復元バネの一方の端が前記の一方の端部に
連結されその他方の端が第1質量体に連結され、箱状支
持体の他方の端部と第1質量体との間に振動減衰体が配
され、振動減衰体の一方の端が他方の端部に連結されそ
の他方の端が第1質量体に連結されて、前記水平横制振
部が構成され、第1短角筒状支持体内に第2質量体であ
る前記水平横制振部が配置され、水平横制振部が第1短
角筒状支持体内においてその長手方向に対して直角な方
向、すなわち、縦方向に移動自在とされ、第2質量体で
ある水平横制振部の一方の側部とこれに対向する第1短
角筒状支持体の周囲壁との間に少なくとも一つの水平縦
復元バネが配され、水平縦復元バネの一方の端が前記側
部に連結されその他方の端が前記周囲壁に連結され、第
2質量体である水平横制振部の他方の側部とこれに対向
する第1短角筒状支持体の周囲壁との間に少なくとも一
つの振動減衰体が配され、振動減衰体の一方の端が前記
側部に連結されその他方の端が前記周囲壁に連結され
て、前記水平縦制振部が構成され、第3質量体である前
記水平制振部が第2短角筒状支持体内に配置され、第3
質量体である前記水平制振部が第2短角筒状支持体内に
おいて鉛直方向に移動自在とされ、第2短角筒状支持体
の下部と第1短筒状支持体の下部との間、又は第2短筒
状支持体の上部と第1短筒状支持体の上部との間、或い
は第2短筒状支持体の下部と第1短筒状支持体の下部と
の間及び第2短筒状支持体の上部と第1短筒状支持体の
上部との間に、少なくとも一つの振動減衰体及び複数の
鉛直復元バネが間隔をおいて鉛直方向に向けて配され、
鉛直復元バネの上端が第1短筒状支持体の下部又は第2
短筒状支持体の上部に連結されその下端が第2短筒状支
持体の下部又は第1短筒状支持体の上部に連結され、振
動減衰体の上端が第1短筒状支持体の下部又は第2短筒
状支持体の上部に連結されその下端が第2短筒状支持体
の下部又は第1短筒状支持体の上部に連結されて、前記
鉛直制振部が構成され、上記の各振動減衰体として油圧
ダンパーと弾性バネとを直列に連結してなるものが用い
られているから、振動モデルによる数学的な解析及び評
価が可能であり、構造が簡単でより安価で提供すること
ができ、広い振動数帯域の制振性能が確保できることが
できる。
【0028】(ロ)請求項2に記載したようにポール用
制振装置を構成すると、上記(イ)の効果と同じ効果を
奏し得るだけでなく、水平横制振部と水平縦制振部とか
らなる水平制振部と鉛直制振部とをコンパクトにかつバ
ランスよくまとめることができる。 (ハ)請求項3に記載したように水平制振部の水平横制
振部及び水平縦制振部を構成すると、上記(イ)及び
(ロ)の効果と同じ効果を奏し得るだけでなく、第1質
量体である水平横制振部を、第1短角筒状支持体内に設
けた案内軌条で案内 することができ、第2質量体である水平縦制振部の縦方
向への移動(振動)を円滑に行わせることができる。 (ニ)請求項4に係る発明のポール用制振装置は、水平
横制振部が、細長い箱状支持体と、第1質量体、水平横
復元バネ、及び油圧ダンパーと弾性バネとを直列に連結
してなる振動減衰体とからなり、箱状支持体の基板上に
下側に転動又は滑動部材を備えた第1質量体が配置さ
れ、箱状支持体の一方の端板と第1質量体との間に水平
横復元バネが配され、水平横復元バネの一方の端が一方
の端板に連結されその他方の端が第1質量体に連結さ
れ、箱状支持体の他方の端板と第1質量体との間に上記
振動減衰体が配され、この振動減衰体の一方の端が他方
の端板に連結されその他方の端が第1質量体に連結さ
れ、箱状支持体の基板及び両端板の両側にそれぞれ側板
が設けられているから、第1質量体の下側に設けた転動
又は滑動部材により、基板上における第1質量体の基板
の長手方向への移動(振動)を円滑に行わせることがで
きるだけでなく、両側板により水平縦制振部の水平復元
バネや振動減衰体の水平横制振部への連結が容易にな
る。
【0029】(ホ)請求項5に係る発明のポール用制振
装置は、第2短角筒状支持体の周囲壁の内側に複数の案
内体が鉛直方向に向けて設けられ、第2短角筒状支持体
内に第3質量体である水平制振部が配置されて、第3質
量体である水平制振部が前記案内体に案内されて鉛直方
向に移動自在にされているから、上記(イ)及び(ロ)
の効果と同じ効果を奏し得るだけでなく、第2質量体を
構成する水平制振部を、第2短角筒状支持体内に設けた
案内体にて案内することができ、第3質量体である水平
制振部の鉛直方向への移動(振動)を円滑に行わせるこ
とができる。 (ヘ)請求項6に係る発明のポール用制振装置は、案内
体として、多数の鋼球を備えた転動案内体又は減摩材等
を含有させた材料(金属、合成樹脂等)からなる滑動
(摺動)案内体を使うから、第3質量体を構成する水平
制振部を鉛直方向に円滑に案内できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のポール用制振装置の上蓋等を外した状
態の平面図
【図2】図1に示すポール用制振装置を図1のA−A線
で断面し矢印方向に視た側面図
【図3】実施例のポール用制振装置の上蓋及び側板を外
した水平横制振部の正面図
【図4】図4の水平横制振部の平面図
【図5】実施例のポール用制振装置の側板、上板及び車
輪を取り付けた水平横制振部の正面図
【図6】図5に示す水平横制振部の側面図
【図7】実施例のポール用制振装置の水平制振部の上蓋
を外した水平縦制振部の平面図
【図8】図7に示す水平縦制振部を図7のB−B線で断
面し矢印方向に視た側面図
【図9】実施例の他のポール用制振装置を図1のA−A
線と同様の線で断面し矢印方向に視た側面図
【図10】実施例のポール用制振装置の湾曲管ポールへ
の取付位置を示す正面図
【図11】実施例のポール用制振装置の直管ポールへの
取付位置を示す正面図
【図12】実施例のポール用制振装置をモデル化した説
明図
【符号の説明】
100 ポール用制振装置 1,2 ポール 3 照明器 10 水平制振部 10A 水平横制振部 10B 水平縦制振部 11 箱状支持体 11a 基板 11b,11c 端板 11d,11e 側板 11f 上板 12 第1質量体 12a 車輪 13 水平横復元バネ 14 振動減衰体 14a 油圧ダンパ 14b 弾性バネ 15 第1短角筒状支持体 15a〜15d 周囲壁 15e 底蓋 15f 上蓋 16 第2質量体(横方向制振部10A) 16a 車輪 17 水平縦復元バネ 18 振動減衰体 18a 油圧ダンパ 18b 弾性バネ 19 案内軌条 20 鉛直制振部 21 第2短角筒状支持体 21a〜21d 周囲壁 21e 底蓋 21f 上蓋 22 第3質量体(水平制振部10) 23 鉛直復元バネ 24 振動減衰体 24a 油圧ダンパ 24b 弾性バネ 25 転動案内体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−329186(JP,A) 特開 平9−158534(JP,A) 実開 平2−27044(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01F 9/011 F16F 15/02 F21S 8/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平制振部と鉛直制振部とを備え、水平制
    振部を水平横制振部と水平縦制振部とで構成したポール
    用制振装置において、細長い箱状支持体の基板上にその
    長手方向に移動自在に第1質量体が配置され、箱状支持
    体の一方の端部と第1質量体との間に水平横復元バネが
    配され、水平横復元バネの一方の端が前記の一方の端部
    に連結されその他方の端が第1質量体に連結され、箱状
    支持体の他方の端部と第1質量体との間に振動減衰体が
    配され、振動減衰体の一方の端が他方の端部に連結され
    その他方の端が第1質量体に連結されて、前記水平横制
    振部が構成され、第1短角筒状支持体内に第2質量体で
    ある前記水平横制振部が配置され、水平横制振部が第1
    短角筒状支持体内においてその長手方向に対して直角な
    方向、すなわち、縦方向に移動自在とされ、第2質量体
    である水平横制振部の一方の側部とこれに対向する第1
    短角筒状支持体の周囲壁との間に少なくとも一つの水平
    縦復元バネが配され、水平縦復元バネの一方の端が前記
    側部に連結されその他方の端が前記周囲壁に連結され、
    第2質量体である水平横制振部の他方の側部とこれに対
    向する第1短角筒状支持体の周囲壁との間に少なくとも
    一つの振動減衰体が配され、振動減衰体の一方の端が前
    記側部に連結されその他方の端が前記周囲壁に連結され
    て、前記水平縦制振部が構成され、第3質量体である前
    記水平制振部が第2短角筒状支持体内に配置され、第3
    質量体である前記水平制振部が第2短角筒状支持体内に
    おいて鉛直方向に移動自在とされ、第2短角筒状支持体
    の下部と第1短筒状支持体の下部との間、又は第2短筒
    状支持体の上部と第1短筒状支持体の上部との間、或い
    は第2短筒状支持体の下部と第1短筒状支持体の下部と
    の間及び第2短筒状支持体の上部と第1短筒状支持体の
    上部との間に、少なくとも一つの振動減衰体及び複数の
    鉛直復元バネが間隔をおいて鉛直方向に向けて配され、
    鉛直復元バネの上端が第1短筒状支持体の下部又は第2
    短筒状支持体の上部に連結されその下端が第2短筒状支
    持体の下部又は第1短筒状支持体の上部に連結され、振
    動減衰体の上端が第1短筒状支持体の下部又は第2短筒
    状支持体の上部に連結されその下端が第2短筒状支持体
    の下部又は第1短筒状支持体の上部に連結されて、前記
    鉛直制振部が構成され、上記の各振動減衰体として油圧
    ダンパーと弾性バネとを直列に連結してなるものが用い
    られていることを特徴とするポール用制振装置。
  2. 【請求項2】水平制振部と鉛直制振部とを備え、水平制
    振部を水平横制振部と水平縦制振部とで構成したポール
    用制振装置において、細長い箱状支持体の基板上にその
    長手方向の移動自在に第1質量体が配置され、箱状支持
    体の一方の端板と第1質量体との間に水平横復元バネが
    配され、水平横復元バネの一方の端が一方の端板に連結
    されその他方の端が第1質量体に連結され、箱状支持体
    の他方の端板と第1質量体との間に振動減衰体が配さ
    れ、振動減衰体の一方の端が他方の端板に連結されその
    他方の端が第1質量体に連結されて、前記水平横制振部
    が構成され、第1短角筒状支持体内に第2質量体である
    水平横制振部が配置され、第2質量体である水平横制振
    部が第1短角筒状支持体の底蓋上にてその長手方向に対
    して直角な方向、すなわち、縦方向に移動自在とされ、
    第2質量体である水平横制振部の一方の側板とこれに対
    向する第1短角筒状支持体の周囲壁との間に少なくとも
    一つの水平縦復元バネが配され、水平縦復元バネの一方
    の端が前記側板に連結されその他方の端が前記周囲壁に
    連結され、第2質量体である水平横制振部の他方の側板
    とこれに対向する第1短角筒状支持体の周囲壁との間に
    少なくとも一つの振動減衰体が配され、振動減衰体の一
    方の端が前記側板に連結されその他方の端が前記周囲壁
    に連結されて、前記水平縦制振部が構成され、第3質量
    体である前記水平制振部が第2短角筒状支持体内に配置
    されて、第3質量体である前記水平制振部が第2短角筒
    状支持体内において鉛直方向に移動自在とされ、第2短
    角筒状支持体の底蓋と第1短筒状支持体の底蓋との間、
    又は第2短筒状支持体の上蓋と第1短筒状支持体の上蓋
    との間、或いは第2短筒状支持体の底蓋と第1短筒状支
    持体の底蓋との間及び第2短筒状支持体の上蓋と第1短
    筒状支持体の上蓋との間に、少なくとも一つの振動減衰
    体及び複数の鉛直復元バネが間隔をおいて鉛直方向に向
    けて配され、鉛直復元バネの上端が第1短筒状支持体の
    底蓋又は第2短筒状支持体の上蓋に連結されその下端が
    第2短筒状支持体の底蓋又は第1短筒状支持体の上蓋に
    連結され、振動減衰体の上端が第1短筒状支持体の底蓋
    又は第2短筒状支持体の上蓋に連結されその下端が第2
    短筒状支持体の底蓋又は第1短筒状支持体の上蓋に連結
    されて、前記鉛直制振部が構成され、前記の各振動減衰
    体として油圧ダンパーと弾性バネとを直列に連結してな
    るものが用いられていることを特徴とするポール用制振
    装置。
  3. 【請求項3】細長い箱状支持体の基板上にその長手方向
    の移動自在に第1質量体が配置され、箱状支持体の一方
    の端板と第1質量体との間に水平横復元バネが配され、
    水平横復元バネの一方の端が一方の端板に連結されその
    他方の端が第1質量体に連結され、箱状支持体の他方の
    端板と第1質量体との間に振動減衰体が配され、振動減
    衰体の一方の端が他方の端板に連結されその他方の端が
    第1質量体に連結されて、水平横制振部が構成され、第
    1短角筒状支持体内に第2質量体である水平横制振部が
    配置され、第2質量体である水平横制振部が第1短角筒
    状支持体内に設けた案内軌条で案内されてその底蓋上に
    おいてその長手方向に対して直角な方向に、すなわち、
    縦方向に移動自在とされ、第2質量体である水平横制振
    部の一方の側板とこれに対向する第1短角筒状支持体の
    周囲壁との間に水平縦復元バネが配され、水平縦復元バ
    ネの一方の端が前記側板に連結されその他方の端が前記
    周囲壁に連結され、第2質量体である水平横制振部の他
    方の側板とこれに対向する第1短角筒状支持体の周囲壁
    との間に振動減衰体が配され、振動減衰体の一方の端が
    前記側板に連結されその他方の端が前記周囲壁に連結さ
    れて、水平縦制振部が構成され、前記の各振動減衰体と
    して油圧ダンパーと弾性バネとを直列に連結してなるも
    のが用いられていることを特徴とする請求項2記載のポ
    ール用制振装置。
  4. 【請求項4】水平横制振部は、細長い箱状支持体と、第
    1質量体、水平横復元バネ、及び油圧ダンパーと弾性バ
    ネとを直列に連結してなる振動減衰体とからなり、箱状
    支持体の基板上に下側に転動又は滑動部材を備えた第1
    質量体が配置され、箱状支持体の一方の端板と第1質量
    体との間に水平横復元バネが配され、水平横復元バネの
    一方の端が一方の端板に連結されその他方の端が第1質
    量体に連結され、箱状支持体の他方の端板と第1質量体
    との間に上記振動減衰体が配され、この振動減衰体の一
    方の端が他方の端板に連結されその他方の端が第1質量
    体に連結され、箱状支持体の基板及び両端板の両側にそ
    れぞれ側板が設けられていることを特徴とする請求項3
    記載のポール用制振装置。
  5. 【請求項5】第2短角筒状支持体の周囲壁の内側に複数
    の案内体が鉛直方向に向けて設けられ、第2短角筒状支
    持体内に第3質量体である水平制振部が配置されて、第
    3質量体である水平制振部が前記案内体に案内されて鉛
    直方向に移動自在にされていることを特徴とする請求項
    1又は2記載のポール用制振装置。
  6. 【請求項6】案内体として、多数の鋼球を備えた転動案
    内体又は減摩剤を含む材料からなる滑動案内体が用いら
    れていることを特徴とする請求項5記載のポール用制振
    装置。
JP27981599A 1999-08-25 1999-08-25 ポール用制振装置 Expired - Fee Related JP3275144B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27981599A JP3275144B2 (ja) 1999-08-25 1999-08-25 ポール用制振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27981599A JP3275144B2 (ja) 1999-08-25 1999-08-25 ポール用制振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001064923A JP2001064923A (ja) 2001-03-13
JP3275144B2 true JP3275144B2 (ja) 2002-04-15

Family

ID=17616312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27981599A Expired - Fee Related JP3275144B2 (ja) 1999-08-25 1999-08-25 ポール用制振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3275144B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101390502B1 (ko) * 2012-02-03 2014-04-30 단국대학교 산학협력단 복합형 진동 제어장치
KR102057536B1 (ko) 2019-02-11 2019-12-20 주식회사 에스알이엔지 내진 구조물
KR20220015230A (ko) * 2020-07-30 2022-02-08 한국원자력연구원 동흡진 장치 및 이를 포함하는 진동 저감 설비

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106758765B (zh) * 2016-11-09 2019-03-05 东南大学 一种多维调谐质量阻尼器
CN110875127A (zh) * 2018-08-29 2020-03-10 中国电力科学研究院有限公司 一种用于变压器的油阻尼减振装置及油浸式变压器
CN112853931A (zh) * 2021-01-22 2021-05-28 长安大学 一种多向复合联动减振器
KR102375313B1 (ko) * 2021-04-20 2022-03-17 주식회사 태헌 내진 조명타워
CN114962543B (zh) * 2022-04-18 2023-08-01 广东工业大学 一种流水生产线工作台缓冲防碰撞减震装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101390502B1 (ko) * 2012-02-03 2014-04-30 단국대학교 산학협력단 복합형 진동 제어장치
KR102057536B1 (ko) 2019-02-11 2019-12-20 주식회사 에스알이엔지 내진 구조물
KR20220015230A (ko) * 2020-07-30 2022-02-08 한국원자력연구원 동흡진 장치 및 이를 포함하는 진동 저감 설비
KR102388199B1 (ko) * 2020-07-30 2022-04-19 한국원자력연구원 동흡진 장치 및 이를 포함하는 진동 저감 설비

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001064923A (ja) 2001-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1820151B (zh) 动态振动吸收装置
JP3275144B2 (ja) ポール用制振装置
JP4971065B2 (ja) 建物構造物の制振装置
JP2001124137A (ja) ポール用制振装置
JP3091967B1 (ja) ポール用制振装置
Xue et al. Optimum parameters of tuned liquid column damper for suppressing pitching vibration of an undamped structure
CA2948506C (en) Method and apparatus for damping vibration of poles
JP2000329186A (ja) ポール用制振装置
JPH023067B2 (ja)
JP2002048191A (ja) 建造物の上下振動制振装置
JP5134498B2 (ja) 制振装置及び制振性に優れた立設部材
JPH0228021B2 (ja) Shindokyushusochi
KR101301349B1 (ko) 동흡진기
JP4466297B2 (ja) 桁の上下方向の振動による地盤の振動を低減する構造
JP4043760B2 (ja) 振動防止装置
JPH0544773A (ja) 動吸振装置
JPH0530361U (ja) 構造物の衝撃式制振装置
JPH0967877A (ja) 制振床パネル
JPH1194016A (ja) 転動型制振装置およびそれを用いた制振構造
JPH10266626A (ja) 直交2方向の建物周期が異なる超高層建物の制振装置
JPS63147072A (ja) 制振装置
JP2877687B2 (ja) 転動振子型制振装置
JPH04323473A (ja) 建造物の制振装置
JP2742531B2 (ja) 受動タイプの振動子機構
JP2000220316A (ja) 建築物制振装置、及び建築物の制振方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees