JP3091967B1 - ポール用制振装置 - Google Patents

ポール用制振装置

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JP3091967B1
JP3091967B1 JP11279816A JP27981699A JP3091967B1 JP 3091967 B1 JP3091967 B1 JP 3091967B1 JP 11279816 A JP11279816 A JP 11279816A JP 27981699 A JP27981699 A JP 27981699A JP 3091967 B1 JP3091967 B1 JP 3091967B1
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健治 古田
泰稔 長谷川
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Abstract

【要約】 【課題】水平方向及び鉛直方向の制振が可能で、広い振
動数帯域の制振性能が確保でき、構造が簡単なポール用
制振装置を提供すること。 【解決手段】水平制振部10は、第1短筒状支持体11
と、その底蓋11bの上側に結合した第1粘弾性体層1
6と、第1粘弾性体層に結合した第1質量体14と、前
記支持体11の周囲壁11aと第1質量体14との間に
装着した複数の水平復元バネ17とで構成され、鉛直制
振部20は、第2短筒状支持体21と、第2質量体を構
成する水平制振部10と、第2短筒状支持体21の周囲
壁21aと第1短筒状支持体11の周囲壁11aとの間
の角間隔をおいた部分に介装した第2粘弾性体層26
と、第1短筒状支持体11の底蓋11bと第2短筒状支
持体21の底蓋21bとの間に装着した複数の鉛直復元
バネ27とで構成される。 【効果】水平方向の振動を減衰させる水平制振部と鉛直
方向の振動を減衰させる鉛直制振部とをコンパクトなポ
ール用制振装置としてまとめることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ポール用制振装
置、特に、街灯、信号器、標識体等を支持するポールの
振動を制振するポール用制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】街灯等を支持するポールには、主に次の
ような問題がある。 (a)風によって生ずるカルマン渦に起因するポールの
共振によりポールが破損又は破断する。 (b)橋梁等では、交通振動、すなわち、車両の走行に
起因する路床板等の振動がその脚部からポールに入力し
て、ポールが振動することにより、ランプの寿命が大幅
に低下する、設計時に想定した照度分布が十分に確保で
きない、照明の揺れによる利用者の不安感が増大する。 このため、街灯等を支持するポールに制振装置を設ける
ことが行われている。上記制振装置は、ポールの振動エ
ネルギを他の力学的エネルギに変換・消費することによ
って、ポールの振動を制振する(抑える)ようになって
いる。
【0003】ポールに設ける制振装置としては、例え
ば、次の〜のようなものが提案され、これらの幾つ
かが実用化されている。 チェーン式制振装置 ポールの円筒柱内に所定長さの金属製のチェーンを吊る
し、ポールが振動したときに、チェーンが振動して、こ
れが壁面に衝突して、ポールの振動エネルギを吸収す
る。 鋼球式制振装置 ポールの円筒柱内に鋼球を入れた円筒容器を取り付け、
ポールが振動したときに、鋼球が振動して、これが円筒
容器の壁面に衝突して、その衝突によりポールの振動エ
ネルギを吸収する。 磁石式制振装置 永久磁石と導体板とを振動時に相対的に移動可能に配設
してなる制振装置をポールに取り付け、ポールが振動し
たときに、永久磁石と導体板とが相対的に振動して、導
体板に渦電流を発生して、その渦電流の渦電流損により
振動エネルギを吸収する。
【0004】 衝撃質量制振装置 装置枠内に設けた水平軸に腕体の一端を回動自在に取り
付け、前記腕体の他端に錘を取り付けて振り子を形成
し、前記振り子の腕体と前記装置枠との間にスプリング
及び油圧ダンパを設けてなる制振装置をポールに取り付
け、ポールが振動したときに、振り子が振動して、その
腕体に連結したスプリング及び油圧ダンパが変形(変
位)して、この変形(変位)により振動エネルギを吸収
する。 粘弾性体制振装置 複数の部材を振動時に互いに相対的に移動可能に配設
し、それらの部材間に粘弾性体層を介在させてなる制振
装置をポールに取り付け、ポールが振動したときに、複
数の部材が相対的に振動して、部材間に介在させた粘弾
性体層が変形(変位)して、その変形(変位)により振
動エネルギを吸収する。 バネと粘弾性体を用いる制振装置 円筒状容器内に、コイルバネを介して前記容器の底部等
に支持されかつその下部に抵抗体を備えたポールと同じ
固有周期を持つ質量体を設け、前記容器内に粘弾性体を
入れて、前記抵抗体の主要部分が粘弾性体中に没するよ
うにしてなる制振装置をポールに取り付け、ポールが振
動したとき、前記質量体が振動し、コイルバネが変形
(変位)し、質量体の抵抗体により粘弾性体が変形(変
位)して、コイルバネ及び粘弾性体の変形(変位)によ
り振動エネルギを吸収する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のチェーン式制
振装置及び前記の鋼球式制振装置は、装置が簡単で、
耐久性があるが、振動エネルギの減衰の評価(モデル
化)が困難で、微小振幅動に対する制振効果が殆ど期待
できないだけでなく、ポールの上下動に対する制振効果
も殆ど見込めない。前記の磁石式制振装置は、振幅、
振動数に依存しないが、振動エネルギの減衰の評価(モ
デル化)が困難であり、強い磁石を使用するため、重く
て、コスト高となり、実用化には疑問がある。前記の
衝撃質量制振装置は、一質点系の振動モデルを基本とし
ているため、理論的な解明が可能であるが、特定の振動
数帯域のみ制振効果を発揮するので、幅広い振動数帯域
に対応できる装置をつくることができない。また、その
制振効果がポールの振動特性により大きな影響を受ける
ため、ポールの振動特性の詳細な把握が不可欠である。
さらに、大変形時等のポールのソフトニング等によるポ
ールの振動特性の変化には対応できない。
【0006】前記の粘弾性体制振装置は、振動エネル
ギの減衰の評価(モデル化)が容易であり、減衰特性が
ポールの振動特性、外乱の振動数に依存しない良さがあ
るが、ポール用制振装置として、実用に供し得るものは
まだ開発されていない。前記のバネと粘弾性体を用い
る制振装置は、水平方向の振動と鉛直方向の振動とを同
時に制振できるが、ポールが振動したとき、質量体が振
動して、これを支持するコイルバネが変形(変位)し、
質量体の一部を構成する抵抗体が粘弾性体を変形(変
位)させて、コイルバネと粘弾性体の変形(変位)によ
り振動エネルギを吸収するため、抵抗体の形状や大きさ
を実験的に決める必要があり、その設計に多額の費用を
必要とする欠点がある。この発明の解決しようとする課
題は、上記の〜及びの制振装置が有していた欠点
を有しないポール用制振装置を提供すること、換言する
と、水平方向及び鉛直方向の振動の制振が可能で、広い
振動数帯域の制振性能が確保でき、構造が簡単なポール
用制振装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明のポール用制振
装置は、水平制振部と鉛直制振部とを備えたポール用制
振装置において、第1短筒状支持体内に第1質量体が略
水平な平面内において移動自在に配され、第1質量体と
第1短筒状支持体の周囲壁との間に複数の水平復元バネ
が放射状に配され、各水平復元バネの径方向外方の端が
前記周囲壁に連結され、各水平復元バネの径方向内方の
端が第1質量体に連結され、第1短筒状支持体の底蓋と
第1質量体との間又は第1短筒状支持体の上蓋と第1質
量体との間に第1粘弾性体層が配され、第1粘弾性体層
の下側の面が第1短筒状支持体の底蓋の上側又は第1質
量体の上側に結合され、第1粘弾性体層の上側の面が第
1質量体の下側又は第1短筒状支持体の上蓋の下側に結
合されて、水平制振部が構成され、第2短筒状支持体内
に第2質量体である前記水平制振部が配され、第2短筒
状支持体の底蓋と第1短筒状支持体の底蓋との間、又は
第2短筒状支持体の上蓋と第1短筒状支持体の上蓋との
間、或いは第2短筒状支持体の底蓋と第1短筒状支持体
の底蓋との間及び第2短筒状支持体の上蓋と第1短筒状
支持体の上蓋との間に、複数の鉛直復元バネが間隔をお
いて鉛直方向に向けて配設され、これらの鉛直復元バネ
にて第2質量体である前記水平制振部が鉛直方向の中間
位置に保持され、第2短筒状支持体の周囲壁と第1短筒
状支持体の周囲壁との間の少なくとも複数の部分に第2
粘弾性体層が配され、各第2粘弾性体層の径方向外方の
面が第2短筒状支持体の周囲壁の径方向内方の面に結合
され、各第2粘弾性体層の径方向内方の面が第1短筒状
支持体の周囲壁の径方向外方の面に結合されて、鉛直制
振部が構成されていることを特徴とするものである。
【0008】第1短筒状支持体内に第1質量体を略水平
な平面内において移動自在に配し、第1質量体と第1短
筒状支持体の周囲壁との間に複数の水平復元バネを放射
状に配し、各水平復元バネの径方向外方の端を前記周囲
壁に連結し、各水平復元バネの径方向内方の端を第1質
量体に連結し、第1短筒状支持体の上蓋と第1質量体と
の間に第1粘弾性体層を配し、第1粘弾性体層の下側の
面を第1質量体の上側に結合し、第1粘弾性体層の上側
の面を第1短筒状支持体の上蓋の下側に結合して、水平
制振部を構成する場合には、第1短筒状支持体の底蓋の
上面にて、第1質量体の移動(振動)を案内する。例え
ば、第1質量体と第1短筒状支持体の底蓋との間に、多
数の鋼球を備えた転動案内体、減摩材等を含有する材料
からなる滑動案内体等を配置して、第1質量体の略水平
な平面内における移動を円滑に行い得るようにする。
【0009】この発明の好ましい形態におけるポール用
制振装置は、水平制振部と鉛直制振部とを備えたポール
用制振装置において、第1短筒状支持体の底蓋の中央部
分の上側に第1粘弾性体層が配され、第1粘弾性体層の
下側の面が前記底蓋の上側に結合され、第1粘弾性体層
の上側に第1質量体が配され、第1質量体の下側の面が
第1粘弾性体層の上側の面に結合され、第1短筒状支持
体の周囲壁と第1質量体との間に3本以上の水平復元バ
ネが等しい角間隔をおいて放射状に配され、各水平復元
バネの径方向外方の端が第1短筒状支持体の周囲壁に連
結され、各水平復元バネの径方向内方の端が第1質量体
に連結されて、水平制振部が構成され、第2短筒状支持
体内に第2質量体である前記水平制振部が配され、第2
短筒状支持体の底蓋と第1短筒状支持体の底蓋との間の
等しい角間隔をおいた3個所以上の部分に鉛直復元バネ
がそれぞれ鉛直に配され、各鉛直復元バネの下側の端が
第2短筒状支持体の底蓋に連結され、各鉛直復元バネの
上側の端が第1短筒状支持体の底蓋に連結され、第2短
筒状支持体の周囲壁と第1短筒状支持体の周囲壁との間
の等しい角間隔をおい3個所以上の部分に第2粘弾性体
層が配され、各第2粘弾性体層の径方向外方の面が第2
短筒状支持体の周囲壁の径方向内方の面に結合され、各
第2粘弾性体層の径方向内方の面が第1短筒状支持体の
周囲壁の径方向外方の面に結合されて、鉛直制振部が構
成される。
【0010】また、この発明の好適な形態では、第1短
筒状支持体の底蓋の中央部分から離れた部分の上側に案
内体が設けられ、第1短筒状支持体の底蓋の中央部分に
第1粘弾性体層が配され、第1粘弾性体層の下側の面が
前記底蓋に結合され、第1粘弾性体層の上側に第1質量
体が配され、第1質量体の下側の中央部分より離れた面
が前記案内体に係合させられ、第1質量体の下側の中央
部分の面が第1粘弾性体層の上側の面に結合させられ、
第1短筒状支持体の周囲壁と第1質量体との間に3本以
上の水平復元バネが等しい角間隔をおいて放射状に配さ
れ、各水平復元バネの径方向外方の端が第1短筒状支持
体の周囲壁に連結され、各水平復元バネの径方向内方の
端が第1質量体に連結されて、水平制振部が構成され
る。
【0011】さらに、この発明の好適な形態では、第2
短筒状支持体の周囲壁の等しい角間隔をおいた3個所以
上の部分にそれぞれ案内体が鉛直方向に向けて設けら
れ、第2短筒状支持体内において第2質量体である水平
制振部が前記案内体に案内されて鉛直方向に移動自在と
され、第2短筒状支持体の周囲壁に設けた前記案内体間
の径方向内方の面と第1短筒状支持体の周囲壁の径方向
外方の面との間の等しい角間隔をおい3個所以上の部分
に第2粘弾性体層が配され、各第2粘弾性体層の径方向
外方の面が第2短筒状支持体の周囲壁の径方向内方の面
に結合され、各第2粘弾性体層の径方向内方の面が第1
短筒状支持体の周囲壁の径方向外方の面に結合されるよ
うにする。
【0012】この発明の好適な形態においては、水平制
振部の各水平復元バネの径方向外方の端が連結されてい
る第1短筒状支持体の周囲壁の各部分に対応する第1短
筒状支持体の周囲壁の径方向外方の面と、この面に対面
する第2短筒状支持体の周囲壁の径方向内方の面との間
に、第2粘弾性体層が配され、各第2粘弾性体層の径方
向外方の面が第2短筒状支持体の周囲壁の径方向内方の
面に結合され、各第2粘弾性体層の径方向内方の面が第
1短筒状支持体の周囲壁の径方向外方の面に結合される
ようにする。第1質量体として、短い円柱形の錘部と該
錘部よりも大径の薄い円板部とがこれらの中心軸線を一
致されて結合されている金属製の重錘を使い、その薄い
円板部の面を第1粘弾性体層に結合(粘着)させて、第
1質量体の第1粘弾性体層に対する結合面積を大きくす
る。案内体としては、例えば、多数の鋼球を備えた転動
案内体を使うことができるし、減摩材等を含有する材料
(金属、合成樹脂等)からなる滑動(摺動)案内体を使
うこともできる。
【0013】
【作用】この発明のポール用制振装置は、水平制振部が
水平方向の振動を制振し、鉛直制振部が鉛直方向の振動
を制振するので、ポールに作用する全ての方向の振動を
一つの制振装置で制振することができる。
【0014】
【実施例】この発明の実施例を、図1〜図7を使って詳
細に説明する。ポール用制振装置100は、水平方向の
制振を掌る水平制振部10と鉛直方向の制振を掌る鉛直
制振部20とを備えている。
【0015】水平制振部10は、第1短筒状支持体1
1、環状体12、薄い板体13、第1質量体14、転動
案内具15、粘弾性体層16及び水平復元バネ17で構
成される。第1短筒状支持体11は、短い円筒形の周囲
壁11aと、平らな円形の底蓋11b及び上蓋11cと
を結合して形成されている。前記支持体11の底蓋11
b上に円形の環状体12が配され、環状体12の中心と
底蓋11bの中心とを一致させて、環状体12の底面を
底蓋11b上に適宜の固定手段で固定する。また、環状
体12の内側の底蓋11b上に環状体12の直径よりも
小さい直径の金属製の薄い円形の板体13を配し、板体
13の中心と底蓋11bの中心とを一致させて、板体1
3の底面を底蓋11b上に適宜の固定手段で固定する。
金属製の短い円柱形の錘部14aの中心軸線と環状体1
2の外径と略同径の金属製の薄い円板部14bの中心軸
線とが一致するように、錘部14aと円板部14bとを
適宜の結合手段にて結合して、第1質量体14が形成さ
れている。環状体12の上面に多数の鋼球を備えた転動
案内具15を配置し、板体13上に粘弾性体の所定の厚
さの層からなる粘弾性体層16を配し、粘弾性体層16
の下側の面を板体13の上面に粘着(結合)させる。
【0016】環状体12の上側の転動案内具15上及び
粘弾性体層16の上側の面上に第1質量体14を配置
し、第1質量体14の円板部14bの下面の外周縁より
の部分を転動案内具15に係合させ、第1質量体14の
円板部14bの下面の中央部分を粘弾性体層16の上側
の面に粘着(結合)させる。第1質量体14の錘部14
aと第1短筒状支持体11の周囲壁11aとの間の前後
及び左右の4個所に90゜の角間隔をおいて同じ水平復
元バネ17をそれぞれ放射状に配し、各水平復元バネ1
7の径方向内方の端を錘部14aに適宜の固定手段で固
定し、かつ各水平復元バネ17の径方向外方の端を周囲
壁11aに適宜の固着手段にて固着して、第1短筒状支
持体11の周囲壁11aと第1質量体14の錘部14a
とを径方向に放射状に配設した4本の水平復元バネ17
を介して連結する。
【0017】第1短筒状支持体11の板体13と第1質
量体14の円板部14bとの間に存在する粘弾性体層1
6は、第1質量体14の水平方向の移動を妨げ、その変
形(変位)により第1質量体14の水平方向の振動エネ
ルギを吸収する機能を有している。第1短筒状支持体1
1の周囲壁11aと第1質量体14の錘部14aとの間
に介装された各水平復元バネ17は、第1質量体14を
第1短筒状支持体21内の中央位置に位置させるように
働く。
【0018】鉛直制振部20は、第2短筒状支持体2
1、第2質量体24(すなわち、水平制振部10)、転
動案内具25、粘弾性体層26及び鉛直復元バネ27で
構成される。第2短筒状支持体21は、直径が第1短筒
状支持体11の底蓋11bよりも大きい平らな円形の底
蓋21bと直径及び成が第1短筒状支持体11の周囲壁
11aの直径及び成よりも大きい短い円筒形の周囲壁2
1aとを結合して形成される。第2短筒状支持体21の
周囲壁21aの内側の4箇所の部分に、90゜の角間隔
をおいて、多数の鋼球を含む転動案内体25を鉛直方向
に向けて配し、周囲壁21aの鉛直方向の中間部に各転
動案内具25を適宜の固着手段にて固着する。第2短筒
状支持体21内に第1短筒状支持体11をこれらの中心
軸線が一致するように嵌め合わした状態にして、水平制
振部10の各水平復元バネ17の直下の第1短筒支持体
11の底蓋11bの下面の4箇所の部分に、90゜の角
間隔をおいて鉛直復元バネ27をそれぞれ配し、各鉛直
復元バネ27の上端を第1短筒状支持体11の底蓋11
bに適宜の固定手段にて固定し、各鉛直復元バネ27の
下端をそれらが鉛直に位置するように第2短筒状支持体
21の底蓋21bに適宜の固着手段にて固着する。その
後、第2短筒状支持体21の底蓋21bをその周囲壁2
1aの下端に適宜の固着手段にて固着する。
【0019】第2短筒状支持体21内に第1短筒状支持
体11がこれらの中心軸線を一致させて嵌め合わした状
態にする前又は後に、水平制振部10の各水平復元バネ
17の径方向外方の端が固定された第1短筒状支持体1
1の周囲壁11aの各部分に対応する周囲壁11aの径
方向外方の面と、この面に対面する第2短筒状支持体2
1の周囲壁21aの径方向内方の面との間に、粘弾性体
からなる粘弾性体層26を配設する。なお、粘弾性体層
26の径方向外方の面は第2短筒状支持体21の周囲壁
21aの径方向内方の面に粘着(結合)し、粘弾性体層
26の径方向内方の面は第1短筒状支持体11の周囲壁
11aの径方向外方の面に粘着(結合)している。第2
短筒状支持体21の周囲壁21aの径方向内方の面に設
けた各転動案内具25の各鋼球は、第1短筒状支持体1
1の周囲壁11aの径方向外方の面に接触して、第1短
筒状支持体11の第2短筒状支持体21の中心軸線方向
(すなわち、鉛直方向)の移動を案内し、その移動が円
滑に行われ得るようにする。
【0020】第2短筒状支持体21の周囲壁21aと第
1短筒状支持体11の周囲壁11aとの間に存在する各
粘弾性体層26は、第2質量体24を構成する水平制振
部10の第1短筒状支持体11の第2短筒状支持体21
内の鉛直方向の移動を妨げ、それらの変形(変位)によ
り第2質量体24の鉛直方向の振動エネルギを吸収する
機能を有している。第2短筒状支持体21の底蓋21b
と第1短筒状支持体11の底蓋11bとの間に介装され
た各鉛直復元バネ27は、第2短筒状支持体21内の鉛
直方向の中間位置に第2質量体24を構成する水平制振
部10の第1短筒状支持体11が位置するように、第2
質量体24を支持する機能を有している。
【0021】街灯を支持する湾曲管ポール1は、図5に
示すように「し」の字を逆さにした形状の円筒柱体で構
成され、その曲がった部分1aの先端部に照明器3を取
り付けるようになっている。図5に示すような湾曲管ポ
ール1の場合で、円筒柱体の真っ直ぐな部分の内径が大
きく外観を重んずる場合には、曲がった部分1aよりの
真っ直ぐな部分Aの円筒柱体内に、実施例のポール用制
振装置100を挿入し、その底蓋11b,21bが略水
平になるように、その第2短筒状支持体21をポール1
に着脱可能に固定する。図5に示すような湾曲管ポール
1の場合で、円筒柱体の真っ直ぐな部分の内径が小さか
ったり内径が大きくても外観を重んじないときには、曲
がった部分1aよりの真っ直ぐな部分Aの円筒柱体の外
側に、その底蓋11a,21aが略水平になるように、
制振装置100の第2短筒状支持体21を着脱可能に固
定する。
【0022】また、図5に示すような湾曲管ポール1の
場合には、曲がった部分1aの略水平の部分Bの円筒柱
体の外側に、その底蓋11b,21bが略水平になるよ
うに、制振装置100の第2短筒状支持体21を着脱可
能に固定するようにしてもよい。さらに、図5に示すよ
うに、湾曲管ポール1の先に取り付けた照明器3の外側
又は内側に、その底蓋11b,21bが略水平になるよ
うに、制振装置100の第2短筒状支持体21を着脱可
能に固定する。なお、真っ直ぐな部分の先が曲がってい
る(例えば゛「し」の字を逆さにした形状に曲がってい
る)円筒柱体からなる湾曲管ポール1に、ポール用制振
装置100を内装又は外装する場合には、例えば、水平
制振部10の第1短筒状支持体11内の径方向に向けて
配置された水平復元バネ17の中心軸線が、湾曲したポ
ールの円筒柱体の中心軸線を含む平面内に位置するよう
に、その第2短筒状支持体21をポール1に着脱可能に
取り付ける。
【0023】街灯を支持する直管ポール2は、図6に示
すように真っ直ぐな円筒柱体で構成され、その上部に照
明器3を取り付けるようになっている。図6に示すよう
なポール2の場合で、真っ直ぐな円筒柱体の内径が大き
く外観を重んずる場合には、円筒柱体の上端より少し下
がった部分Aの円筒柱体内に、ポール用制振装置100
を挿入し、その底蓋11b,21bが略水平になるよう
に、その第2短筒状支持体21をポール2に着脱可能に
固定する。図6に示すような直管ポール2の場合で、円
筒柱体の内径が小さかったり内径が大きくても外観を重
んじない場合には、上端より少し下がった部分Aの円筒
柱体の外側に、その底蓋11b,21bが略水平になる
ように、その第2短筒状支持体21を着脱可能に固定す
る。また、図6に示すような直管ポール2のようにその
上端に照明器3を取り付ける場合には、照明器3を含む
部分Cの照明器3の内側又は外側に、その底蓋11b,
21bが略水平になるように、その第2短筒状支持体2
1を着脱可能に固定する。
【0024】次に、図5及び図6に示すポール1,2の
部分Aの円筒柱体内に、実施例のポール用制振装置10
0を挿入して、その底蓋11b,21bが略水平になる
ようにポール1,2に固定した場合のポール用制振装置
100を作用を説明する。ポール1,2が水平方向の振
動を受けると、制振装置100の水平制振部10の第1
質量体14は、その円板部14bの下面が転動案内体1
5にて水平方向に案内されて、各水平復元バネ17に抗
して、前記振動に対応して水平方向に振動する。第1質
量体14の円板部14bの下面が粘弾性体層16の上面
に粘着(結合)し、粘弾性体層16の下面が第1短筒状
支持体11の底蓋11bに固着した円板13の上面に粘
着(結合)しているから、第1質量体14が水平方向に
振動すると、粘弾性体層16が変位(変形)し、この粘
弾性体層16が変位(変形)することにより振動エネル
ギが消費される。従って、ポール1,2に作用する水平
方向の振動が減衰され、その振動が制振させられる。
【0025】また、ポール1,2が鉛直方向の振動を受
けると、実施例の制振装置100の鉛直制振部20の第
2質量体24、すなわち、水平制振部10の第1短筒状
支持体11の外周面が、第2短筒状支持体21の内側面
に取り付けた転動案内具25にて鉛直方向に案内され
て、各水平復元バネ27に抗して、前記振動に対応して
鉛直方向に振動する。第2質量体24、すなわち、水平
制振部10の第1短筒状支持体11の周囲壁11aの径
方向外方の面には、粘弾性体層26の径方向内方の面が
粘着(結合)し、粘弾性体層26の径方向外方の面が第
2短筒状支持体1の周囲壁21aの径方向内方の面に粘
着(結合)しているから、第2質量体24である水平制
振部10が鉛直方向に振動すると、各粘弾性体層26が
変形(変位)し、各粘弾性体層26の変形(変位)によ
り鉛直方向の振動エネルギが消費される。従って、ポー
ル1,2に作用する鉛直方向の振動が減衰され、その振
動が制振させられる。
【0026】実施例のポール用制振装置100の水平制
振部10及び鉛直制振部20は、図7に示すように、一
質点系の振動モデルとして示すことができる。質量体の
質量M、粘弾性体層のバネ定数Kvisco、粘弾性体
層の固有振動数Fvisco、損失係数(粘弾性体の性
質、温度で決まる値)η及び等価ダッシュポットCvi
scoから、粘弾性体層16,26と質量体14,24
との間の関係を示す実験式が求められる。なお、粘弾性
体層のバネ定数Kvisco及び等価ダッシュポットC
viscoは、製品実験により求める。また、質量体1
4,24と復元バネ17,27との間においては、Kt
mdを復元バネのバネ定数、Ftmdを復元バネの固有
振動数とすると、 Ktmd=(2πFtmd)M ………(1) の式が成立する。制振装置100の水平制振部10及び
鉛直制振部20の機能は、上記により求められる実験式
及び上記の(1)の式により、数学的に容易に解析し、
評価することができる。
【0027】図4には他の実施例が示されている。この
実施例は、鉛直復元バネ27Aの取り付け方が図1〜図
3に示す実施例と相違しているだけで、他の構成は図1
〜図3に示すものと同じである。図4に示す実施例で
は、ポール用制振装置100の第2短筒状支持体21内
に水平制振部10の第1短筒状支持体11をこれらの中
心軸線を一致させて嵌め合わした状態にして、水平制振
部10の各水平復元バネ17の直上の第1短筒状支持体
11の上蓋11cの4箇所の部分に、90°の角間隔を
おいて、鉛直復元バネ27Aをそれぞれ配し、各鉛直復
元バネ27Aの下端を第1短筒状支持体11の上蓋11
cに適宜の固着手段にて固着し、各鉛直復元バネ27A
の上端を第2短筒状支持体21の上蓋11cに適宜の固
着手段にて固着し、その後、第2短筒状支持体21の上
蓋21cをその周囲壁21aの上端に適宜の固定手段に
て固定する。なお、鉛直復元バネ27Aとして弱いバネ
を使って、第2短筒状支持体21の上蓋21cと第1短
筒状支持体11の上蓋11cとの間に鉛直復元バネ27
Aを配設するとともに、第2短筒状支持体21の下蓋2
1bと第1短筒状支持体11の下蓋11bとの間に図4
に2点鎖線で示すように鉛直復元バネ27Bを配設する
ようにしてもよい。この場合は、第2短筒状支持体21
の成を、図4に2点鎖線で示すように、大きくする。
【0028】上記の実施例のポール用制振装置100に
おいて、その第1及び第2短筒状支持体11,21の周
囲壁11a,21a、底蓋11b,21b及び上蓋11
c,21cには、必要に応じて、その重さ、組立の容易
さ、換気等を考慮して、必要部分に開口を設ける場合が
ある。なお、図1〜図3に示す実施例の場合は、上蓋1
1cは省いてもよい。上記の実施例の説明においては、
街灯を支持する湾曲管ポール1又は直管ポール2にポー
ル用制振装置100を取り付ける場合について説明した
が、実施例のポール用制振装置100は、標識体、信号
器等を支持するポールの制振にも使用し得るものであ
る。
【0029】
【発明の効果】(イ)請求項1に係る発明のポール用制
振装置は、水平制振部と鉛直制振部とを備えたポール用
制振装置において、第1短筒状支持体内に第1質量体が
略水平な平面内において移動自在に配され、第1質量体
と第1短筒状支持体の周囲壁との間に複数の水平復元バ
ネが放射状に配され、各水平復元バネの径方向外方の端
が前記周囲壁に連結され、各水平復元バネの径方向内方
の端が第1質量体に連結され、第1短筒状支持体の底蓋
と第1質量体との間又は第1短筒状支持体の上蓋と第1
質量体との間に第1粘弾性体層が配され、第1粘弾性体
層が第1短筒状支持体の底蓋の上側又は第1短筒状支持
体の上蓋の下側に結合され、第1質量体の下側又は上側
の面が第1粘弾性体層の上側又は下側の面に結合され
て、水平制振部が構成され、第2短筒状支持体内に第2
質量体である前記水平制振部が配され、第2短筒状支持
体の底蓋と第1短筒状支持体の底蓋との間、又は第2短
筒状支持体の上蓋と第1短筒状支持体の上蓋との間、或
いは第2短筒状支持体の底蓋と第1短筒状支持体の底蓋
との間及び第2短筒状支持体の上蓋と第1短筒状支持体
の上蓋との間に、複数の鉛直復元バネが間隔をおいて鉛
直方向に向けて配設され、これらの鉛直復元バネにて第
2質量体である前記水平制振部が鉛直方向の中間位置に
保持され、第2短筒状支持体の周囲壁と第1短筒状支持
体の周囲壁との間の複数の部分に第2粘弾性体層が配さ
れ、各第2粘弾性体層の径方向外方の面が第2短筒状支
持体の周囲壁の径方向内方の面に結合され、各第2粘弾
性体層の径方向内方の面が第1短筒状支持体の周囲壁の
径方向外方の面に結合されて、鉛直制振部が構成されて
いるから、水平方向及び鉛直方向の振動の制振が可能で
あり、広い振動数帯域の制振性能を確保することがで
き、構造が簡単であり、より安価で提供することができ
る。
【0030】(ロ)請求項2に記載したようにポール用
制振装置を構成すると、上記(イ)の効果と同じ効果を
奏し得るだけでなく、水平制振部と鉛直制振部とをコン
パクトにかつバランスよくまとめることができる。 (ハ)請求項3に記載したように水平制振部を構成する
と、上記(イ)及び(ロ)の効果と同じ効果を奏し得る
だけでなく、第1質量体を水平面内において円滑に移動
(振動)させることができる。 (ニ)請求項4に記載されているようにすると、上記
(イ)及び(ロ)の効果と同じ効果を奏し得るだけでな
く、第1短筒状支持体を鉛直方向に円滑に移動(振動)
させることができる。
【0031】(ホ)請求項5に記載されているようにす
ると、各水平復元バネの径方向外方の端を通して第1短
筒状支持体の周囲壁に伝えられる第1質量体の振動力を
前記端の近傍にある各第2粘弾性体層を介して第2短筒
状支持体の周囲壁に伝えるから、第1短筒状支持体の周
囲壁を薄くすることができ、水平制振部を軽量化し小型
化することができる。 (ヘ)請求項6に係る発明のポール用制振装置は、第1
質量体として、短い円柱形の錘部と該錘部よりも大径の
薄い円板部とがこれらの中心軸線を一致されて結合され
ている金属製の重錘を使うから、その薄い円板部の面を
第1粘弾性体層に結合(粘着)させることにより、第1
質量体の第1粘弾性体層に対する結合面積を大きくする
ことができ、第1粘弾性体層の変形(変位)のためのエ
ネルギ消費量を大きくすることができる。 (ト)請求項7に係る発明のポール用制振装置は、案内
体として、多数の鋼球を備えた転動案内体又は減摩材等
を含有させた材料(金属、合成樹脂等)からなる滑動案
内体を使うから、第1質量体を水平方向に円滑に案内で
き、また、第2質量体を構成する第1短筒状支持体を鉛
直方向に円滑に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のポール用制振装置の上蓋を外した状態
の平面図
【図2】実施例のポール用制振装置を図1のA−A線に
沿って断面した正面図
【図3】実施例のポール用制振装置を図1のB−B線に
沿って断面した正面図
【図4】実施例の他のポール用制振装置を図1のA−A
線と同様の線に沿って断面した正面図
【図5】実施例のポール用制振装置の湾曲管ポールへの
取付位置を示す正面図
【図6】実施例のポール用制振装置の直管ポールへの取
付位置を示す正面図
【図7】実施例のポール用制振装置をモデル化した説明
【符号の説明】
100 ポール用制振装置 1,2 ポール 3 照明器 10 水平制振部 11 第1短筒状支持体 11a 周囲壁 11b 底蓋 11c 上蓋 12 環状体 13 板体 14 第1質量体 14a 錘部 14b 円板部 15 転動案内具 16 粘弾性体層 17 水平復元バネ 20 鉛直制振部 21 第2短筒状支持体 21a 周囲壁 21b 底蓋 21c 上蓋 24 第2質量体(水平制振部10) 25 転動案内具 26 粘弾性体層 27,27A,27B 鉛直復元バネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−312716(JP,A) 特開 平4−80477(JP,A) 実開 平6−47529(JP,U) 実開 平4−64636(JP,U) 実開 昭64−20554(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/02 E04H 9/02 E01D 1/00 E01F 9/011 F21S 1/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平制振部と鉛直制振部とを備えたポール
    用制振装置において、第1短筒状支持体内に第1質量体
    が略水平な平面内において移動自在に配され、第1質量
    体と第1短筒状支持体の周囲壁との間に複数の水平復元
    バネが放射状に配され、各水平復元バネの径方向外方の
    端が前記周囲壁に連結され、各水平復元バネの径方向内
    方の端が第1質量体に連結され、第1短筒状支持体の底
    蓋と第1質量体との間又は第1短筒状支持体の上蓋と第
    1質量体との間に第1粘弾性体層が配され、第1粘弾性
    体層の下側の面が第1短筒状支持体の底蓋の上側又は第
    1質量体の上側に結合され、第1粘弾性体層の上側の面
    が第1質量体の下側又は第1短筒状支持体の上蓋の下側
    に結合されて、水平制振部が構成され、第2短筒状支持
    体内に第2質量体である前記水平制振部が配され、第2
    短筒状支持体の底蓋と第1短筒状支持体の底蓋との間、
    又は第2短筒状支持体の上蓋と第1短筒状支持体の上蓋
    との間、或いは第2短筒状支持体の底蓋と第1短筒状支
    持体の底蓋との間及び第2短筒状支持体の上蓋と第1短
    筒状支持体の上蓋との間に、複数の鉛直復元バネが間隔
    をおいて鉛直方向に向けて配設され、これらの鉛直復元
    バネにて第2質量体である前記水平制振部が鉛直方向の
    中間位置に保持され、第2短筒状支持体の周囲壁と第1
    短筒状支持体の周囲壁との間の少なくとも複数の部分に
    第2粘弾性体層が配され、各第2粘弾性体層の径方向外
    方の面が第2短筒状支持体の周囲壁の径方向内方の面に
    結合され、各第2粘弾性体層の径方向内方の面が第1短
    筒状支持体の周囲壁の径方向外方の面に結合されて、鉛
    直制振部が構成されていることを特徴とするポール用制
    振装置。
  2. 【請求項2】水平制振部と鉛直制振部とを備えたポール
    用制振装置において、第1短筒状支持体の底蓋の中央部
    分の上側に第1粘弾性体層が配され、第1粘弾性体層の
    下側の面が前記底蓋の上側に結合され、第1粘弾性体層
    の上側に第1質量体が配され、第1質量体の下側の面が
    第1粘弾性体層の上側の面に結合され、第1短筒状支持
    体の周囲壁と第1質量体との間に3本以上の水平復元バ
    ネが等しい角間隔をおいて放射状に配され、各水平復元
    バネの径方向外方の端が第1短筒状支持体の周囲壁に連
    結され、各水平復元バネの径方向内方の端が第1質量体
    に連結されて、水平制振部が構成され、第2短筒状支持
    体内に第2質量体である前記水平制振部が配され、第2
    短筒状支持体の底蓋と第1短筒状支持体の底蓋との間の
    等しい角間隔をおいた3個所以上の部分に鉛直復元バネ
    がそれぞれ鉛直に配され、各鉛直復元バネの下側の端が
    第2短筒状支持体の底蓋に連結され、各鉛直復元バネの
    上側の端が第1短筒状支持体の底蓋に連結され、第2短
    筒状支持体の周囲壁と第1短筒状支持体の周囲壁との間
    の等しい角間隔をおい3個所以上の部分に第2粘弾性体
    層が配され、各第2粘弾性体層の径方向外方の面が第2
    短筒状支持体の周囲壁の径方向内方の面に結合され、各
    第2粘弾性体層の径方向内方の面が第1短筒状支持体の
    周囲壁の径方向外方の面に結合されて、鉛直制振部が構
    成されていることを特徴とするポール用制振装置。
  3. 【請求項3】第1短筒状支持体の底蓋の中央部分から離
    れた部分の上側に案内体が設けられ、第1短筒状支持体
    の底蓋の中央部分に第1粘弾性体層が配され、第1粘弾
    性体層の下側の面が前記底蓋に結合され、第1粘弾性体
    層の上側に第1質量体が配され、第1質量体の下側の中
    央部分より離れた面が前記案内体に係合させられ、第1
    質量体の下側の中央部分の面が第1粘弾性体層の上側の
    面に結合させられ、第1短筒状支持体の周囲壁と第1質
    量体との間に3本以上の水平復元バネが等しい角間隔を
    おいて放射状に配され、各水平復元バネの径方向外方の
    端が第1短筒状支持体の周囲壁に連結され、各水平復元
    バネの径方向内方の端が第1質量体に連結されて、水平
    制振部が構成されていることを特徴とする請求項2記載
    のポール用制振装置。
  4. 【請求項4】第2短筒状支持体の周囲壁の等しい角間隔
    をおいた3個所以上の部分にそれぞれ案内体が鉛直方向
    に向けて設けられ、第2短筒状支持体内において第2質
    量体である水平制振部が前記案内体に案内されて鉛直方
    向に移動自在とされ、第2短筒状支持体の周囲壁に設け
    た前記案内体間の径方向内方の面と第1短筒状支持体の
    周囲壁の径方向外方の面との間の等しい角間隔をおい3
    個所以上の部分に第2粘弾性体層が配され、各第2粘弾
    性体層の径方向外方の面が第2短筒状支持体の周囲壁の
    径方向内方の面に結合され、各第2粘弾性体層の径方向
    内方の面が第1短筒状支持体の周囲壁の径方向外方の面
    に結合されていることを特徴とする請求項1又は2記載
    のポール用制振装置。
  5. 【請求項5】水平制振部の各水平復元バネの径方向外方
    の端が連結されている第1短筒状支持体の周囲壁の各部
    分に対応する第1短筒状支持体の周囲壁の径方向外方の
    面と、この面に対面する第2短筒状支持体の周囲壁の径
    方向内方の面との間に、第2粘弾性体層が配され、各第
    2粘弾性体層の径方向外方の面が第2短筒状支持体の周
    囲壁の径方向内方の面に結合され、各第2粘弾性体層の
    径方向内方の面が第1短筒状支持体の周囲壁の径方向外
    方の面に結合されていることを特徴とする請求項1又は
    2又は3記載のポール用制振装置。
  6. 【請求項6】第1質量体として、短い円柱形の錘部と該
    錘部よりも大径の薄い円板部とがこれらの中心軸線を一
    致されて結合されている金属製の重錘を使うことを特徴
    とする請求項1ないし4のいずれか一つの項記載のポー
    ル用制振装置。
  7. 【請求項7】案内体として、多数の鋼球を備えた転動案
    内体又は減摩材等を含有する材料からなる滑動案内体を
    使うことを特徴とする請求項3又は4記載のポール用制
    振装置。
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