JP3835145B2 - 制振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、質量体、弾性支承体および減衰部材からなるTMDと、該TMDの質量体の動きを制御するアクティブ制御装置とからなるハイブリッド型のアクティブ動吸振器を設けて制振対象物を制振するようになった制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から各種制振装置が提案されるが、その中にTMD(チューンドマスダンパー)構造の制振装置がある。このTMDは質量体と弾性支承体と減衰部材とを備えて構成され、制振対象物に弾性支承体を介して質量体を取り付けるとともに減衰部材を作用させ、これらからなる振動系の共振周波数領域(制振領域)を予め制振対象物の固有振動数に同調させるようになっている。これによって制振対象物の振動で質量体が加振され、この加振された質量体の振動が遅延されて制振対象物に伝達されることにより、制振対象物の振動を相殺して制振できるようになっている。
【0003】
また、上記TMDにはアクティブ制御装置を設けてハイブリッド型のアクティブ動吸振器として構成することができる。このアクティブ動吸振器はアクティブ制御装置によってTMDの質量体の動きを能動的に制御して、小振幅から大振幅振動までより緻密に制振することができる。
【0004】
ところで、制振対象物が建物である場合、この建物は一般的に平面形状が扁平な長方形となるものが多く、この場合、建物には短辺方向に平行的に揺動する並進振動および上下軸周りに回転方向に揺動する捻れ振動が励起され、これら並進振動および捻れ振動の双方を制振することが望ましい。ここで、上記並進振動として建物の短辺方向を限定する理由としては、その短辺方向の固有振動数が長辺方向に比べて低くなり、強風や地震などの振動外力が建物に入力された場合には、当該短辺方向が揺れ易くなるためである。
【0005】
そして、このように並進振動と捻れ振動の双方の振動モードを制振する場合、上記ハイブリッド型のアクティブ動吸振器はそれぞれの振動モードに対応して個々に設ける必要があり、並進振動を制振するためのアクティブ動吸振器と捻れ振動を制振するためのアクティブ動吸振器の2基が設けられることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、建物を制振するに必要なアクティブ動吸振器の質量体の質量は、TMDによるパッシブ制振で減衰定数で約3.5%の減衰付加を設定するものとして、最低限で建物の有効質量のほぼ1%程度の大質量を必要とする。このため、並進振動と捻れ振動の2つの振動モードを制振するには2基のアクティブ動吸振器を設ける必要があることから、1つの振動モードを制振する場合の2倍の付加質量が必要となる。
【0007】
このため、それぞれの質量体の製作コストが大幅に増大するのは勿論のこと、有効質量の1%程度とした最低限の質量では大地震などの大振幅振動の入力時に質量体の移動距離を著しく大きくする必要があるが、その大きな移動距離を確保することはスペース的および構造的に困難となるため、大地震では質量体の移動をストッパーやブレーキで規制するのが一般的である。この場合、移動が規制された質量体は建物の単なる重りとして作用することになり、アクティブ動吸振器が通常設置される屋上部分の荷重が増大されて地震時の揺動量がより増幅されることになる。
【0008】
従って、大地震時の質量体を移動規制する場合を考慮した場合、建物屋上階に設置するアクティブ動吸振器の質量体は可能な限り軽量化することが望ましい反面、強風や許容振幅内に収まる地震程度でアクティブ動吸振器が備える本来の制振機能を発揮するためには、質量体を可能な限り重量化することが望ましく、両者の間には質量体に対して相反する要求が生ずることになる。
【0009】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、固有振動数が異なる2つの振動モードに対し、2つに分けた1対のアクティブ動吸振器を独立して作用させたり、一体的に作用させたりすることにより、各アクティブ動吸振器の質量体の全体的な質量和を低減しつつ各振動モードに必要とする質量を確保し、もって2つの振動モードを効果的に制振する制振装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明の請求項1に記載の制振装置は、質量体、弾性支承体および減衰部材からなるTMDと、該TMDの質量体の動きを制御するアクティブ制御装置とからなるハイブリッド型のアクティブ動吸振器を備え、並進振動モードと捻れ振動モードの2つの振動モードが励起される制振対象物を制振するための制振装置であって、 前記制振対象物に互いに間隔を隔てて配置され、並進振動モードと捻れ振動モードのうち、制振対象物の固有振動数が低い方のいずれかの振動モードの固有振動数に同調させて設定された一対のアクティブ動吸振器と、制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードにおける一対のアクティブ動吸振器それぞれの質量体の変位を抽出する変位量抽出手段と、 一対のアクティブ動吸振器の質量体間に介設され、これら一対のアクティブ動吸振器を一体として制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードの固有振動数に同調させるために、変位量抽出手段で抽出された変位差に応じたバネ力を質量体間に伝達するバネ部材とを備え、前記変位量抽出手段は、前記一方のアクティブ動吸振器の質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる一方の回転体と、該一方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記一方のアクティブ動吸振器の質量体に連結されて、該質量体の変位に追従して前記一方の回転体を回転させる一方の第1ケーブルと前記他方のアクティブ動吸振器の質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる他方の回転体と、該他方の回転体に対して巻回される方向が、前記一方の回転体に対する前記一方の第1ケーブルの巻回方向と同一方向になるように該他方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記他方のアクティブ動吸振器の質量体に連結されて、前記一方のアクティブ動吸振器の質量体と前記他方のアクティブ動吸振器の質量体とが同方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体と同一方向に回転させ、前記一方のアクティブ動吸振器の質量体と前記他方のアクティブ動吸振器の質量体とが互いに逆方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体とは逆方向に回転させる他方の第1ケーブルとからなり前記バネ部材は、前記一方の回転体と前記他方の回転体との間に設けられて、両端部が前記一方の回転体及び前記他方の回転体に対して互いに逆向きに巻回される第2ケーブルの途中に設けられ、第2ケーブルに作用する張力に応じてバネ力を変化させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載の制振装置は、質量体、弾性支承体および減衰部材からなるTMDと、該TMDの質量体の動きを制御するアクティブ制御装置とからなるハイブリッド型のアクティブ動吸振器を備え、並進振動モードと捻れ振動モードの2つの振動モードが励起される制振対象物を制振するための制振装置であって前記制振対象物に互いに間隔を隔てて配置され、並進振動モードと捻れ振動モードのうち、制振対象物の固有振動数が低い方のいずれかの振動モードの固有振動数に同調させて設定された一対のアクティブ動吸振器と制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードにおける一対のアクティブ動吸振器それぞれの質量体の変位を抽出する変位量抽出手段と一対のアクティブ動吸振器の質量体間に介設され、これら一対のアクティブ動吸振器を一体として制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードの固有振動数に同調させるために、変位量抽出手段で抽出された変位差に応じたバネ力を質量体間に伝達するバネ部材とを備え前記変位量抽出手段は、前記一方のアクティブ動吸振器の質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる一方の回転体と、該一方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記一方のアクティブ動吸振器の質量体に連結されて、該質量体の変位に追従して前記一方の回転体を回転させる一方の第1ケーブルと前記他方のアクティブ動吸振器の質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる他方の回転体と、該他方の回転体に対して巻回される方向が、前記一方の回転体に対する前記一方の第1ケーブルの巻回方向と逆方向になるように該他方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記他方のアクティブ動吸振器の質量体に連結されて、前記一方のアクティブ動吸振器の質量体と前記他方のアクティブ動吸振器の質量体とが同方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体と逆方向に回転させ、前記一方のアクティブ動吸振器の質量体と前記他方のアクティブ動吸振器の質量体とが互いに逆方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体と同一方向に回転させる他方の第1ケーブルとからなり前記バネ部材は、前記一方の回転体と前記他方の回転体との間に設けられて、両端部が前記一方の回転体及び前記他方の回転体に対して互いに逆向きに巻回される第2ケーブルの途中に設けられ、第2ケーブルに作用する張力に応じてバネ力を変化させることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図5は本発明の制振装置の一実施形態を示し、図1は制振対象物にアクティブ動吸振器を設置した状態を示す制振装置の正面図、図2はその平面図、図3は制振対象物に設置したアクティブ動吸振器の側面図、図4はアクティブ動吸振器に設けられた変位量抽出手段を示す拡大側面図、図5は対を成す変位量抽出手段の連結状態を示す拡大平面図である。
【0013】
即ち、本実施形態の制振装置10は、並進振動と捻れ振動が励起される建物11を制振対象物として、該建物11の屋上階11aに1対の第1アクティブ動吸振器12および第2アクティブ動吸振器13が設置されることにより構成される。上記建物11は図2に示すように平面形状が扁平な長方形となる一般的な高層ビルであり、該建物11には特に顕著に現れる振動として並進振動と捻れ振動の2つの振動モードが存在する。並進振動は短辺方向(X)に平行移動される振動として特定される。つまり、建物11の固有振動数は短辺方向(X)が長辺方向(Y)より低く設定されて、風や地震による振動入力により短辺方向(X)が揺動され易いため、当該短辺方向(X)の並進振動が制振対象となる。また、上記建物11は短辺方向(X)と長辺方向(Y)の長さが異なることにより、振動入力で上下方向の軸を中心とする上記捻れ振動が発生するが、この捻れ振動はX・Yの縦横比が大きくなるに従って顕著になるものである。
【0014】
本実施形態は基本的には、質量体17、弾性支承体16および減衰部材からなるTMD14と、TMD14の質量体17の動きを制御するアクティブ制御装置15とからなるハイブリッド型のアクティブ動吸振器を備え、並進振動モードと捻れ振動モードの2つの振動モードが励起される建物11を制振するための制振装置であって、建物11に互いに間隔を隔てて配置され、並進振動モードと捻れ振動モードのうち、建物11の固有振動数が低い方のいずれかの振動モードの固有振動数に同調させて設定された一対の第1および第2アクティブ動吸振器12,13と、建物11の固有振動数が高い方の振動モードにおける一対のアクティブ動吸振器12,13それぞれの質量体17の変位を抽出する変位量抽出手段24と、一対のアクティブ動吸振器12,13の質量体17間に介設され、これら一対のアクティブ動吸振器12,13を一体として建物11の固有振動数が高い方の振動モードの固有振動数に同調させるために、変位量抽出手段24で抽出された変位差に応じたバネ力を質量体17間に伝達するバネ部材25とを備えて構成され、また必要に応じて変位量抽出手段24には、質量体17の変位を減少させてバネ部材25に伝達するための倍力手段としての回転体26が設けられる。
【0015】
上記第1アクティブ動吸振器12および第2アクティブ動吸振器13は、それぞれ図3に示すようにTMD14にアクティブ制御装置15を付加することにより構成される。
【0016】
TMD14は弾性支承体16と、該弾性支承体16に揺動自在に支持される質量体17、並びに図示しない減衰部材とを備えて構成される。弾性支承体16は図4に示すように小さな積層ゴム16aが鋼板16bを介して複数積層された多段積層ゴムとして構成され、上記屋上階11aに基板18を介して固定されるが、該弾性支承体16としては多段積層ゴムに限ることなく、復元力を有するバネ機能を備えた部材であればよい。また、質量体17は厚肉tとなる矩形平板状のコンクリートブロック体として形成され、制振しようとする上記建物11の有効質量に見合った質量を備えるようになっている。このとき、該質量体17の材質をコンクリートとすることにより、所定の質量を安価に得ることができるが、勿論、必要とする質量を確保できる限りにおいてその他の素材を用いることができる。
【0017】
そして、上記矩形状の質量体17はその四隅部分に配置される上記弾性支承体16によって安定的に支持され、建物11の振動が弾性支承体16と質量体17、並びに減衰部材とで構成される振動系に入力されると、該質量体17は建物11の屋上階11aに対して相対的に揺動(振動)される。このとき、該振動系の共振周波数を制振しようとする建物11の振動モードに同調させることにより、その振動モードを制振することができる。また、上記質量体17と建物11との間には、該質量体17の揺動を減衰するために上述したダンパーなどの図外の減衰部材が設けられる。
【0018】
アクティブ制御装置15は図3に示すように質量体17の上面を建物11の短辺方向(X)に移動自在な付加質量20と、この付加質量20を移動制御するアクチュエータ21とを備えた付加マス慣性力型として構成される。該アクチュエータ21はボールねじ22が用いられ、このボールねじ22は質量体17に固定される支持枠23に内蔵されるモータなどの図外の駆動源によって回転駆動される。該駆動源は建物11の適宜箇所に設置された振動センサーで検出した信号に基づいて駆動され、その駆動によって上記ボールねじ22が回転して付加質量20が迅速かつ滑らかに移動される。従って、該付加質量20の移動により質量体17の揺動を制御し、建物11の振動を緻密に制振できるようになっている。
【0019】
ここで、本実施形態では上記第1アクティブ動吸振器12と上記第2アクティブ動吸振器13とを、建物11の並進振動の振動方向(X)に対して直角方向、つまり長辺方向(Y)に所定距離Lを離隔して配置する。そして、これら第1,第2アクティブ動吸振器12,13の各質量体17の質量を従来設定されていた質量の半分、つまり従来の質量体では必要最小限の質量として建物11の有効質量の1%程度の質量に設定されるが、本実施形態では上記各質量体17の質量が建物11の有効質量の0.5%程度に設定される。
【0020】
従って、上記第1,第2アクティブ動吸振器12,13の各質量体17の全体的な質量和が建物11の有効質量の1%程度となって、各質量体17の共働で建物11を制振するに必要な本来の質量を得ることができるようになっている。また、各質量体17を弾性支持する上記弾性支承体16も第1アクティブ動吸振器12と第2アクティブ動吸振器13で等条件で形成されたものが用いられる。
【0021】
そして、上記第1,第2アクティブ動吸振器12,13双方の非アクティブ状態での共振周波数、つまり、この非アクティブ状態とはアクティブ制御装置15を作動しない状態であり、アクティブ制御装置15の付加質量20を移動停止した状態での共振周波数を上記建物11の並進振動と捻れ振動の固有振動のうち低い方の振動数にそれぞれ同調させるようになっており、本実施形態では並進振動の固有振動数が捻れ振動の固有振動数より低くなっているものとし、上記第1,第2アクティブ動吸振器12,13の共振周波数は上記並進振動の固有振動数に同調される。従って、建物11の短辺方向(X)の並進振動は、非アクティブ状態で第1,第2アクティブ動吸振器12,13の共働により効果的に制振される。
【0022】
一方、上記第1アクティブ動吸振器12と上記第2アクティブ動吸振器13には、並進振動の固有振動数より高い捻れ振動の発生時に各質量体17の動きを相対変位差として抽出する変位量抽出手段24を設け、該変位量抽出手段24を介して双方の質量体17を連結するとともに、この変位量抽出手段24の途中にバネ部材25を設け、固有振動数が高い方の振動モードで双方の質量体17の相対変位移動に該バネ部材25のバネ力変化を付加するようになっている。
【0023】
つまり、上記変位量抽出手段24は図3,図4に示すように質量体17のX方向の変位量を取り出す機構として構成され、該質量体17の変位量が倍力手段としての回転体26の回転量として取り出される。該回転体26は基板18の中央部に固定された支持台27に回転自在に支持され、該回転体26に巻回された第1ケーブル28の両端部が質量体17の変位取出し枠29に固定され、該変位取出し枠29のX方向移動によって回転体26が回転されるようになっている。このとき、上記第1ケーブル28が回転体26に巻回される方向は、第1アクティブ動吸振器12と第2アクティブ動吸振器とで同一方向となっており、それぞれの回転体26は各質量体17の等方向の移動に対して同一方向に回転されるようになっている。
【0024】
上記変位取出し枠29のX方向両端部29a,29aは、質量体17の下面にY方向を指向して固定される1対のレール30,30に第1リニアベアリング31を介してY方向の相対移動自在に取り付けられるとともに、該変位取出し枠29のY方向両側29b,29bは上記支持台27に第2リニアベアリング32を介してX方向に移動自在に支持される。また、上記第1リニアベアリング31と変位取出し枠29との取り付け部分は第3リニアベアリング33介して上下移動自在に取り付けられ、質量体17の上下変形を吸収するようになっている。
【0025】
従って、質量体17のX方向の変位に対しては、第1リニアベアリング31にレール30が係止されて両者が一体となって変位取出し枠29を該質量体17と同一方向に移動して、上記回転体26を回転する。一方、質量体17のY方向の変位に対しては、変位取出し枠29は両側の第2リニアベアリング32に移動規制された状態で、レール30が第1リニアベアリング31に対して相対移動するため、変位取出し枠29はX方向およびY方向に連れ移動されるのが阻止されて上記回転体26は回転されることなく停止状態となる。
【0026】
上記第1,第2アクティブ動吸振器12,13の各回転体26にはそれぞれ大径部26aと小径部26bとが形成されて、該回転体26が倍力手段として機能するようになっており、上記第1ケーブル28が大径部26aに巻回されるとともに、各小径部26bは第2ケーブル34の両端部が巻回されることによって連結される。このとき、各回転体26の大径部26aどうしおよび小径部26bどうしは相互に同径として形成される。そして、上記第2ケーブル34の両端部は対向する小径部26bに相互に逆巻きとして巻回され、各回転体26が同一方向かつ同一回転角で回転された場合に、一方の小径部26bで繰り出されると同時に、この繰り出された量が他方の小径部26bで巻き取られるようになっている。
【0027】
従って、質量体17のX方向の移動成分によって第1ケーブル28を介して回転体26が回転され、そして、この回転によって第2ケーブル34が該回転体26に巻き取られる際に、これら第1ケーブル28と第2ケーブル34の巻回部分の径差により両ケーブル28,34間にてこ比が生ずる。このため、第1ケーブル28に入力された質量体17の変位量および変位力(引張り力)は、変位量を小さくかつ変位力(引張り力)を大きくして第2ケーブル34に出力することができる。
【0028】
上記第2ケーブル34の中間部分には上記バネ部材25が取り付けられ、第1アクティブ動吸振器12および第2アクティブ動吸振器13の回転体26の回転量に相対差が生じた場合に、該バネ部材25のバネ力変化を第2ケーブル34に付加するようになっている。本実施形態では上記バネ部材25は圧縮コイルバネによって構成され、初期状態で該バネ部材25にプレテンションが付加されるようになっており、上記第2ケーブル34が常時緊張状態に保持される。ところで、本実施形態では初期状態で上記バネ部材25にプレテンションが付加されたことにより、このプレテンションが変位量抽出手段24を介して静止状態にある各質量体17に作用することになるが、このプレテンションが付加された状態で上記第1,第2アクティブ動吸振器12,13の非アクティブ状態での共振周波数が並進振動の固有振動数に同調設定されることになる。
【0029】
以上の構成により本実施形態の制振装置10の作用を以下述べると、風や地震による振動外力が建物11に入力されて短辺方向(X)の並進振動や捻れ振動が発生した場合、これら2つの振動モードが第1アクティブ動吸振器12と第2アクティブ動吸振器13とによって制振されることになるが、以下各振動モードに応じた制振機能を説明する。
【0030】
(1)並進振動
建物11がX方向に平行移動されることにより、第1アクティブ動吸振器12と第2アクティブ動吸振器13の各質量体17はそれぞれ建物11の有効質量の0.5%に設定されて同一重量となっているため、各質量体17は同位相をもって往復移動する。すると、それぞれの質量体17の移動は変位量抽出手段24の変位取出し枠29を介してそれぞれの回転体26を同一方向に同一回転量をもって回転する。このため、各回転体26の小径部26bに両端部が逆巻きされた第2ケーブル34は、一方の回転体26の小径部26bから繰り出されるとともに、この繰り出された量が他方の回転体26の小径部26bに巻き取られることになり、バネ部材25にはこれの変形力が作用しない。従って、第1アクティブ動吸振器12と第2アクティブ動吸振器13の各質量体17は上記バネ部材25のバネ力変化が作用することなく、初期設定された振動数、つまり上記並進振動に同調される振動数をもって揺動し、かつ、そのときの揺動質量は第1,第2アクティブ動吸振器12,13の各質量体17の全体的な質量和となるため、必要とする質量、つまり建物11の有効質量の1%程度の質量を確保して、該並進振動を効果的に制振することができる。
【0031】
また、第1,第2アクティブ動吸振器12,13によって並進振動を制振する際、振動センサーの信号に基づいてそれぞれのアクティブ制御装置15を作動して付加質量20を移動制御することにより、この並進振動を緻密に制振して建物11の揺れを効果的に除去することができる。
【0032】
(2)捻れ振動
建物11が捻れ変形されることにより第1アクティブ動吸振器12と第2アクティブ動吸振器13の各質量体17は建物11に対して逆位相をもって往復移動する。すると、それぞれの質量体17の移動は変位量抽出手段24の変位取出し枠29を介してそれぞれの回転体26を逆方向に回転するため、第2ケーブル34の両端部は各回転体26の小径部26bに同期して巻き取られ、または同期して繰り出される。このため、バネ部材25には第2ケーブル34が同期して巻き取られることにより引張り力が作用し、また第2ケーブル34が同期して繰り出されることにより引張り解除力が作用することになり、つまりは該バネ部材25が伸縮変形されて、そのときに増減されるバネ力変化が第2ケーブル34に入力される。すると、そのときのバネ力変化は回転体26および変位量抽出手段24を介して各質量体17に作用し、このバネ部材25の付加により第1アクティブ動吸振器12と第2アクティブ動吸振器13とを一体化した共振振動数を高めて、固有振動数が高い捻れ振動に同調させることができる。勿論、上記バネ部材25のバネ定数は捻れ振動の固有振動数に同調するように予め設定されていることはいうまでもない。そして、この場合にあっても両アクティブ動吸振器12,13の逆位相をもって移動される質量体17は、捻れ振動に対してもそれぞれの質量和が作用するため、建物11の捻れ振動を制振するに十分な質量、つまり建物11の有効質量の1%程度を確保することができる。
【0033】
また、第1,第2アクティブ動吸振器12,13によって捻れ振動を制振する際、振動センサーの信号に基づいてそれぞれのアクティブ制御装置15を作動して付加質量20を移動制御することにより、この捻れ振動を緻密に制振して建物11の揺れを効果的に除去することができる。
【0034】
従って、本実施形態の制振装置10は(1)に述べたように、第1アクティブ動吸振器12および第2アクティブ動吸振器13の各質量体17がバネ部材25のバネ力変化が作用することなく同位相をもって揺動することにより、建物11の短辺方向(X)の並進振動を効果的に制振することができるとともに、(2)に述べたように各質量体17がバネ部材25のバネ力変化が作用する状態で逆位相をもって揺動することにより、建物11の捻れ振動を効果的に制振することができる。
【0035】
また、実際には入力振動により建物11は並進振動と捻れ振動が共存して現れる場合が多いが、それぞれの振動モードの振動成分をもって第1アクティブ動吸振器12と第2アクティブ動吸振器13を作動することができるため、各振動モードが共存した場合にもそれぞれを効果的に制振できることになる。また、このように並進振動と捻れ振動が共存した場合に、各質量体17が同一方向に移動する場合にもそれぞれに位相差が生ずるため、この位相差によってバネ部材25にバネ力変化が発生して並進振動と捻れ振動の両振動モードを制振することができる。
【0036】
更に、上記バネ部材25にはプレテンションが付加されるため第2ケーブル34は常時緊張状態にあり、捻れ振動の制振時に質量体17に作用するバネ力変化の応答性を向上して制振性能の向上を図ることができる。
【0037】
そして、このように並進振動と捻れ振動の2つの振動モードを第1,第2の2つのアクティブ動吸振器12,13によって制振できるようになっているが、各アクティブ動吸振器12,13の質量体17は各振動モードを制振するに必要な質量の半分とし、その半分の質量体17を共働させることにより目的の質量、つまり建物11の有効質量の1%程度を確保するようになっている。このため、2つのアクティブ動吸振器12,13を設けたにもかかわらず、それらの質量体17の全体的な質量和は従来設けられる1つのアクティブ動吸振器の質量体と同等となり、2つのアクティブ動吸振器12,13を建物11に設置した場合の軽量化を達成することができる。従って、大地震などの大振幅振動の入力時に質量体17の移動をストッパーやブレーキで規制した場合にも、建物11の屋上部分に付加される荷重の増大を最小限に抑制することができるため、建物11の揺動量が増加されるのを抑制することができる。
【0038】
また、本実施形態では回転体26に第1ケーブル28を巻回する大径部分26aと、第2ケーブル34を巻回する小径部分26bを設けたので、これら大径部分26aと小径部分26bとの間にてこ比を発生させることができる。従って、第1ケーブル28に入力された質量体17の変位量および変位力(引張り力)は、変位量を小さくかつ変位力(引張り力)を大きくして第2ケーブル34に出力することができるため、バネ部材25はその変形量を少なくできるためバネ部材25をより小型化することができる。また、このことは上記てこ比(径比)を適宜設定しておくことにより、建物11の大きな揺動ストロークにも十分に対応させることができる。
【0039】
図6は他の実施形態を示し、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。即ち、図6は上記図3に対応した拡大平面図で、この実施形態では上記実施形態とは逆に建物11に発生する並進振動の固有振動数が捻れ振動の固有振動数より高い場合を示し、非アクティブ状態にある第1アクティブ動吸振器12と第2アクティブ動吸振器13の固有振動数を捻れ振動に同調させるとともに、並進振動にはバネ部材25のバネ力変化を質量体17の移動時に作用させるようになっている。
【0040】
従って、この実施形態では第1,第2,第3リニアベアリング31,25,26で支持された変位取出し枠29を備えた変位量抽出手段24と、第1ケーブル28を巻回する大径部分26aおよび第2ケーブル34を巻回する小径部分26bを備えた回転体26と、第2ケーブル34の中間に設けたバネ部材25とを設けた構成は上記実施形態と同様であるが、第1ケーブル28が大径部26aに巻回される方向は第1アクティブ動吸振器12と第2アクティブ動吸振器13とで逆にした点が上記実施形態と異なる。
【0041】
即ち、この実施形態では第1ケーブル28の大径部26aへの巻回方向が逆となることにより、並進振動によって各質量体17が同位相をもって移動した際に、第2ケーブル34の両端部は各回転体26の小径部26bに同期して巻き取りまたは繰り出しされて、バネ部材25のバネ力変化が質量体17に作用する。一方、捻れ振動により各質量体17が逆位相をもって移動した際に、第2ケーブル34の一端部は一方の回転体26の小径部26bから繰り出されると同時に、他端部は他方の回転体26の小径部26bに巻き取られて、質量体17にはバネ力変化が作用しないようになっている。
【0042】
従って、第1,第2の2つのアクティブ動吸振器12,13は、質量体17にバネ部材25のバネ力変化が作用しない状態で捻れ振動に同調してこれを制振する一方、該バネ部材25のバネ力変化が作用する状態で並進振動に同調してこれを制振することができる。この場合にあっても各質量体17の質量を従来のものに比較して半分として、上記2つのアクティブ動吸振器12,13の質量体17の全体的な質量和を軽量化することができるため、上記実施形態と同様の機能を発揮することができる。勿論、この実施形態にあっても回転体26に上記大径部26aと小径部26bを設けたことにより、第1ケーブル28と第2ケーブル34との間にてこ比を発生させることができる。
【0043】
また、この実施形態にあっても第1,第2アクティブ動吸振器12,13のアクティブ制御装置15を作動することによって、捻れ振動および並進振動を緻密に制振して建物11の揺れを効果的に除去することができる。
【0044】
ところで、上記各実施形態では変位量抽出手段24としては、リニアベアリング31,25,26で支持された変位取出し枠29を設け、これの移動を第1ケーブル28を介して回転体26に取り出すようにしたが、その構造は実施例のものに限ることなく質量体17の移動を取り出すことできる限りにおいて自由に構成することができる。
【0045】
図7,図8は他の実施形態を示し、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。図7は制振対象物にアクティブ動吸振器を設置した状態を示す制振装置の平面図、図8は制振対象物に設置したアクティブ動吸振器の側面図で、この実施形態が上記実施形態と主に異なる点はアクティブ制御装置50に他の構造を用いたことにある。
【0046】
即ち、この実施形態のアクティブ制御装置50は、図8に示すように第1,第2アクティブ動吸振器12,13の質量体17の揺動をボールねじ51によって直接制御する床反力型として構成したもので、該ボールねじ51は屋上階11aに固定される支持枠52に内蔵された図外の駆動源が振動センサーの検出信号に基づいて回転駆動される。従って、このようにアクティブ制御装置50によって質量体17を直接に制御した場合にも建物11の振動を緻密に制振できるようになり、この実施形態にあっても上記実施形態と同様の機能を奏することができる。
【0047】
ところで、上記各実施形態のアクティブ制御装置15,50では、ボールねじ22,51によって質量体17を制御するようにしたが、該質量体17を制御する手段としては該ボールねじ22,51に代えて例えば油圧アクチュエータなどを用いることができる。また、1対設けられる第1,第2アクティブ動吸振器12,13は、双方に付加マス慣性力型のアクティブ制御装置15を設けた場合、または双方に床反力型のアクティブ制御装置50を設けた場合を示したが、第1,第2アクティブ動吸振器12,13の一方に付加マス慣性力型、他方に床反力型を用いることもできる。
【0048】
更に、本発明の制振装置10が適用される制振対象物としては、上記各実施形態で述べた建物11のみに限ることなく、精密機器およびその他の振動を嫌う設備や装置、物品を対象としてもよいことは勿論である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の制振装置にあっては、並進振動モードと捻れ振動モードが励起される制振対象物に設けた1対のアクティブ動吸振器を固有振動数が低い方の振動モードに同調させたので、各アクティブ動吸振器によって当該振動モードを制振することができる。また、固有振動数が高い方の振動モードに対しては、変位量抽出手段を用いて抽出した質量体の変位差に応じたバネ力を質量体間に伝達するバネ部材によって一対のアクティブ動吸振器を一体として作用させて、この振動モードを制振することができる。そして、いずれの振動モードにあっても1対のアクティブ動吸振器の共働で制振されるため各アクティブ動吸振器の質量体の質量を半分にでき、ひいては1対のアクティブ動吸振器の質量体の全体的な質量和を半分として大幅な軽量化を達成することができる。また、上記アクティブ動吸振器はTMDにアクティブ制御装置を設けたもので、該アクティブ制御装置の作動で上記各振動モードを緻密に制振して制振対象物の振動を効果的に除去することができる。
【0050】
また、変位量抽出手段を、一方のアクティブ動吸振器の質量体に対応して制振対象物に回転自在に設けられる一方の回転体と、該一方の回転体に巻回されるとともに、両端部が一方のアクティブ動吸振器の質量体に連結される一方の第1ケーブルと、他方のアクティブ動吸振器の質量体に対応して制振対象物に回転自在に設けられる他方の回転体と、該他方の回転体に一方の第1ケーブルの巻回方向と同一方向又は逆方向になるように巻回されるとともに、両端部が他方のアクティブ動吸振器の質量体に連結される他方の第1ケーブルとによって構成し、さらに、一方の回転体と他方の回転体との間に第2ケーブルを設けて、第2ケーブルの両端部を一方の回転体及び他方の回転体に互いに逆向きに巻回し、第2ケーブルの途中にバネ部材を設けたので、固有振動数が高い方の振動モードに対しては、変位量抽出手段の一方の回転体、一方の第1ケーブル、他方の回転体、及び他方の第1ケーブルを介して抽出した両質量体の変位差を、一方の回転体と他方の回転体との間の第2ケーブルに入力させてその変位差に応じてバネ部材を伸縮変形させ、そのバネ力の変化を第2ケーブル、一方の回転体、他方の回転体、一方の第1ケーブル、及び他方の第1ケーブルを介して両質量体に伝達させ、一対のアクティブ動吸振器を一体として作用させて、この振動モードを制振することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制振装置の一実施形態を示すアクティブ動吸振器の設置状態の正面図である。
【図2】本発明の制振装置の一実施形態を示すアクティブ動吸振器の設置状態の平面図である。
【図3】本発明の制振装置の一実施形態を示すアクティブ動吸振器の設置状態の側面図である。
【図4】本発明の制振装置の一実施形態を示すアクティブ動吸振器に設けられた変位量抽出手段の拡大側面図である。
【図5】本発明の制振装置の一実施形態を示す対を成す変位量抽出手段の連結状態の拡大平面図である。
【図6】本発明の制振装置の他の実施形態を示す対を成す変位量抽出手段の連結状態の拡大平面図である。
【図7】本発明の制振装置の他の実施形態を示す制振対象物にアクティブ動吸振器を設置した状態を示す制振装置の平面図である。
【図8】本発明の制振装置の他の実施形態を示す制振対象物に設置したアクティブ動吸振器の側面図である。
【符号の説明】
10 制振装置
11 建物
12 第1アクティブ動吸振器
13 第2アクティブ動吸振器
14 TMD
15,50 アクティブ制御装置
16 弾性支承体
17 質量体
24 変位量抽出手段
25 バネ部材

Claims (2)

  1. 質量体、弾性支承体および減衰部材からなるTMDと、該TMDの質量体の動きを制御するアクティブ制御装置とからなるハイブリッド型のアクティブ動吸振器を備え、並進振動モードと捻れ振動モードの2つの振動モードが励起される制振対象物を制振するための制振装置であって、
    前記制振対象物に互いに間隔を隔てて配置され、並進振動モードと捻れ振動モードのうち、制振対象物の固有振動数が低い方のいずれかの振動モードの固有振動数に同調させて設定された一対のアクティブ動吸振器と、
    制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードにおける一対のアクティブ動吸振器それぞれの質量体の変位を抽出する変位量抽出手段と、
    一対のアクティブ動吸振器の質量体間に介設され、これら一対のアクティブ動吸振器を一体として制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードの固有振動数に同調させるために、変位量抽出手段で抽出された変位差に応じたバネ力を質量体間に伝達するバネ部材とを備え、
    前記変位量抽出手段は、前記一方のアクティブ動吸振器の質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる一方の回転体と、該一方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記一方のアクティブ動吸振器の質量体に連結されて、該質量体の変位に追従して前記一方の回転体を回転させる一方の第1ケーブルと
    前記他方のアクティブ動吸振器の質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる他方の回転体と、該他方の回転体に対して巻回される方向が、前記一方の回転体に対する前記一方の第1ケーブルの巻回方向と同一方向になるように該他方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記他方のアクティブ動吸振器の質量体に連結されて、前記一方のアクティブ動吸振器の質量体と前記他方のアクティブ動吸振器の質量体とが同方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体と同一方向に回転させ、前記一方のアクティブ動吸振器の質量体と前記他方のアクティブ動吸振器の質量体とが互いに逆方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体とは逆方向に回転させる他方の第1ケーブルとからなり
    前記バネ部材は、前記一方の回転体と前記他方の回転体との間に設けられて、両端部が前記一方の回転体及び前記他方の回転体に対して互いに逆向きに巻回される第2ケーブルの途中に設けられ、第2ケーブルに作用する張力に応じてバネ力を変化させることを特徴とする制振装置。
  2. 質量体、弾性支承体および減衰部材からなるTMDと、該TMDの質量体の動きを制御するアクティブ制御装置とからなるハイブリッド型のアクティブ動吸振器を備え、並進振動モードと捻れ振動モードの2つの振動モードが励起される制振対象物を制振するための制振装置であって
    前記制振対象物に互いに間隔を隔てて配置され、並進振動モードと捻れ振動モードのうち、制振対象物の固有振動数が低い方のいずれかの振動モードの固有振動数に同調させて設定された一対のアクティブ動吸振器と
    制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードにおける一対のアクティブ動吸振器それぞれの質量体の変位を抽出する変位量抽出手段と
    一対のアクティブ動吸振器の質量体間に介設され、これら一対のアクティブ動吸振器を一体として制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードの固有振動数に同調させるために、変位量抽出手段で抽出された変位差に応じたバネ力を質量体間に伝達するバネ部材とを備え
    前記変位量抽出手段は、前記一方のアクティブ動吸振器の質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる一方の回転体と、該一方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記一方のアクティブ動吸振器の質量体に連結されて、該質量体の変位に追従して前記一方の回転体を回転させる一方の第1ケーブルと
    前記他方のアクティブ動吸振器の質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる他方の回転体と、該他方の回転体に対して巻回される方向が、前記一方の回転体に対 する前記一方の第1ケーブルの巻回方向と逆方向になるように該他方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記他方のアクティブ動吸振器の質量体に連結されて、前記一方のアクティブ動吸振器の質量体と前記他方のアクティブ動吸振器の質量体とが同方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体と逆方向に回転させ、前記一方のアクティブ動吸振器の質量体と前記他方のアクティブ動吸振器の質量体とが互いに逆方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体と同一方向に回転させる他方の第1ケーブルとからなり
    前記バネ部材は、前記一方の回転体と前記他方の回転体との間に設けられて、両端部が前記一方の回転体及び前記他方の回転体に対して互いに逆向きに巻回される第2ケーブルの途中に設けられ、第2ケーブルに作用する張力に応じてバネ力を変化させることを特徴とする制振装置。
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