JP3835143B2 - 制振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、質量体、弾性支承体および減衰部材を備えたTMDを設けて制振対象物を制振するようになった制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から各種制振装置が提案されるが、その中にTMD(チューンドマスダンパー)構造の制振装置がある。このTMDは質量体と弾性支承体と減衰部材とを備えて構成され、制振対象物に弾性支承体を介して質量体を取り付けるとともに減衰部材を作用させ、これらからなる振動系の共振周波数領域(制振領域)を予め制振対象物の固有振動数に同調させるようになっている。これによって制振対象物の振動で質量体が加振され、この加振された質量体の振動が遅延されて制振対象物に伝達されることにより、制振対象物の振動を相殺して制振できるようになっている。
【0003】
ところで、制振対象物が建物である場合、この建物は一般的に平面形状が扁平な長方形となるものが多く、この場合、建物には短辺方向に平行的に揺動する並進振動および上下軸周りに回転方向に揺動する捻れ振動が励起され、これら並進振動および捻れ振動の双方を制振することが望ましい。ここで、上記並進振動として建物の短辺方向を限定する理由としては、その短辺方向の固有振動数が長辺方向に比べて低くなり、強風や地震などの振動外力が建物に入力された場合には、当該短辺方向が揺れ易くなるためである。
【0004】
そして、このように並進振動と捻れ振動の双方の振動モードを制振する場合、上記TMDはそれぞれの振動モードに対応して個々に設ける必要があり、並進振動を制振するためのTMDと捻れ振動を制振するためのTMDの2基が設けられることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、建物を制振するに必要なTMDの質量体の質量は、減衰定数で約3.5%の減衰付加を行うものとして、最低限で建物の有効質量のほぼ1%程度の大質量を必要とする。このため、並進振動と捻れ振動の2つの振動モードを制振するには2基のTMDを設ける必要があることから、1つの振動モードを制振する場合の2倍の付加質量が必要となる。
【0006】
このため、それぞれの質量体の製作コストが大幅に増大するのは勿論のこと、有効質量の1%程度とした最低限の質量では大地震などの大振幅振動の入力時に質量体の移動距離を著しく大きくする必要があるが、その大きな移動距離を確保することはスペース的および構造的に困難となるため、大地震では質量体の移動をストッパーやブレーキで規制するのが一般的である。この場合、移動が規制された質量体は建物の単なる重りとして作用することになり、TMDが通常設置される屋上部分の荷重が増大されて地震時の揺動量がより増幅されることになる。
【0007】
従って、大地震時の質量体を移動規制する場合を考慮した場合、建物屋上階に設置するTMDの該質量体は可能な限り軽量化することが望ましい反面、強風や許容振幅内に収まる地震程度でTMDが備える本来の制振機能を発揮するためには、質量体を可能な限り重量化することが望ましく、両者の間には質量体に対して相反する要求が生ずることになる。
【0008】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、固有振動数が異なる2つの振動モードに対し、2つに分けた1対のTMDを独立して作用させたり、一体的に作用させたりすることにより、各TMDの質量体の全体的な質量和を低減しつつ各振動モードに必要とする質量を確保し、もって2つの振動モードを効果的に制振する制振装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明の請求項1に記載の制振装置は、質量体、弾性支承体および減衰部材からなるTMDを備え、並進振動モードと捻れ振動モードの2つの振動モードが励起される制振対象物を制振するための制振装置であって、前記制振対象物に互いに間隔を隔てて配置され、並進振動モードと捻れ振動モードのうち、制振対象物の固有振動数が低い方のいずれかの振動モードの固有振動数に同調させて設定された一対のTMDと、制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードにおける一対のTMDそれぞれの質量体の変位を抽出する変位量抽出手段と、一対のTMDの質量体間に介設され、これら一対のTMDを一体として制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードの固有振動数に同調させるために、変位量抽出手段で抽出された変位差に応じたバネ力を質量体間に伝達するバネ部材とを備え、前記変位量抽出手段は、前記一方のTMDの質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる一方の回転体と、該一方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記一方のTMDの質量体に連結されて、該質量体の変位に追従して前記一方の回転体を回転させる一方の第1ケーブルと、前記他方のTMDの質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる他方の回転体と、該他方の回転体に対して巻回される方向が、前記一方の回転体に対する前記一方の第1ケーブルの巻回方向と同一方向になるように該他方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記他方のTMDの質量体に連結されて、前記一方のTMDの質量体と前記他方のTMDの質量体とが同方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体と同一方向に回転させ、前記一方のTMDの質量体と前記他方のTMDの質量体とが互いに逆方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体とは逆方向に回転させる他方の第1ケーブルとからなり、 前記バネ部材は、前記一方の回転体と前記他方の回転体との間に設けられて、両端部が前記一方の回転体及び前記他方の回転体に対して互いに逆向きに巻回される第2ケーブルの途中に設けられ、第2ケーブルに作用する張力に応じてバネ力を変化させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載の制振装置は、質量体、弾性支承体および減衰部材からなるTMDを備え、並進振動モードと捻れ振動モードの2つの振動モードが励起される制振対象物を制振するための制振装置であって、前記制振対象物に互いに間隔を隔てて配置され、並進振動モードと捻れ振動モードのうち、制振対象物の固有振動数が低い方のいずれかの振動モードの固有振動数に同調させて設定された一対のTMDと、制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードにおける一対のTMDそれぞれの質量体の変位を抽出する変位量抽出手段と、一対のTMDの質量体間に介設され、これら一対のTMDを一体として制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードの固有振動数に同調させるために、変位量抽出手段で抽出された変位差に応じたバネ力を質量体間に伝達するバネ部材とを備え、 前記変位量抽出手段は、前記一方のTMDの質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる一方の回転体と、該一方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記一方のTMDの質量体に連結されて、該質量体の変位に追従して前記一方の回転体を回転させる一方の第1ケーブルと、前記他方のTMDの質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる他方の回転体と、該他方の回転体に対して巻回される方向が、前記一方の回転体に対する前記一方の第1ケーブルの巻回方向と逆方向になるように該他方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記他方のTMDの質量体に連結されて、前記一方のTMDの質量体と前記他方のTMDの質量体とが同方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体と逆方向に回転させ、前記一方のTMDの質量体と前記他方のTMDの質量体とが互いに逆方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体と同一方向に回転させる他方の第1ケーブルとからなり、前記バネ部材は、前記一方の回転体と前記他方の回転体との間に設けられて、両端部が前記一方の回転体及び前記他方の回転体に対して互いに逆向きに巻回される第2ケーブルの途中に設けられ、第2ケーブルに作用する張力に応じてバネ力を変化させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図4は本発明の制振装置の一実施形態を示し、図1は制振対象物にTMDを設置した状態を示す制振装置の正面図、図2はその平面図、図3はTMDを詳細に示す拡大平面図、図4はTMDの1つを拡大して示す側面図である。
【0012】
即ち、本実施形態の制振装置10は、並進振動と捻れ振動が励起される建物11を制振対象物として、該建物11の屋上階11aに1対の第1TMD12および第2TMD13が設置されることにより構成される。上記建物11は図2に示すように平面形状が扁平な長方形となる一般的な高層ビルであり、該建物11には特に顕著に現れる振動として並進振動と捻れ振動の2つの振動モードが存在する。並進振動は短辺方向(X)に平行移動される振動として特定される。つまり、建物11の固有振動数は短辺方向(X)が長辺方向(Y)より低く設定されて、風や地震による振動入力により短辺方向(X)が揺動され易いため、当該短辺方向(X)の並進振動が制振対象となる。また、上記建物11は短辺方向(X)と長辺方向(Y)の長さが異なることから振動入力により、上下方向の軸を中心とする上記捻れ振動が発生するが、この捻れ振動はX・Yの縦横比が大きくなるに従って顕著になるものである。
【0013】
本実施形態は基本的には、質量体15、弾性支承体14および減衰部材からなるTMDを備え、並進振動モードと捻れ振動モードの2つの振動モードが励起される建物11を制振するための制振装置であって、建物11に互いに間隔を隔てて配置され、並進振動モードと捻れ振動モードのうち、建物11の固有振動数が低い方のいずれかの振動モードの固有振動数に同調させて設定された一対の第1および第2TMD12,13と、建物11の固有振動数が高い方の振動モードにおける一対のTMD12,13それぞれの質量体15の変位を抽出する変位量抽出手段17と、一対のTMD12,13の質量体15間に介設され、これら一対のTMD12,13を一体として建物11の固有振動数が高い方の振動モードの固有振動数に同調させるために、変位量抽出手段17で抽出された変位差に応じたバネ力を質量体15間に伝達するバネ部材18とを備えて構成され、また必要に応じて変位量抽出手段17には、質量体15の変位を減少させてバネ部材18に伝達するための倍力手段としての回転体19が設けられる。
【0014】
上記第1TMD12および第2TMD13は、それぞれ図1に示したように弾性支承体14と、該弾性支承体14に揺動自在に支持される質量体15、並びに図示しない減衰部材とを備えて構成される。弾性支承体14は図4に示すように小さな積層ゴム14aが鋼板14bを介して複数積層された多段積層ゴムとして構成され、上記屋上階11aに基板16を介して固定される。質量体15は厚肉tとなる矩形平板状のコンクリートブロック体として形成され、制振しようとする上記建物11の有効質量に見合った質量を備えるようになっている。
【0015】
そして、上記矩形状の質量体15はその四隅部分に配置される上記弾性支承体14によって安定的に支持され、建物11の揺動(振動)が弾性支承体14と質量体15、並びに減衰部材とで構成される振動系に入力されると、該質量体15は建物11の屋上階11aに対して相対的に揺動運動されるようになっており、該振動系の共振周波数を制振しようとする建物11の各種振動モードの固有振動数に同調させることにより、その振動モードを制振することができる。また、上記質量体15と建物11との間には、該質量体15の揺動を減衰するために上述したダンパーなどの図外の減衰部材が設けられる。
【0016】
ここで、本実施形態では上記第1TMD12と上記第2TMD13とを、建物11の並進振動の振動方向(X)に対して直角方向、つまり長辺方向(Y)に所定距離Lを離隔して配置する。そして、これら第1,第2TMD12,13の各質量体15の質量を従来設定されていた質量の半分、つまり従来の質量体では必要最小限の質量として建物11の有効質量の1%程度の質量に設定されるが、本実施形態では上記各質量体15の質量が建物11の有効質量の0.5%程度に設定される。
【0017】
従って、上記第1,第2TMD12,13の各質量体15の全体的な質量和が建物11の有効質量の1%程度となって、各質量体15の共働で建物11を制振するに必要な本来の質量を得ることができるようになっている。また、各質量体15を弾性支持する上記弾性支承体14も第1TMD12と第2TMD13で等条件で形成されたものが用いられる。
【0018】
そして、上記第1,第2TMD12,13双方の共振周波数を、上記建物11の並進振動と捻れ振動の固有振動のうち低い方の振動数にそれぞれ同調させるようになっており、本実施形態では並進振動の固有振動数が捻れ振動の固有振動数より低くなっているものとし、上記第1,第2TMD12,13の共振周波数は上記並進振動の固有振動数に同調される。従って、建物11の短辺方向(X)の並進振動は、第1,第2TMD12,13の共働により効果的に制振される。
【0019】
一方、上記第1TMD12と上記第2TMD13には、並進振動の固有振動数より高い捻れ振動の発生時に各質量体15の動きを相対変位差として抽出する変位量抽出手段17を設け、該変位量抽出手段17を介して双方の質量体15を連結するとともに、この変位量抽出手段17の途中にバネ部材18を設け、固有振動数が高い方の振動モードで双方の質量体15の相対変位移動に該バネ部材18のバネ力変化を付加するようになっている。
【0020】
上記変位量抽出手段17は、図3,図4に示すように質量体15のX方向の変位量を取り出す機構として構成され、該質量体15の変位量が倍力手段としての回転体19の回転量として取り出される。該回転体19は基板16の中央部に固定された支持台20に回転自在に支持され、該回転体19に巻回された第1ケーブル21の両端部が質量体15の変位取出し枠22に固定され、該変位取出し枠22のX方向移動によって回転体19が回転されるようになっている。このとき、上記第1ケーブル21が回転体19に巻回される方向は、第1TMD12と第2TMDとで同一方向となっており、それぞれの回転体19は各質量体15の等方向の移動に対して同一方向に回転されるようになっている。
【0021】
上記変位取出し枠22のX方向両端部22a,22aは、質量体15の下面にY方向を指向して固定される1対のレール23,23に第1リニアベアリング24を介してY方向の相対移動自在に取り付けられるとともに、該変位取出し枠22のY方向両側22b,22bは上記支持台20に第2リニアベアリング25を介してX方向に移動自在に支持される。また、上記第1リニアベアリング24と変位取出し枠22との取り付け部分は第3リニアベアリング26介して上下移動自在に取り付けられ、質量体15の上下変位を吸収するようになっている。
【0022】
従って、質量体15のX方向の変位に対しては、第1リニアベアリング24にレール23が係止されて両者が一体となって変位取出し枠22を該質量体15と同一方向に移動して、上記回転体19を回転する。一方、質量体15のY方向の変位に対しては、変位取出し枠22は両側の第2リニアベアリング25に移動規制された状態で、レール23が第1リニアベアリング24に対して相対移動するため、変位取出し枠22はX方向およびY方向に連れ移動されるのが阻止されて、上記回転体19は回転されることなく停止状態となる。
【0023】
上記第1,第2TMD12,13の各回転体19にはそれぞれ大径部19aと小径部19bとが形成されて、該回転体19が倍力手段として機能するようになっており、上記第1ケーブル21が大径部19aに巻回されるとともに、各小径部19bは第2ケーブル27の両端部が巻回されることによって連結される。このとき、各回転体19の大径部19aどうしおよび小径部19bどうしはそれぞれ同径に形成される。そして、上記第2ケーブル27の両端部は対向する小径部19bに相互に逆巻きとして巻回され、各回転体19が同一方向かつ同一回転角で回転された場合に、一方の小径部19bで繰り出されると同時に、この繰り出し量が他方の小径部19bで巻き取られるようになっている。
【0024】
従って、質量体15のX方向の移動成分によって第1ケーブル21を介して回転体19が回転され、そして、この回転によって第2ケーブル27が該回転体19に巻き取られる際に、これら第1ケーブル21と第2ケーブル27の巻回部分の径差により両ケーブル21,27間にてこ比が生ずる。このため、第1ケーブル21に入力された質量体15の変位量および変位力(引張り力)は、変位量を小さくかつ変位力(引張り力)を大きくして第2ケーブル27に出力することができる。
【0025】
上記第2ケーブル27の中間部分には上記バネ部材18が取り付けられ、第1TMD12および第2TMD13の回転体19の回転量に相対差が生じた場合に、該バネ部材18のバネ力変化を第2ケーブル27に付加するようになっている。本実施形態では上記バネ部材18は圧縮コイルバネによって構成され、初期状態で該バネ部材18にプレテンションが付加されるようになっており、上記第2ケーブル27が常時緊張状態に保持される。ところで、本実施形態では初期状態で上記バネ部材18にプレテンションが付加されたことにより、このプレテンションが変位量抽出手段17を介して静止状態にある各質量体15に作用することになるが、このプレテンションが付加された状態で上記第1,第2TMD12,13の共振周波数が並進振動の固有振動数に同調設定されることになる。
【0026】
以上の構成により本実施形態の制振装置10の作用を以下述べると、風や地震による振動外力が建物11に入力されて短辺方向(X)の並進振動や捻れ振動が発生した場合、これら2つの振動モードが第1TMD12と第2TMD13とによって制振されることになるが、以下各振動モードに応じた制振機能を説明する。
【0027】
(1)並進振動
建物11がX方向に平行移動されることにより、第1TMD12と第2TMD13の各質量体15はそれぞれ建物11の有効質量の0.5%に設定されて同一重量となっているため、各質量体15は同位相をもって往復移動する。すると、それぞれの質量体15の移動は変位量抽出手段17の変位取出し枠22を介してそれぞれの回転体19を同一方向に同一回転量をもって回転する。このため、各回転体19の小径部19bに両端部が逆巻きされた第2ケーブル27は、一方の回転体19の小径部19bから繰り出されるとともに、この繰り出し量が他方の回転体19の小径部19bに巻き取られることになり、バネ部材18にはこれの変形力が作用しない。
従って、第1TMD12と第2TMD13の各質量体15は上記バネ部材18のばね変化力が作用することなく、初期設定された振動数、つまり上記並進振動に同調される振動数をもって揺動し、かつ、そのときの揺動質量は第1,第2TMD12,13の各質量体15の全体的な質量和となるため、必要とする質量、つまり建物11の有効質量の1%程度の質量を確保して、該並進振動を効果的に制振ことができる。
【0028】
(2)捻れ振動
建物11が捻れ変形されることにより第1TMD12と第2TMD13の各質量体15は建物11に対して逆位相をもって往復移動する。すると、それぞれの質量体15の移動は変位量抽出手段17の変位取出し枠22を介してそれぞれの回転体19を逆方向に回転するため、第2ケーブル27の両端部は各回転体19の小径部19bに同期して巻き取られ、または同期して繰り出される。このため、バネ部材18には第2ケーブル27が同期して巻き取られることにより引張り力が作用し、また第2ケーブル27が同期して繰り出されることにより引張り解除力が作用することになり、つまりは該バネ部材18が伸縮変形されて、そのときに増減されるバネ力変化が第2ケーブル27に入力される。すると、そのときのバネ力変化は回転体19および変位量抽出手段17を介して各質量体15に作用し、このバネ部材18の付加により第1TMD12と第2TMD13とを一体とした共振振動数を高めて、固有振動数が高い捻れ振動に同調させることができる。勿論、上記バネ部材18のバネ定数は捻れ振動の固有振動数に同調するように予め設定されていることはいうまでもない。そして、この場合にあっても両TMD12,13の逆位相をもって移動される質量体15は、捻れ振動に対してもそれぞれの質量和が作用するため、建物11の捻れ振動を制振するに十分な質量、つまり建物11の有効質量の1%程度を確保することができる。
【0029】
従って、本実施形態の制振装置10は(1)に述べたように、第1TMD12および第2TMD13の各質量体15がバネ部材18のバネ力変化が作用することなく同位相をもって揺動することにより、建物11の短辺方向(X)の並進振動を効果的に制振することができるとともに、(2)に述べたように各質量体15がバネ部材18のバネ力変化が作用する状態で逆位相をもって揺動することにより、建物11の捻れ振動を効果的に制振することができる。
【0030】
また、実際には入力振動により建物11は並進振動と捻れ振動が共存して現れるが、それぞれの振動モードの振動成分をもって第1TMD12と第2TMD13を作動することができるため、各振動モードが共存した場合にもそれぞれを効果的に制振できることになる。また、このように並進振動と捻れ振動が共存した場合に、各質量体15は同一方向に移動する場合にもそれぞれに位相差が生ずるため、この位相差によってバネ部材18にバネ力変化が発生して並進振動と捻れ振動の両振動モードを制振することができる。
【0031】
更に、上記バネ部材18にはプレテンションが付加されるため第2ケーブル27は常時緊張状態にあり、捻れ振動の制振時に質量体15に作用するバネ力変化の応答性を向上して制振性能の向上を図ることができる。
【0032】
そして、このように並進振動と捻れ振動の2つの振動モードを第1,第2の2つのTMD12,13によって制振できるようになっているが、各TMD12,13の質量体15は各振動モードを制振するに必要な質量の半分とし、その半分の質量体15を共働させることにより目的の質量、つまり建物11の有効質量の1%程度を確保するようになっている。このため、2つのTMD12,13を設けたにもかかわらず、それらの質量体15の全体的な質量和は従来設けられる1つのTMDの質量体と同等となり、2つのTMD12,13を建物11に設置した場合の軽量化を達成することができる。従って、大地震などの大振幅振動の入力時に質量体15の移動をストッパーやブレーキで規制した場合にも、建物11の屋上部分に付加される荷重の増大を最小限に抑制することができるため、建物11の揺動量が増加されるのを抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態では回転体19に第1ケーブル21を巻回する大径部分19aと、第2ケーブル27を巻回する小径部分19bを設けたので、これら大径部分19aと小径部分19bとの間にてこ比を発生させることができる。従って、第1ケーブル21に入力された質量体15の変位量および変位力(引張り力)は、変位量を小さくかつ変位力(引張り力)を大きくして第2ケーブル27に出力することができるため、バネ部材18はその変形量を少なくできるためバネ部材18をより小型化することができる。また、このことは上記てこ比(径比)を適宜設定しておくことにより、建物11の大きな揺動ストロークにも十分に対応させることができる。
【0034】
図5は他の実施形態を示し、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。即ち、図5は上記図3に対応した拡大平面図で、この実施形態では上記実施形態とは逆に建物11に発生する並進振動の固有振動数が捻れ振動の固有振動数より高い場合を示し、バネ部材18のバネ力変化が付加されない状態にある第1TMD12と第2TMD13の固有振動数を捻れ振動に同調させるとともに、並進振動にはバネ部材18のバネ力変化を質量体15の移動時に作用させるようになっている。
【0035】
従って、この実施形態では第1,第2,第3リニアベアリング24,25,26で支持された変位取出し枠22を備えた変位量抽出手段17と、第1ケーブル21を巻回する大径部分19aおよび第2ケーブル27を巻回する小径部分19bを備えた回転体19と、第2ケーブル27の中間に設けたバネ部材18とを設けた構成は上記実施形態と同様であるが、第1ケーブル21が大径部19aに巻回される方向は第1TMD12と第2TMD13とで逆にした点が上記実施形態と異なる。
【0036】
即ち、この実施形態では第1ケーブル21の大径部19aへの巻回方向が逆となることにより、並進振動によって各質量体15が同位相をもって移動した際に、第2ケーブル27の両端部は各回転体19の小径部19bに同期して巻き取りまたは繰り出しされて、バネ部材18のバネ力変化が質量体15に作用する。一方、捻れ振動により各質量体15が逆位相をもって移動した際に、第2ケーブル27の一端部は一方の回転体19の小径部19bから繰り出されると同時に、他端部は他方の回転体19の小径部19bに巻き取られて、質量体15にはバネ力変化が作用しないようになっている。
【0037】
従って、第1,第2の2つのTMD12,13は、質量体15にバネ部材18のバネ力変化が作用しない状態で捻れ振動に同調してこれを制振する一方、該バネ部材18のバネ力変化が作用する状態で並進振動に同調してこれを制振することができる。この場合にあっても各質量体15の質量を従来のものに比較して半分として、上記2つのTMD12,13の質量体15の全体的な質量和を軽量化することができるため、上記実施形態と同様の機能を発揮することができる。勿論、この実施形態にあっても回転体19に上記大径部19aと小径部19bを設けたことにより、第1ケーブル21と第2ケーブル27との間にてこ比を発生させることができる。
【0038】
ところで、上記各実施形態では変位量抽出手段17としては、リニアベアリング24,25,26で支持された変位取出し枠22を設け、これの移動を第1ケーブル21を介して回転体19に取り出すようにしたが、その構造は実施例のものに限ることなく質量体15の移動を取り出すことできる限りにおいて自由に構成することができる。また、本発明の制振装置10が適用される制振対象物としては、上記各実施形態で述べた建物11のみに限ることなく、精密機器およびその他の振動を嫌う設備や装置、物品を対象としてもよいことは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の制振装置にあっては、並進振動モードと捻れ振動モードが励起される制振対象物に設けた1対のTMDを固有振動数が低い方の振動モードに同調させたので、各TMDによって当該振動モードを制振することができる。また、固有振動数が高い方の振動モードに対しては、変位量抽出手段を用いて抽出した質量体の変位差に応じたバネ力を質量体間に伝達するバネ部材によって一対のTMDを一体として作用させて、この振動モードを制振することができる。そして、いずれの振動モードにあっても1対のTMDの共働で制振されるため各TMDの質量体の質量を半分にでき、ひいては1対のTMDの質量体の全体的な質量和を半分として大幅な軽量化を達成することができる。
【0040】
また、変位量抽出手段を、一方のTMDの質量体に対応して制振対象物に回転自在に設けられる一方の回転体と、該一方の回転体に巻回されるとともに、両端部が一方のTMDの質量体に連結される一方の第1ケーブルと、他方のTMDの質量体に対応して制振対象物に回転自在に設けられる他方の回転体と、該他方の回転体に一方の第1ケーブルの巻回方向と同一方向又は逆方向になるように巻回されるとともに、両端部が他方のTMDの質量体に連結される他方の第1ケーブルとによって構成し、さらに、一方の回転体と他方の回転体との間に第2ケーブルを設けて、第2ケーブルの両端部を一方の回転体及び他方の回転体に互いに逆向きに巻回し、第2ケーブルの途中にバネ部材を設けたので、固有振動数が高い方の振動モードに対しては、変位量抽出手段の一方の回転体、一方の第1ケーブル、他方の回転体、及び他方の第1ケーブルを介して抽出した両質量体の変位差を、一方の回転体と他方の回転体との間の第2ケーブルに入力させてその変位差に応じてバネ部材を伸縮変形させ、そのバネ力の変化を第2ケーブル、一方の回転体、他方の回転体、一方の第1ケーブル、及び他方の第1ケーブルを介して両質量体に伝達させ、一対のTMDを一体として作用させて、この振動モードを制振することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制振装置の一実施形態を示すTMDの設置状態の正面図である。
【図2】本発明の制振装置の一実施形態を示すTMDの設置状態の平面図である。
【図3】本発明の制振装置の一実施形態を示すTMDの拡大平面図である。
【図4】本発明の制振装置の一実施形態を示すTMDの拡大側面図である。
【図5】本発明の制振装置の他の実施形態を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
10 制振装置
11 建物
12 第1TMD
13 第2TMD
14 弾性支承体
15 質量体
17 変位抽出手段
18 バネ部材
19 回転体
27 第2ケーブル
Claims (2)
- 質量体、弾性支承体および減衰部材からなるTMDを備え、並進振動モードと捻れ振動モードの2つの振動モードが励起される制振対象物を制振するための制振装置であって、
前記制振対象物に互いに間隔を隔てて配置され、並進振動モードと捻れ振動モードのうち、制振対象物の固有振動数が低い方のいずれかの振動モードの固有振動数に同調させて設定された一対のTMDと、
制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードにおける一対のTMDそれぞれの質量体の変位を抽出する変位量抽出手段と、
一対のTMDの質量体間に介設され、これら一対のTMDを一体として制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードの固有振動数に同調させるために、変位量抽出手段で抽出された変位差に応じたバネ力を質量体間に伝達するバネ部材とを備え、
前記変位量抽出手段は、前記一方のTMDの質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる一方の回転体と、該一方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記一方のTMDの質量体に連結されて、該質量体の変位に追従して前記一方の回転体を回転させる一方の第1ケーブルと、
前記他方のTMDの質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる他方の回転体と、該他方の回転体に対して巻回される方向が、前記一方の回転体に対する前記一方の第1ケーブルの巻回方向と同一方向になるように該他方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記他方のTMDの質量体に連結されて、前記一方のTMDの質量体と前記他方のTMDの質量体とが同方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体と同一方向に回転させ、前記一方のTMDの質量体と前記他方のTMDの質量体とが互いに逆方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体とは逆方向に回転させる他方の第1ケーブルとからなり、
前記バネ部材は、前記一方の回転体と前記他方の回転体との間に設けられて、両端部が前記一方の回転体及び前記他方の回転体に対して互いに逆向きに巻回される第2ケーブルの途中に設けられ、第2ケーブルに作用する張力に応じてバネ力を変化させることを特徴とする制振装置。 - 質量体、弾性支承体および減衰部材からなるTMDを備え、並進振動モードと捻れ振動モードの2つの振動モードが励起される制振対象物を制振するための制振装置であって、
前記制振対象物に互いに間隔を隔てて配置され、並進振動モードと捻れ振動モードのうち、制振対象物の固有振動数が低い方のいずれかの振動モードの固有振動数に同調させて設定された一対のTMDと、
制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードにおける一対のTMDそれぞれの質量体の変位を抽出する変位量抽出手段と、
一対のTMDの質量体間に介設され、これら一対のTMDを一体として制振対象物の固有振動数が高い方の振動モードの固有振動数に同調させるために、変位量抽出手段で抽出された変位差に応じたバネ力を質量体間に伝達するバネ部材とを備え、
前記変位量抽出手段は、前記一方のTMDの質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる一方の回転体と、該一方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記一方のTMDの質量体に連結されて、該質量体の変位に追従して前記一方の回転体を回転させる一方の第1ケーブルと、
前記他方のTMDの質量体に対応して前記制振対象物に回転自在に設けられる他方の回転体と、該他方の回転体に対して巻回される方向が、前記一方の回転体に対する前記一方の第1ケーブルの巻回方向と逆方向になるように該他方の回転体に巻回されるとともに、両端部が前記他方のTMDの質量体に連結されて、前記一方のTMDの質量体と前記他方のTMDの質量体とが同方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体と逆方向に回転させ、前記一方のTMDの質量体と前記他方のTMDの質量体とが互いに逆方向に変位したときには、前記他方の回転体を前記一方の回転体と同一方向に回転させ る他方の第1ケーブルとからなり、
前記バネ部材は、前記一方の回転体と前記他方の回転体との間に設けられて、両端部が前記一方の回転体及び前記他方の回転体に対して互いに逆向きに巻回される第2ケーブルの途中に設けられ、第2ケーブルに作用する張力に応じてバネ力を変化させることを特徴とする制振装置。
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