JP3193182B2 - 複数モード制御マスダンパー - Google Patents
複数モード制御マスダンパーInfo
- Publication number
- JP3193182B2 JP3193182B2 JP06546793A JP6546793A JP3193182B2 JP 3193182 B2 JP3193182 B2 JP 3193182B2 JP 06546793 A JP06546793 A JP 06546793A JP 6546793 A JP6546793 A JP 6546793A JP 3193182 B2 JP3193182 B2 JP 3193182B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- mass damper
- mode control
- control mass
- acceleration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、地震，風，交通振動
等によって生じる構造物の外乱を周期の異なる複数のモ
ードに同調させて制御するマスダンパーに関する。
等によって生じる構造物の外乱を周期の異なる複数のモ
ードに同調させて制御するマスダンパーに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、構造物の制振装置として、通常の
建築構造部材とは異なる装置または機構による振動系を
付加したチューンドマスダンパー（ＴＭＤ）と称するシ
ステムがある。このシステムは、たとえば建物の屋上に
設置した水槽の水のスロッシングを利用するか、あるい
は水槽その他の重量物を振子の重りとして利用して、振
動系の固有周期を構造物の固有周期に同調させることに
よって共振状態を起こして、大きな振動エネルギーを消
散して制振効果を得るものである。
建築構造部材とは異なる装置または機構による振動系を
付加したチューンドマスダンパー（ＴＭＤ）と称するシ
ステムがある。このシステムは、たとえば建物の屋上に
設置した水槽の水のスロッシングを利用するか、あるい
は水槽その他の重量物を振子の重りとして利用して、振
動系の固有周期を構造物の固有周期に同調させることに
よって共振状態を起こして、大きな振動エネルギーを消
散して制振効果を得るものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記のＴＭＤシステム
は、一般に構造物の一次固有周期に同調して共振状態を
生じるものであるため、構造物の変位を低減する効果は
すぐれているが、構造物の応答加速度を低減させる効果
は十分には期待することができないので、加速度を低減
させるためには、加速度応答が卓越する高次の周期に同
調する複数台のＴＭＤシステムを別個に設置しなければ
ならないという問題がある。
は、一般に構造物の一次固有周期に同調して共振状態を
生じるものであるため、構造物の変位を低減する効果は
すぐれているが、構造物の応答加速度を低減させる効果
は十分には期待することができないので、加速度を低減
させるためには、加速度応答が卓越する高次の周期に同
調する複数台のＴＭＤシステムを別個に設置しなければ
ならないという問題がある。
【０００４】この発明は、上記のような問題を解決し
て、一つの装置で構造物の周期の異なる複数のモードに
同調して変位と加速度との双方を低減できるマスダンパ
ーを提供することを目的とする。
て、一つの装置で構造物の周期の異なる複数のモードに
同調して変位と加速度との双方を低減できるマスダンパ
ーを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明においては、構造物の床面に対し水平方向
にばねを介して移動自在に支持された第１の重りと、第
１の重りに吊り材を介して揺動自在に吊り下げられた第
２の重りとからなって、２つの固有周期を有する振動系
を形成し、上記２つの固有周期を、上記構造物の一次周
期に同調する周期と、構造物の応答加速度が卓越する高
次の周期に同調する周期とに設定したことを特徴として
いる。
め、この発明においては、構造物の床面に対し水平方向
にばねを介して移動自在に支持された第１の重りと、第
１の重りに吊り材を介して揺動自在に吊り下げられた第
２の重りとからなって、２つの固有周期を有する振動系
を形成し、上記２つの固有周期を、上記構造物の一次周
期に同調する周期と、構造物の応答加速度が卓越する高
次の周期に同調する周期とに設定したことを特徴として
いる。
【０００６】
【作用】地震，風等による外力が構造物に作用すると、
構造物の一次固有周期に同調して共振することで振動エ
ネルギーを吸収し、構造物の変位を低減すると共に、構
造物の応答加速度が卓越する高次の周期に同調して共振
することにより加速度を低減する。
構造物の一次固有周期に同調して共振することで振動エ
ネルギーを吸収し、構造物の変位を低減すると共に、構
造物の応答加速度が卓越する高次の周期に同調して共振
することにより加速度を低減する。
【０００７】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図１は、この発明のマスダンパー１０の原理図
であり、建物の特定階の床面に設置した架台２に第１の
重り１１が鋼球１２の上に水平方向に移動自在に載置さ
れ、第１の重り１１の移動方向の両端面は、ばね１３を
介して架台２に弾性支持されている。第１の重り１１に
は吊り材１４が取り付けてあり、この吊り材１４に吊り
下げられた第２の重り１５が第１の重り１１に対して揺
動自在の振子を構成している。
明する。図１は、この発明のマスダンパー１０の原理図
であり、建物の特定階の床面に設置した架台２に第１の
重り１１が鋼球１２の上に水平方向に移動自在に載置さ
れ、第１の重り１１の移動方向の両端面は、ばね１３を
介して架台２に弾性支持されている。第１の重り１１に
は吊り材１４が取り付けてあり、この吊り材１４に吊り
下げられた第２の重り１５が第１の重り１１に対して揺
動自在の振子を構成している。
【０００８】このように構成された振動系は、図２に示
すようなせん断型２質点モデルとして考えることができ
る。この振動モデルは、ばね定数Ｋ2 のばね１３により
質量ｍ2 の第１の重り１１が支持されてなる振動系と、
ばね定数Ｋ1 のばね（振子）により質量ｍ1 の第２の重
り１５が支持されてなる振動系とが直列に接続されたも
のである。
すようなせん断型２質点モデルとして考えることができ
る。この振動モデルは、ばね定数Ｋ2 のばね１３により
質量ｍ2 の第１の重り１１が支持されてなる振動系と、
ばね定数Ｋ1 のばね（振子）により質量ｍ1 の第２の重
り１５が支持されてなる振動系とが直列に接続されたも
のである。
【０００９】上記の振動モデルから、第１及び第２の重
り１１，１５の質量ｍ2 ，ｍ1 の配分と支持剛性（ばね
定数Ｋ2 ，Ｋ1 ）は、次の計算式を用いて求めることが
できる。構造物の角振動数をωとすると、下記の固有方
程式が得られる。
り１１，１５の質量ｍ2 ，ｍ1 の配分と支持剛性（ばね
定数Ｋ2 ，Ｋ1 ）は、次の計算式を用いて求めることが
できる。構造物の角振動数をωとすると、下記の固有方
程式が得られる。
【００１０】
【数１】
【００１１】上式において、ω2 ＝λとすると、
【００１２】
【数２】
【００１３】一次固有周期Ｔ1 と二次固有周期Ｔ2 とに
ついて、Ｔ1 ＞Ｔ2 ＞０とすると、各固有周期に対応す
る角振動数ω1 ，ω2 はω2 ＞ω1 ＞０，λ2 ＞λ1 ＞
０であるから、λ1 とλ2 との間には次の関係が成立す
る。
ついて、Ｔ1 ＞Ｔ2 ＞０とすると、各固有周期に対応す
る角振動数ω1 ，ω2 はω2 ＞ω1 ＞０，λ2 ＞λ1 ＞
０であるから、λ1 とλ2 との間には次の関係が成立す
る。
【００１４】
【数３】
【００１５】……
【００１６】
【数４】
【００１７】…… 式より
【００１８】
【数５】
【００１９】…… 式を式に代入して
【００２０】
【数６】
【００２１】…… 式を式に代入して
【００２２】
【数７】
【００２３】……が得られる。したがって、同調させ
ようとする二つのモードの固有周期Ｔ1 ，Ｔ2 を決めて
から、第１の重り１１と第２の重り１５との各質量ｍ2
，ｍ1 を適宜変化させて組み合わせた場合について、
上式及びによりばね定数Ｋ1 ，Ｋ2 を試算し、得ら
れた結果のなかから、吊り長さなどの制約を考慮して適
当なものを選択する。
ようとする二つのモードの固有周期Ｔ1 ，Ｔ2 を決めて
から、第１の重り１１と第２の重り１５との各質量ｍ2
，ｍ1 を適宜変化させて組み合わせた場合について、
上式及びによりばね定数Ｋ1 ，Ｋ2 を試算し、得ら
れた結果のなかから、吊り長さなどの制約を考慮して適
当なものを選択する。
【００２４】図３は、この発明のマスダンパーを高層構
造物１に配置した一例を示し、最上階に取り付けたマス
ダンパー１０ａは主として低次周期のモードに同調して
構造物の変位を低減するものであり、途中階に取り付け
たマスダンパー１０ｂは、主として構造物の応答加速度
が卓越している高次周期のモードに同調して加速度を低
減させるものである。
造物１に配置した一例を示し、最上階に取り付けたマス
ダンパー１０ａは主として低次周期のモードに同調して
構造物の変位を低減するものであり、途中階に取り付け
たマスダンパー１０ｂは、主として構造物の応答加速度
が卓越している高次周期のモードに同調して加速度を低
減させるものである。
【００２５】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、２質点系のマスダンパーが持つ二つの固有周期のモ
ードに同調して、構造物の変位を低減する作用と加速度
を低減する作用との二つの機能を一つの装置で実現させ
ることができるから、従来のこの種の装置のように加速
度低減用として複数のモードにそれぞれ同調する別個の
装置を用いる必要がなくなり、設置台数を節減して構造
物の振動外乱に対する応答を抑制ないし制御することが
できるとともに、構造物の多数階にこの発明のマスダン
パーを分散配置することにより、それぞれの階層におけ
る周期のモードに同調させて、さらに効果的な制御をす
ることも可能となる。
ば、２質点系のマスダンパーが持つ二つの固有周期のモ
ードに同調して、構造物の変位を低減する作用と加速度
を低減する作用との二つの機能を一つの装置で実現させ
ることができるから、従来のこの種の装置のように加速
度低減用として複数のモードにそれぞれ同調する別個の
装置を用いる必要がなくなり、設置台数を節減して構造
物の振動外乱に対する応答を抑制ないし制御することが
できるとともに、構造物の多数階にこの発明のマスダン
パーを分散配置することにより、それぞれの階層におけ
る周期のモードに同調させて、さらに効果的な制御をす
ることも可能となる。
【図１】この発明のマスダンパーの原理図である。
【図２】この発明のマスダンパーのモデル図である。
【図３】この発明のマスダンパーの配置例を示す側面図
である。
である。
１ 構造物 １０ マスダンパー １１ 第１の重り １３ ばね １４ 吊り材 １５ 第２の重り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−7473（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−60737（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−60737（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−54942（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) E04H 9/02 341
Claims (1)
- 【請求項１】 構造物の床面に対し水平方向にばねを介
して移動自在に支持された第１の重りと、第１の重りに
吊り材を介して揺動自在に吊り下げられた第２の重りと
からなって、２つの固有周期を有する振動系を形成し、
上記２つの固有周期を、上記構造物の一次周期に同調す
る周期と、構造物の応答加速度が卓越する高次の周期に
同調する周期とに設定したことを特徴とする複数モード
制御マスダンパー。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06546793A JP3193182B2 (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | 複数モード制御マスダンパー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06546793A JP3193182B2 (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | 複数モード制御マスダンパー |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06272427A JPH06272427A (ja) | 1994-09-27 |
| JP3193182B2 true JP3193182B2 (ja) | 2001-07-30 |
Family
ID=13287959
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP06546793A Expired - Fee Related JP3193182B2 (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | 複数モード制御マスダンパー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3193182B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1329565A1 (fr) * | 2002-01-15 | 2003-07-23 | Alain Serge Charles Lacroix | Dispositif d'absorbeur dynamique pendulaire |
| JP2009143575A (ja) * | 2007-12-11 | 2009-07-02 | Nippon Steel Pipeline Co Ltd | スロッシング抑制装置 |
-
1993
- 1993-03-24 JP JP06546793A patent/JP3193182B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06272427A (ja) | 1994-09-27 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2021507145A (ja) | 高層建築物用動的振動減衰システム | |
| JP5725331B2 (ja) | 梁の振動低減機構 | |
| JP4729775B2 (ja) | 同調振り子式制振装置 | |
| JP3193182B2 (ja) | 複数モード制御マスダンパー | |
| JP5777044B2 (ja) | 梁の振動低減機構 | |
| CN215670229U (zh) | 一种利用构筑物楼板实现多模态制振的减震结构 | |
| JP3835143B2 (ja) | 制振装置 | |
| JPH04136373A (ja) | 駐車塔の防振構造 | |
| JP2000002017A (ja) | 付加マス型制震装置の制御装置及びそれを含む制震制御装置並びに制震構造物 | |
| JPH02221570A (ja) | 並列配置振り子式スロッシングダンパー | |
| JP2662067B2 (ja) | 多自由度動吸振器 | |
| JPH0814207B2 (ja) | 建物の制振装置 | |
| JP2903075B2 (ja) | 多自由度動吸振装置 | |
| JP5483097B2 (ja) | 制振構造 | |
| JP3203374B2 (ja) | 二重床制振装置 | |
| JPH082327Y2 (ja) | 構造物の制振装置 | |
| JPH083288B2 (ja) | 連結式振り子水槽ダンパー | |
| CN215106212U (zh) | 一种可调节频率范围的磁力吸附式调谐质量阻尼器 | |
| JP6143065B2 (ja) | 大スパン架構建物の制振構造 | |
| JP2501648B2 (ja) | 建築構造物 | |
| JP2004003280A (ja) | 住宅用制振装置を含む建物用制振装置 | |
| JP3218529B2 (ja) | 制振構造物 | |
| JPH07207621A (ja) | 橋梁の制震装置 | |
| JPH083289B2 (ja) | 連結式２重振り子水槽ダンパー | |
| JP7112918B2 (ja) | 既存建物の制振補強方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090525 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525 Year of fee payment: 9 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |