JP2903075B2 - 多自由度動吸振装置 - Google Patents

多自由度動吸振装置

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明が、地震や風外乱等により構造物に発生する
複数の振動モードからなる振動を抑制する多自由度動吸
振装置に関するものであり、特に高層構造物の快適性を
増すための効率的な振動抑制を行ない得る多自由度動吸
振装置に関するものである。
「従来技術およびその課題」 従来、構造物の振動を抑制する動吸振装置としては次
に挙げる2種類の装置が一般に知られている。その1つ
は、制振すべき構造物の所定の位置に、移動可能な慣性
質量体と、この慣性質量体と構造物との間に設置されこ
の慣性質量体を水平方向に移動可能に支持するアクチュ
エータとを具備する能動的な動吸振装置であり、他の1
つは、前記移動可能な慣性質量体に所定の弾性部材とダ
ンパーを結合する構造、あるいは前記慣性質量体を振り
子構造とする受動的な動吸振装置である。
能動的な動吸振装置の場合は、構造物の振動に応じて
この振動を制御するので、振動を吸収するのに必要なエ
ネルギーをすべて外部から供給する必要があり、高層構
造物においてはそのエネルギー量が莫大なものとなり、
現在の技術レベルでは比較的重量の軽い構造物にしか適
用できないものである。また、受動的な動吸振装置の場
合は、構造物の特定の振動モードの振幅を低減させるの
で、振動を吸収するのに必要なエネルギーを外部から供
給する必要がないが、特定の振動モードすなわち特定の
振動数範囲にしか効果がなく、地震のように広い振動数
帯域に亙る場合にはその低減効果はあまり期待できな
い。
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、複
数の振動モードを有する振動に対して振動抑制効果があ
り、しかも振動を吸収するのに必要なエネルギーを外部
から供給する必要のない多自由度動吸振装置を提供する
ことにある。
「課題を解決するための手段」 上記課題を解決するために、この発明は次のような多
自由度動吸振装置を採用した。
すなわち、請求項1記載の多自由度動吸振装置は、構
造物の所定の位置に設置されて地震や風等の外力により
前記構造物に励起される複数の振動モードからなる振動
を抑制する多自由度動吸振装置であって、下面にローラ
が設けられた複数の慣性質量体が、前記構造物の床面上
において直列に配置され、隣接する前記慣性質量体同士
の間、および、直列配置された慣性質量体のうちの一方
の端部に位置するものと前記構造物との間には、ダンパ
ーおよび弾性部材が並列に配置され、これら慣性質量体
相互間および前記慣性質量体と前記構造物との間を連結
していることを特徴としている。
また、請求項2記載の多自由度動吸振装置は、構造物
の所定の位置に設置されて地震や風等の外力により前記
構造物に励起される複数の振動モードからなる振動を抑
制する多自由度動吸振装置であって、前記構造物の所定
の位置に懸吊された屈曲自在の懸吊部材と、該懸吊部材
によって支持された複数の慣性質量体とを備えてなり、
前記慣性質量体は、ともに同一の前記懸吊部材により支
持されるととに、前記懸吊部材に沿って鉛直方向に配列
され、互いに隣接する前記慣性質量体同士の間、およ
び、前記慣性質量体のうち最上部に位置するものと前記
構造物との間には、ダンパーが設けられていることを特
徴としている。
「作用」 この発明に係る多自由度動吸振方法及び多自由度動吸
振装置においては、地震や風等の外力により構造物に複
数の振動モードからなる振動が励起された場合、次の様
な作用を有する。すなわち、請求項1記載の多自由度動
吸振装置においては、地震や風等の外力により構造物に
複数の振動モードからなる振動が励起された場合、慣性
質量体と構造物との間及び慣性質量体相互間のそれぞれ
に設けられた弾性部材およびダンパーは、前記構造物に
発生した振動エネルギーを吸収あるいは前記慣性質量体
に移動し、前記構造物に励起された振動を抑制する。
また、請求項2記載の多自由度動吸振装置において
は、地震や風等の外力により構造物に複数の振動モード
からなる振動が励起された場合、構造物に懸吊された複
数の慣性質量体と前記構造物との間及び前記慣性質量体
相互間のそれぞれに設けられたダンパーは、前記構造物
に発生した振動エネルギーを吸収あるいは前記慣性質量
体に移動し、前記構造物に励起された振動を抑制する。
「実施例」 以下、この発明の実施例について図面に基づいて説明
する。
まず、請求項1記載の多自由度動吸振装置について第
1図及び第2図を基に説明する。
第1図は、この発明に係る多自由度動吸振装置Aを制
振すべき構造物Bの頂部B1の所定の位置に搭載した状態
を示す図である。
この多自由度動吸振装置Aは、複数の慣性質量体1〜
3、複数のダンパー11〜13、複数の弾性部材21〜23とか
ら略構成されている。
慣性質量体1〜3は、大きな慣性を有する直方体状のも
のであり、その下面にはローラ100,…が設けられてい
る。これらの慣性質量体1〜3は構造物Bの頂部B1の床
面上の所定の位置において、直列に連結された状態で一
直線上に配置され、ローラ100,…が転動することによ
り、それぞれが水平方向(第1図中左右方向)に移動自
在である。
ダンパー11〜13および弾性部材21〜23は、構造物Bの
複数の固有振動数と対応する固有振動数を持つ様な所定
の定数を持つものであり、構造物Bの振動を抑制するた
めのものである。これらのうちダンパー11は、構造物B
の頂部B1から垂直上方に突出する支柱31と慣性質量体1
との間に位置し、一端部が支柱31に、他端部が慣性質量
体1にそれぞれ取り付けられている。このダンパー11の
軸線及び作動方向は慣性質量体1〜3の移動方向と同一
である。また、ダンパー12は慣性質量体1と慣性質量体
2との間に位置し、一端部が慣性質量体1に、他端部が
慣性質量体2にそれぞれ取り付けられている。また、ダ
ンパー13は慣性質量体2と慣性質量体3との間に位置
し、一端部が慣性質量体2に、他端部が慣性質量体3に
それぞれ取り付けられている。これらのダンパー12,13
のそれぞれの軸線及び作動方向はダンパー11の軸線及び
作動方向と同一である。
弾性部材21は、支柱31と慣性質量体1との間に介挿さ
れ、一端部が支柱31に、他端部が慣性質量体1にそれぞ
れ取り付けられている。この弾性部材21の軸線及び作動
方向は慣性質量体1〜3の移動方向と同一である。ま
た、弾性部材22は慣性質量体1と慣性質量体2との間に
位置し、一端部が慣性質量体1に、他端部が慣性質量体
2にそれぞれ取り付けられている。また、弾性部材23は
慣性質量体2と慣性質量体3との間に位置し、一端部が
慣性質量体2に、他端部が慣性質量体3にそれぞれ取り
付けられている。これらの弾性部材22,23のそれぞれの
軸線及び作動方向は弾性部材21の軸線及び作動方向と同
一である。
次に、本実施例の多自由度動吸振方法に基づいて、上
記の多自由度動吸振装置Aの作用等について説明する。
地震や風等の外力により構造物Bに複数の振動モード
かなる振動が発生すると、構造物Bに振動エネルギーが
蓄積される。この振動エネルギーのうち、本多自由度動
吸振装置Aの固有振動数近辺の成分は、容易に構造物B
から多自由度動吸振装置Aに移動し、結果的に構造物B
の振動を抑制する。
次に、多自由度動吸振装置Aを制振すべき構造物Bの
頂部の所定の位置に搭載した場合の振動抑制効果につい
て述べる。
第2図は、振動抑制効果を応答倍率で表したもので、
応答倍率の振動数(rad/sec)依存性をグラフ化したも
のである。破線で示す曲線が、多自由度動吸振装置Aを
搭載しない通常の構造物Bの応答倍率であり、実線で示
す曲線が、多自由度動吸振装置Aを構造物Bに搭載した
場合の応答倍率である。
この図において、多自由度動吸振装置Aを構造物Bに
搭載した場合では、通常の構造物Bの場合と比較して応
答倍率が大幅に低減されていることが明らかである。し
かも、異なる振動数の値について一様に低減されている
ことから、広い振動数帯域について良好な振動抑制効果
を有することが明らかである。
以上詳細に説明した様に、多自由度動吸振装置Aは、
水平方向移動自在に設置される複数の慣性質量体1〜3
と、慣性質量体1と構造物Bとの間及び慣性質量体1,2
(2,3)間のそれぞれに設けられるダンパー11〜13と、
慣性質量体1と構造物Bとの間及び慣性質量体1,2(2,
3)間のそれぞれに介挿される弾性部材21〜23とを具備
した構成としたので、構造物Bの複数の固有振動数それ
ぞれに対応する固有振動数で軸線方向に作動することに
より、構造物Bに加えられた複数の振動モードを有する
振動エネルギーを有効に吸収し、水平方向のそれぞれの
振動モードの振幅を大幅に低減し、水平方向の振動を効
果的に減衰させることができる。したがって、構造物B
に発生する複数の振動モードからなる振動を効果的に抑
制することができる。また、この場合、各慣性質量体1
〜3が、構造物Bの頂部B1の床面上において直列に連結
配置されるとともに、ローラ100,…が転動することによ
り水平方向に移動自在となっているために、慣性質量体
1〜3の振動振幅が制約されることがなく、構造物Bの
振動を、多くの慣性質量体1〜3の運動エネルギーに変
換することができ、制振効果が高い。
次に、請求項2記載の多自由度動吸振装置について第
3図を基に説明する。
第3図は、この発明に係る多自由度動吸振装置Eを制
振すべき構造物Fの頂部F1に設けられた構造体Gの頂部
の所定の位置に懸吊した状態を示す図である。
この多自由度動吸振装置Eは、複数の懸吊部材41,4
2、複数の慣性質量体51〜53、複数のダンパー61〜63と
から略構成されている。
懸吊部材41,42は、構造体Gの頂部G1下面から垂直下
方に延びる屈曲自在の紐状のもので、例えば、鋼製のワ
イヤからなるものである。
慣性質量体51〜53は、大きな慣性を有する厚板状のも
のである。これらの慣性質量体51〜53は、懸吊部材41,4
2の間に配置されるとともに、これら懸吊部材41,42に沿
って鉛直方向に等間隔に配列されている。また、これら
慣性質量体51〜53は、それぞれの一端部が懸吊部材41に
取り付けられ、それぞれの他端部が懸吊部材42に取り付
けられ、その長さは、構造物Fの固有振動数と対応する
固有振動数を持つよう設定される。
ダンパー61〜63のうちダンパー61は、構造体Gの頂部
G1底面71と慣性質量体51との間に位置し、一端部が底面
71に、他端部が慣性質量体51にそれぞれ取り付けられて
いる。このダンパー61の軸線及び作動方向は慣性質量体
51の移動方向と同一である。また、ダンパー62は慣性質
量体51と慣性質量体52との間に位置し、一端部が慣性質
量体51に、他端部が慣性質量体52にそれぞれ取り付けら
れている。また、ダンパー63は慣性質量体52と慣性質量
体53との間に位置し、一端部が慣性質量体52に、他端部
が慣性質量体53にそれぞれ取り付けられている。これら
のダンパー62,63のそれぞれの軸線及び作動方向はダン
パー61の軸線及び作動方向と同一である。
上記のような構成とすることにより、構造物Fの複数
の固有振動数と対応する固有振動数を持つ多自由度動吸
振装置Eとすることができる。
次に、本実施例の多自由度動吸振方法に基づいて、多
自由度動吸振装置Eの作用等について説明する。
地震や風等の外力により構造物Fに複数の振動モード
からなる振動が発生すると、構造物Fに振動エネルギー
が蓄積される。この振動エネルギーのうち、本多自由度
動吸振装置Eの固有振動数近辺の成分は、容易に構造物
Fから多自由度動吸振装置Eに移動し、結果的に構造物
Fの振動を抑制する。
慣性質量体51,52(52,53)間においても、上記構造体
Gと慣性質量体51との間と同様に、ダンパー62(63)に
加えられた複数の振動モードからなる振動エネルギー
は、慣性質量体51,52(52,53)が軸線方向に作動するこ
とにより吸収され、水平方向の振動が抑制される。
この多自由度動吸振装置Eを設定すべき構造物Fの頂
部の構造体Gに懸吊した場合の振動抑制効果について
は、上記に挙げた多自由度動吸振装置Aと全く同一であ
るから説明を省略する。
以上詳細に説明した様に、多自由度動吸振装置Eは、
構造物Fの構造体Gに懸吊される複数の慣性質量体51〜
53と、慣性質量体51と構造体Gとの間及び慣性質量体5
1,52(52,53)相互間のそれぞれに設けられたダンパー6
1〜63とを具備する構成としたので、慣性質量体51〜53
が構造物Fの複数の固有振動数それぞれに対応する固有
振動数で軸線方向に作動することにより、構造物Fに加
えられた複数の振動モードを有する振動エネルギーを有
効に吸収し、水平方向のそれぞれの振動モードの振幅を
大幅に低減し、水平方向の振動を効果的に減衰させるこ
とができる。したがって、構造物Fに発生する複数の振
動モードからなる振動を効果的に抑制することができ
る。また、この場合、慣性質量体51〜53を懸吊部材41,4
2に沿って鉛直方向に配列するとともに、これら慣性質
量体51〜53を、同一の懸吊部材41,42により支持するよ
うにしたため、下方に位置する慣性質量体ほど大きな振
動振幅で水平振動できることとなり、構造物Fの振幅を
多くの運動エネルギーに変換することができ、制振効果
が高い。
次に、本発明の効果を実証するために、本発明者等が
行ったシミュレーション解析の結果について説明する。
振動モデルは、第4図に示す様に4質点の振動モデル
を用いて応答倍率の数値計算を行った。この振動モデル
は、2つの質点からなる構造物の頂部に2つの質点から
なる多自由度動吸振装置が配置され、構造物と質点の間
及び質点相互間のそれぞれにダンパ及び弾性部材が設け
られた構成である。ここで、X1〜X4は各質点の座標、
(d2z/dt2)は地盤の加速度である。
この数値計算においては、多自由度動吸振装置を含ん
だ本振動モデルの運動方程式は次式により表される。
[m]{d2x/dt2}+[c]{dx/dt}+[k]
{x}=−[m]{1}(d2z/dt2) ……(1) {x}=(X1,X2,X3,X4T ここで、[m],[c],[k]はそれぞれ、質量マ
トリクス、減衰マトリクス、剛性マトリクスであり、
{x}は変位ベクトル、d2z/dt2は地動加速度である。
上記の数値計算で用いた質量マトリクス、減衰マトリ
クス、剛性マトリクスのそれぞれの値を下記に示す。
ここでは、多自由度動吸振装置の重量を振動を抑制し
ようとする構造物の5%とし、構造物の減衰定数は1次
固有振動数で1%、多自由度動吸振装置の減衰定数は1
次固有振動数で10%と仮定している。
第5図は上記のシミュレーション解析の結果を示した
もので、加速度応答倍率の振動数(rad/sec)依存性を
グラフに表したものである。破線で示す曲線が、多自由
度動吸振装置を搭載しない通常の構造物頂部の加速度応
答倍率であり、実線で示す曲線が、多自由度動吸振装置
を構造物頂部に搭載した場合の加速度応答倍率である。
この図において、多自由度動吸振装置を構造物頂部に
搭載した場合では、通常の構造物の場合と比較して加速
度応答倍率が大幅に低減されていることがわかる。特
に、1次の固有振動モードだけではなく、2次の固有振
動モードにおいても加速度応答倍率が大幅に低減されて
いることから、複数の固有振動モードについて良好な振
動抑制効果を有することが明らかである。
以上により、複数の振動モードを有する振動に対して
良好な振動抑制効果を有し、しかも振動を吸収するのに
必要なエネルギーを外部から供給する必要のない多自由
度動吸振方法及び多自由度動吸振装置を提供することが
可能になる。
「発明の効果」 以上説明したように、請求項1記載の多自由度動吸振
装置は、複数の慣性質量体が、下面にローラが設けられ
ることにより水平移動可能とされるとともに、構造物の
床面上に直列に配置され、さらに、隣接する慣性質量体
同士の間、および、一方の端部に位置する慣性質量体と
構造物との間に、弾性部材およびダンパーが並列に配置
された構成とされるために、構造物に加えられた複数の
振動モードを有する振動のエネルギーを有効に吸収し、
水平方向のそれぞれの振動モードの振幅を大幅に低減す
ることで、構造物の水平方向の振動を効果的に減衰させ
ることができる。したがって、構造物に発生する複数の
振動モードからなる振動を効果的に抑制することができ
る。また、各慣性質量体が、構造物の床面上において直
列に連結配置されるとともに、ローラが転動することに
より水平方向に移動自在となっているために、慣性質量
体のそれぞれの振動振幅が制約されることがなく、構造
物の振動を、多くの慣性質量体の運動エネルギーに変換
することができ、制振効果が高い。
請求項2記載の多自由度動吸振装置は、構造物の所定
の位置に懸吊された屈曲自在の懸吊部材と、懸吊部材に
よって支持された複数の慣性質量体とを備え、前記慣性
質量体が、ともに同一の前記懸吊部材により支持される
ととに、前記懸吊部材に沿って鉛直方向に配列され、互
いに隣接する前記慣性質量体同士の間、および、前記慣
性質量体のうち最上部に位置するものと前記構造物との
間に、ダンパーを設けた構成としたため、構造物の複数
の固有振動数それぞれに対応する固有振動数で軸線方向
に作動することにより、構造物に加えられた複数の振動
モードを有する振動エネルギーを有効に吸収し、水平方
向のそれぞれの振動モードの振幅を大幅に低減すること
で、構造物の水平方向の振動を効果的に減衰することが
できる。したがって、構造物に発生する複数の振動モー
ドからなる振動を効果的に抑制することができ、多次の
固有振動モードについて良好な振動抑制効果を得ること
ができる。さらに、慣性質量体を懸吊部材に沿って鉛直
方向に配列するとともに、これら慣性質量体を、同一の
懸吊部材により支持するようにしたため、下方に位置す
る慣性質量体ほど大きな振動振幅で水平振動できること
となり、構造物の振幅を多くの運動エネルギーに変換す
ることができ、制振効果が高い。
以上により、複数の振動モードを有する振動に対して
良好な振動抑制効果を有し、しかも振動を吸収するのに
必要なエネルギーを外部から供給する必要のない多自由
度動吸振方法及び多自由度動吸振装置を提供することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はこの発明の請求項1記載の一実施例
を示す図であって、第1図は多自由度動吸振装置の概略
構成図、第2図は多自由度動吸振装置の振動抑制効果を
示すグラフ、第3図はこの発明の請求項2記載の一実施
例である多自由度動吸振装置の概略構成図、第4図はこ
の発明のシミュレーション解析に用いた振動モデルの模
式図、第5図はこの発明のシミュレーション解析による
多自由度動吸振装置の振動抑制効果を示すグラフであ
る。 A……多自由度動吸振装置、B……構造物、1〜3……
慣性質量体、11〜13……ダンパー、21〜23……弾性部
材、E……多自由度動吸振装置、F……構造物、41,42
……懸吊部材、51,53……慣性質量体、61〜63……ダン
パー。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造物の所定の位置に設置されて地震や風
    等の外力により前記構造物に励起される複数の振動モー
    ドからなる振動を抑制する多自由度動吸振装置であっ
    て、 下面にローラが設けられた複数の慣性質量体が、前記構
    造物の床面上において直列に配置され、隣接する前記慣
    性質量体同士の間、および、直列配置された慣性質量体
    のうちの一方の端部に位置するものと前記構造物との間
    には、ダンパーおよび弾性部材が並列に配置されて、こ
    れら慣性質量体相互間および前記慣性質量体と前記構造
    物との間を連結していることを特徴する多自由度動吸振
    装置。
  2. 【請求項2】構造物の所定の位置に設置されて地震や風
    等の外力により前記構造物に励起される複数の振動モー
    ドからなる振動を抑制する多自由度動吸振装置であっ
    て、 前記構造物の所定の位置に懸吊された屈曲自在の懸吊部
    材と、 該懸吊部材によって支持された複数の慣性質量体とを備
    えてなり、 前記慣性質量体は、ともに同一の前記懸吊部材により支
    持されるとともに、前記懸吊部材に沿って鉛直方向に配
    列され、 互いに隣接する前記慣性質量体同士の間、および、前記
    慣性質量体のうち最上部に位置するものと前記構造物と
    の間には、ダンパーが設けられていることを特徴とする
    多自由度動吸振装置。
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