JP2940731B2 - 構造物振動制御装置 - Google Patents
構造物振動制御装置Info
- Publication number
- JP2940731B2 JP2940731B2 JP25687691A JP25687691A JP2940731B2 JP 2940731 B2 JP2940731 B2 JP 2940731B2 JP 25687691 A JP25687691 A JP 25687691A JP 25687691 A JP25687691 A JP 25687691A JP 2940731 B2 JP2940731 B2 JP 2940731B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- laminated elastic
- elastic body
- control device
- vibration control
- pendulum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
他の構造物に付設された振子を利用し、地震や強風その
他によって生じる水平方向の振動を抑制する構造物振動
制御装置に関する。
て構造物の振動を抑制する技術は公知である。しかし、
この技術を実用に供するには種々の工夫が必要であり、
特に振子揺れの固有振動数と、付設する構造物の抑制し
ようとする振動の固有振動数とがほぼ等しくなるように
設定する(同調させる)ことが不可欠な要素である。
示す図である。図において、重錘51を上端部に保持し
た支柱52の下端部を構造物53のピン支持部54でピ
ン支持して倒立振子を構成する。さらに、別の支持構造
物55を構造物53に固定し、支持構造物55と支柱5
2との間にバネ56を取り付け、このバネ定数に応じて
倒立振子の固有振動数を調整する。なお、必要に応じて
バネ56に併設して減衰力を付加するダンパー57が取
り付けられる。
鋼製バネは必要とする固有振動数に合わせて個別に製作
されており、振動制御装置に取り付けた後にそのバネ定
数を変更することは難しい。また、大きな加速度の振動
を制御しようとする場合にはバネ56のサイズが大きく
なり製造上の困難が生じる。さらに、それを用いた振動
制御装置も大きくなるために設置空間が制限され、例え
ば大地震時に生じる大きな振動を抑制する大制振力が必
要な振動制御装置は、その大きさのために設置場所の確
保が困難になっていた。
は、粘弾性体(エラストマー)と補強板とを交互に積層
した構造の積層弾性体に重錘(付加荷重)を載せて構造
物の所定位置に取り付け、積層弾性体の水平方向バネ特
性を利用して振動を吸収する振動制御装置(動吸振装
置)が提案されている。また、複数個の積層弾性体の上
下端を安定板で挟んで連結し、それらを複数段に積み重
ねた多段積層弾性体ユニットにより構成された振動制御
装置も提案されている。
置に用いられる従来の積層弾性体は、ひずみにかかわら
ず一定の剛性をもつ通常の粘弾性体を使用しており、小
さい振幅から構造物の固有振動数と同調するようになっ
ている。すなわち、従来の振動制御装置は、積層弾性体
の摩擦の少ない機構を利用して小さな振動外力に対して
も動作可能であり、さらに比較的コンパクトな大きさで
大制振力が得られることが特徴になっている。
な加速度の振動を抑制する目的で設置しても、制振の必
要性が低い小さな振動に対しても応答してしまい、積層
弾性体に繰り返しダメージが余計に蓄積されることが避
けられなかった。すなわち、本来発生頻度が極めて低い
ものの構造物に大きな振動をもたらす大地震や暴風時に
備えるように設置した振動制御装置の耐久性が、発生頻
度の高い小さな振動のために損なわれてしまい、点検が
頻繁に必要になるとともに、場合によっては比較的短い
周期で取り替えなければならなかった。
に、耐久性に優れた構造物振動制御装置を提供すること
を目的とする。
は、ひずみの大きさにより変化するバネ特性を有する粘
弾性体と補強板とを交互に積層して積層弾性体を構成
し、この積層弾性体の一端に付加荷重を取り付け振幅に
よって固有振動数が変化する振子として構造物の所定位
置に取り付けることを特徴とする。
により変化するバネ特性を有する粘弾性体と補強板とを
交互に積層して積層弾性体を構成し、さらに複数個の積
層弾性体の上下端を安定板によって連結した積層弾性体
ユニットを構成し、この積層弾性体ユニットの一端に付
加荷重を取り付け振幅によって固有振動数が変化する振
子として構造物の所定位置に取り付けることを特徴とす
る。
により変化するバネ特性を有する粘弾性体と補強板とを
交互に積層して積層弾性体を構成し、さらに複数個の積
層弾性体の上下端を連結した安定板を介して複数段に積
み重ねた多段積層弾性体ユニットを構成し、この多段積
層弾性体ユニットの一端に付加荷重を取り付け振幅によ
って固有振動数が変化する振子として構造物の所定位置
に取り付けることを特徴とする。
請求項3に記載の構造物振動制振装置において、積層弾
性体ユニットあるいは多段積層弾性体ユニットを構成す
る複数個の積層弾性体の一部のバネ特性が他のものと異
なることを特徴とする。
強板とを交互に積層した構造の積層弾性体の水平方向バ
ネ特性を利用し、さらにその粘弾性体としてひずみが大
きくなるに従って剛性が変化する材料を用いることによ
り、振幅によって固有振動数が変化する振子を構成する
ことができる。したがって、大地震などで構造物が大き
く揺れて振子に作用する外力が所定値を越え、振子が所
定の振幅まで振られたときに、振子の固有振動数が初め
て構造物の固有振動数に同調し、共振を開始して制振効
果を発揮させることができる。すなわち、小さな振動に
対しては共振現象が起こらないために、積層弾性体に繰
り返しダメージが余計に蓄積せず、耐久性を大幅に向上
させることができる。
施例を示す図であり、図1(1) は正面図であり、図1
(2) は図1(1) 中の線A−Aに沿った断面図である。
構造物振動制御装置は、粘弾性体と補強板とを交互に積
層した構造の積層弾性体11の水平方向バネ特性を利用
したバネと、その上に取り付けた重錘(付加荷重)51
とにより構成された振子である。なお、ここに示す例
は、6個の積層弾性体11の上下端を安定板12で挟ん
で連結し、それらを4段に積み重ねた多段積層弾性体ユ
ニットをバネとして利用する構成である。安定板12
は、容易に変形や座屈の生じない剛体の連結板であり、
単体の積層弾性体11で重錘51を支持する場合に比べ
て、単位面積当たりの支持荷重を増大させて水平方向の
振動吸収力を高めることができる。
積層弾性体11の個数や段数を調整することにより、さ
らに積層弾性体11の水平方向バネ特性の異なるものを
とりまぜることにより、振子のバネ特性の調整を容易に
することができる。なお、場合によってはバネとして1
個の積層弾性体あるいは1段の積層弾性体ユニットを用
いて振子を構成してもよい。
であり、図2(1) は縦断面図であり、図2(2) は図2
(1) 中の線B−Bに沿った断面図である。図において、
積層弾性体11は、粘弾性体(エラストマー)21の層
と、金属板や硬質プラスチック板などの補強板22とを
交互に一体的に積層させた構造であり、その上下端にフ
ランジプレート23が一体的に固着される。このような
構造の積層弾性体11は、上下方向に極めて高い剛性
(ばね定数)を有し、水平方向に比較的低い有用な剛性
(ばね定数)を有する。
体21として、ひずみの大きさによって剛性が変化する
材料を用いることを特徴としている。この種の材料はす
でに開発されており、例えばひずみが大きくなるに従っ
て急激かつ大幅に剛性が低下するブリヂストン社製の高
減衰積層ゴム等が利用できる。このような粘弾性体21
のひずみ(せん断ひずみ)に対する剛性(せん断弾性
率)の特性を図3に示す。なお、せん断ひずみは、図に
示すように積層弾性体の高さHに対する変形量xの値
(x/H)である。
性)が変化する粘弾性体21を用いた積層弾性体11で
振子を構成することにより、振子(構造物振動制御装
置)が有する固有振動数をひずみ(振動の振幅)に応じ
て変化させることができる。
(振子の固有振動数/構造物の固有振動数)の特性を示
す図である。なお、振子の固有振動数/構造物の固有振
動数が「1」のときが同調振動数となる。
きな振幅が生じるときの固有振動数を構造物の制振した
い固有振動数成分に同調するようにあらかじめ振子のバ
ネ特性を調整しておく。このようにしておくことによ
り、大地震時などで構造物が大きく揺れて振子が強制的
に所定の振幅まで振られ、積層弾性体のひずみが大きく
なったときに、振子の固有振動数が変化して構造物の固
有振動数に同調し、共振を開始して制振効果を発揮させ
ることができる。
さな振動に対しては、振子と構造物の固有振動数が同調
しないために共振現象が起こらない。したがって、積層
弾性体に余計な繰り返しダメージが蓄積せず、大地震時
などの大制振力が必要なときのみ稼動させることがで
き、耐久性を大幅に向上させた実用的な構造物振動制御
装置を実現することができる。
ルト接合部のすべり等により振動が大きくなると固有振
動数が低くなる特性を有するものもある。このような構
造物に対しては、ひずみ対剛性特性の異なる粘弾性体を
組み合わせることにより、振幅によって固有振動数の変
化する度合いを調整し、必要な振幅範囲で同調させて大
きな制振効果を得るようにすることもできる。
大きさによって変化するバネ特性をもつ粘弾性体を用い
た積層弾性体で振子を構成することにより、振幅によっ
て固有振動数が変化し、かつ大制振力をもつ構造物振動
制御装置が実現可能となる。
度は低いが構造物に大きな振動をもたらす場合にのみ制
振効果を発揮させることが可能となり、比較的頻度が高
い小さな振動に対しては稼動しないようにすることがで
きるので、飛躍的に耐久性を向上させることができる。
図である。
ひずみ)に対する剛性(せん断弾性率)の特性を示す図
である。
対する(振子の固有振動数/構造物の固有振動数)の特
性を示す図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 ひずみの大きさにより変化するバネ特性
を有する粘弾性体と補強板とを交互に積層して積層弾性
体を構成し、この積層弾性体の一端に付加荷重を取り付
け振幅によって固有振動数が変化する振子として構造物
の所定位置に取り付けることを特徴とする構造物振動制
御装置。 - 【請求項2】 ひずみの大きさにより変化するバネ特性
を有する粘弾性体と補強板とを交互に積層して積層弾性
体を構成し、さらに複数個の積層弾性体の上下端を安定
板によって連結した積層弾性体ユニットを構成し、この
積層弾性体ユニットの一端に付加荷重を取り付け振幅に
よって固有振動数が変化する振子として構造物の所定位
置に取り付けることを特徴とする構造物振動制御装置。 - 【請求項3】 ひずみの大きさにより変化するバネ特性
を有する粘弾性体と補強板とを交互に積層して積層弾性
体を構成し、さらに複数個の積層弾性体の上下端を連結
した安定板を介して複数段に積み重ねた多段積層弾性体
ユニットを構成し、この多段積層弾性体ユニットの一端
に付加荷重を取り付け振幅によって固有振動数が変化す
る振子として構造物の所定位置に取り付けることを特徴
とする構造物振動制御装置。 - 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の構造物
振動制振装置において、積層弾性体ユニットあるいは多
段積層弾性体ユニットを構成する複数個の積層弾性体の
一部のバネ特性が他のものと異なることを特徴とする構
造物振動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25687691A JP2940731B2 (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | 構造物振動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25687691A JP2940731B2 (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | 構造物振動制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0598841A JPH0598841A (ja) | 1993-04-20 |
JP2940731B2 true JP2940731B2 (ja) | 1999-08-25 |
Family
ID=17298642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25687691A Expired - Lifetime JP2940731B2 (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | 構造物振動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2940731B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001182371A (ja) * | 1999-12-24 | 2001-07-06 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 免震型鉄塔および既設鉄塔への免震装置の設置方法 |
JP6686749B2 (ja) * | 2016-07-08 | 2020-04-22 | 株式会社大林組 | 制振システム |
-
1991
- 1991-10-04 JP JP25687691A patent/JP2940731B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0598841A (ja) | 1993-04-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5339580A (en) | Laminated rubber building support and vibration damping device | |
US5487534A (en) | Laminated rubber vibration control device for structures | |
US5761856A (en) | Vibration isolation apparatus | |
EP0525919B1 (en) | Vibration controlling apparatus for buildings | |
EP1948878B1 (en) | Structure with increased damping by means of fork configuration dampers | |
JP3194542B2 (ja) | 振動減衰装置 | |
JP2940731B2 (ja) | 構造物振動制御装置 | |
JP3114624B2 (ja) | 免震装置 | |
JP2660340B2 (ja) | 建物用動吸振装置 | |
JP2938095B2 (ja) | 建物用動吸振装置 | |
JP2002070943A (ja) | 免震滑り支承装置 | |
JP2889329B2 (ja) | 建物用動吸振器装置の制御方法 | |
JPH08338467A (ja) | 多段積層ゴム | |
JP3024562B2 (ja) | 免震装置 | |
JP3185678B2 (ja) | 免震装置 | |
JPH04343982A (ja) | 動吸振装置 | |
JPH11294522A (ja) | チューンドマスダンパー | |
JPH0489979A (ja) | 軽量建造物用免震装置 | |
JP2002115743A (ja) | 制振装置 | |
JPH0439968Y2 (ja) | ||
JP3988849B2 (ja) | 免震装置 | |
JP2601439Y2 (ja) | ブレース装置 | |
JP2732254B2 (ja) | ダンパー装置 | |
JP2000130506A (ja) | 三次元免震装置 | |
JPH11173377A (ja) | 制振装置の緩衝体及び積層緩衝体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080618 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080618 Year of fee payment: 9 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618 Year of fee payment: 11 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618 Year of fee payment: 11 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120618 Year of fee payment: 13 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120618 Year of fee payment: 13 |