JPH08338467A - 多段積層ゴム - Google Patents

多段積層ゴム

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JPH08338467A
JPH08338467A JP14728695A JP14728695A JPH08338467A JP H08338467 A JPH08338467 A JP H08338467A JP 14728695 A JP14728695 A JP 14728695A JP 14728695 A JP14728695 A JP 14728695A JP H08338467 A JPH08338467 A JP H08338467A
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JP
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laminated
plate
elastic body
stabilizer
reinforcing
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JP14728695A
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Nobuo Masaki
信男 正木
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動吸振装置を構成する多段積層ゴムにおい
て、動吸振装置を複雑にすることなく、その水平方向の
固有振動数を容易に異方性とする多段積層ゴムを提供す
る。 【構成】 上下の支持板の間に弾性部材と補強板とを交
互に積層して成る積層弾性体が、安定板の周縁部上に複
数個配置されて前記安定板を介して上下方向に2段以上
積み重ねられ、しかも上下段の前記各積層弾性体は前記
安定板の同一位置で該安定板を介して連結されている多
段積層ゴムであって、前記補強板が水平方向に対する傾
斜面を持って形成されている。具体的には、前記補強板
は屋根形とされるのが好ましい。また、前記補強板が水
平方向に対し一定方向に傾斜する平板とされた積層弾性
体が安定板の左右に分離対向して配置され、各々の前記
補強板の傾斜面が前記安定板の中央面に対し面対称に配
置される多段積層ゴムとすることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高層ビルやタワ−など
の柔構造建物の地震や風による揺れを低減する振動制御
装置に使用される多段積層ゴムに関する。
【0002】
【従来の技術】高層ビルや各種のタワ−などの高い建築
物では、外部から建物に入力される振動エネルギ−を吸
収して耐振強度を向上させるために建物に柔構造方式が
採用されている。しかし、この柔構造方式では、強風や
地震時に大きく揺れるだけではなく、常風時においても
揺れが大きくなって居住性が害される場合がある。そこ
で、常風時の振動振幅を減少させて居住性を向上させる
と共に、強風時や地震時においても建物の全体変形を減
少させ得る手段として、建物にばねを介して付加質量を
取り付けて副ばね系を連成させ、建物から成る主ばね系
と前記副ばね系とで固有振動数(振動周期)が略同じに
なるように設定することにより、建物の揺れを打ち消す
振動を発生させて吸振効果を実現する動吸振装置(ダイ
ナミックダンパ−)を設けることが提案されている。
【0003】従来、このような動吸振装置としては、図
6の斜視図に示すものがある。図6において、建物31
上(例えば、タワ−の頂部)で所定方向(Y方向)に水
平に設置したレ−ル32に沿って移動可能な下部質量3
3と、該下部質量33上で所定方向(X方向)に水平に
設置したレ−ル34に沿って移動可能な上部質量35と
が設けられ、各質量33、35はY方向及びX方向に張
設されたスプリング等から成るばね部材(図示省略)で
保持されている。また、各質量33、35はそれぞれ摩
擦係数が小さなロ−ラで滑動可能に支持されている。こ
うして、建物31のY方向の振動(揺れ)に対してはY
方向のばねと上下両方の質量33、35で構成される副
ばね系による動吸振効果が得られ、X方向の振動(揺
れ)に対してはX方向のばねと上部質量35から成る副
ばね系による動吸振効果が得られる2次元の建物用動吸
振装置が構成されている。而して、このような付加質量
33、35をレ−ル32、34に沿ってガイドする構造
のものでは、摩擦係数が大きく、大きな外力(地震力、
風力)にしか対応できず、常風時の揺れを抑えて居住性
を向上させるのには不十分であった。
【0004】そこで、本件と同じ出願人による特開平1
−105878号(特願昭62−261238号)に記
載されるように、エラストマ−層(ゴム層)と補強板と
を交互に積層した構造の積層弾性体の横(剪断)弾性を
ばねとして利用し建物の所定位置に該積層弾性体を介し
て付加質量を取り付ける構成の建物用動吸振装置が提案
されてこれが実用化に至っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、建物は、そ
の内部構造の多様性から、揺れの方向によって固有周期
が異なる場合が多い。このような場合に、等方性である
前記特開平1−105878号に記載される動吸振装置
を使用すると、いずれか一つの方向の固有周期に合わせ
ざるを得ず、十分な制振効果を得ることが出来ない問題
があった。
【0006】更に、建物の固有周期または固有振動数は
設計値通りになることの方が稀であり、設計値から外れ
た場合には、動吸振装置を再調整して最適な同調状態を
実現させることが要求される。このために、本件と同じ
出願人による特開平3−74649号では、図7に示す
ように、複数個の前記積層弾性体41をその上端及び下
端を結合する安定板42を介して複数段に積み重ねて構
成される多段積層ゴムユニット43を形成し、その各段
において一端を上側の安定板に固定し他端を下側の安定
板に固定したコイルバネ44を設置し、該コイルバネ4
4の個数やばね特性を変更調節して水平方向の剛性を異
方性とした動吸振装置40が提案されたが、この場合に
は、前記コイルバネ44を多数設置することで装置全体
が複雑化することやその調整が煩雑であるなどの問題が
あった。尚、図中45は付加質量である。
【0007】上記の実情に鑑みて、本発明の目的は、動
吸振装置を構成する多段積層ゴムにおいて、動吸振装置
を複雑にすることなく、その水平方向の固有振動数を容
易に異方性とする多段積層ゴムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し目的
を達成するために、本発明に係る多段積層ゴムでは、こ
れを構成する個々の積層弾性体の補強板を水平方向に対
して傾斜させることを発明の骨子としており、特許請求
項1に記載の多段積層ゴムの場合では、弾性部材と補強
板とが交互に積層され、前記補強板の最上及び最下層の
上部及び下部には一方の面が上及び下支持板に固着され
る弾性部材が配置されている柱状の積層弾性体が、安定
板上の周縁部上に複数個配置されて前記安定板を介して
上下方向に少なくとも2段以上積み重ねられ、しかも上
下段の前記各積層弾性体は前記安定板の同一位置で該安
定板を介して連結されている多段積層ゴムであって、前
記補強板が、水平方向の剛性を調節するために、水平方
向に対する傾斜面を持って形成されていることを特徴と
するとしている。
【0009】また、水平方向に対する傾斜面を持って形
成される補強用金属板の具体例として、特許請求項2に
記載の多段積層ゴムでは、前記補強板が屋根形に形成さ
れている特許請求項1に記載の多段積層ゴムとしてい
る。
【0010】更にまた、特許請求項3に記載の多段積層
ゴムでは、前記安定板の一方側と他方側に分離されて個
別に対向するように配列された前記積層弾性体の補強板
が前記水平方向に対して一定方向に傾斜する平板とさ
れ、しかも前記安定板の一方側に配列された前記積層弾
性体の前記補強板の傾斜面と前記安定板の他方側の対向
する位置に配列された前記積層弾性体の前記補強板の傾
斜面とが、前記安定板を前記一方側と他方側に分離する
中央面に対して面対称になるように構成されている特許
請求項1に記載の多段積層ゴムとしている。
【0011】
【作用】本発明の多段積層ゴムでは、これを構成する積
層弾性体が前記のごとく安定板上に配置され更に安定板
を介して多段に積み重ねられて、しかも積層弾性体を構
成する補強板が、水平方向の剛性を異方性に調節するた
めに、水平方向に対して傾斜面を持っている。そして、
具体的な例としては、特許請求項2に記載するように、
屋根状の傾斜面が形成される。従って、動吸振装置の前
記多段積層ゴムが前記傾斜面に対向する水平な一方向か
らの外力を受けて各積層弾性体に水平方向の力が働く
と、前記補強板間の弾性部材は、従来装置の水平な補強
板が積層された場合のように剪断変形のみを受けるのと
異なって、剪断変形の他に圧縮変形を受けるために、前
記水平な一方向に対する剛性が増加する。しかも、前記
一方向に垂直方向で前記傾斜面に平行となる方向から外
力を受ける際には、該外力に対向する面がないので圧縮
変形が発生せず剪断変形のみが発生して、この方向には
剛性の増加は起こらない。即ち、前記2方向に対し剛性
の異方性が得られる。
【0012】例えば、前記補強板が屋根状に形成されて
いる場合では、屋根の傾斜面に対向する方向からの外力
に対しては、前記弾性部材が圧縮変形を受けて剛性が高
まり水平方向の変形が小さく抑制される。しかも、屋根
の傾斜面に平行な方向の外力に対しては、前記弾性部材
の変形が剪断変形のみとなってこの方向の水平方向変位
は、従来装置の補強板が水平に積層されている場合とほ
ぼ同等の変形を生じ剛性の増加は起こらない。即ち、積
層弾性体の水平方向の剛性に異方性を与えることが出来
る。
【0013】従って、上記のような傾斜補強板を備えた
積層弾性体を安定板上に配置し、これを多段に重畳して
多段積層ゴムを構成するときには、前記積層弾性体の特
性に基づいて該多段積層ゴムの水方向の剛性に異方性を
付与することが出来る。このため多段積層ゴムの水平方
向の振動特性に異方性が得られ、高層建造物など水平方
向の固有振動数に異方性がある場合において、本発明の
多段積層ゴムから成る動吸振装置を用いることによっ
て、有効な制振効果が得られる。
【0014】また、特許請求項3に記載の如く、前記安
定板の一方側と他方側に分離されて個別に対向するよう
に配列された前記積層弾性体の補強板が水平方向に対し
てそれぞれ一定方向に傾斜する平板とされ、しかも前記
安定板の一方側に配列された前記積層弾性体の補強板の
傾斜面と前記安定板の他方側の対向する位置に配列され
た前記積層弾性体の補強板の傾斜面とが、安定板を一方
側と他方側に分離する中央面に対して面対称になるよう
に構成されることによって、積層弾性体が対向し合う方
向からの水平方向外力を受けると、前記積層弾性体の補
強板の傾斜面に前記外力が対向することとなって、該積
層弾性体の弾性部材の圧縮変形を増加させて水平方向変
形に対する剛性を高めることができる。しかもこの場
合、積層弾性体が対向する方向に垂直な方向の外力に対
しては、該外力に対向する傾斜面がないので前記弾性部
材は剪断変形のみを受けて水平方向に対する剛性増加が
ない。即ち、多段積層ゴムの水平方向の剛性に異方性を
持たせることが出来る。従って、この場合にも、高層建
造物などの異方性の振動特性を持つ振動体に対し、本発
明の多段積層ゴムから成る動吸振装置を用いることによ
って、有効な制振効果が得られる。
【0015】上記の如く、本発明の多段積層ゴムを用い
た動吸振装置では、傾斜面を持つ補強板からなる積層弾
性体で構成される異方性の振動系で制振がなされ、従来
例の装置のようにコイルバネなどの複雑な振動系を付設
しないので装置が単純化され、メインテナンスも容易に
なる。
【0016】
【実施例】以下図1乃至図5に基づいて本発明の実施例
を説明する。図3は本発明に係る多段積層ゴムを用いた
動吸振装置を備えた建物の模式的立面図であり、同図に
おいて、地盤上には、タワ−状の建物20が構築され、
該建物20の最上階の室内に、付加質量21を搭載した
本発明に係る多段積層ゴム19を用いた動吸振装置22
が取付けられている。図1は、本発明に係る角柱形の積
層弾性体1の縦断面図を示すものである。図1におい
て、前記積層弾性体1の本体部分2の全幅に広がる補強
板としての屋根形の補強用金属板3が弾性部材(ゴム)
4を介して6層上下方向に積層されている。前記補強用
金属板3の最上及び最下層の上部及び下部には一方の面
に上及び下支持板5、6が固着されるゴムブロック7、
8が配置されている。ここで、前記屋根形の補強用金属
板3の傾斜度を表すために、前記金属板3の傾斜面9が
水平方向、即ち本実施例では下支持板6の底面10と成
す角度θをとって、この値を20度に設定している。ま
た前記支持板5、6は通常の鋼板とされ、その幅は前記
積層弾性体1の本体部分2の幅よりも広く設定されて端
部に固定ボルト(図示省略)を挿通させるボルト孔11
が設けられている。
【0017】上記の様に構成した積層弾性体1を、図2
の縦断面図に示す如く、正方形状の鋼板からなる1枚目
の安定板16の四隅(即ち、頂点)に該安定板を介して
上下に積み重ねて配置し、上下即ち2層目及び1層目の
積層弾性体13、12の各々の支持板6、5のボルト孔
を合致させてこれに固定ボルト(図示省略)を貫通さ
せ、前記安定板16に取り付ける。次に、前記1枚目の
安定板16の上側に取り付けられた2層目の積層弾性体
13の上支持板5の上面に次の2枚目の安定板17を載
置して、その上面四隅の前記2層目の積層弾性体13の
真上に3層目の積層弾性体14を配置して各々の支持板
5、6のボルト孔を合致させて前記2枚目の安定板17
に固定する。かくして積層弾性体12、13、14が安
定板16、17を介して連結される。更に、1層目の積
層弾性体12の下支持板6の下面と3層目の積層弾性体
14の上支持板5の上面に各々最下層の安定板15と最
上層の安定板18とを配置してこれらを上記両積層弾性
体12、14の各々の支持板6、5にボルト止めして本
実施例の多段積層ゴム19が形成される。ここで、各層
の積層弾性体12、13、14は、その屋根形の補強用
金属板3の傾斜面9を全て同一方向、即ち図2中Y方向
に対向して配置されている。
【0018】そして、図2に示される如く、上記のよう
に構成された多段積層ゴム19の最上層の安定板18の
上部に付加質量21を固定して動吸振装置22が構成さ
れ、この動吸振装置22が前記タワ−状の建物20の最
上階の床面に最下層の安定板15を介して固定されて使
用に供される。ここで、建物20に風などによって水平
方向、即ち図2中Y方向に外力を受けた場合には、各層
の積層弾性体12、13、14の補強用金属板3の層間
に介在する弾性部材4は圧縮変形を受けるのでその水平
方向の剛性は硬く、多段積層ゴム19の水平方向の変形
は比較的小さく抑制される。一方、前記水平方向に垂直
方向となる図2で紙面に垂直方向の外力を受けた場合に
は、その外力が屋根形の補強用金属板3の傾斜面9に平
行な方向に作用するために、前記弾性部材4の変形が剪
断変形のみとなって柔らかい剛性を示し、この方向の多
段積層ゴム19の水平方向変形は、補強用金属板に傾斜
面がなく水平に積層されている場合とほぼ同等の大きな
変形を生じる。従って、多段積層ゴム19を用いた動吸
振装置22の水平方向の剛性に異方性が得られ、通常の
被制振構造物が持つ剛性即ち固有振動数の異方性に効果
的に対応することが可能となる。
【0019】更に、建物の荷重(鉛直)方向即ち図2中
X方向の変形は、本実施例では補強用金属板3の傾斜角
θが比較的小さな値の20度に設定されていることとこ
の方向の剛性が補強用金属板の積層枚数に主に依存する
ので、本実施例のこの方向の剛性は補強用金属板が水平
に積層されている場合とほぼ同等となって従来品と同様
の高い荷重支持能力が維持される。
【0020】なお、上記実施例では補強用金属板3を屋
根形としたが、これを逆屋根形とすることが出来る。ま
た、上記実施例では前記屋根の傾斜角θを20度とした
が、これを適宜に変更出来る。即ち、傾斜角θを大きな
値に設定するに連れて、補強用金属板の傾斜面に対向す
る方向の水平方向剛性は高くなるが、前記建物の荷重方
向の剛性は小さくなって荷重支持能力が小さくなる傾向
がある(尚、この時補強用金属板の傾斜面に平行方向の
水平方向剛性は変化しない。)ので多段積層ゴム従って
動吸振装置の仕様に応じて傾斜角θの値は最適な値に選
択される。
【0021】図4は、実施例2を示し、補強用金属板が
水平方向に対して一定方向に傾斜する平板とされて積層
されている積層弾性体から構成される多段積層ゴムを用
いた動吸振装置28の縦断面図及び平面図である。図4
において、前記積層弾性体の本体部分2の全幅に広がる
補強板としての傾斜平板の補強用金属板24が弾性部材
(ゴム)4を介して6層上下方向に積層されている。前
記補強用金属板24の最上及び最下層の上部および下部
には一方の面に上及び下の支持板5、6が固着されるゴ
ムブロック7、8が配置されている。ここで、前記補強
用金属板24の傾斜角θは、水平方向、即ち本実施例で
は下支持板6の底面10と成す角度として、15度に選
定されている。また、前記支持板5、6は通常の鋼板と
され、その幅は前記積層弾性体の本体部分2の幅よりも
広く設定されて端部に固定ボルト(図示省略)を挿通さ
せるボルト孔11が設けられている。
【0022】次に、上記の如く構成した積層弾性体を、
図4の平面図に示す如く、正方形状の鋼板から成る安定
板27の一方側(図4中左側)の端部と他方側(図4中
右側)の端部に3個づつ分離して互いに対向し合うよう
にして配置し、しかも、前記実施例1の場合と同様にし
て、前記安定板を介して上下に3段に積み重ね、更に最
上段及び最下段の積層弾性体の各々の上面及び下面に安
定板を取り付けて本実施例の多段積層ゴム23が形成さ
れる。この時、図4中で、前記安定板の一方側に配置さ
れる積層弾性体25の補強用金属板24は傾斜角15度
で右上りの傾斜で配置されており、また前記安定板の他
方側に配置される積層弾性体26は傾斜角15度で左上
りの傾斜で配置されている。即ち、安定板を一方側と他
方側に分離する中央面に対して両方の傾斜面が面対称に
なるように配置されている。
【0023】そして、上記の様に構成される本実施例2
の多段積層ゴム23の上部に付加質量21を固定して動
吸振装置28が構成される。この動吸振装置28がタワ
−状の建物20の最上階の床面に最下層の安定板を介し
て固定されて使用に供される。ここで、建物20に風な
どの外力を積層弾性体が対向し合う水平方向(図4中Y
方向)から受けると、対向する積層弾性体25、26の
補強用金属板24の傾斜面に前記外力が対向することと
なって該積層弾性体25、26の弾性部材4を圧縮して
前記水平方向の変形に対する剛性を高めることができ
る。しかも、一方、積層弾性体25、26が対向する方
向に垂直な方向(図4断面図の紙面に垂直な方向)の外
力に対しては、該外力に対向する傾斜面がなく前記弾性
部材4は剪断変形のみを受けてこの水平方向に対する剛
性は低い。従って、上記の多段積層ゴム23を用いた動
吸振装置28の水平方向の剛性に異方性が得られ、通常
の被制振構造物が持つ剛性即ち固有振動数の異方性に効
果的に対応することが可能となる。
【0024】尚、上記の各実施例においては、補強板、
支持板及び安定板を鋼板としたがこれをアルミ板やナイ
ロン板、FRP板などの合成樹脂板など既存の他の材質
に替えることができる。また、前記実施例においては、
補強板の傾斜面を一定の角度で傾斜する平板をもって形
成したが、これを、図5(a)、(b)、(C)の積層
弾性体の断面図に示すように、2種以上の角度から成る
多角形状断面の傾斜面としたりまた円弧状断面の傾斜面
として形成することが出来る。
【0025】また、上記各実施例では、本発明に係る多
段積層ゴムを用いた動吸振装置を高層建造物の制振に適
用されたが、本発明の主旨からして、これに拘ることな
く、一般の土木、建設、機械分野の各種の振動体の制振
にこれを利用できる。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る多段積層ゴムを用いた動吸
振装置では、多段積層ゴムが持つ固有の特長を損なうこ
となく、また装置を複雑にすることなく、その水平方向
の剛性を自在に調整することができると共に、水平方向
の剛性に異方性を設けることが出来るため、強風や地震
時の大入力の振動外力のみならず常風時における比較的
小さな外力に対する制振や、対象物の剛性に異方向が有
る場合の制振を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1の積層弾性体の縦断面図
である。
【図2】本発明に係る実施例1の多段積層ゴムを用いた
動吸振装置の縦断面図である。
【図3】本発明に係る多段積層ゴムを用いた動吸振装置
を備えた建物の模式的立面図である。
【図4】本発明に係る実施例2の多段積層ゴムを用いた
動吸振装置の縦断面図及び平面図である。
【図5】本発明を適用できる他の実施例の積層弾性体を
示す縦断面図である。
【図6】従来の動吸振装置を示す斜視図である。
【図7】別の例の従来の動吸振装置を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1 積層弾性体 2 本体部分 3 補強用金属板 4 弾性部材 5 上支持板 6 下支持板 7 ゴムブロック 8 ゴムブロック 9 傾斜面 10 底面 11 ボルト孔 12 積層弾性体(1層目) 13 積層弾性体(2層目) 14 積層弾性体(3層目) 15 安定板(最下層) 16 安定板(1枚目) 17 安定板(2枚目) 18 安定板(最上層) 19 多段積層ゴム(実施例1) 20 建物 21 付加質量 22 動吸振装置(実施例1) 23 多段積層ゴム(実施例2) 24 補強用金属板 25 積層弾性体(一方側の) 26 積層弾性体(他方側の) 27 安定板 28 動吸振装置(実施例2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性部材と補強板とが交互に積層され、
    前記補強板の最上及び最下層の上部及び下部には一方の
    面が上及び下支持板に固着される弾性部材が配置されて
    いる柱状の積層弾性体が、安定板上の周縁部上に複数個
    配置されて前記安定板を介して上下方向に少なくとも2
    段以上積み重ねられ、しかも上下段の前記各積層弾性体
    は前記安定板の同一位置で該安定板を介して連結されて
    いる多段積層ゴムであって、 前記補強板が、水平方向の剛性を調節するために、水平
    方向に対する傾斜面を持って形成されていることを特徴
    とする多段積層ゴム。
  2. 【請求項2】 前記補強板が屋根形に形成されている特
    許請求項1に記載の多段積層ゴム。
  3. 【請求項3】 前記安定板の一方側と他方側に分離され
    て個別に対向するように配列された前記積層弾性体の補
    強板が前記水平方向に対して一定方向に傾斜する平板と
    され、しかも前記安定板の一方側に配列された前記積層
    弾性体の前記補強板の傾斜面と前記安定板の他方側の対
    向する位置に配列された前記積層弾性体の前記補強板の
    傾斜面とが、前記安定板を前記一方側と他方側に分離す
    る中央面に対して面対称になるように構成されている特
    許請求項1に記載の多段積層ゴム。
JP14728695A 1995-06-14 1995-06-14 多段積層ゴム Pending JPH08338467A (ja)

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