JP2002286088A - 制振装置 - Google Patents

制振装置

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JP2002286088A
JP2002286088A JP2001089395A JP2001089395A JP2002286088A JP 2002286088 A JP2002286088 A JP 2002286088A JP 2001089395 A JP2001089395 A JP 2001089395A JP 2001089395 A JP2001089395 A JP 2001089395A JP 2002286088 A JP2002286088 A JP 2002286088A
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JP2001089395A
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Sohei Tateyama
壮平 立山
Yasuo Ogi
靖夫 尾木
Motoetsu Ishii
元悦 石井
Hisatoku Abiru
久徳 阿比留
Kazumi Tamura
一美 田村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性部材に大きな変形量を与えることなく、
可動マスを大振幅で振動させることができる制振装置を
提供する。 【解決手段】 本発明の制振装置(1)は、制振すべき
構造物に取付けられる架台(2)と、この架台上に水平
方向に直線移動可能に支持された可動マス(6)と、一
端が可動マスに回動可能に取付けられる第1アーム(1
2)と、この第1アームの他端に一端が回動可能に取付
けられ、且つ、他端が架台に回動可能に取付けられ、ほ
ぼ鉛直方向に延びる第2アーム(14)と、一端が第2
アームの中間から下端の間に取付けられ、他端が架台に
取付けられた概ね水平方向に延びる弾性部材(16)
と、一端が第2アームの中間から下端の間に取付けら
れ、他端が架台に取付けられた概ね水平方向に延びるダ
ンパー部材(18)と、を有することを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振装置に係わ
り、特に、高層ビル等の構造物に用いられる制振装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図10及び図11を参照して従来の制振
装置について説明する。図10は、従来の一方向型の制
振装置80を示し、この制振装置80は、制振すべき構
造物(図示せず)に取り付けられた固定架台82と、固
定架台82に取り付けられたレール84と、レール84
上に移動可能に支持された可動マス86と、可動マス8
6と固定架台82とを連結し、可動マス86の移動方向
と平行に取り付けられた複数のコイルばね88と、可動
マス86と固定架台82とを連結し、可動マス86の移
動方向と平行に取り付けられたオイルダンパ90と、可
動マスが過大な振幅で振動したときに衝撃を吸収するた
めのオイルバッファ92と、可動マス86をレール84
と平行に駆動するためのリニアモータ94と、を有す
る。
【0003】制振装置80が取り付けられた構造物がレ
ール84と平行な方向に振動すると、可動マス86がレ
ール84上で振動し、それに伴ってコイルばね88及び
オイルダンパ90が伸縮する。オイルダンパ90の伸縮
により振動エネルギーが吸収され、それにより構造物の
振動を減衰させることができる。更に、構造物の振動を
センサ(図示せず)により検知し、可動マス86が構造
物と同一周期で1/4周期位相が遅れた振動をするよう
に、可動マス86をリニアモータ94によって駆動す
る。可動マス86を能動的に駆動する反力が、大きな減
衰力として構造物に作用するので、制振装置80は高い
減衰効果を発揮することができる。
【0004】図11は、従来の直角二方向型の制振装置
100を示す。制振装置100は、構造物に取り付けら
れたベース102と、ベース102に取り付けられた4
つの多段積層ゴム104と、多段積層ゴム104によっ
て支持された可動マス106と、可動マス106とベー
ス102との間に取り付けられ、可動マス106に駆動
力を作用させるためのアクチュエータ108と、オイル
バッファ110とを有する。
【0005】多段積層ゴム104は、ばね及びダンパー
と同等の作用をするので、多段積層ゴム104によって
支持された可動マス106は、水平面内で移動すること
ができる。構造物が水平に振動すると、可動マス106
も水平面内で振動する。この際、可動マス106の振動
をセンサ(図示せず)によって検出し、可動マス106
が構造物と同一周期で1/4周期位相が遅れた振動をす
るように、可動マス106をアクチュエータ108によ
って駆動する。可動マス106を能動的に駆動する反力
が、構造物に減衰力として作用するので、制振装置10
0は構造物の振動をアクティブに減衰させることができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術の制
振装置では、大きな減衰力を発生して高い減衰効果を得
るためには、可動マスを大きな振幅で振動させる必要が
ある。しかしながら、従来技術による制振装置では、可
動マスの振動振幅と同じ距離だけコイルばね88や多段
積層ゴム104を変形させる必要があるので、可動マス
に与えることができる振幅が、コイルばね等の許容変形
量によって制限される。従って、コイルばねを使用した
従来技術による制振装置では、ばねの製作上60cm程
度以上の振動振幅を与えることが設計上非常に難しいと
いう問題がある。
【0007】また、多段積層ゴムを用いた制振装置で
は、多段積層ゴムがばね作用をする際のばね定数が、振
幅によって変化する。このため、可動マスの振幅が大き
くなるほどばね定数の変化量も大きくなり、可動マスの
固有振動数を正確にチューニングすることができなくな
る。従って、多層積層ゴムを用いた場合にも、可動マス
に大きな振幅を与えられないという同様の問題がある。
【0008】さらに、振動振幅が大きくなると、同一振
動周期に対して、オイルダンパ90が伸縮する作動速度
が速くなる。一般に、オイルダンパ90の作動速度が速
くなると、オイルダンパの減衰作用の非線形性が顕著に
なるので、オイルダンパ90の特性を正確に把握するこ
とができず、制振装置の精密な設計ができなくなる。従
って、オイルダンパの作動速度の観点からも、可動マス
に大きな振幅を与えることができないという問題があ
る。
【0009】従って、本発明は、弾性部材に大きな変形
量を与えることなく、可動マスを大振幅で振動させるこ
とができる制振装置を提供することを目的としている。
また、本発明は、ダンパ部材に高い作動速度を与えるこ
となく、可動マスを大振幅で振動させることができる制
振装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】これらの目的を達成する
ために、本発明の制振装置は、制振すべき構造物に取り
付けられる架台と、この架台上に水平方向に直線移動可
能に支持された可動マスと、一端が可動マスに回動可能
に取り付けられる第1アームと、この第1アームの他端
に一端が回動可能に取り付けられ、且つ、他端が架台に
回動可能に取り付けられ、ほぼ鉛直方向に延びる第2ア
ームと、一端が第2アームの中間から下端の間に取り付
けられ、他端が架台に取り付けられ、ほぼ水平方向に延
びる弾性部材と、一端が第2アームの中間から下端の間
に取り付けられ、他端が架台に取り付けられ、ほぼ水平
方向に延びるダンパー部材と、を有することを特徴とし
ている。
【0011】このように構成された本発明においては、
高層ビル等の制振すべき構造物が振動すると、可動マス
が架台上で移動する。可動マスが移動すると、それに回
動可能に取り付けられた第1アーム、及び、第1アーム
と架台に回動可能に取り付けられた第2アームが回動す
る。第2アームが回動すると、それに取り付けられた弾
性部材及びダンパー部材が伸縮して、復元力及び減衰力
が発生する。これにより、制振装置が動吸振器として作
用して、構造物の振動を制振することができる。ここ
で、弾性部材及びダンパー部材は第2アームの中間から
下端の間に取り付けられているので、弾性部材及びダン
パー部材の伸縮量は、可動マスの移動量よりも小さくな
る。これにより、弾性部材に大きな変形量を与えること
なく、或いは、ダンパ部材に高い作動速度を与えること
なく、可動マスを大振幅で振動させることが可能にな
る。
【0012】また、本発明の制振装置は、制振すべき構
造物に取り付けられる架台と、この架台上に水平方向に
直線移動可能に支持された可動マスと、一端が可動マス
に対して、回動可能、且つ、直線移動可能に取り付けら
れ、他端が架台に回動可能に取り付けられ、ほぼ鉛直方
向に延びるアームと、一端がアームの中間から下端の間
に取り付けられ、他端が架台に取り付けられ、ほぼ水平
方向に延びる弾性部材と、一端がアームの中間から下端
の間に取り付けられ、他端が架台に取り付けられ、ほぼ
水平方向に延びるダンパー部材と、を有することを特徴
としている。
【0013】また、本発明においては、更に、可動マス
をその移動可能な方向に駆動するための駆動手段を設け
ても良い。この構成により、可動マスが大振幅で振動す
るようになるので、制振効果を高めることができる。ま
た、本発明において、駆動手段は、リニアモータ、ボー
ルねじを有する駆動装置、又は、油圧アクチュエータで
あるのが良い。
【0014】更に、本発明の制振装置は、制振すべき構
造物に取り付けられる架台と、この架台上に移動可能に
支持された可動マスと、この可動マスを移動可能な状態
で架台に連結する少なくとも1本のリンクアームと、こ
のリンクアームのうちの少なくとも1本と架台とを連結
し、且つ、可動マスの移動に従って伸縮するように取り
付けられたばね部材と、を有し、可動マスがある距離移
動したとき、ばね部材の伸縮量が、可動マスの移動距離
よりも小さくなる位置に弾性部材が取り付けられている
ことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の
実施形態について説明する。図1乃至図3を参照して、
本発明の制振装置の第1実施形態を説明する。図1は第
1実施形態を示す平面図、図2は側面図、図3は、図1
のIII−III階段断面図である。第1実施形態による制振
装置1は、制振すべき構造物に取り付けられた架台2
と、架台2の上面に設けられたレール4と、レール4上
を走行することができる可動マス6と、可動マス6の両
側面から上方に突出した2つの連結用ブラケット8と、
各連結用ブラケット8の上端を連結するように取り付け
られた連結シャフト10と、を有する。さらに、制振装
置1は、一端が連結シャフト10の各端部に回動可能に
取り付けられた概ね水平方向に延びる2本の第1アーム
12と、上端が各第1アーム12の他端に回動可能に取
り付けられ、下端が架台2の両側面に夫々回動可能に取
り付けられた概ね鉛直方向に延びる2本の第2アーム1
4と、この第2アームを架台2に回動可能に取り付ける
ための支持ピン15と、を有する。また、制振装置1
は、各第2アーム14と架台2とを連結するように水平
方向に延びる4本のコイルばね16と、各第2アーム1
4と架台2とを連結するように水平方向に延びる2本の
オイルダンパ18と、を有する。なお、コイルばね16
及びオイルダンパ18は、第2アーム14の上端と下端
の間の任意の位置に取付けることができるが、好ましく
は、第2アームの中間から下端の間に取付ける。
【0016】第1アーム12は、連結用ブラケット8及
び連結シャフト10を介さずに、可動マス6に直接、回
動可能に取り付けられても良い。コイルばね16は、可
動マス6を元の位置に復帰させるための復元力を発生さ
せることができる他の弾性部材で構成しても良い。ま
た、オイルダンパ18は、伸縮に伴って減衰力を発生さ
せることができる任意のダンパ部材で構成することがで
きる。また、適用によっては、コイルばね16又はオイ
ルダンパ18のどちらか一方を省略することができる。
【0017】次に、上述した第1実施形態の作用を説明
する。制振装置1を設置した高層ビル等の構造物が地震
や風等で振動すると、その振動が架台2に伝えられる。
架台2がレール4と平行な方向に振動すると、その振動
により可動マス6がレール4上を走行する。可動マス6
がレール4上を移動すると、連結用ブラケット8を介し
て可動マス6に回動可能に取り付けられた第1アーム、
及び、第1アームに対して回動可能に取り付けられた第
2アーム14もそれに従って移動する。
【0018】第2アーム14が支持ピン15を中心に回
動すると、第2アーム14と架台2との間に取り付けら
れたコイルばね16が伸縮される。コイルばね16の復
元力により、可動マス6は初期位置に戻され、可動マス
6が振動する。同様に、第2アーム14と架台2との間
に取り付けられたオイルダンパ18も伸縮される。ここ
で、コイルばね16及びオイルダンパ18は、第2アー
ムの中間から下端の間に取り付けられているため、コイ
ルばね16及びオイルダンパ18の伸縮量は、可動マス
の移動量よりも小さくなる。
【0019】可動マス6は、概ね可動マス6の質量とコ
イルばね16のばね定数とによって決定される固有周波
数に近い周波数の振動が制振装置1に加えられたときに
大きく振動する。これにより、制振装置1が動吸振器と
して作用し、高層ビル等の構造物の振動エネルギーを吸
収する。好ましくは、制振装置1の固有周波数と構造物
の固有周波数とを一致させておく。
【0020】本発明の第1実施形態によれば、コイルば
ね16の伸縮ストロークが可動マス6の振動振幅よりも
小さくなるので、許容可能な伸縮ストロークが小さいコ
イルばね16を使用しても、可動マス6を100cm乃
至150cm程度の大振幅で振動させることができる。
また、コイルばね16の第2アーム14への取り付位置
によって、コイルばね16の伸縮量を自在に変化させる
ことができるので、コイルばね16の設計の自由度が大
きくなる。特に、ばねのストロークを小さくすると、ば
ね定数の大きい単体のコイルばねで制振装置を構成する
ことができるようになる。これにより、ばねの本数や、
制振装置の部品点数を減じることができるので、シンプ
ルな構造で、振動周期の調整が容易な制振装置を製造す
ることができる。
【0021】また、同様にオイルダンパ18の伸縮スト
ロークも小さくなるので、同一の振動周波数に対してオ
イルダンパ18の伸縮速度が小さくなる。これにより、
オイルダンパ18が確実に作動できる作動領域で使用さ
れるので、オイルダンパ18に信頼性の高いブレーキ作
用をさせることができる。
【0022】次に、図4及び図5を参照して、本発明の
第2実施形態による制振装置20について説明する。第
2実施形態は、第1実施形態による制振装置1に、リニ
アモータによる可動マスの駆動機構を取り付けたもので
ある。第1実施形態と同様の構成要素には同一符号を付
し、第1実施形態と同一の構成、作用、効果については
説明を省略する。
【0023】図4は第2実施形態の平面図、図5は、図
4のV−V階段断面図である。第2実施形態による制振装
置20では、可動マス6にリニアモータ22が取り付け
られている。リニアモータ22は、可動マス6に設けら
れた上下方向に貫通した長穴24と、長穴24の長手方
向に亘ってレール4と平行な方向に延びる駆動コイル2
6と、駆動コイル26の両側に跨るように架台2に取り
付けられた概略U字形の励磁コイル28とを有する。本
実施形態では、リニアモータ22は可動マス6の中に組
み込まれているが、リニアモータは可動マスの外部の任
意の位置に設けることができる。
【0024】制振装置20は、使用時において、可動マ
ス6の振動をセンサ(図示せず)によって検出し、この
検出結果に基づいて、可動マス6が構造物の振動と同一
周期で1/4周期位相が遅れて振動するように、リニア
モータ22を作動させる。即ち、センサ(図示せず)に
よる振動の検出結果に基づいて、励磁コイル28に電流
を流し、駆動コイル26との間に電磁力を発生させるこ
とによって所要の駆動力を得ることができる。本実施形
態では、可動マス6をリニアモータ22によって能動的
に振動させることにより、制振装置20は、第1実施形
態の制振装置よりも大きな制振力を発生し、構造物の振
動をアクティブに減衰させる。
【0025】次に、図6を参照して、本発明の第3実施
形態による制振装置30について説明する。第3実施形
態は、第2実施形態のリニアモータの代りにボールねじ
駆動機構32を取り付けて可動マスを駆動するものであ
る。第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照番号
を付し、第1実施形態と同一の構成、作用、効果につい
ては説明を省略する。
【0026】本発明の第3実施形態による制振装置30
には、可動マス6を駆動するためのボールねじ駆動機構
32が設けられ、該ボールねじ駆動機構32は、架台2
の2本のレール4の間に取り付けられた2つの軸受34
a、34bと、この軸受34a、34bによってレール
4と平行に回転可能に支持されるボールねじ36と、可
動マス6の底面に取り付けられ、ボールねじ36と螺合
するナット38と、ボールねじ36を回転駆動するため
のモータ39とを有する。また、駆動機構には、ボール
ねじ36の代りに台形ねじ、角ねじ等を使用しても良
い。
【0027】第3実施形態による制振装置30は、第2
実施形態と同様に、使用時において可動マス6を能動的
に振動させる。即ち、センサ(図示せず)による振動の
検出結果に基づいて、モータ39を正転・逆転させてボ
ールねじ36を回転させる。これにより、可動マス6
に、レール4と平行な方向の駆動力をボールねじ36と
螺合しているナット38を介して作用させることができ
る。本実施形態では、可動マス6をボールねじ駆動機構
32によって能動的に振動させることにより、制振装置
30は、第1実施形態の制振装置よりも大きな制振力を
発生させることができる。
【0028】次に、図7を参照して、本発明の第4実施
形態による制振装置40について説明する。第4実施形
態は、第3実施形態のボールねじ駆動機構の代りに油圧
アクチュエータ42を取り付けて可動マスを駆動するも
のである。第1実施形態と同様の構成要素には同一の参
照番号を付し、第1実施形態と同一の構成、作用、効果
については説明を省略する。
【0029】第4実施形態による制振装置40では、可
動マス6の下方に油圧アクチュエータ42が設けられ
る。この油圧アクチュエータ42のピストン先端部44
は可動マス6の底面に取り付けられ、シリンダ部46は
架台2に取り付けられる。第4実施形態による制振装置
40は、第2、第3実施形態と同様に、使用時において
可動マス6を能動的に振動させる。即ち、センサ(図示
せず)による振動の検出結果に基づいて、油圧ポンプ
(図示せず)を作動させて油圧アクチュエータ42のシ
リンダの中にオイルを注入し、或いはシリンダからオイ
ルを排出する。これにより、可動マス6に、レール4と
平行な方向の駆動力をピストン先端部44を介して作用
させることができる。本実施形態では、油圧アクチュエ
ータ42の伸縮によって可動マス6を能動的に振動させ
ることにより、制振装置40は、第1実施形態の制振装
置よりも大きな制振力を発生させることができる。
【0030】次に、図8及び図9を参照して、本発明の
第5実施形態による制振装置50について説明する。第
5実施形態は、第1実施形態において可動マス6と架台
2とを連結しているリンク機構を、別のリンク機構に変
えたものである。第1実施形態と同様の構成要素には同
一の参照番号を付し、第1実施形態と同一の構成、作
用、効果については説明を省略する。
【0031】図8は第5実施形態による制振装置50の
平面図、図9は側面図である。第5実施形態による制振
装置50では、可動マス6の両側面の各端部から可動マ
ス6の斜め上方に向かって夫々延び、各々可動マス6の
中央上方で結合される2組の連結用ブラケット52a、
52bが設けられる。各連結用ブラケット52a、52
bは、レール4に対して直角な方向に延びる連結シャフ
ト58によって連結される。滑動ピン56が連結シャフ
トの両端に夫々設けられる。一方、概ね鉛直方向に延び
るアーム54が、架台2に、架台2の両側面中央下部に
設けられた支持ピン15によって回動可能に取り付けら
れる。図9に示すように、長穴54aがアーム54の上
端部に設けられ、この長穴54aは連結シャフト58の
両端に設けられた滑動ピン56を受け入れる。第1実施
形態と同様に、コイルばね16及びオイルダンパ18が
アーム54に夫々取り付けられる。なお、コイルばね1
6及びオイルダンパ18は、アーム54の上端と下端の
間の任意の位置に取付けることができるが、好ましく
は、アーム54の中間から下端の間に取付ける。また、
連結用ブラケット52a、52b、及び連結シャフト5
8を省略し、可動マス6から直接、滑動ピン56が突出
するように構成しても良い。
【0032】構造物が振動することによって、可動マス
6がレール4上を移動すると、アーム54はそれに伴っ
て支持ピン15を中心に回動する。このとき、長穴54
aに受け入れられている滑動ピン56が長穴54aの中
を滑動することによって、可動マス6の移動が許容され
る。長穴54aは、可動マス6が所定の距離移動するこ
とができるような長さにしておく。本実施形態において
も、コイルばね16及びオイルダンパ18の伸縮ストロ
ークは、可動マス6の移動距離よりも小さくなるので、
第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0033】また、本実施形態による制振装置50に
は、第2実施形態において取り付けられたリニアモー
タ、第3実施形態において取り付けられたボールねじ機
構、又は第4実施形態において取り付けられた油圧アク
チュエータを、夫々第1実施形態に取り付けた場合と全
く同様に取り付けることができる。
【0034】以上、本発明の好ましい実施形態を説明し
たが、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、特
許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内におい
て、開示した実施形態に種々の変更をすることができ
る。特に、リンク機構に用いられるリンクの本数、形
状、リンクが配置される方向は、任意に定めることがで
きる。また、リンクが回動する方向を鉛直面内に限定す
る必要はなく、水平面を含め任意の方向の面内でリンク
が回動するように制振装置を構成することもできる。更
に、可動マスの移動方向が1方向に限定される必要はな
く、例えば、可動マスが水平面内で自由に移動すること
ができるように制振装置を構成しても良い。また、可動
マスが、例えば、鉛直面内で移動することができるよう
に構成することもでき、この場合には本発明の制振装置
によって鉛直方向の振動を制振することが可能になる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の制振装置
によれば、弾性部材に大きな変形量を与えることなく、
可動マスを大振幅で振動させることができる。また、本
発明によれば、ダンパ部材に高い作動速度を与えること
なく、可動マスを大振幅で振動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による制振装置の平面図
である。
【図2】本発明の第1実施形態による制振装置の側面図
である。
【図3】本発明の第1実施形態による制振装置を、図1
のIII−III階段断面図で示したものである。
【図4】本発明の第2実施形態による制振装置の平面図
である。
【図5】本発明の第2実施形態による制振装置を、図4
のV−V階段断面図で示したものである。
【図6】本発明の第3実施形態による制振装置の側面図
である。
【図7】本発明の第4実施形態による制振装置の側面図
である。
【図8】本発明の第5実施形態による制振装置の平面図
である。
【図9】本発明の第5実施形態による制振装置の側面図
である。
【図10】従来の一方向型制振装置の斜視図である。
【図11】従来の直角二方向型制振装置の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 本発明の第1実施形態による制振装置 2 架台 4 レール 6 可動マス 8 連結用ブラケット 10 連結シャフト 12 第1アーム 14 第2アーム 15 支持ピン 16 コイルばね 18 オイルダンパ 20 本発明の第2実施形態による制振装置 22 リニアモータ 24 長穴 26 駆動コイル 28 励磁コイル 30 本発明の第3実施形態による制振装置 32 ボールねじ駆動機構 34a 軸受 34b 軸受 36 ボールねじ 38 ナット 39 モータ 40 本発明の第4実施形態による制振装置 42 油圧アクチュエータ 44 ピストン先端部 46 シリンダ部 50 本発明の第5実施形態による制振装置 52a 連結用ブラケット 52b 連結用ブラケット 54 アーム 56 滑動ピン 58 連結シャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 元悦 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 阿比留 久徳 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 田村 一美 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 Fターム(参考) 3J048 AA02 AA03 BC02 BE03 BF13 EA38

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制振すべき構造物に取り付けられる架台
    と、 この架台上に水平方向に直線移動可能に支持された可動
    マスと、 一端が上記可動マスに回動可能に取り付けられる第1ア
    ームと、 この第1アームの他端に一端が回動可能に取り付けら
    れ、且つ、他端が上記架台に回動可能に取り付けられ、
    ほぼ鉛直方向に延びる第2アームと、 一端が上記第2アームの中間から下端の間に取り付けら
    れ、他端が上記架台に取り付けられ、ほぼ水平方向に延
    びる弾性部材と、 一端が上記第2アームの中間から下端の間に取り付けら
    れ、他端が上記架台に取り付けられ、ほぼ水平方向に延
    びるダンパー部材と、 を有することを特徴とする制振装置。
  2. 【請求項2】 制振すべき構造物に取り付けられる架台
    と、 この架台上に水平方向に直線移動可能に支持された可動
    マスと、 一端が上記可動マスに対して、回動可能、且つ、直線移
    動可能に取り付けられ、他端が上記架台に回動可能に取
    り付けられ、ほぼ鉛直方向に延びるアームと、 一端が上記アームの中間から下端の間に取り付けられ、
    他端が上記架台に取り付けられ、ほぼ水平方向に延びる
    弾性部材と、 一端が上記アームの中間から下端の間に取り付けられ、
    他端が上記架台に取り付けられ、ほぼ水平方向に延びる
    ダンパー部材と、 を有することを特徴とする制振装置。
  3. 【請求項3】 更に、上記可動マスをその移動可能な方
    向に駆動するための駆動手段を有することを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の制振装置。
  4. 【請求項4】 上記駆動手段がリニアモータであること
    を特徴とする請求項3記載の制振装置。
  5. 【請求項5】 上記駆動手段がボールねじを有する駆動
    装置であることを特徴とする請求項3記載の制振装置。
  6. 【請求項6】 上記駆動手段が油圧アクチュエータであ
    ることを特徴とする請求項3記載の制振装置。
  7. 【請求項7】 制振すべき構造物に取り付けられる架台
    と、 この架台上に移動可能に支持された可動マスと、 この可動マスを移動可能な状態で上記架台に連結する少
    なくとも1本のリンクアームと、 このリンクアームのうちの少なくとも1本と上記架台と
    を連結し、且つ、上記可動マスの移動に従って伸縮する
    ように取り付けられたばね部材と、を有し、 上記可動マスがある距離移動したとき、上記ばね部材の
    伸縮量が、上記可動マスの移動距離よりも小さくなる位
    置に上記弾性部材が取り付けられていることを特徴とす
    る制振装置。
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