JPH1193750A - メカニカルガバナ付き電子燃料噴射エンジン - Google Patents
メカニカルガバナ付き電子燃料噴射エンジンInfo
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- JPH1193750A JPH1193750A JP9255863A JP25586397A JPH1193750A JP H1193750 A JPH1193750 A JP H1193750A JP 9255863 A JP9255863 A JP 9255863A JP 25586397 A JP25586397 A JP 25586397A JP H1193750 A JPH1193750 A JP H1193750A
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
料を多く供給できるようにする。 【解決手段】 電子燃料噴射エンジンEは、エンジンの
燃焼室1に臨んで設けられた燃料点火プラグ2と、吸気
管3内に設けられた燃料噴射装置4と、燃焼室1への空
気量の流入量を制御するスロットル弁5と、スロットル
弁5の開度を制御するメカニカルガバナ6と、制御部1
0とを備えている。制御部10は吸入空気流量を予測し
て、その予測された空気流量とエンジン回転数nに基づ
いて定常運転時の噴射タイミングと噴射量を算出する。
そしてエンジンの運転状態を検出し、その検出結果に基
づいて上記定常時の噴射に非定常噴射を付け加えること
により、燃料供給量を増やす。このように構成すること
により、気化器を利用したメカニカルガバナでは実現で
きない最適な運転を達成できる。
Description
ンに関し、さらに詳しくは作業機に搭載されるエンジン
に好適な電子燃料噴射エンジンに関する。
使用した作業機用エンジンが各種提案されている。この
種の作業機用エンジンでは、負荷変動に対する速度変動
率[(無負荷最高回転数−全負荷最高回転数)÷全負荷
最高回転数]が小さいこと、つまりガバナ差(無負荷最
高回転数−全負荷最高回転数)を小さくすることが求め
られている。特にエンジン発電機では、回転数の安定が
強く望まれており、ガバナ差を小さくするメカニカルガ
バナの機械的な工夫が数多く提案されている。
とエンジンの回転数が低下することから、過負荷運転時
に燃料が増量されるようにトルクアップ装置を備えたメ
カニカルガバナも提案されている。さらに、気化器を用
いた作業機用エンジンにおいて、電子ガバナを搭載した
ものもよく知られている。
化器を使用したメカニカルガバナ付きエンジン、気化器
を使用した電子ガバナ付きエンジンでは、以下に示すよ
うな課題がある。 (1)まず、気化器を使用したメカニカルガバナ付きエ
ンジンでは、上記ガバナ差の低減やトルクアップ機能の
実現に対して、ガバナの機械的構成を変えること、例え
ば、トルクアップ用のスプリングを設けることで対処し
ているので、その補正が大まかなものにならざるを得な
い問題がある。また、エンジンに要求される運転形態は
エンジンの用途に応じて異なるので、その用途に応じて
その都度メカニカルガバナの構成を設計しなければなら
ない問題がある。さらに、ガバナ差の低減とトルクアッ
プ機能を同時に実現しようとすると、ガバナ差を低減す
る機械的構成とトルクアップ用の機械的構成とをそれぞ
れメカニカルガバナに付加することが必要であり、実現
しようとする機能が多くなればなるほど、メカニカルガ
バナの構成が複雑になる問題がある。
ンジンでは、調速機能は電子ガバナが行うので、ガバナ
差の低減などは行いやすい。しかし、電子ガバナといえ
ども燃焼室に吸入される空気量をスロットル弁の開度制
御により行うにすぎず、実際の空燃比は、ベンチュリの
負圧によって吸入燃料量が決定される気化器の本質的な
特性に左右されてしまう問題がある。このため、空気量
の変動に対して自動的に空燃比を一定にするように働く
気化器の特性から大きく外れて空燃比を変えることは難
しい。また、最近の気化器の構成は、アイドリング時、
部分負荷運転、全負荷運転、始動時に応じて最適な空燃
比を達成できるように複雑な構成になっており、さらに
その複雑な構成の上に、作業用エンジンの用途、運転状
態を考慮して満足する特性を実現できるような気化器の
構成を設計することは容易なことではない。
近年、ガソリン自動車に一部採用されているような電子
燃料噴射装置を使用して全てを電子制御で行うことも考
えられる。しかし、作業機用エンジンには自動車用エン
ジンにはない急激な負荷変動があるので、全てを電子制
御で行う構成では、急激な負荷変動に対して俊敏なレス
ポンスを得ることのできる処理の速い制御装置を採用し
なければならず、エンジンを安価に提供することが難し
くなる。さらに、作業機用エンジンの場合、運転環境、
運転条件が非常に苛酷であることも考慮しなければなら
ない。例えば、エンジン周囲の温度が高温になったり、
氷点下になったり、泥や雨水がかかったり、全負荷状態
の運転が長期間(ときには2〜3日)連続することは作
業機用エンジンにおいてはよくあることである。このよ
うな苛酷な運転環境、運転条件に対して全てを電子制御
で行うようにすると、エンジンの安定性のために十分な
対策を行う必要があり、製造コストが上昇する。
であり、本発明の目的は、上記課題を解決できる、電子
燃料噴射エンジンを提供することにある。具体的な目的
の一例を示すと、以下の通りである。 (a)農業機械、建設機械などの各種作業機のそれぞれの
用途に応じて、最適な制御のできる電子燃料噴射エンジ
ンを安価に提供する。 (b)作業機エンジンの苛酷な環境条件、運転条件におい
ても安定して制御でき、急激な負荷変動に対して対応で
きる電子燃料噴射エンジンを提供する。 なお、上記に記載した以外の発明の課題及びその解決手
段は、後述する課題を解決するための手段、作用及び発
明の実施の形態の欄において詳しく説明する。
明の実施の形態を示す図1から図7に基づいて説明する
と、次のように構成したものである。第1発明は、図1
に示すように燃焼室1に臨んで設けられた燃料点火手段
2と、吸気管3内に設けられた燃料噴射装置4と、燃焼
室1への空気量の流入量を制御するスロットル弁5と、
スロットル弁5の開度を制御するメカニカルガバナ6
と、メカニカルガバナ6の働きによって定まる実質的な
吸気管3の空気吸入量に関係するデータとエンジンの回
転数nに基づいて定常状態の燃料噴射量、噴射時期を設
定する噴射設定手段32と、エンジンの運転状態を検出
する運転状態検出手段25と、その運転状態検出手段2
5の検出結果に基づいて、前記燃料噴射装置4が上記定
常噴射に加えて非定常噴射も行うように制御する噴射制
御手段33とを有することを特徴とする。
臨んで設けられた燃料点火手段2と、吸気管3内に設け
られ定常噴射を行う定常用燃料噴射装置4と、吸気管3
内に設けられ非定常噴射を行う非定常用燃料噴射装置5
1と、燃焼室1への空気量の流入量を制御するスロット
ル弁5と、前記スロットル弁5の開度θを制御するメカ
ニカルガバナ6と、前記メカニカルガバナ6の働きによ
って定まる実質的な吸気管3の空気吸入量に関係するデ
ータとエンジンの回転数nに基づいて定常状態の噴射
量、噴射時期を設定する噴射設定手段32と、エンジン
の運転状態を検出する運転状態検出手段と、その運転状
態検出手段の検出結果に基づいて前記非定常用燃料噴射
装置51が定常噴射と独立して、非定常噴射を行うよう
に制御する非定常噴射制御手段52とを有することを特
徴とする。
ンジンにかかる負荷を検出する負荷検出手段を有し、前
記噴射制御手段33又は非定常噴射制御手段52が負荷
検出手段により検出された負荷が所定値を超えたときに
目標空燃比が小さくなるように制御を行うことを特徴と
する。
素について説明する。上記第1発明〜第3発明は、各気
筒ごとに燃料噴射装置を設けるマルチポイントインジェ
クション方式と単一の燃料噴射装置を設けるシングルポ
イントインジェクション方式に適用が可能である。マル
チポイントインジェクション方式においては、燃料噴射
装置4はスロットル弁5よりも燃焼室1側に設けること
が好ましく、シングルポイントインジェクション方式で
は燃料噴射装置4はスロットル弁5よりも上流側に設け
るのが好ましい。
して、吸気管負圧pや、スロットル弁5の開度θが例示
できる。運転状態検出手段25が行う運転状態の検出の
仕方には、例えば、ある運転状態に入ったことを検出す
る場合や、ある運転状態から他の運転状態に変動したこ
とを変動量を検出することにより行う場合がある。運転
状態検出手段25で検出される運転状態には、スロット
ル開度、負荷状態、回転数、外部温度、オペレータによ
る設定速度の変更操作などが例示できる。前記噴射制御
部33、非定常用噴射制御手段52は、作業機用エンジ
ンの出荷段階で各作業機の運転形態に対応させてその制
御を行うプログラムをROMのような記憶手段に記憶さ
せ、中央処理装置(CPU)で制御動作させる構成が好
ましい。前記メカニカルガバナ6の構成は特に限定され
ない。メカニカルガバナ6の一例としては、エンジン回
転によるフライウエィトの遠心力とガバナスプリングと
の不釣り合いでスロットル弁の開度を調節するものがあ
る。
ットル弁5の開度を制御すると吸気管3から燃焼室1内
に吸入される空気量が調整される。噴射設定手段32
は、メカニカルガバナ6の働きによって定まる実質的な
吸気管3の空気吸入量に関係するデータとエンジンの回
転数nに基づいて定常状態の燃料噴射量、噴射時期を設
定する。また、一方、運転状態検出手段25は、常時エ
ンジンの運転状態を検出しており、噴射制御手段33が
運転状態検出手段25の検出結果に基づいて、記噴射設
定手段32により設定された定常噴射に加えて非定常噴
射も行うように燃料噴射装置4を駆動する。このように
定常状態の燃料噴射量、噴射時期を設定する手段と、必
要に応じて一時的に非定常噴射を行う手段とを有してい
るので、通常の運転はほぼメカニカルガバナと同様の安
定した運転状態を維持できるとともに、定常噴射では対
処できない運転状態になったときは作業機の用途、機能
に応じて望ましい空燃比で運転させることができる。し
たがって、作業機の用途、特性に応じて最適な運転制御
を行うことが可能になる。
カニカルガバナ6により、機械的に空気量を制御するよ
うに構成してあるので、電子制御によりスロットル弁5
の開度をアクチュエータなどで制御する構成に比べて演
算時間が必要でなく、応答性が極めて速い。さらに、メ
カニカルガバナ6を採用することにより、スロットル弁
5の開度を制御する演算処理、スロットル弁5を動作さ
せるアクチュエータなどの構成要素が不要になる。スロ
ットル弁5の開度を制御する演算処理が不要になるた
め、CPUなどの演算手段は噴射量を計算する処理に集
中することができる。また、アクチュエータなどの構成
要素が不要になるので、高温時、氷点下などの低温時に
アクチュエータの動作系、制御系が動作不良になる恐れ
も低減することができ、環境安定性を向上させることが
できる。このように、メカニカルガバナ6を使用するこ
とにより、応答性と安定性を高く維持することができ
る。
スロットル弁5の開度を制御すると吸気管3から燃焼室
1内に吸入される空気量が調整される。噴射設定手段3
2は、メカニカルガバナ6の働きによって定まる実質的
な吸気管3の空気吸入量に関係するデータとエンジンの
回転数nに基づいて定常状態の燃料噴射量、噴射時期を
設定して、その条件で定常用燃料噴射装置4を駆動す
る。また、一方、運転状態検出手段は、常時エンジンの
運転状態を検出しており、その運転状態検出手段の検出
結果に基づいて非定常噴射制御手段52が定常噴射用燃
料噴射装置4とは独立して、非定常用燃料噴射装置51
を駆動して非定常噴射を行う。このように定常状態の燃
料噴射量、噴射時期を設定する手段と、必要に応じて定
常状態の噴射とは独立して非定常噴射を行う手段とを有
しているので、通常の運転はほぼメカニカルガバナと同
様の安定した運転状態を維持できるとともに、定常噴射
では対処できない運転状態になったときは非定常噴射に
よって作業機の用途、機能に応じて所望の空燃比で運転
させることができる。したがって、作業機の用途、特性
に応じて最適な運転制御を行うことが可能になる。ま
た、第2発明でも上記したメカニカルガバナの存在によ
る利点も同様に享受できる。
又は非定常噴射制御手段52が負荷検出手段により検出
された負荷が所定値を超えたときに目標空燃比が小さく
なるように制御を行うので、最大トルクを増加させ、エ
ンストを回避又はエンストまでの時間を稼ぐことができ
る。
ば、以下の(イ)(ロ)の効果を有する。 (イ)メカニカルガバナの存在によりスロットル弁をレ
スポンスを良く制御することができるとともに、エンジ
ン運転条件、周囲環境によらず、精度良く安定して制御
できる。 (ロ)噴射制御手段によりエンジンの運転状態の変動に
対応して、非定常噴射を行うのでエンストなどのエンジ
ンの運転上の不都合の発生を防止できる。また、定常噴
射を行う既にある燃料噴射装置の噴射頻度を増やすこと
により燃料を増加させるように構成しているので、制御
を変えることにより簡単に実施できる。第2発明であれ
ば、上記(イ)の効果とともに、非定常噴射専用の燃料
噴射装置を別に備えているので、定常噴射のタイミング
に捕らわれずに、自由な噴射が行える。第3発明であれ
ば、最大トルクを増加させ、エンストを回避又はエンス
トまでの時間を稼ぐことができる。
に基づき説明する。図1は本発明の電子燃料噴射エンジ
ンの第1実施形態を示す概略構成図である。この汎用電
子燃料噴射エンジンEは、エンジンの燃焼室1に臨んで
設けられた燃料点火プラグ2と、吸気管3内に設けられ
た燃料噴射装置4と、燃焼室1への空気量の流入量を制
御するスロットル弁5と、スロットル弁5の開度を制御
するメカニカルガバナ6と、吸気管3内の圧力pを検出
する圧力センサ7と、スロットル弁5の開度θを実質的
に検出する弁開度センサ8と、エンジンの回転数nを検
出する回転数センサ9と、必要に応じて設けられるトル
クセンサ35とを備えている。トルクセンサ35は、エ
ンジンのミッション軸、作業機械用駆動軸(PTO軸)
に取り付けられる。回転数センサ9、圧力センサ7、弁
開度センサ8、トルクセンサ35はそれぞれエンジンの
状態検出センサ34を構成する。
的な制御を行う制御部10が設けられ、その制御部10
にはエンジンの回転数nが入力され、圧力センサ7の検
出圧力pと弁開度センサ8からの弁開度θの少なくとも
一つのデータが入力されるようにしてある。制御部10
の出力は燃料噴射装置4の噴射制御を行う噴射ユニット
部11に出力され、制御部10の演算に基づいて所定の
噴射量を噴射するように構成してある。なお、噴射ユニ
ット部11は燃料噴射装置4のユニットとして構成され
ている場合が多いが、制御部10に一部その機能を持た
せることも可能である。
は吸気管3のサージタンク室12内に設けられている
が、各エンジンの構成に対応させて吸気管3の各所定位
置に設けられる。また、マルチポイントインジェクショ
ン方式の場合はサージタンク室12を介して各気筒へ各
吸気管を連通し、それら吸気管毎に各燃料噴射装置4を
備えるように構成するのが一般的である。さらに必要に
応じて吸気温度を検出する温度センサをサージタンク室
12に設け、その検出温度を制御部10に入力して各種
補正を行うようにしてもよい。
13に揺動自在に支持されたガバナレバー14と、オペ
レータがエンジンの回転速度を設定する調速レバー15
と、ガバナスプリング16を含んで構成してある。ガバ
ナレバー14の一端にスロットル弁5に連動する操作棒
17を連結し、ガバナレバー14の他端にガバナスプリ
ング16を連結し、そのガバナスプリング16を調速レ
バー15に連動連結してある。そして、ガバナレバー1
4にガバナフォース(GF)をかけることによりスロッ
トル弁5を閉まる方向に駆動させ、ガバナスプリング1
6の張力によりスロットル弁5を開く方向に駆動させる
ようにしてある。つまり、ガバナフォース(GF)とガ
バナスプリング16の張力との不釣り合いでスロットル
弁5の開度を制御するように構成してある。
出するように構成してあり、このよに構成することによ
り、弁開度センサ8を安定に支持できるとともに、ガバ
ナレバー14とスロットル弁5との連結棒17などの動
作遅れの影響を少なくすることができる。制御部10
は、定常状態の噴射を設定する噴射設定部32と、エン
ジンの運転状態を検出する運転状態検出部25と、噴射
制御部33とを有している。
設定方式としては、吸気管負圧pとエンジン回転数nに
よりエンジンの1回転当たりの吸気量を算出して燃料噴
射量を決定するマニホルドプレッシャー式(以下、MA
Pと称する)や、吸気管3のスロットル弁5の開度θと
エンジンの回転数nによりエンジンの1回転当たりの吸
気量を算出して、燃料噴射量を決定するスロットル角度
式(以下、TAPと称する)が採用される。さらに、上
記MAPやTAPで得られた噴射量を運転状態検出部2
5で検出された運転状態に応じて所定の規則によって重
み付けを行って実際に噴射する燃料の量を決定するよう
にしてもよい。
態をスロットル弁の開度θ、回転数n、トルクセンサ3
5などの状態検出センサ34により検出する。その他の
運転状態の検出方法としては、開度θの変化率dθ/d
t、回転数の変化率dn/dt等が例示できる。ここで
回転数の変化率(dn/dt)を検出するのは、エンジ
ンが回転している場合に負荷が大きくなったり、小さく
なった場合にはエンジン回転数がそれぞれ低くなった
り、高くなったりするからである。また、スロットル弁
の開度の変化率(dθ/dt)を検出するのは、オペレ
ータが図1に示すメカニカルガバナ6の調速レバー15
の速度設定位置を変化させた場合に、その変化をいち早
く検出するためのものである。また、エンジンにかかる
負荷の変動の場合であっても、弁開度センサ8の開度θ
の変化率をみることにより、負荷の変動をいち早く検出
することができる。一般的に言えば、過度時の変化は
(dθ/dt)の方が(dn/dt)よりレスポンスが
良い。
る非定常状態を運転状態検出部25の出力に基づいて判
別して、その運転状態に対応して燃料噴射装置4が定常
の噴射に加えて非定常の噴射も行うように制御するもの
である。図2は図1に示す電子燃料噴射エンジンEの制
御部が行う処理の一例を示すフローチャート、図3
(A)(B)はそれぞれ縦軸にトルク、横軸に回転数を
取った図である。以下、図1〜図3を参照して本実施例
の動作を説明する。
カニカルガバナ6の働きによって決定される空気量に基
づいて燃料噴射量、噴射頻度を噴射設定部32が設定す
る。この設定により、図3(A)に示すような所定のガ
バナ特性を実現するガバナ曲線36が設定され、定常状
態においてはエンジンはこのガバナ曲線36上を運転す
る。次いで、ステップSP2において噴射設定部32だ
けの噴射制御ではエンストなどが生じるような大きなト
ルクがかかったか否かを上記した状態検出センサ34に
基づいて判別し、大きなトルクがかかっていないと判別
された場合はステップSP1の定常運転を続行する。一
方、ステップSP2において大きなトルクがかかったと
判別された場合は、ステップSP3において非定常噴射
により一時的に噴射量を増量させる。例えば、図3
(B)で示すように機械的ガバナでは制御できない運転
領域43に入った場合には、破線で示すガバナ曲線36
を曲線44まで持ち上げるようにする。つまり、非定常
噴射により噴射燃料を増量させ、空燃比を濃くして最大
トルクを増加させ、過大なトルクが入力された時にエン
ストを回避あるいはエンストまでの時間を稼ぐことがで
きるようにする。
一構成例を示す概略図、図4(B)はその構成例におい
て定常噴射と非定常噴射の噴射タイミングの一例を示す
図である。なお、この図4(A)に示すようにこの電子
燃料噴射エンジンEは、4気筒ガソリンエンジンの構成
になっており、各気筒の吸気バルブの直前で各気筒ごと
に燃料噴射装置4a〜4dが配設されたマルチポイント
インジェクション方式が採用してある。そして、各燃料
噴射装置4a〜4dが図4(B)に示すぞれその噴射の
タイミング40a〜40dで定常噴射を行う。一方、大
きなトクルがかかった場合のような非定常時には各燃料
噴射装置4a〜4dがタイミング40a〜40dに加え
てタイミング41a〜41dで示す一時的な非定常噴射
も行うようにする。そして、非定常時から定常時に戻っ
たときは、再び定常噴射のみで運転を行う。なお、上記
のように独立噴射でなく、2グループ噴射、毎回転同時
噴射を行うエンジンの場合はそれぞれに対応させて非定
常噴射のタイミングを設定すればよい。
形態を説明するための図であり、図5は電子燃料噴射エ
ンジンの概略構成図、図6はその一構成例を示す概略
図、図7(A)(B)はそれぞれ定常噴射と非定常噴射
の噴射タイミングの一例を示す図である。この第2実施
形態の特徴は、図5に示すように通常の定常用燃料噴射
装置4とは別に非定常用燃料噴射装置51をスロットル
弁5の上流側に設けるとともに、図1で説明した噴射設
定部32の噴射時期、噴射量で定常用燃料噴射装置4を
駆動するとともに、非定常噴射制御部52が非定常用燃
料噴射装置51により定常噴射と独立して、非定常噴射
を行うように制御する点である。なお、非定常噴射制御
部52内は前記図1で説明した運転状態検出部25を含
んでいる。
ンに適用する場合には図6、図7に示すような構成例が
考えられる。即ち、図6に示すようにコンピュータで構
成される総合制御部53は、図5で示すような噴射設定
部32、非定常噴射制御部52を含んで構成してあり、
定常用噴射装置4a〜4bの噴射タイミングを図7
(A)に示すような2グループ噴射で行い、非定常用燃
料噴射装置51の噴射を図7(B)で示すような毎回転
同時噴射で行うようにするのである。このように構成す
れば、トルクが大きくなったときにのみ、図7(B)に
示す噴射量が余分に各燃焼室に供給されることになるの
で、エンストなどを回避することができる。
のではなく、この発明の要旨を変更しない範囲内におい
て種々の設計変更を施すことが可能である。以下、その
ような実施形態を説明する。 (1)上記実施形態では定常噴射をマルチポイントイン
ジェクション方式で行う場合を例にとり説明したが、シ
ングルポイントインジェクション方式で定常噴射を行
い、非定常時にその噴射頻度を増やすことで第1発明を
構成することも可能である。 (2)シングルポイントインジェクション方式に第2発
明を適用する形態としては、スロットル弁5の前に2つ
の燃料噴射装置を連設して、一方を定常用燃料噴射装
置、他方を非定常用燃料噴射装置とすることも考えられ
る。
構成図である。
チャートである。
図3(B)は非定常噴射により、エンジンの運転状態を
変える様子を示す図である。
図、図4(B)は定常噴射と非定常噴射の噴射タイミン
グの一例を示す図である。
構成図である。
る。
す図、図7(B)は非定常噴射のタイミングの一例を示
す図である。
料噴射装置(定常用燃料噴射装置)、5…スロットル
弁、6…メカニカルガバナ、25…運転状態検出部、3
2…噴射設定部、33…噴射制御部、51…非定常用燃
料噴射装置、52…非定常用燃料噴射装置。
Claims (3)
- 【請求項1】 燃焼室(1)に臨んで設けられた燃料点火
手段(2)と、吸気管(3)内に設けられた燃料噴射装置
(4)と、燃焼室(1)への空気量の流入量を制御するスロ
ットル弁(5)と、スロットル弁(5)の開度を制御するメ
カニカルガバナ(6)と、メカニカルガバナ(6)の働きに
よって定まる実質的な吸気管(3)の空気吸入量に関係す
るデータとエンジンの回転数(n)に基づいて定常状態の
燃料噴射量、噴射時期を設定する噴射設定手段(32)
と、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段(2
5)と、 その運転状態検出手段(25)の検出結果に基づいて、前
記燃料噴射装置(4)が上記定常噴射に加えて非定常噴射
も行うように制御する噴射制御手段(33)とを有するこ
とを特徴とする、メカニカルガバナ付き電子燃料噴射エ
ンジン。 - 【請求項2】 燃焼室(1)に臨んで設けられた燃料点火
手段(2)と、吸気管(3)内に設けられ定常噴射を行う定
常用燃料噴射装置(4)と、吸気管(3)内に設けられ非定
常噴射を行う非定常用燃料噴射装置(51)と、燃焼室
(1)への空気量の流入量を制御するスロットル弁(5)
と、前記スロットル弁(5)の開度(θ)を制御するメカニ
カルガバナ(6)と、前記メカニカルガバナ(6)の働きに
よって定まる実質的な吸気管(3)の空気吸入量に関係す
るデータとエンジンの回転数(n)に基づいて定常状態の
噴射量、噴射時期を設定する噴射設定手段(32)と、エ
ンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、 その運転状態検出手段の検出結果に基づいて前記非定常
用燃料噴射装置(51)が定常噴射と独立して、非定常噴
射を行うように制御する非定常噴射制御手段(52)とを
有することを特徴とする、メカニカルガバナ付き電子燃
料噴射エンジン。 - 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2に記載のメカ
ニカルガバナ付き電子燃料噴射エンジンにおいて、 前記運転状態検出手段がエンジンにかかる負荷を検出す
る負荷検出手段を有し、 前記噴射制御手段(33)又は非定常噴射制御手段(52)
が負荷検出手段により検出された負荷が所定値を超えた
ときに目標空燃比が小さくなるように制御を行うことを
特徴とする、メカニカルガバナ付き電子燃料噴射エンジ
ン。
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