JP3399189B2 - フィードバック制御装置 - Google Patents
フィードバック制御装置Info
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- JP3399189B2 JP3399189B2 JP27247095A JP27247095A JP3399189B2 JP 3399189 B2 JP3399189 B2 JP 3399189B2 JP 27247095 A JP27247095 A JP 27247095A JP 27247095 A JP27247095 A JP 27247095A JP 3399189 B2 JP3399189 B2 JP 3399189B2
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- Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Feedback Control In General (AREA)
- Control Of Stepping Motors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィードバック制御
装置に関する。
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のフィードバック制御装置として
は、以下のようなものがある。基本的なフィードバック
システムとしては、所定の状態量が与えられた目標値に
一致するように、その偏差に応じてこれに比例した量と
して入力操作量の補正を行うような制御は比例制御(P
制御)、あるいはその偏差の積算値に応じて入力操作量
の補正を行うような制御は積分制御(I制御)と呼ばれ
るような、非常にポピュラーなものがある。また、これ
ら以外にも種々のものが存在する。
は、以下のようなものがある。基本的なフィードバック
システムとしては、所定の状態量が与えられた目標値に
一致するように、その偏差に応じてこれに比例した量と
して入力操作量の補正を行うような制御は比例制御(P
制御)、あるいはその偏差の積算値に応じて入力操作量
の補正を行うような制御は積分制御(I制御)と呼ばれ
るような、非常にポピュラーなものがある。また、これ
ら以外にも種々のものが存在する。
【0003】このようなシステムにおいて、その入力操
作量が非連続的な量子化された値した設定できないよう
なシステム構成をとる場合がある。一例としては、特開
昭57−124048号公報に示される内燃機関のアイ
ドル回転速度制御装置があり、これはガソリンエンジン
において、スロットル弁をバイパスするバイパス通路の
補助空気弁をステップモータにより操作することで、シ
ステムの簡素化と制御精度の向上とコストの削減とを狙
ったシステムである。
作量が非連続的な量子化された値した設定できないよう
なシステム構成をとる場合がある。一例としては、特開
昭57−124048号公報に示される内燃機関のアイ
ドル回転速度制御装置があり、これはガソリンエンジン
において、スロットル弁をバイパスするバイパス通路の
補助空気弁をステップモータにより操作することで、シ
ステムの簡素化と制御精度の向上とコストの削減とを狙
ったシステムである。
【0004】リニアソレノイド等を利用した場合では特
にその位置を検出するようなセンサを用いない限り、位
置制御の精度を確保することは困難であるのに対し、ス
テップモータを利用した場合、その位置制御の精度は非
常に高い。
にその位置を検出するようなセンサを用いない限り、位
置制御の精度を確保することは困難であるのに対し、ス
テップモータを利用した場合、その位置制御の精度は非
常に高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ステッ
プモータのように、操作量として非連続な量子化した値
のみとり得るような入力量操作手段を持つものでは、所
定の定められた非連続な位置にしか安定点がないため、
そのとり得る制御操作量も飛び飛びの値(位置)とな
り、前記従来例では、これにより制御される空気量も不
連続にしか与えられない欠点がある。
プモータのように、操作量として非連続な量子化した値
のみとり得るような入力量操作手段を持つものでは、所
定の定められた非連続な位置にしか安定点がないため、
そのとり得る制御操作量も飛び飛びの値(位置)とな
り、前記従来例では、これにより制御される空気量も不
連続にしか与えられない欠点がある。
【0006】また、近似的に連続に近くなるように、ス
テップモータの位置に対する補助空気弁の動きを非常に
小さな値となるようにシステムを設計することもでき
る。しかしながら、ステップモータには応答速度の限界
があり、1ステップ変化させる毎に所定の時間を要す
る。例えば、仕様100PPSのステップモータにおいては、
1秒当たり 100ステップしか変化させることができな
い。
テップモータの位置に対する補助空気弁の動きを非常に
小さな値となるようにシステムを設計することもでき
る。しかしながら、ステップモータには応答速度の限界
があり、1ステップ変化させる毎に所定の時間を要す
る。例えば、仕様100PPSのステップモータにおいては、
1秒当たり 100ステップしか変化させることができな
い。
【0007】従って、余りにも制御操作量の刻み幅が小
さくなるようにシステム設計を行うと、単位時間当たり
の変化可能幅が小さくなり、応答速度を要する制御系と
しては使えないものとなってしまう。以上の理由により
操作量が飛び飛びの値しかとれないシステムでは、それ
が故に、そのそれぞれの操作量に対応する状態量の定常
値もまた飛び飛びの値しかとれなくなる。従って、多く
の場合、目標値に対して適切な操作量を実現することは
不可能なため、その目標に対して上下の状態量の安定値
の間を行き来するハンチングが生じる。
さくなるようにシステム設計を行うと、単位時間当たり
の変化可能幅が小さくなり、応答速度を要する制御系と
しては使えないものとなってしまう。以上の理由により
操作量が飛び飛びの値しかとれないシステムでは、それ
が故に、そのそれぞれの操作量に対応する状態量の定常
値もまた飛び飛びの値しかとれなくなる。従って、多く
の場合、目標値に対して適切な操作量を実現することは
不可能なため、その目標に対して上下の状態量の安定値
の間を行き来するハンチングが生じる。
【0008】一例としては、図11に示すようなものが挙
げられる。ここでは、前記従来例のようなアイドル回転
速度制御装置であり、目標エンジン回転速度700rpmに対
して、ステップモータ位置7では約680rpm、ステップモ
ータ位置8では約720rpmとなり、その偏差を積分制御す
ることにより、このようなハンチングが生じている。本
発明は、上述のような制御のハンチング問題を解決する
ことを目的とする。
げられる。ここでは、前記従来例のようなアイドル回転
速度制御装置であり、目標エンジン回転速度700rpmに対
して、ステップモータ位置7では約680rpm、ステップモ
ータ位置8では約720rpmとなり、その偏差を積分制御す
ることにより、このようなハンチングが生じている。本
発明は、上述のような制御のハンチング問題を解決する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明では、制御対象の所定の状態量の検出値が目標値
と一致するように入力の操作を行うフィードバック制御
手段を備えるフィードバック制御装置であって、前記フ
ィードバック制御手段が、操作量として非連続な量子化
した値のみとり得るような入力量操作手段を持つものに
おいて、入力が非連続的な値しかとり得ないために生じ
る、前記所定の状態量の検出値と目標値との偏差を縮小
させるように目標値を補正する目標値補正手段を設け
て、この目標値補正手段により補正された目標値に基づ
き入力を操作する構成としたことを特徴とする。
る発明では、制御対象の所定の状態量の検出値が目標値
と一致するように入力の操作を行うフィードバック制御
手段を備えるフィードバック制御装置であって、前記フ
ィードバック制御手段が、操作量として非連続な量子化
した値のみとり得るような入力量操作手段を持つものに
おいて、入力が非連続的な値しかとり得ないために生じ
る、前記所定の状態量の検出値と目標値との偏差を縮小
させるように目標値を補正する目標値補正手段を設け
て、この目標値補正手段により補正された目標値に基づ
き入力を操作する構成としたことを特徴とする。
【0010】これによれば、目標値自体を実現可能な値
に補正することにより、制御のハンチングを防止するこ
とができる。請求項2に係る発明では、制御対象の所定
の状態量に対する予め定められた目標値である第1の目
標値を与える第1の目標値設定手段に対し、前記目標値
補正手段は、制御対象の所定の状態量の検出値と既に設
定されている第2の目標値との偏差に基づいて目標値補
正量を算出する目標値補正量算出手段と、第1の目標値
を目標値補正量により補正して実際のフィードバック制
御に用いる第2の目標値を与える第2の目標値設定手段
と、を含んで構成されることを特徴とする。
に補正することにより、制御のハンチングを防止するこ
とができる。請求項2に係る発明では、制御対象の所定
の状態量に対する予め定められた目標値である第1の目
標値を与える第1の目標値設定手段に対し、前記目標値
補正手段は、制御対象の所定の状態量の検出値と既に設
定されている第2の目標値との偏差に基づいて目標値補
正量を算出する目標値補正量算出手段と、第1の目標値
を目標値補正量により補正して実際のフィードバック制
御に用いる第2の目標値を与える第2の目標値設定手段
と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0011】これによれば、そもそもの目標値である第
1の目標値と、補正された目標値である第2の目標値と
を分離して、目標値補正を行うことにより、第1の目標
値自体が状況により変化した場合にも的確に対応でき
る。請求項3に係る発明では、前記目標値補正手段は、
補正量の大きさに制限を与える補正量制限手段を持ち、
この制限された補正量による目標値の変化幅が、少なく
とも前記量子化された操作量の1単位の変化により生じ
る状態量の変化幅よりも大きくなるように制限値を設定
することを特徴とする。
1の目標値と、補正された目標値である第2の目標値と
を分離して、目標値補正を行うことにより、第1の目標
値自体が状況により変化した場合にも的確に対応でき
る。請求項3に係る発明では、前記目標値補正手段は、
補正量の大きさに制限を与える補正量制限手段を持ち、
この制限された補正量による目標値の変化幅が、少なく
とも前記量子化された操作量の1単位の変化により生じ
る状態量の変化幅よりも大きくなるように制限値を設定
することを特徴とする。
【0012】これは、制御のハンチングを防止するため
に必要な目標値補正量の制限幅の下限を明確化したもの
である。請求項4に係る発明では、前記目標値補正手段
は、補正量の大きさに制限を与える補正量制限手段を持
ち、この制限された補正量による目標値の変化幅が、少
なくとも前記量子化された操作量の2単位の変化により
生じる状態量の変化幅よりも小さくなるように制限値を
設定することを特徴とする。
に必要な目標値補正量の制限幅の下限を明確化したもの
である。請求項4に係る発明では、前記目標値補正手段
は、補正量の大きさに制限を与える補正量制限手段を持
ち、この制限された補正量による目標値の変化幅が、少
なくとも前記量子化された操作量の2単位の変化により
生じる状態量の変化幅よりも小さくなるように制限値を
設定することを特徴とする。
【0013】これは、制御のハンチングを防止するため
に必要な目標値補正量の制限幅の上限を明確化したもの
である。請求項5に係る発明では、前記目標値補正手段
による目標値の変化速度は、前記フィードバック制御手
段により状態量が変化する変化速度と比較し、より速い
特性を持つことを特徴とする。
に必要な目標値補正量の制限幅の上限を明確化したもの
である。請求項5に係る発明では、前記目標値補正手段
による目標値の変化速度は、前記フィードバック制御手
段により状態量が変化する変化速度と比較し、より速い
特性を持つことを特徴とする。
【0014】これは、ハンチング防止作用を効果的に発
揮させるために必要となる目標値補正速度の設定の基準
を示すものである。請求項6に係る発明では、前記制御
対象は内燃機関であり、制御すべき状態量はエンジン回
転速度であり、操作量はステップモータにより制御され
る吸入空気量とクランク角位置情報に基づき制御される
点火時期との少なくとも一方であり、所定の目標エンジ
ン回転速度となるように操作量を制御することを特徴と
する。これは、エンジンのアイドル回転速度制御に適用
したものである。
揮させるために必要となる目標値補正速度の設定の基準
を示すものである。請求項6に係る発明では、前記制御
対象は内燃機関であり、制御すべき状態量はエンジン回
転速度であり、操作量はステップモータにより制御され
る吸入空気量とクランク角位置情報に基づき制御される
点火時期との少なくとも一方であり、所定の目標エンジ
ン回転速度となるように操作量を制御することを特徴と
する。これは、エンジンのアイドル回転速度制御に適用
したものである。
【0015】請求項7に係る発明では、前記目標値補正
手段は、補正量の大きさに制限を与える補正量制限手段
を持ち、少なくとも目標値を増やす方向の補正量の制限
幅を減らす方向の補正量の制限幅よりも大きくすること
を特徴とする。これは、特にエンジンのアイドル回転速
度制御に適用した場合に、目標値補正量をエンストに強
い方向へ設定する手法を示している。
手段は、補正量の大きさに制限を与える補正量制限手段
を持ち、少なくとも目標値を増やす方向の補正量の制限
幅を減らす方向の補正量の制限幅よりも大きくすること
を特徴とする。これは、特にエンジンのアイドル回転速
度制御に適用した場合に、目標値補正量をエンストに強
い方向へ設定する手法を示している。
【0016】請求項8に係る発明では、前記制御対象は
内燃機関であり、制御すべき状態量はエンジン発生トル
クであり、操作量はステップモータにより制御される吸
入空気量とクランク角位置情報に基づき制御される点火
時期との少なくとも一方であり、所定の目標エンジン発
生トルクとなるように操作量を制御することを特徴とす
る。これは、エンジンの発生トルク制御に適用したもの
である。
内燃機関であり、制御すべき状態量はエンジン発生トル
クであり、操作量はステップモータにより制御される吸
入空気量とクランク角位置情報に基づき制御される点火
時期との少なくとも一方であり、所定の目標エンジン発
生トルクとなるように操作量を制御することを特徴とす
る。これは、エンジンの発生トルク制御に適用したもの
である。
【0017】請求項9に係る発明では、前記制御対象は
内燃機関であり、制御すべき状態量は吸入空気量であ
り、操作量はステップモータにより制御される吸気遮断
弁位置であり、所定の目標吸入空気量となるように操作
量を制御することを特徴とする。これは、エンジンの吸
入空気量制御に適用したものである。請求項10に係る発
明では、前記制御対象は内燃機関であり、制御すべき状
態量は排気還流量であり、操作量はステップモータによ
り制御される排気還流路遮断弁位置であり、所定の目標
排気還流量となるように操作量を制御することを特徴と
する。これは、エンジンの排気還流量制御に適用したも
のである。
内燃機関であり、制御すべき状態量は吸入空気量であ
り、操作量はステップモータにより制御される吸気遮断
弁位置であり、所定の目標吸入空気量となるように操作
量を制御することを特徴とする。これは、エンジンの吸
入空気量制御に適用したものである。請求項10に係る発
明では、前記制御対象は内燃機関であり、制御すべき状
態量は排気還流量であり、操作量はステップモータによ
り制御される排気還流路遮断弁位置であり、所定の目標
排気還流量となるように操作量を制御することを特徴と
する。これは、エンジンの排気還流量制御に適用したも
のである。
【0018】尚、本発明とは直接の関係はないが、前記
のようなハンチング問題を解決する他の手段としては、
例えば、ステップモータのマイクロステップ駆動を行う
ことが知られており、これによれば不連続な操作量の中
間的な値を出力することが可能となる。しかしながら、
このようなマイクロステップ駆動を実現するためには、
付加的駆動回路構成を必要とし、またそもそもステップ
モータ自体もそれに対応可能な仕様のものを選ぶ必要が
あることから、結論として、非常にコストの高いシステ
ムとなってしまう。
のようなハンチング問題を解決する他の手段としては、
例えば、ステップモータのマイクロステップ駆動を行う
ことが知られており、これによれば不連続な操作量の中
間的な値を出力することが可能となる。しかしながら、
このようなマイクロステップ駆動を実現するためには、
付加的駆動回路構成を必要とし、またそもそもステップ
モータ自体もそれに対応可能な仕様のものを選ぶ必要が
あることから、結論として、非常にコストの高いシステ
ムとなってしまう。
【0019】また、他の手法としては、制御として過敏
に反応しないように不感帯を設ける手法がある。つま
り、状態量と目標値との偏差が所定の範囲内であれば、
操作量のフィードバック制御が行われないようにする構
成である。しかしながら、この場合ハンチングを防止す
るためには、その不感帯の幅は、操作量の1ステップ分
に相当する状態の変化量に相当する広い幅に設定する必
要がある。更に複数の操作手段を持つ場合は、そのそれ
ぞれにこの不感帯を設定する必要がある。この場合、外
乱等で状態量が変化したときにおいても、この状態量が
この不感帯を抜け出すまでは、何ら全ての操作量におい
て操作(フィードバック)は行われず、制御の応答性の
悪化を生じ、結果として安定性を損なうことにもなる。
に反応しないように不感帯を設ける手法がある。つま
り、状態量と目標値との偏差が所定の範囲内であれば、
操作量のフィードバック制御が行われないようにする構
成である。しかしながら、この場合ハンチングを防止す
るためには、その不感帯の幅は、操作量の1ステップ分
に相当する状態の変化量に相当する広い幅に設定する必
要がある。更に複数の操作手段を持つ場合は、そのそれ
ぞれにこの不感帯を設定する必要がある。この場合、外
乱等で状態量が変化したときにおいても、この状態量が
この不感帯を抜け出すまでは、何ら全ての操作量におい
て操作(フィードバック)は行われず、制御の応答性の
悪化を生じ、結果として安定性を損なうことにもなる。
【0020】ここで、ステップモータで吸入空気量を制
御する場合に、吸入空気量制御に関してだけ大きな不感
帯を設け、より連続的な制御が可能な点火時期制御につ
いては不感帯を設けないということも考えられるが、こ
のような設定では、以下のような点が問題となる。空気
系に不感帯があるため、実際のエンジン回転速度と目標
エンジン回転速度との間に、その不感帯の大きさより小
さい偏差が生じても、吸入空気量の補正は行われない。
従って、この偏差を小さくする方向に点火時期が補正さ
れる。
御する場合に、吸入空気量制御に関してだけ大きな不感
帯を設け、より連続的な制御が可能な点火時期制御につ
いては不感帯を設けないということも考えられるが、こ
のような設定では、以下のような点が問題となる。空気
系に不感帯があるため、実際のエンジン回転速度と目標
エンジン回転速度との間に、その不感帯の大きさより小
さい偏差が生じても、吸入空気量の補正は行われない。
従って、この偏差を小さくする方向に点火時期が補正さ
れる。
【0021】点火時期フィードバック補正として、比例
制御を行った場合、補正によりエンジン回転速度の偏差
が小さくなる。これに比例して、補正量は小さくなり、
再度偏差は大きくなる。従って、点火時期のハンチング
が発生する。点火時期フィードバック補正として、積分
制御を行った場合は、このようなハンチングは生じない
が、その際の点火時期が安定する点が、基本設定値より
ずれた位置となる。その位置が進角側にあると、トルク
増大側の点火時期制御の余裕代が小さくなり、外乱に対
する制御特性が悪化する。また、遅角側で安定した場
合、アイドル燃費の悪化の原因となる。また、このいず
れになるか場合によって変化するといった問題もある。
制御を行った場合、補正によりエンジン回転速度の偏差
が小さくなる。これに比例して、補正量は小さくなり、
再度偏差は大きくなる。従って、点火時期のハンチング
が発生する。点火時期フィードバック補正として、積分
制御を行った場合は、このようなハンチングは生じない
が、その際の点火時期が安定する点が、基本設定値より
ずれた位置となる。その位置が進角側にあると、トルク
増大側の点火時期制御の余裕代が小さくなり、外乱に対
する制御特性が悪化する。また、遅角側で安定した場
合、アイドル燃費の悪化の原因となる。また、このいず
れになるか場合によって変化するといった問題もある。
【0022】また、そもそも入力で実現可能な目標値を
事前に設定しておけばよいといった考え方もある。しか
しながら、現実問題として制御対象の特性や外乱特性は
変化するものであり、また対象の公差等で初期特性さえ
バラツキを持つ。従って、事前に操作量により実現可能
な状態量の値を知ることはできないのである。また、そ
もそも、このような変化がない限り、フィードバック制
御の必要性はないことになる。
事前に設定しておけばよいといった考え方もある。しか
しながら、現実問題として制御対象の特性や外乱特性は
変化するものであり、また対象の公差等で初期特性さえ
バラツキを持つ。従って、事前に操作量により実現可能
な状態量の値を知ることはできないのである。また、そ
もそも、このような変化がない限り、フィードバック制
御の必要性はないことになる。
【0023】本発明は、このような問題点は存在せず、
良好な制御性を実現できるシステムである。また、目標
値自体が当初の設定値と異なる値になることについて、
問題とする見方もあるが、請求項3や請求項4に係る発
明により、そのズレの量を最小限度に縮小することがで
きる。更に、その量さえも問題となる場合は、そもそも
そのような制御対象に対しそのような操作手段を選ぶこ
と自体が問題であるので、システム設計自体の問題であ
り、本発明の本質とは無関係な問題である。
良好な制御性を実現できるシステムである。また、目標
値自体が当初の設定値と異なる値になることについて、
問題とする見方もあるが、請求項3や請求項4に係る発
明により、そのズレの量を最小限度に縮小することがで
きる。更に、その量さえも問題となる場合は、そもそも
そのような制御対象に対しそのような操作手段を選ぶこ
と自体が問題であるので、システム設計自体の問題であ
り、本発明の本質とは無関係な問題である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に基づいて説
明する。先ず、本発明の基本構成を図1に示す。図中a
は制御対象の所定の状態量に対する目標値を与える目標
値設定手段、bは本発明に係る目標値補正手段、cは制
御対象の所定の状態量の検出値が目標値と一致するよう
に入力の操作を行うフィードバック制御手段である。こ
のフィードバック制御手段cは、操作量として非連続的
な量子化した値のみとり得るような入力量操作手段を持
つ。dは制御対象、eは制御対象の所定の状態量を検出
する状態量検出手段である。
明する。先ず、本発明の基本構成を図1に示す。図中a
は制御対象の所定の状態量に対する目標値を与える目標
値設定手段、bは本発明に係る目標値補正手段、cは制
御対象の所定の状態量の検出値が目標値と一致するよう
に入力の操作を行うフィードバック制御手段である。こ
のフィードバック制御手段cは、操作量として非連続的
な量子化した値のみとり得るような入力量操作手段を持
つ。dは制御対象、eは制御対象の所定の状態量を検出
する状態量検出手段である。
【0025】本発明では、目標値補正手段bにて、状態
量検出手段eより与えられる前記所定の状態の検出値
と、目標値設定手段aより与えられる目標値との偏差を
縮小させるように、目標値を補正して、非連続性を持っ
た入力操作量で実現可能な目標値を生成するものであ
り、この補正された目標値に基づいてフィードバック制
御手段cによる操作を行わせる。
量検出手段eより与えられる前記所定の状態の検出値
と、目標値設定手段aより与えられる目標値との偏差を
縮小させるように、目標値を補正して、非連続性を持っ
た入力操作量で実現可能な目標値を生成するものであ
り、この補正された目標値に基づいてフィードバック制
御手段cによる操作を行わせる。
【0026】図2は特に請求項2に係る発明に対応した
構成図である。図中aは制御対象の所定の状態量に対す
る予め定められた目標値である第1の目標値を与える第
1の目標値設定手段であり、図1のものと対応する。b
1は、既に設定されている第2の目標値(より具体的な
例でいうと前回の制御周期に設定された第2の目標値)
と、それに基づき制御された結果である状態量検出手段
eによる制御対象の所定の状態量の検出値との偏差に基
づいて、目標値補正量を算出する目標値補正量算出手段
である。
構成図である。図中aは制御対象の所定の状態量に対す
る予め定められた目標値である第1の目標値を与える第
1の目標値設定手段であり、図1のものと対応する。b
1は、既に設定されている第2の目標値(より具体的な
例でいうと前回の制御周期に設定された第2の目標値)
と、それに基づき制御された結果である状態量検出手段
eによる制御対象の所定の状態量の検出値との偏差に基
づいて、目標値補正量を算出する目標値補正量算出手段
である。
【0027】b2は、第1の目標値を目標値補正量によ
り補正して、実際のフィードバック制御に用いる第2の
目標値を与える第2の目標値設定手段である。請求項
3、4に係る発明では、更に前記目標値補正量算出手段
b1において、そもそもの入力の不連続性(量子化の粗
さ)に応じて補正量に制限を加える構成をとるものであ
る。
り補正して、実際のフィードバック制御に用いる第2の
目標値を与える第2の目標値設定手段である。請求項
3、4に係る発明では、更に前記目標値補正量算出手段
b1において、そもそもの入力の不連続性(量子化の粗
さ)に応じて補正量に制限を加える構成をとるものであ
る。
【0028】以下に実施例を用いて、本発明の詳細な説
明を行う。実施例としては、請求項6に係る発明に対応
する内燃機関のアイドル回転速度制御装置に関する実施
例を示す。図3はそのシステム図である。内燃機関1
は、シリンダヘッド2、シリンダブロック3及びピスト
ン4により画成される燃焼室5を備え、この燃焼室5に
は吸気弁6を介して吸気通路7が接続されると共に、排
気弁8を介して排気通路9が接続されている。
明を行う。実施例としては、請求項6に係る発明に対応
する内燃機関のアイドル回転速度制御装置に関する実施
例を示す。図3はそのシステム図である。内燃機関1
は、シリンダヘッド2、シリンダブロック3及びピスト
ン4により画成される燃焼室5を備え、この燃焼室5に
は吸気弁6を介して吸気通路7が接続されると共に、排
気弁8を介して排気通路9が接続されている。
【0029】吸気通路7にはアクセルペダルに連動して
開閉するスロットル弁10が介装されていて、これにより
吸入空気量が制御される。また、スロットル弁10をバイ
パスするバイパス通路11が設けられていて、このバイパ
ス通路11にはステップモータ12aにより駆動される補助
空気弁12が介装されている。補助空気弁12はエンジンコ
ントロールユニット(以下ECUという)15からの信号
によりステップモータ12aを介して開度が調整され、補
助空気量(≒アイドル時の吸入空気量)を制御する。
開閉するスロットル弁10が介装されていて、これにより
吸入空気量が制御される。また、スロットル弁10をバイ
パスするバイパス通路11が設けられていて、このバイパ
ス通路11にはステップモータ12aにより駆動される補助
空気弁12が介装されている。補助空気弁12はエンジンコ
ントロールユニット(以下ECUという)15からの信号
によりステップモータ12aを介して開度が調整され、補
助空気量(≒アイドル時の吸入空気量)を制御する。
【0030】また、吸気通路7、詳しくは吸気マニホー
ルドのブランチ部に、各気筒毎に電磁式の燃料噴射弁13
が設けられていて、ECU15からの駆動パルス信号によ
り、エンジン回転に同期した所定のタイミングで指令さ
れた量の燃料を噴射供給する。また、燃焼室5内に臨ま
せて点火栓14が設けられていて、ECU15からの信号に
より、点火コイル(図示せず)を介して作動し、指令さ
れたタイミングで燃焼室5内の混合気に点火する。
ルドのブランチ部に、各気筒毎に電磁式の燃料噴射弁13
が設けられていて、ECU15からの駆動パルス信号によ
り、エンジン回転に同期した所定のタイミングで指令さ
れた量の燃料を噴射供給する。また、燃焼室5内に臨ま
せて点火栓14が設けられていて、ECU15からの信号に
より、点火コイル(図示せず)を介して作動し、指令さ
れたタイミングで燃焼室5内の混合気に点火する。
【0031】補助空気弁12、燃料噴射弁13及び点火栓14
の制御のため、ECU15には、各種センサから信号が入
力されている。前記各種のセンサとしては、吸気通路7
にホットワイヤ式のエアフローメータ16が設けられてい
て、これにより吸入空気流量Qaが検出される。また、
基準クランク角毎(1燃焼毎)に基準信号を発生すると
共に単位クランク角毎に単位信号を発生するクランク角
センサ17が設けられていて、基準信号の周期などからエ
ンジン回転速度Neを算出可能である。
の制御のため、ECU15には、各種センサから信号が入
力されている。前記各種のセンサとしては、吸気通路7
にホットワイヤ式のエアフローメータ16が設けられてい
て、これにより吸入空気流量Qaが検出される。また、
基準クランク角毎(1燃焼毎)に基準信号を発生すると
共に単位クランク角毎に単位信号を発生するクランク角
センサ17が設けられていて、基準信号の周期などからエ
ンジン回転速度Neを算出可能である。
【0032】また、スロットル弁10にポテンショメータ
式のスロットルセンサ18が取付けられていて、これによ
りスロットル開度TVOが検出される。また、シリンダ
ブロック3のウォータジャケット内に臨ませて水温セン
サ19が設けられていて、これによりエンジン冷却水温T
wが検出される。また、排気通路9内に臨ませてO2 セ
ンサ20が設けられていて、これによりエンジン吸入混合
気の空燃比(リッチ・リーン)と密接に関連する排気中
酸素濃度に応じた信号が出力される。
式のスロットルセンサ18が取付けられていて、これによ
りスロットル開度TVOが検出される。また、シリンダ
ブロック3のウォータジャケット内に臨ませて水温セン
サ19が設けられていて、これによりエンジン冷却水温T
wが検出される。また、排気通路9内に臨ませてO2 セ
ンサ20が設けられていて、これによりエンジン吸入混合
気の空燃比(リッチ・リーン)と密接に関連する排気中
酸素濃度に応じた信号が出力される。
【0033】このようなシステムのアイドル回転速度制
御装置においては、クランク角センサによりエンジン回
転速度を状態量として検出し、補助空気弁の開度を制御
してエンジン発生トルクを増減することにより、外乱に
より回転速度が変動した場合も所定の回転速度をエンス
トさせることなく維持させる。このような内燃機関を用
いる一般の乗用車では、エアコンやパワーステアリング
といったシステムの動作時に非常に大きな負荷がエンジ
ンにかかる。また、冷機時にはエンジンフリクションが
大きくなり、かつ維持するアイドル回転速度も高い値を
とっている。これらに対処するため、補助空気弁による
吸入空気量の可制御幅は非常に大きなものとなってい
る。また、前記負荷に応答するため、ステップモータの
動作速度は、かなり速くなくてはならないが、搭載位置
での振動や雰囲気温度等の搭載環境条件が悪く、またコ
スト上の制約も大きいため、分解精度が細かく(1ステ
ップ当たりの吸入空気量の変化が小さく)応答速度の速
い(単位時間当たりに移動可能なステップ数が多い)ス
テップモータを使用することは困難であった。従って、
現実的には、ステップモータ吸入空気量制御の分解能が
数リッタ/分程度の補助空気制御システムを使用せざる
を得ない。このような、補助空気制御システムによりエ
ンジン回転速度を制御した場合、ステップモータ1ステ
ップ当たりエンジン回転速度は20〜30rpm の変化とな
る。従って、アイドル回転速度の目標値に対し、多くの
場合に定常偏差が残り、例えば積分制御等を行う際には
制御のハンチングが発生する。
御装置においては、クランク角センサによりエンジン回
転速度を状態量として検出し、補助空気弁の開度を制御
してエンジン発生トルクを増減することにより、外乱に
より回転速度が変動した場合も所定の回転速度をエンス
トさせることなく維持させる。このような内燃機関を用
いる一般の乗用車では、エアコンやパワーステアリング
といったシステムの動作時に非常に大きな負荷がエンジ
ンにかかる。また、冷機時にはエンジンフリクションが
大きくなり、かつ維持するアイドル回転速度も高い値を
とっている。これらに対処するため、補助空気弁による
吸入空気量の可制御幅は非常に大きなものとなってい
る。また、前記負荷に応答するため、ステップモータの
動作速度は、かなり速くなくてはならないが、搭載位置
での振動や雰囲気温度等の搭載環境条件が悪く、またコ
スト上の制約も大きいため、分解精度が細かく(1ステ
ップ当たりの吸入空気量の変化が小さく)応答速度の速
い(単位時間当たりに移動可能なステップ数が多い)ス
テップモータを使用することは困難であった。従って、
現実的には、ステップモータ吸入空気量制御の分解能が
数リッタ/分程度の補助空気制御システムを使用せざる
を得ない。このような、補助空気制御システムによりエ
ンジン回転速度を制御した場合、ステップモータ1ステ
ップ当たりエンジン回転速度は20〜30rpm の変化とな
る。従って、アイドル回転速度の目標値に対し、多くの
場合に定常偏差が残り、例えば積分制御等を行う際には
制御のハンチングが発生する。
【0034】また、前述したようにエンジン冷却水温等
によりエンジンフリクションが変化するため、同一空気
量をエンジンに供給した場合であっても、その際のエン
ジン回転速度は必ずしも同じような値になるとは限らな
い。そこで、本発明では、図4に示されるような構成に
より、目標回転速度を補正することにより、実回転速度
と目標回転速度とを一致させて、ハンチングをなくす。
によりエンジンフリクションが変化するため、同一空気
量をエンジンに供給した場合であっても、その際のエン
ジン回転速度は必ずしも同じような値になるとは限らな
い。そこで、本発明では、図4に示されるような構成に
より、目標回転速度を補正することにより、実回転速度
と目標回転速度とを一致させて、ハンチングをなくす。
【0035】図4の補正を実現するためは、図5に示さ
れるフローチャートをECUにて実行すればよい。この
具体的実現方法を図5に基づき以下に詳細に説明する。
本フローチャートで記述されるプログラムは、所定のタ
イミング、例えば1燃焼毎に実行される。
れるフローチャートをECUにて実行すればよい。この
具体的実現方法を図5に基づき以下に詳細に説明する。
本フローチャートで記述されるプログラムは、所定のタ
イミング、例えば1燃焼毎に実行される。
【0036】S1では、先ず現在の状態量であるエンジ
ン回転速度Neを読出す。これは、この段階あるいは別
ルーチンで計測したものとする。S2では、前回の第2
の目標エンジン回転速度TNe2old を読込む。S3で
は、エンジン回転速度Neと第2の目標エンジン回転速
度TNe2oldとの偏差ε=Ne−TNe2old を算出
する。
ン回転速度Neを読出す。これは、この段階あるいは別
ルーチンで計測したものとする。S2では、前回の第2
の目標エンジン回転速度TNe2old を読込む。S3で
は、エンジン回転速度Neと第2の目標エンジン回転速
度TNe2oldとの偏差ε=Ne−TNe2old を算出
する。
【0037】S4では、前回の補正量ADJold を読出
す。S5では、前回の補正量ADJold に対し、偏差ε
をKi倍したものを加え、これを新たな補正量ADJ=
ADJold +Ki・εとする。S6では、第1の目標エ
ンジン回転速度TNe1を読出す。S7では、第1の目
標エンジン回転速度TNe1に補正量ADJを加えて、
第2の目標エンジン回転速度TNe2=TNe1+AD
Jを算出する。以上により、第2の目標エンジン回転速
度TNe2は偏差εに基づき積分的に補正されることに
なる。
す。S5では、前回の補正量ADJold に対し、偏差ε
をKi倍したものを加え、これを新たな補正量ADJ=
ADJold +Ki・εとする。S6では、第1の目標エ
ンジン回転速度TNe1を読出す。S7では、第1の目
標エンジン回転速度TNe1に補正量ADJを加えて、
第2の目標エンジン回転速度TNe2=TNe1+AD
Jを算出する。以上により、第2の目標エンジン回転速
度TNe2は偏差εに基づき積分的に補正されることに
なる。
【0038】S8では、次回の演算に用いるため、今回
の補正量ADJと第2の目標エンジン回転速度TNe2
を各々ADJold ,TNe2old として記憶しておく。
以上により、第2の目標エンジン回転速度は実際にエン
ジン回転速度が実現されている回転速度へと収束してい
く。但し、請求項5に示したように第2の目標回転速度
が実現可能な回転速度への収束が実現されるためには、
その目標値(目標回転速度)の変化速度が、そもそもの
フィードバック制御による状態量(エンジン回転速度)
の変化速度より速くなるようにパラメータの設定を行う
必要がある。こうすることによりハンチングが防止さ
れ、本発明の効果が発揮される。
の補正量ADJと第2の目標エンジン回転速度TNe2
を各々ADJold ,TNe2old として記憶しておく。
以上により、第2の目標エンジン回転速度は実際にエン
ジン回転速度が実現されている回転速度へと収束してい
く。但し、請求項5に示したように第2の目標回転速度
が実現可能な回転速度への収束が実現されるためには、
その目標値(目標回転速度)の変化速度が、そもそもの
フィードバック制御による状態量(エンジン回転速度)
の変化速度より速くなるようにパラメータの設定を行う
必要がある。こうすることによりハンチングが防止さ
れ、本発明の効果が発揮される。
【0039】このように設定しない場合にどうなるかを
示すための極端な例としては、目標回転速度の変化速度
を極めて小さくした場合、目標値は非常にゆっくりと変
化するため、目標値と状態量との偏差が蓄積され、目標
値と状態量とが近づきあい、一致する前に操作量は1ス
テップ動き、目標値はまた、逆方向にゆっくりと変化
し、その繰り返しで現状どおりハンチングする。
示すための極端な例としては、目標回転速度の変化速度
を極めて小さくした場合、目標値は非常にゆっくりと変
化するため、目標値と状態量との偏差が蓄積され、目標
値と状態量とが近づきあい、一致する前に操作量は1ス
テップ動き、目標値はまた、逆方向にゆっくりと変化
し、その繰り返しで現状どおりハンチングする。
【0040】また、逆に極端に目標回転速度の変化速度
が大きい場合、つまりフィードバックゲインを極端に大
きくした場合、燃焼変動等の定常的外乱に対しても目標
値が大幅に変化し、また後述するようにリミッタを加え
た場合は、上下限のリミッタに到達するようになり、目
標値自体がハンチングするような状態となり、当然のこ
とながら、望ましい制御特性は得られない。
が大きい場合、つまりフィードバックゲインを極端に大
きくした場合、燃焼変動等の定常的外乱に対しても目標
値が大幅に変化し、また後述するようにリミッタを加え
た場合は、上下限のリミッタに到達するようになり、目
標値自体がハンチングするような状態となり、当然のこ
とながら、望ましい制御特性は得られない。
【0041】以上より、目標回転速度の変化速度は、フ
ィードバック制御による回転速度の変化よりは速く、但
し定常回転速度の乱れに対しては、その変化速度よりも
小さい速度となるように設定する必要がある。また、目
標値補正手段としてフェイルセーフ的に、補正量ADJ
に対し、ある程度の制限を設ける場合が考えられる。こ
の制限を本発明が有効に機能するように適正に設定する
必要がある。
ィードバック制御による回転速度の変化よりは速く、但
し定常回転速度の乱れに対しては、その変化速度よりも
小さい速度となるように設定する必要がある。また、目
標値補正手段としてフェイルセーフ的に、補正量ADJ
に対し、ある程度の制限を設ける場合が考えられる。こ
の制限を本発明が有効に機能するように適正に設定する
必要がある。
【0042】そこで、先ず制限値の下限値としては、以
下の設定を行うこと望ましい(請求項3)。つまり、補
正量ADJの可変幅(ここでは目標エンジン回転速度の
変化する可能性がある幅)は、操作量1単位の変化(こ
こではステップモータの1単位の変化)により、状態量
(ここではエンジン回転速度)が変化する量より、大き
くする必要がある。つまり、例えばステップモータの1
ステップの移動によりエンジン回転速度の定常値が30rp
m 変化するとした場合、目標値の可変幅は少なくとも30
rpm 以上とする。この理由は、例えば上記のようにステ
ップモータの移動によりエンジン回転速度の定常値が30
rpm 変化するとし、第1の目標回転速度の上下に10rpm
ずつ計20rpm の可変幅を設定した際、場合によっては、
図6に示すように、第1の目標回転速度が実現可能なエ
ンジン回転速度の間にすっぽりと嵌まり込んでしまう場
合がある。この場合、目標回転速度をいくら修正しても
その回転速度を実現できる状態にはなり得ないため、結
局制御のハンチングが発生し、本発明の当初の目的が達
成できなくなる。
下の設定を行うこと望ましい(請求項3)。つまり、補
正量ADJの可変幅(ここでは目標エンジン回転速度の
変化する可能性がある幅)は、操作量1単位の変化(こ
こではステップモータの1単位の変化)により、状態量
(ここではエンジン回転速度)が変化する量より、大き
くする必要がある。つまり、例えばステップモータの1
ステップの移動によりエンジン回転速度の定常値が30rp
m 変化するとした場合、目標値の可変幅は少なくとも30
rpm 以上とする。この理由は、例えば上記のようにステ
ップモータの移動によりエンジン回転速度の定常値が30
rpm 変化するとし、第1の目標回転速度の上下に10rpm
ずつ計20rpm の可変幅を設定した際、場合によっては、
図6に示すように、第1の目標回転速度が実現可能なエ
ンジン回転速度の間にすっぽりと嵌まり込んでしまう場
合がある。この場合、目標回転速度をいくら修正しても
その回転速度を実現できる状態にはなり得ないため、結
局制御のハンチングが発生し、本発明の当初の目的が達
成できなくなる。
【0043】また、特にエンジンのアイドル回転速度制
御について限定して考えた場合、耐エンスト性を考える
と、請求項7に示されるように、目標エンジン回転速度
を上げる方向への補正量を大きく、あるいは上げる方向
のみに補正を許すようにすることが望ましい。また、そ
の制限範囲の上限については操作量2単位の変化(ここ
ではステップモータの2単位の変化)により、状態量
(ここではエンジン回転速度)が変化する量より、小さ
くすることが望ましい。前記下限値により少なくとも最
終的に目標値と状態量とが安定する点が存在することに
なり、本上限により第1の目標値の近傍でその安定点を
制限できることになる(請求項4)。
御について限定して考えた場合、耐エンスト性を考える
と、請求項7に示されるように、目標エンジン回転速度
を上げる方向への補正量を大きく、あるいは上げる方向
のみに補正を許すようにすることが望ましい。また、そ
の制限範囲の上限については操作量2単位の変化(ここ
ではステップモータの2単位の変化)により、状態量
(ここではエンジン回転速度)が変化する量より、小さ
くすることが望ましい。前記下限値により少なくとも最
終的に目標値と状態量とが安定する点が存在することに
なり、本上限により第1の目標値の近傍でその安定点を
制限できることになる(請求項4)。
【0044】以上は、補助空気弁によるアイドル回転速
度制御について述べてきたが、電気的にステップモータ
により制御されるスロットル弁により、例えば駆動力制
御のためにエンジン発生トルクを制御するシステムや、
リーンバーンエンジン等でアクセル操作量と発生トルク
のリニア感を再現するための吸気量制御システムについ
ても同じことが言える(請求項8、請求項9)。
度制御について述べてきたが、電気的にステップモータ
により制御されるスロットル弁により、例えば駆動力制
御のためにエンジン発生トルクを制御するシステムや、
リーンバーンエンジン等でアクセル操作量と発生トルク
のリニア感を再現するための吸気量制御システムについ
ても同じことが言える(請求項8、請求項9)。
【0045】また、同様にアイドル回転速度制御におい
て、点火時期を使用する場合、クランク角度はロータリ
ーエンコーダ等の所定の分解精度をもったセンサで計測
され、点火時期をクランク角度に応じて与えるような構
成をとっている場合、その分解精度に応じた量子化され
た点火時期による操作量のみを入力とすることができ、
前記吸気量制御と同様なことが言える(請求項6)。
て、点火時期を使用する場合、クランク角度はロータリ
ーエンコーダ等の所定の分解精度をもったセンサで計測
され、点火時期をクランク角度に応じて与えるような構
成をとっている場合、その分解精度に応じた量子化され
た点火時期による操作量のみを入力とすることができ、
前記吸気量制御と同様なことが言える(請求項6)。
【0046】また、排気を吸気に還流し、燃費や排気性
能の向上を目的とした排気還流量制御系をもった内燃機
関においても、同様にステップモータが利用され、排気
還流量を調整する場合がある。この場合においても、同
様の要求を生じる(請求項10)。次に、以上のようにし
て与えられる第2の目標値に基づいて、実際のフィード
バック制御を行う際の実施例を記載する。
能の向上を目的とした排気還流量制御系をもった内燃機
関においても、同様にステップモータが利用され、排気
還流量を調整する場合がある。この場合においても、同
様の要求を生じる(請求項10)。次に、以上のようにし
て与えられる第2の目標値に基づいて、実際のフィード
バック制御を行う際の実施例を記載する。
【0047】ここでは、アイドル回転速度制御を例にと
り、説明を行う。目標回転速度(第2の目標回転速度)
TNe2に対し、実際のエンジン回転速度がNeである
場合の制御を、図7〜図9により説明する。図7はクラ
ンク角センサからの基準信号の入力の割込みにより実行
されるプログラムのフローチャートである。
り、説明を行う。目標回転速度(第2の目標回転速度)
TNe2に対し、実際のエンジン回転速度がNeである
場合の制御を、図7〜図9により説明する。図7はクラ
ンク角センサからの基準信号の入力の割込みにより実行
されるプログラムのフローチャートである。
【0048】S11では、エンジン回転速度Neを計測す
る。これは基準信号の周期を計測することにより計測で
きる。これは図5のS1に相当する。S12では、目標回
転速度(第2の目標回転速度)TNe2を算出する。こ
れは図5のS2〜S8に相当する。S13では、目標回転
速度TNe2と実回転速度Neとの偏差ΔNe=TNe
2−Neを算出する。
る。これは基準信号の周期を計測することにより計測で
きる。これは図5のS1に相当する。S12では、目標回
転速度(第2の目標回転速度)TNe2を算出する。こ
れは図5のS2〜S8に相当する。S13では、目標回転
速度TNe2と実回転速度Neとの偏差ΔNe=TNe
2−Neを算出する。
【0049】S14では、この偏差ΔNeの積分値IΔN
eを算出する。この例では、単純積分として偏差を逐次
加えて積分値としている(IΔNe=IΔNe+ΔN
e)。S15では、吸入空気量のフィードバック補正量Q
fbを算出する。吸入空気量のフィードバック制御は積分
制御(I制御)とする。従って、先程S14で算出した偏
差積分値IΔNeに所定のゲインGiQ を乗じて、吸入
空気量のフィードバック補正量Qafb=GiQ ・IΔN
eとしている。
eを算出する。この例では、単純積分として偏差を逐次
加えて積分値としている(IΔNe=IΔNe+ΔN
e)。S15では、吸入空気量のフィードバック補正量Q
fbを算出する。吸入空気量のフィードバック制御は積分
制御(I制御)とする。従って、先程S14で算出した偏
差積分値IΔNeに所定のゲインGiQ を乗じて、吸入
空気量のフィードバック補正量Qafb=GiQ ・IΔN
eとしている。
【0050】S16では、点火時期のフィードバック補正
量ITisc を算出する。これは比例制御(P制御)を行
うものとし、偏差ΔNeに所定のゲインGpITを乗じ
て、点火時期のフィードバック補正量ITisc =GpIT
・ΔNeとしている。S17は、このプログラムあるいは
図8に示されるプログラムのいずれで行ってもよいが、
補助空気弁で供給する目標補助空気量Qisc を算出して
いる。ここでは、エアコン等の負荷等、他の要因で決定
される基本補助空気Qbaseに対し、先程S15で算出した
フィードバック補正量Qfbを加え、補助空気弁で供給し
たい空気量の総量である目標補助空気量Qisc =Qbase
+Qfbを算出している。
量ITisc を算出する。これは比例制御(P制御)を行
うものとし、偏差ΔNeに所定のゲインGpITを乗じ
て、点火時期のフィードバック補正量ITisc =GpIT
・ΔNeとしている。S17は、このプログラムあるいは
図8に示されるプログラムのいずれで行ってもよいが、
補助空気弁で供給する目標補助空気量Qisc を算出して
いる。ここでは、エアコン等の負荷等、他の要因で決定
される基本補助空気Qbaseに対し、先程S15で算出した
フィードバック補正量Qfbを加え、補助空気弁で供給し
たい空気量の総量である目標補助空気量Qisc =Qbase
+Qfbを算出している。
【0051】以上のようにして求められた補正量を実際
の制御に反映させる部分が以下に示す図8、図9であ
る。図8に示すフローチャートは、点火時期の制御に関
する部分である。これは各気筒の設定のタイミング毎に
行われる。S21では、吸入空気量やエンジン回転数など
により定められる基本点火時期ITbaseを算出する。
の制御に反映させる部分が以下に示す図8、図9であ
る。図8に示すフローチャートは、点火時期の制御に関
する部分である。これは各気筒の設定のタイミング毎に
行われる。S21では、吸入空気量やエンジン回転数など
により定められる基本点火時期ITbaseを算出する。
【0052】S22では、基本点火時期ITbaseに対し、
前記S16で算出したフィードバック補正量ITisc を加
えて、最終的な点火時期ITout =ITbase+ITisc
を求める。S23では、このITout を点火時期としてセ
ットする。また、図9は補助空気系のステップモータの
制御を行うプログラムのフローチャートを示している。
このプログラムは、ステップモータの駆動周期毎に行わ
れる。従って、例えば100ppsで駆動されるステップモー
タでは、10msec毎に実行される。
前記S16で算出したフィードバック補正量ITisc を加
えて、最終的な点火時期ITout =ITbase+ITisc
を求める。S23では、このITout を点火時期としてセ
ットする。また、図9は補助空気系のステップモータの
制御を行うプログラムのフローチャートを示している。
このプログラムは、ステップモータの駆動周期毎に行わ
れる。従って、例えば100ppsで駆動されるステップモー
タでは、10msec毎に実行される。
【0053】S31では、前記S17で算出した目標補助空
気量Qisc より、これに相当するステップモータの目標
ステップ位置Tisc-smp を算出する。この処理は、実際
には図10に示すような特性図をデータとして持ち、Qis
c よりTisc-smp を検索するものである。S32では、現
在のステップモータの位置Pisc-smp を読出す。
気量Qisc より、これに相当するステップモータの目標
ステップ位置Tisc-smp を算出する。この処理は、実際
には図10に示すような特性図をデータとして持ち、Qis
c よりTisc-smp を検索するものである。S32では、現
在のステップモータの位置Pisc-smp を読出す。
【0054】S33では、この両者Tisc-smp とPisc-sm
p との大小関係を比較する。もし、現在位置Pisc-smp
が目標ステップ位置Tisc-smp より小さい場合には、S
34に移り、1ステップ分、弁を開く方向に操作する。従
って、現在位置は1増えたPisc-smp +1となる。現在
位置Pisc-smp が目標ステップ位置Tisc-smp より大き
い場合には、S35に移り、1ステップ分、弁を閉じる方
向に操作する。従って、現在位置は1減ったPisc-smp
−1となる。一致している場合には、特に操作は行わな
い。
p との大小関係を比較する。もし、現在位置Pisc-smp
が目標ステップ位置Tisc-smp より小さい場合には、S
34に移り、1ステップ分、弁を開く方向に操作する。従
って、現在位置は1増えたPisc-smp +1となる。現在
位置Pisc-smp が目標ステップ位置Tisc-smp より大き
い場合には、S35に移り、1ステップ分、弁を閉じる方
向に操作する。従って、現在位置は1減ったPisc-smp
−1となる。一致している場合には、特に操作は行わな
い。
【0055】以上述べてきたように、従来構成では、S
13での偏差ΔNeが、多くの場合に、所定の偏差を常に
持つため、その積分操作によりS34とS35とが所定時間
毎に交互に行われて、ハンチングが発生することになる
が、本発明においては、前記偏差ΔNeが0あるいは0
近傍の値を前後するため、偏差積分値IΔNeはほとん
ど一定値となり、ハンチングの発生が抑制される。
13での偏差ΔNeが、多くの場合に、所定の偏差を常に
持つため、その積分操作によりS34とS35とが所定時間
毎に交互に行われて、ハンチングが発生することになる
が、本発明においては、前記偏差ΔNeが0あるいは0
近傍の値を前後するため、偏差積分値IΔNeはほとん
ど一定値となり、ハンチングの発生が抑制される。
【0056】更に本発明の説明を行う。以下では、内燃
機関のアイドル回転速度制御を例にとり説明を行う。図
11では、前述したように、ステップモータにより補助空
気量を積分制御した場合のハンチング例をシュミレーシ
ョンを用いて示している。横軸の数字は燃焼回数を示し
ている。
機関のアイドル回転速度制御を例にとり説明を行う。図
11では、前述したように、ステップモータにより補助空
気量を積分制御した場合のハンチング例をシュミレーシ
ョンを用いて示している。横軸の数字は燃焼回数を示し
ている。
【0057】実際の内燃機関では、1燃焼毎に発生トル
クが変動し、エンジン回転速度が変動する。図12では、
発生トルクに実機相当の変動を加えた例を示す。この例
においても図11と同様にハンチングが生じていることが
わかる。図13では、他の操作量として点火時期の制御も
加えた例を示す。この場合の点火時期制御は比例制御を
用いている。この例においても、エンジン回転速度の変
動幅は幾分小さくなるものの、ハンチングは本質的には
防止できない。
クが変動し、エンジン回転速度が変動する。図12では、
発生トルクに実機相当の変動を加えた例を示す。この例
においても図11と同様にハンチングが生じていることが
わかる。図13では、他の操作量として点火時期の制御も
加えた例を示す。この場合の点火時期制御は比例制御を
用いている。この例においても、エンジン回転速度の変
動幅は幾分小さくなるものの、ハンチングは本質的には
防止できない。
【0058】図14では、図13の例に対し更に点火時期制
御のフィードバックゲインを大きくした例を示してい
る。このようにゲインを大きくしていっても、ハンチン
グを抑制することはできない。これに対し、本発明のよ
うな目標値補正を行うことにより、図15に示されるよう
に、ハンチングを防止できる。(図15の最上部には目標
値の変化とそれに追従するエンジン回転速度を示してい
る。) 図16には、図15に対し、2000燃焼目で突入負荷を印加し
た場合の、目標値の動きとエンジン回転速度の動きを示
している。このように、状況の変化に際しても対応でき
るシステムである。
御のフィードバックゲインを大きくした例を示してい
る。このようにゲインを大きくしていっても、ハンチン
グを抑制することはできない。これに対し、本発明のよ
うな目標値補正を行うことにより、図15に示されるよう
に、ハンチングを防止できる。(図15の最上部には目標
値の変化とそれに追従するエンジン回転速度を示してい
る。) 図16には、図15に対し、2000燃焼目で突入負荷を印加し
た場合の、目標値の動きとエンジン回転速度の動きを示
している。このように、状況の変化に際しても対応でき
るシステムである。
【0059】図17は、図16に対し、図12と同様に発生ト
ルクの変動を加えた例を示している。このように、本発
明のシステムは定常的トルク変動や外乱等に起因する状
況の変化に対しても安定的に操作量の非連続性による制
御すべき状態量のハンチングの発生を抑止できる構成と
なっている。
ルクの変動を加えた例を示している。このように、本発
明のシステムは定常的トルク変動や外乱等に起因する状
況の変化に対しても安定的に操作量の非連続性による制
御すべき状態量のハンチングの発生を抑止できる構成と
なっている。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、操作量が飛び飛びの非連続の値しかとり得
ず、そのために必ずしも制御目標に対し状態量を一致さ
せることができずに、制御のハンチングが発生してしま
うような制御系において、目標値自体を実現可能な値に
補正する手段を持つことにより、ハンチングを防止でき
るという効果が得られる。
明によれば、操作量が飛び飛びの非連続の値しかとり得
ず、そのために必ずしも制御目標に対し状態量を一致さ
せることができずに、制御のハンチングが発生してしま
うような制御系において、目標値自体を実現可能な値に
補正する手段を持つことにより、ハンチングを防止でき
るという効果が得られる。
【0061】請求項2に係る発明によれば、そもそもの
目標値である第1の目標値と、補正された目標値である
第2の目標値とを分離して、目標値補正を行うことによ
り、第1の目標値自体が状況により変化した場合にも的
確に対応できるという効果が得られる。請求項3に係る
発明によれば、目標値補正量の制限幅の下限を定めるこ
とにより、ハンチング防止効果をより確実にすることが
できる。
目標値である第1の目標値と、補正された目標値である
第2の目標値とを分離して、目標値補正を行うことによ
り、第1の目標値自体が状況により変化した場合にも的
確に対応できるという効果が得られる。請求項3に係る
発明によれば、目標値補正量の制限幅の下限を定めるこ
とにより、ハンチング防止効果をより確実にすることが
できる。
【0062】請求項4に係る発明によれば、目標値補正
量の制限幅の上限を定めることにより、目標値補正量の
変化速度と、操作量の補正操作速度のいかんにかかわら
ず、少なくとも最終的には、操作系で実現可能な目標値
のうち、補正量が最小範囲の値となる。請求項5に係る
発明によれば、目標値補正速度の設定に基準を設けるこ
とにより、ハンチング防止効果をより確実にすることが
できる。
量の制限幅の上限を定めることにより、目標値補正量の
変化速度と、操作量の補正操作速度のいかんにかかわら
ず、少なくとも最終的には、操作系で実現可能な目標値
のうち、補正量が最小範囲の値となる。請求項5に係る
発明によれば、目標値補正速度の設定に基準を設けるこ
とにより、ハンチング防止効果をより確実にすることが
できる。
【0063】請求項6に係る発明によれば、エンジンの
アイドル回転速度制御を良好に行い得る。請求項7に係
る発明によれば、アイドル回転速度制御において、エン
ストを確実に防止できる。請求項8に係る発明によれ
ば、状態量としてエンジン発生トルクを制御する際に、
良好な制御を行い得る。
アイドル回転速度制御を良好に行い得る。請求項7に係
る発明によれば、アイドル回転速度制御において、エン
ストを確実に防止できる。請求項8に係る発明によれ
ば、状態量としてエンジン発生トルクを制御する際に、
良好な制御を行い得る。
【0064】請求項9に係る発明によれば、状態量とし
て吸入空気量を制御する際に、良好な制御を行い得る。
請求項10に係る発明によれば、状態量として排気還流量
を制御する際に、良好な制御を行い得る。
て吸入空気量を制御する際に、良好な制御を行い得る。
請求項10に係る発明によれば、状態量として排気還流量
を制御する際に、良好な制御を行い得る。
【図1】 本発明の構成図
【図2】 本発明の構成図
【図3】 本発明の一実施例を示すシステム図
【図4】 実施例における構成図
【図5】 実施例におけるフローチャート
【図6】 制限値設定の説明図
【図7】 アイドル回転速度制御のフローチャート
【図8】 点火時期制御のフローチャート
【図9】 ステップモータ制御のフローチャート
【図10】 目標補助空気量と目標ステップ位置との関係
を示す図
を示す図
【図11】 従来制御の問題点を示す図
【図12】 従来制御の問題点を示す図
【図13】 従来制御の問題点を示す図
【図14】 従来制御の問題点を示す図
【図15】 本発明を適用した効果を示す図
【図16】 本発明を適用した効果を示す図
【図17】 本発明を適用した効果を示す図
1 内燃機関
7 吸気通路
10 スロットル弁
11 バイパス通路
12 補助空気弁
12a ステップモータ
13 燃料噴射弁
14 点火栓
15 ECU
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平2−249001(JP,A)
特開 昭57−124048(JP,A)
特開 昭62−96756(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G05B 11/36
F02D 41/16
F02P 5/15
H02P 8/00
Claims (10)
- 【請求項1】制御対象の所定の状態量の検出値が目標値
と一致するように入力の操作を行うフィードバック制御
手段を備えるフィードバック制御装置であって、前記フ
ィードバック制御手段が、操作量として非連続な量子化
した値のみとり得るような入力量操作手段を持つものに
おいて、 入力が非連続的な値しかとり得ないために生じる、前記
所定の状態量の検出値と目標値との偏差を縮小させるよ
うに目標値を補正する目標値補正手段を設けて、この目
標値補正手段により補正された目標値に基づき入力を操
作する構成としたことを特徴とするフィードバック制御
装置。 - 【請求項2】制御対象の所定の状態量に対する予め定め
られた目標値である第1の目標値を与える第1の目標値
設定手段に対し、 前記目標値補正手段は、 制御対象の所定の状態量の検出値と既に設定されている
第2の目標値との偏差に基づいて目標値補正量を算出す
る目標値補正量算出手段と、 第1の目標値を目標値補正量により補正して実際のフィ
ードバック制御に用いる第2の目標値を与える第2の目
標値設定手段と、 を含んで構成されることを特徴とする請求項1記載のフ
ィードバック制御装置。 - 【請求項3】前記目標値補正手段は、補正量の大きさに
制限を与える補正量制限手段を持ち、この制限された補
正量による目標値の変化幅が、少なくとも前記量子化さ
れた操作量の1単位の変化により生じる状態量の変化幅
よりも大きくなるように制限値を設定することを特徴と
する請求項1又は請求項2記載のフィードバック制御装
置。 - 【請求項4】前記目標値補正手段は、補正量の大きさに
制限を与える補正量制限手段を持ち、この制限された補
正量による目標値の変化幅が、少なくとも前記量子化さ
れた操作量の2単位の変化により生じる状態量の変化幅
よりも小さくなるように制限値を設定することを特徴と
する請求項1又は請求項2記載のフィードバック制御装
置。 - 【請求項5】前記目標値補正手段による目標値の変化速
度は、前記フィードバック制御手段により状態量が変化
する変化速度と比較し、より速い特性を持つことを特徴
とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のフィ
ードバック制御装置。 - 【請求項6】前記制御対象は内燃機関であり、 制御すべき状態量はエンジン回転速度であり、 操作量はステップモータにより制御される吸入空気量と
クランク角位置情報に基づき制御される点火時期との少
なくとも一方であり、 所定の目標エンジン回転速度となるように操作量を制御
することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1
つに記載のフィードバック制御装置。 - 【請求項7】前記目標値補正手段は、補正量の大きさに
制限を与える補正量制限手段を持ち、少なくとも目標値
を増やす方向の補正量の制限幅を減らす方向の補正量の
制限幅よりも大きくすることを特徴とする請求項6記載
のフィードバック制御装置。 - 【請求項8】前記制御対象は内燃機関であり、 制御すべき状態量はエンジン発生トルクであり、 操作量はステップモータにより制御される吸入空気量と
クランク角位置情報に基づき制御される点火時期との少
なくとも一方であり、 所定の目標エンジン発生トルクとなるように操作量を制
御することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか
1つに記載のフィードバック制御装置。 - 【請求項9】前記制御対象は内燃機関であり、 制御すべき状態量は吸入空気量であり、 操作量はステップモータにより制御される吸気遮断弁位
置であり、 所定の目標吸入空気量となるように操作量を制御するこ
とを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記
載のフィードバック制御装置。 - 【請求項10】前記制御対象は内燃機関であり、 制御すべき状態量は排気還流量であり、 操作量はステップモータにより制御される排気還流路遮
断弁位置であり、 所定の目標排気還流量となるように操作量を制御するこ
とを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記
載のフィードバック制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27247095A JP3399189B2 (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | フィードバック制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27247095A JP3399189B2 (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | フィードバック制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09114501A JPH09114501A (ja) | 1997-05-02 |
JP3399189B2 true JP3399189B2 (ja) | 2003-04-21 |
Family
ID=17514376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27247095A Expired - Fee Related JP3399189B2 (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | フィードバック制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3399189B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999053182A1 (fr) * | 1998-04-14 | 1999-10-21 | Hitachi, Ltd. | Procede et dispositif de commande de la soupape d'etranglement d'un moteur |
JP4906566B2 (ja) * | 2007-04-09 | 2012-03-28 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 制御対象物手動操作制御システム |
-
1995
- 1995-10-20 JP JP27247095A patent/JP3399189B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09114501A (ja) | 1997-05-02 |
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