JP3223297B2 - メカニカルガバナ付き電子燃料噴射エンジン - Google Patents

メカニカルガバナ付き電子燃料噴射エンジン

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JP3223297B2
JP3223297B2 JP25814397A JP25814397A JP3223297B2 JP 3223297 B2 JP3223297 B2 JP 3223297B2 JP 25814397 A JP25814397 A JP 25814397A JP 25814397 A JP25814397 A JP 25814397A JP 3223297 B2 JP3223297 B2 JP 3223297B2
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子燃料噴射エンジ
ンに関し、さらに詳しくは作業機に搭載されるエンジン
に好適な電子燃料噴射エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、気化器とメカニカルガバナを
使用した作業機用エンジンが各種提案されている。この
種の作業機用エンジンでは、負荷変動に対する速度変動
率[(無負荷最高回転数−全負荷最高回転数)÷全負荷
最高回転数]が小さいこと、つまりガバナ差(無負荷最
高回転数−全負荷最高回転数)を小さくすることが求め
られている。特にエンジン発電機では、回転数の安定が
強く望まれており、ガバナ差を小さくするメカニカルガ
バナの機械的な工夫が数多く提案されている。
【0003】また、エンジンが過負荷運転域に移行する
とエンジンの回転数が低下することから、過負荷運転時
に燃料が増量されるようにトルクアップ装置を備えたメ
カニカルガバナも提案されている。さらに、気化器を用
いた作業機用エンジンにおいて、電子ガバナを搭載した
ものもよく知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記気
化器を使用したメカニカルガバナ付きエンジン、気化器
を使用した電子ガバナ付きエンジンでは、以下に示すよ
うな課題がある。 (1)まず、気化器を使用したメカニカルガバナ付きエ
ンジンでは、上記ガバナ差の低減やトルクアップ機能の
実現に対して、ガバナの機械的構成を変えること、例え
ば、トルクアップ用のスプリングを設けることで対処し
ているので、その補正が大まかなものにならざるを得な
い問題がある。また、エンジンに要求される運転形態は
エンジンの用途に応じて異なるので、その用途に応じて
その都度メカニカルガバナの構成を設計しなければなら
ない問題がある。さらに、ガバナ差の低減とトルクアッ
プ機能を同時に実現しようとすると、ガバナ差を低減す
る機械的構成とトルクアップ用の機械的構成とをそれぞ
れメカニカルガバナに付加することが必要であり、実現
しようとする機能が多くなればなるほど、メカニカルガ
バナの構成が複雑になる問題がある。
【0005】(2)気化器を使用した電子ガバナ付きエ
ンジンでは、調速機能は電子ガバナが行うので、ガバナ
差の低減などは行いやすい。しかし、電子ガバナといえ
ども燃焼室に吸入される空気量をスロットル弁の開度制
御により行うにすぎず、実際の空燃比は、ベンチュリの
負圧によって吸入燃料量が決定される気化器の本質的な
特性に左右されてしまう問題がある。このため、空気量
の変動に対して自動的に空燃比を一定にするように働く
気化器の特性から大きく外れて空燃比を変えることは難
しい。また、最近の気化器の構成は、アイドリング時、
部分負荷運転、全負荷運転、始動時に応じて最適な空燃
比を達成できるように複雑な構成になっており、さらに
その複雑な構成の上に、作業用エンジン特有の用途、運
転状態を考慮して満足する特性を実現できるような気化
器の構成を設計することは容易なことではない。
【0006】(3)上記(1)(2)の課題に対して、
近年、ガソリン自動車に一部採用されているような電子
燃料噴射装置を使用して全てを電子制御で行うことも考
えられる。しかし、作業機用エンジンには自動車用エン
ジンにはない急激な負荷変動があるので、全てを電子制
御で行う構成では、急激な負荷変動に対して俊敏なレス
ポンスを得ることのできる処理の速い制御装置を採用し
なければならず、エンジンを安価に提供することが難し
くなる。さらに、作業機用エンジンの場合、運転環境、
運転条件が非常に苛酷であることも考慮しなければなら
ない。例えば、エンジン周囲の温度が高温になったり、
氷点下になったり、泥や雨水がかかったり、全負荷状態
の運転が長期間(ときには2〜3日)連続することは作
業機用エンジンにおいてはよくあることである。このよ
うな苛酷な運転環境、運転条件に対して全てを電子制御
で行うようにすると、エンジンの安定性のために十分な
対策を行う必要があり、製造コストが上昇する。
【0007】
【発明の目的】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は、上記課題を解決できる、電子
燃料噴射エンジンを提供することにある。具体的な目的
の一例を示すと、以下の通りである。 (a)農業機械、建設機械などの各種作業機のそれぞれの
用途に応じて、最適な制御のできる電子燃料噴射エンジ
ンを安価に提供する。 (b)作業機エンジンの苛酷な環境条件、運転条件におい
ても安定して制御でき、急激な負荷変動に対して対応で
きる電子燃料噴射エンジンを提供する。なお、上記に記
載した以外の発明の課題及びその解決手段は、後述する
課題を解決するための手段、作用及び発明の実施の形態
の欄において詳しく説明する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明を、例えば、本発
明の実施の形態を示す図1から図7に基づいて説明する
と、次のように構成したものである。第1発明は、図1
〜図3に示すように燃焼室1に臨んで設けられた燃料点
火手段2と、吸気管3内に設けられた燃料噴射装置4
と、燃焼室1への空気量の流入量を制御するスロットル
弁5と、スロットル弁5の開度を制御するメカニカルガ
バナ6と、メカニカルガバナ6の働きによって定まる実
質的な吸気管3の空気吸入量に関係するデータとエンジ
ンの回転数nに基づいて定常状態の燃料噴射量、噴射時
期を設定する噴射設定手段32と、エンジンの運転状態
を検出する運転状態検出手段25と、その運転状態検出
手段25の検出結果に基づいて、前記噴射量設定手段3
2が設定した噴射量を補正して前記運転状態に対応した
空燃比の値を決定する空燃比制御手段33とを有し、前
記メカニカルガバナ6がガバナ力発生装置18で発生し
たガバナフォースGFにより前記スロットル弁5を閉弁
方向に操作するリンク機構19を備え、前記運転状態検
出手段25が前記リンク機構19の所定箇所の動きを検
出することによりスロッル弁5の開度を検出する弁開度
センサ8を備えていることを特徴とする。第2発明は、
前記リンク機構19が、エンジンの壁に貫通され回動自
在に支持されたガバナレバー軸13を有しており、ガバ
ナ力発生装置18で発生したガバナフォースGFをガバ
ナレバー軸13の回動動作に変えることによりスロット
ル弁5を閉弁方向に操作するように構成してあり、前記
弁開度センサ8がガバナレバー軸13の回動を検出する
ガバナレバー軸回転検出センサ31で構成されているこ
とを特徴とする。
【0009】次に、上記第1発明〜第2発明の各構成要
素について説明する。上記第1発明〜第2発明は、各気
筒ごとに燃料噴射装置を設けるマルチポイントインジェ
クション方式と単一の燃料噴射装置を設けるシングルポ
イントインジェクション方式に適用が可能である。マル
チポイントインジェクション方式においては、燃料噴射
装置4はスロットル弁5よりも燃焼室1側に設けること
が好ましく、シングルポイントインジェクション方式で
は燃料噴射装置4はスロットル弁5よりも上流側に設け
るのが好ましい。
【0010】吸気管3の空気吸入量に関係するデータと
して弁開度センサ8で検出する角度等の他に吸気管負圧
などが例示できる。運転状態検出手段25が行う運転状
態の検出の仕方には、例えば、ある運転状態に入ったこ
とを検出する場合や、ある運転状態から他の運転状態に
変動したことをその変動量を検出することにより行う場
合がある。運転状態検出手段25で検出される運転状態
には、スロットル角度、負荷状態、回転数、外部温度、
オペレータによる設定速度の変更操作などが例示でき
る。前記空燃比制御手段33は、作業機用エンジンの出
荷段階で各作業機の運転形態に対応させてその制御を行
うプログラムをROMのような記憶手段に記憶させ、中
央処理装置(CPU)で制御動作させる構成が好まし
い。前記メカニカルガバナ6の構成は特に限定されな
い。メカニカルガバナ6の一例としては、エンジン回転
によるフライウェイトの遠心力とガバナスプリングとの
不釣り合いでスロットル弁の開度を調節するものがあ
る。なお、前記リンク機構19の所定箇所としては、な
るべくガバナ力発生装置18に近い箇所を選定すること
が動作遅れを小さくする上で好ましい。
【0011】
【作用】第1発明によれば、メカニカルガバナ6がスロ
ットル弁5の開度を制御すると吸気管3から燃焼室1内
に吸入される空気量が調整される。噴射設定手段32
は、メカニカルガバナ6の働きによって定まる実質的な
吸気管3の空気吸入量に関係するデータとエンジンの回
転数nに基づいて定常状態の燃料噴射量、噴射時期を設
定する。また、一方、運転状態検出手段25は、常時エ
ンジンの運転状態を検出しており、空燃比制御手段33
が運転状態検出手段25の検出結果に基づいて、噴射量
設定手段32が設定した噴射量を増減補正して前記運転
状態に対応した空燃比の値を決定して、燃料噴射装置4
から噴射する。このように定常状態の燃料噴射量、噴射
時期を設定する段階と、必要に応じてその設定した噴射
量を増減補正して前記運転状態に対応した空燃比の値を
設定する段階とを有しているので、通常の運転はほぼメ
カニカルガバナと同様の安定した運転状態を維持できる
とともに、ある所定の運転状態になったときは作業機の
用途、機能に応じて所望の空燃比で運転させることがで
きる。したがって、作業機の用途、特性に応じて最適な
運転制御を行うことが可能になる。
【0012】また、スロットル弁5の開度を調整するメ
カニカルガバナ6により、機械的に空気量を制御するよ
うに構成してあるので、電子制御によりスロットル弁5
の開度をアクチュエータなどで制御する構成に比べて演
算時間が必要でなく、応答性が極めて速い。さらに、メ
カニカルガバナ6を採用することにより、スロットル弁
5の開度を制御する演算処理、スロットル弁5を動作さ
せるアクチュエータなどの構成要素が不要になる。スロ
ットル弁5の開度を制御する演算処理が不要になるた
め、CPUなどの演算手段は噴射量を計算、補正する処
理に集中することができる。また、アクチュエータなど
の構成要素が不要になるので、高温時、氷点下などの低
温時にアクチュエータの動作系、制御系が動作不良にな
る恐れも低減することができ、環境安定性を向上させる
ことができる。このように、メカニカルガバナ6を使用
することにより、応答性と安定性を高く維持することが
できる。
【0013】さらに、この発明であれば、運転状態検出
手段25が前記リンク機構19の所定箇所の動きを検出
することによりスロッル弁5の開度を検出する弁開度セ
ンサ8を備えているので、スロットル弁5が設けられた
位置でスロットル弁5の開度を検出するよりも速くメカ
ニカルガバナ6の動きを検出することができるととも
に、リンク機構19を介在させることによる動作遅れを
小さくすることができる。また、通常、リンク機構19
はエンジン本体に付設されるので、弁開度センサ8の振
動も少ない利点がある。
【0014】第2発明であれば、前記弁開度センサ8が
ガバナレバー軸13の回動を検出するガバナレバー軸回
転検出センサ31で構成されているので、他のリンク部
材の動きを検出するよりも簡単で精度良く検出すること
ができる。
【0015】
【発明の効果】以上、説明したように、第1発明であれ
ば、以下の(イ)〜(ハ)の効果を有する。 (イ)メカニカルガバナの存在によりスロットル弁をレ
スポンスを良く制御することができるとともに、エンジ
ン運転条件、周囲環境によらず、精度良く安定して制御
できる。 (ロ)メカニカルガバナの上記安定性、レスポンスの良
さを保持しつつ、運転状態の検出結果に対応してメカニ
カルガバナの実質的な特性を自由に変えることができ
る。 (ハ)メカニカルガバナの動きを速く検出することがで
きるとともに、リンク機構を介在させることによる動作
遅れ等を小さくすることができ、さらに振動も少なくで
きる。第2発明であれば、他のリンク部材の動きを検出
するよりも簡単で精度良く検出することができるという
効果を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1は本発明の汎用電子燃料噴射エ
ンジンの第1実施形態を示す概略構成図である。この汎
用電子燃料噴射エンジンEは、エンジンの燃焼室1に臨
んで設けられた燃料点火プラグ2と、吸気管3内に設け
られた燃料噴射装置4と、燃焼室1への空気量の流入量
を制御するスロットル弁5と、スロットル弁5の開度を
制御するメカニカルガバナ6と、吸気管3内の圧力pを
検出する圧力センサ7と、スロットル弁5の開度θを実
質的に検出する弁開度センサ8と、エンジンの回転数n
を検出する回転数センサ9と、必要に応じて設けられる
トルクセンサ35とを備えている。トルクセンサ35
は、エンジンのミッション軸、作業機械用駆動軸(PT
O軸)に取り付けられる。なお、前記回転数センサ9、
圧力センサ7、弁開度センサ8、トルクセンサ35はエ
ンジンの状態検出センサ34を構成する。
【0017】また、汎用電子燃料噴射エンジンEには、
全般的な制御を行う制御部10が設けられ、その制御部
10にはエンジンの回転数nが入力され、圧力センサ7
の検出圧力pと弁開度センサ8からの弁開度θの少なく
とも一つのデータが入力されるようにしてある。制御部
10の出力は燃料噴射装置4の噴射制御を行う噴射ユニ
ット部11に出力され、制御部10の演算に基づいて所
定の噴射量を噴射するように構成してある。なお、噴射
ユニット部11は燃料噴射装置4のユニットとして構成
されている場合が多いが、制御部10に一部その機能を
持たせることも可能である。
【0018】また、図1に示す構成では、圧力センサ7
は吸気管3のサージタンク室12内に設けられている
が、各エンジンの構成に対応させて吸気管3の各所定位
置に設けられる。また、マルチポイントインジェクショ
ン方式の場合はサージタンク室12を介して各気筒へ各
吸気管を連通し、それら吸気管毎に各燃料噴射装置4を
備えるように構成するのが一般的である。さらに必要に
応じて吸気温度を検出する温度センサをサージタンク室
12に設け、その検出温度を制御部10に入力して各種
補正を行うようにしてもよい。
【0019】メカニカルガバナ6は、図1に示すように
ガバナレバー軸13に揺動自在に支持されたガバナレバ
ー14と、オペレータがエンジンの回転速度を設定する
調速レバー15と、ガバナスプリング16を含んで構成
してある。ガバナレバー14の一端にスロットル弁5に
連動する操作棒17を連結し、ガバナレバー14の他端
にガバナスプリング16を連結し、そのガバナスプリン
グ16を調速レバー15に連動連結してある。そして、
ガバナレバー14にガバナフォース(GF)をかけるこ
とによりスロットル弁5を閉まる方向に駆動させ、ガバ
ナスプリング16の張力によりスロットル弁5を開く方
向に駆動させるようにしてある。つまり、ガバナフォー
ス(GF)とガバナスプリング16の張力との不釣り合
いでスロットル弁5の開度を制御するように構成してあ
る。図2、図3はメカニカルガバナの具体的構成を示す
図であり、図2(A)はエンジンのギアケースの正面要
部縦断面図、図2(B)はガバナレバーの平面図、図2
(C)は弁開度センサの取付ブラケットを示す側面図、
図3はガバナ力発生装置の側面要部縦断面図である。
【0020】図2(A)、図3に示すようにメカニカル
ガバナ6のガバナ力発生装置18はエンジンのギアケー
ス20内に設けられ、ギアケース20内の調時伝達歯車
21によりガバナ歯車22が回転されるようになってい
る。ガバナ歯車22内には回転による遠心力で突出量が
変わるボール23(フライウエイトとして機能する)が
設けてあり、その突出量の変化によりガバナスリーブ2
4が支持軸の前後方向に移動する。ガバナスリーブ24
には一対のスリーブ当接ローラ40によって揺動レバー
26が枢支されており、その揺動レバー26は基端部2
7により揺動自在に支持してある。一方、ガバナレバー
軸13はギアケース20の上蓋28に縦方向に貫通させ
てあり、ガバナレバー軸上部にガバナレバー14が固定
してあり、ガバナレバー軸下部に揺動レバー26の先端
と連結する接続部材29が固定してある。
【0021】ガバナレバー軸13はガバナレバー14を
貫通して支持ブラケット30に固定されたガバナレバー
軸回転検出センサ31の検出軸39と連結してある。ガ
バナスプリング16の張力はガバナレバー14を介して
図2(B)の平面図において時計回りにガバナレバー軸
13を回転させるように力が働き、その力はガバナレバ
ー軸13、接続部材29、揺動レバー26に伝達され、
図3(A)においてガバナスリーブ24を右側へ移動さ
せるように働く。これに対してガバナフォースGFは図
3において矢印方向41(左側方向)に働くので両者の
不釣り合いにより、ガバナレバー軸13が回動操作さ
れ、結果的にガバナレバー14が回動してスロットル弁
5の開度を調整することになる。
【0022】ここで、スロットル弁5の取付位置におい
てスロットル弁5の開度を検出せず、弁開度センサ8と
してのガバナレバー軸回転検出センサ31によりガバナ
レバー軸13の回転角度を検出するようにしたので、ガ
バナレバー14や連結棒17などの動作遅れの影響をな
くすことができる。また、エンジンのシリンダブロック
に弁開度センサ8を固定することができるので、吸気管
の近くに取り付けるよりもセンサの振動を押さえること
ができる。さらにガバナレバー軸13の回転角度で検出
する構成となっているので、ガバナスリーブ24の移動
量、揺動レバー26の揺動角度などで検出するよりも安
価に検出精度を高めることができる。
【0023】図1において示すように制御部10は、定
常状態の噴射を設定する噴射設定部32と、エンジンの
運転状態を検出する運転状態検出部25と、空燃比制御
部33とを有している。噴射設定部32の行う処理は、
メカニカルガバナ6の働きにより決定される空気流量を
予測する過程と、予測された空気流量とエンジン回転数
nに基づいて定常運転時の空燃比を達成するために噴射
量と噴射頻度を算出する過程とを少なくとも含んでい
る。
【0024】また、噴射設定部32の燃料噴射量、噴射
頻度の設定方式としては、吸気管負圧pとエンジン回転
数nによりエンジンの1回転当たりの吸気量を算出して
燃料噴射量を決定するマニホルドプレッシャー式(以
下、MAPと称する)や、吸気管3のスロットル弁5の
開度θとエンジンの回転数nによりエンジンの1回転当
たりの吸気量を算出して、燃料噴射量を決定するスロッ
トル角度式(以下、TAPと称する)が採用される。ま
た、上記MAPやTAPで得られた噴射量を運転状態検
出部25で検出された運転状態に応じて所定の規則によ
って重み付けを行って実際に噴射する燃料の量を決定す
るようにしてもよい。
【0025】運転状態検出部25は、エンジンの運転状
態をスロットル弁の開度θ、回転数n、トルクセンサ3
5などの状態検出センサ34により検出する。その他の
運転状態の検出方法としては、開度θの変化率dθ/d
t、回転数の変化率dn/dt等が例示できる。ここで
回転数の変化率(dn/dt)を検出するのは、エンジ
ンが回転している場合に負荷が大きくなったり、小さく
なった場合にはエンジン回転数がそれぞれ低くなった
り、高くなったりするからである。また、スロットル弁
の開度の変化率(dθ/dt)を検出するのは、オペレ
ータが図1に示すメカニカルガバナ6の調速レバー15
の速度設定位置を変化させた場合に、その変化をいち早
く検出するためのものである。また、エンジンにかかる
負荷の変動の場合であっても、弁開度センサ8の開度θ
の変化率をみることにより、負荷の変動をいち早く検出
することができる。一般的に言えば、過度時の変化は
(dθ/dt)の方が(dn/dt)よりレスポンスが
良い。とくに本実施形態のようにガバナレバー軸に弁開
度センサを取り付けた構成ではレスポンス性の向上が顕
著である。
【0026】空燃比制御部33は、特別の補正が必要に
なる非定常状態を運転状態検出部25の出力に基づいて
判別して、その運転状態に対応して空燃比の値を決定す
るものである。図4はコンクリートカッターに適用され
るエンジンにおいて、制御部が行う処理の一例を示すフ
ローチャート、図5(A)(B)はそれぞれ縦軸に馬
力、横軸に回転数を取った図である。以下、図1〜図5
を参照してその動作を説明する。
【0027】図4のステップSP1において、メカニカ
ルガバナ6の働きによって決定される空気量に基づいて
燃料噴射量、噴射頻度を噴射設定部32が設定する。こ
の設定により、図5(A)に示すような所定のガバナ特
性を実現するガバナ曲線36が設定され、定常状態にお
いてはエンジンはこのガバナ曲線36上を運転する。次
いで、ステップSP2においてスロットル開度θが10
0%であり、かつ回転数nが低下しつつあるか否かを開
度θ及びdn/dtに基づいて判別し、その条件に該当
しないと判別された場合はステップSP1の定常運転を
続行する。一方、ステップSP2においてスロットル開
度が100%であり、かつ回転数nが低下しつつあると
判別された場合は、ステップSP3において噴射量を増
量させて図5(B)に示すように通常の回転数n1より
も大きい高負荷時の回転数n2にする。図5(B)に示
すように噴射量を増加させることにより、開度θが10
0%になる高負荷時で回転数が低下しようとするとき
に、普通のガバナ曲線36を燃料増量時のガバナ曲線3
7へと特性を変えることができる。この特性を変えるこ
とのできる範囲は、空燃比の可燃範囲内ならば自由に設
定できる。
【0028】このように設定すれば、コンクリートカッ
ターなどのように負荷が高くなるにつれて回転数を増加
させたい作業機において、簡単に回転数を増加させるこ
とができる。したがって、定常状態の運転はメカニカル
ガバナ6の作用により安定して運転できる利点を享受し
つつ、単純なメカニカルガバナ6では対応できない状態
のときには作業機の作業特性に応じた運転を行うことが
できる。なお、図5(B)のガバナ曲線38は燃料を減
量したときのガバナ曲線であり、燃料を増量させたり、
燃料を減量させたりすることにより、ガバナ特性を自在
に変えることができることを示すためのものである。
【0029】図6はエンジン発電機に適用されるエンジ
ンにおいて、制御部が行う処理の一例を示すフローチャ
ートである。図6に示すステップSP11においてメカ
ニカルガバナ6の働きによって決定される空気量に基づ
いて燃料噴射量、噴射頻度を噴射設定部32が設定す
る。この設定により、図5(A)に示すような所定のガ
バナ特性を実現するガバナ曲線36が設定されることは
前記と同様である。次いで、ステップSP12において
エンジン負荷が実用上問題となるほど変化したか否かを
例えば、dn/dt、dθ/dt(あるいはトルクセン
サ35)などにより判別し、エンジン負荷が問題となる
ほど変化したと判別された場合は、ステップSP13に
おいて負荷が増加したか、減少したか等の負荷状態を把
握し、ステップSP14において、その負荷の変化の大
きさ、方向などに応じて予め設定されたテーブルなどに
より、燃料噴射量を増減させてエンジン回転数の変化を
極めて小さい範囲内に収める。なお、ステップSP12
においてエンジン負荷が問題となるほど変化していない
ときは、メカニカルガバナ6及び噴射設定部32により
定まる定常状態の運転を続行する。
【0030】なお、上記ステップSP12における判別
処理は、1つのしきい値に基づいて設定する場合に限ら
ず、負荷の変化の態様に応じて複数の判別の分岐を備え
るようにしてもよい。この実施形態によれば、エンジン
負荷の変動からエンジンの回転数が増減することを予測
して前以て、その変動を打ち消すように燃料を増減する
ことが可能になるので、極めて安定した回転数制御を行
うことができる。
【0031】図7は本実施形態にかかる空燃比の補正処
理を示す模式的なタイムチャートである。なお、この図
7は4気筒ガソリンエンジンにおいて、全気筒同時噴射
方式を採用した場合を想定している。まず、図7(A)
においてイグニッションコイルからの点火信号を受け
る。この点火信号の数はエンジン回転数と直結するので
そのときのエンジン回転数を図7(B)のように求め
る。次で、MAP、TAPの少なくとも一方の算出処理
により、噴射設定部32により噴射時期、噴射時間t
(図7(C))が算出される。また、非定常の運転状
態、例えば、図6において説明したように負荷が大きく
なった場合などは、その運転状態に対応して、補正する
ための噴射時間s(図7(D))が算出される。そし
て、噴射時間tに噴射時間sを加算したものを補正した
噴射時間として空燃比制御部33が出力する。なお、噴
射燃料を減量する場合は噴射時間tから噴射時間sを減
算することは言うまでもない。
【0032】この発明は、上記実施形態に限定されるも
のではなく、この発明の要旨を変更しない範囲内におい
て種々の設計変更を施すことが可能である。以下、その
ような実施形態を説明する。 (1)前記実施形態に示す運転状態検出センサ34とし
て回転数センサ9、弁開度センサ8だけを採用した構成
でも本発明は構成可能である。この場合はTAPによる
制御が行われることになる。 (2)この発明において空燃比制御部33が補正する噴
射量が最終的に決定される噴射量になるとは必ずしも限
らない。例えば、補正された噴射量を、排気ガス内の酸
素濃度を検出するO2センサなどの各種測定により再
度、微調整する補正手段を新たに設け、その微調整後の
噴射量を最終的な噴射量としてもよい。 (3)前記実施形態では作業機をコンクリートカッタ
ー、発電機を例にとり、説明したが、建設機械、農業機
械などその用途、機能に応じて適宜、空燃比制御部33
の制御プログラムを変えることができることは明らかで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の汎用電子燃料噴射エンジンの第
1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図2(A)はエンジンのギアケースの正面要部
縦断面図、図2(B)はガバナレバーの平面図、図2
(C)は弁開度センサの取付ブラケットを示す側面図で
ある。
【図3】図3はメカニカルガバナを説明する図であり、
主にガバナガバナ力発生装置の側面要部縦断面図であ
る。
【図4】図4は制御部が行う処理の一例を示したフロー
チャートである。
【図5】図5(A)は定常状態のガバナ特性を示す図、
図3(B)は燃料噴射量を変えることによりガバナ特性
を変える様子を示す図である。
【図6】図6は制御部が行う処理の一例を示したフロー
チャートである。
【図7】図7は上記ガバナ特性を変える処理の概略を示
す模式的なタイムチャートである。
【符号の説明】
1…燃焼室、2…燃料点火プラグ、3…吸気管、4…燃
料噴射装置、5…スロットル弁、6…メカニカルガバ
ナ、18…ガバナ力発生装置、19…リンク機構、25
…運転状態検出部、31…ガバナレバー軸回転検出セン
サ、32…噴射設定部、33…空燃比制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 31/00 310 F02D 31/00 310Z 35/00 364 35/00 364G (56)参考文献 特開 平2−176135(JP,A) 特開 平4−219436(JP,A) 特開 平1−203640(JP,A) 特開 平8−42380(JP,A) 特開 平4−214940(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 1/08 - 45/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室(1)に臨んで設けられた燃料点火
    手段(2)と、吸気管(3)内に設けられた燃料噴射装置
    (4)と、燃焼室(1)への空気量の流入量を制御するスロ
    ットル弁(5)と、スロットル弁(5)の開度を制御するメ
    カニカルガバナ(6)と、メカニカルガバナ(6)の働きに
    よって定まる実質的な吸気管(3)の空気吸入量に関係す
    るデータとエンジンの回転数(n)に基づいて定常状態の
    燃料噴射量、噴射時期を設定する噴射設定手段(32)
    と、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段(2
    5)と、 その運転状態検出手段(25)の検出結果に基づいて、前
    記噴射量設定手段(32)が設定した噴射量を補正して前
    記運転状態に対応した空燃比の値を決定する空燃比制御
    手段(33)とを有し、 前記メカニカルガバナ(6)がガバナ力発生装置(18)で
    発生したガバナフォース(GF)により前記スロットル弁
    (5)を閉弁方向に操作するリンク機構(19)を備え、 前記運転状態検出手段(25)が前記リンク機構(19)の
    所定箇所の動きを検出することによりスロッル弁(5)の
    開度を検出する弁開度センサ(8)を備えていることを特
    徴とする、メカニカルガバナ付き電子燃料噴射エンジ
    ン。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のメカニカルガバナ
    付き電子燃料噴射エンジンにおいて、 前記リンク機構(19)が、エンジンの壁に貫通され回動
    自在に支持されたガバナレバー軸(13)を有しており、
    ガバナ力発生装置(18)で発生したガバナフォース(G
    F)をガバナレバー軸(13)の回動動作に変えることに
    よりスロットル弁(5)を閉弁方向に操作するように構成
    してあり、前記弁開度センサ(8)がガバナレバー軸(1
    3)の回動を検出するガバナレバー軸回転検出センサ(3
    1)で構成されていることを特徴とする、メカニカルガ
    バナ付き電子燃料噴射エンジン。
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